264+264:T-60 (Plant no.264) vol.6

264+264:T-60 (Plant no.264) vol.6_d0360340_20313127.jpg
T-60 第264工場製 その6。これまで並行制作を進めてきた第264工場製とで第37工場製の車両。これからは、どちらも第264工場製として制作を進めることになります。いきなりどうしてそんな話になるのかというと、第264工場製の仕様が抱える厄介な話。MIniartのキット(第264工場製:MA35219)のような特徴を全て兼ね備えた車両の記録写真が見つからないという問題です。
264+264:T-60 (Plant no.264) vol.6_d0360340_20432658.jpg
第264工場製の車両の主な特徴として、1.鋼製転輪、2.ゴムなし460mm鋳造スポーク誘導輪、3.角形工具箱、4.砲塔八角形ハッチ、5.操縦主角形ハッチ。キットのボックスアートのような1~5の特徴が「全部入り」の車両の写真は見つからず、鋼製転輪の車両の砲塔ハッチは一般的な丸型ハッチ、砲塔八角形ハッチを備える車両は転輪が第37工場製車両と同じ鋳造スポークタイプの事例が殆ど。

写真は見つかってないけど想像力を働かせて「全部入り」の車両を作るのか、特定車両の再現とは言わないまでも確認できる写真に即した仕様を再現するのか。悩ましいところですが、バリエーションキットを持っていることを生かして後者で行くことにしました。
264+264:T-60 (Plant no.264) vol.6_d0360340_20575558.jpg
ざっとこんな感じ。第37工場製(MA35224)と第264工場製(MA35219)のパーツを組み合わせて、2台の第264工場製を作ります。写真後方の砲塔八角形ハッチの車両は転輪は第37工場製のキットから鋳造スポーク転輪を流用。誘導輪には460mmディッシュタイプ誘導輪を「T-60初期型」のキット(MA35215)から流用。

このディッシュ型誘導輪は上の事例写真の車両がそのような仕様になってますが、通常のディッシュ型転輪(515mm)を使っているのか、小型の460mmの何なのかは確証がありません。ただ、第37工場製車両の誘導輪のように転輪と同じものを使わず、わざわざ誘導輪にはディッシュ型を使っているのは、「誘導輪」と定められた部品を使いたかったからではないかと想像。それで誘導輪専用の460mmタイプのものを使っているのだと判断しました。

ちょうど「T-60初期型」のキットも持っていたので、そこからパーツをとりました。

264+264:T-60 (Plant no.264) vol.6_d0360340_21095634.jpg
誘導輪を取られてしまった「T-60初期型」はどうするかというと、誘導輪には515mmのディッシュ型転輪を使って、不足する転輪には第37工場製のキットで余る鋳造スポーク転輪をあてがって、ディッシュ型との混ぜ履き仕様で作ることになりそう。

もっともこの混ぜ履きタイプの仕様は、博物館に現存する車両ではよく見かけるのですが、当時の記録写真では意外に少ないようにも思えます。実際、どの程度に「普及」していた仕様なのかは要精査。

264+264:T-60 (Plant no.264) vol.6_d0360340_21193400.jpg
キットの制作を進めます。とりあえず鋼製転輪/砲塔丸型ハッチのタイプから。車体上面装甲板を接着して側面装甲板との溶接線を再現してやります。伸ばしランナーを貼って流し込み接着剤を塗り込んで柔らかくしてカッターの先で溶接パターンを表現。トランスミッションの点検ハッチは固定用のボルト穴を0.3mmドリルで再現。ボルト数は工場での写真から4-2-4の配列を選択。

砲塔リングの横の開閉式エアインテークはキットでも開けられるになってます。取っ手は0.3mmの真鍮線で置き換え。組み立て説明図では砲塔リング側に向けた位置で固定するようになってましたが、逆の外向きにしました。

264+264:T-60 (Plant no.264) vol.6_d0360340_22224339.jpg
その理由はこれ。蓋を跳ね上げた時、取っ手が下向きに倒れるのが自然なので、それに対応した向きに。

264+264:T-60 (Plant no.264) vol.6_d0360340_22250193.jpg車体上面後方の排気管は、斜め後方(8時方向)吹出しが他の工場などでは標準と思われますが、第264工場製と思われる車両では真後ろ(6時方向)に排気している事例が複数見つかります。

この部分がはっきりわかる写真も少ないのですが、他工場で標準的だった斜め後方排気の事例も確認できないので、第264工場では後方排気のパターンが一般的だったのではと推測しています。キットは斜め後方吹き出しになっていましたが、真後ろに排気方向を変えて、この特徴を再現してみました。

現存車両を見ると、排気口が倒れないように裏面に支持金物があり、第264工場製の後方排気の場合も同様と推測してますが、状態の良い第264工場製車体が現存しないので、これについては確証はなし。

Commented by はい人28号 at 2018-02-21 19:59 x
お体の調子はいかがですか。私は一足先にT60完成させました。惜しむらくはエンジン点検用ハッチのハンドルの向きを
キットの説明図のままにしてしまった事。さすがにそこまでは気がまわりませんでした。
Commented by hn-nh3 at 2018-02-22 06:01
すっかり周回遅れになってしまった感はありますが、ゆるゆると再開しています。体調はもう問題ないのですが、制作のペースを戻すのに時間がかかってます。

入院前にバタバタと組んでいた部品のチェック、修正をしていて、点検ハッチのフックの向きに気がつきました。冒頭の写真は(入院前に仮組した時の写真なので)修正前ですね。フックを付け直そうと一度接着したフックを削いだら部品を破損してしまったので真鍮線で作り直しました。可動にしようかとも思いましたが、さすがにそこまでは気力がまだ戻ってきてなかったので諦めましたが(笑)

ミッション点検ハッチの車体側のボルト孔も、はい人28号さんに倣って開けてみました。ハッチのボルトの個数をどのタイプにするか迷っていた時に、ひょっとしてハッチの固定方法は、ボルトを車体側の点検口の縁に引っ掛けるような方法ではなかったかと思い、レストア車両などハッチを開けた状態の写真を見て回り見て回りました。

縁に引っ掛ける方法ならハッチのボルト配置にバリエーションがたくさんあるのも理解できる...と考えたのですが、正解は点検口周囲にボルト孔を開けて固定する方法でした。だとするとなぜボルト本数がバージョンによっていろいろと変化するのか..謎。
by hn-nh3 | 2018-02-20 22:59 | T-60軽戦車 | Comments(2)