断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

始まりのボイテ

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ボイテ:Beute Panzer。鹵獲戦車とでも訳すのか。狭義には第二次対戦中に戦車不足に悩むドイツが敵(アメリカ・イギリス・フランス・ソ連・降伏後のイタリアなどなど) からゲットした戦闘車両を自軍の編成に組み込んで仕様したもの。味方から撃たれないようにデカデカと鉄十字をペイントしたB級映画的ビジュアルとかドイツ戦車的にカスタマイズしてたりとか、模型アイテムとしては魅力的な存在です。

昔、模型少年だった頃、戦闘車両の形式が識別できるようにタミヤのカタログを擦り切れるまで眺めたものです。しかし当時TVで見た戦争映画にはタイガー戦車なんて登場せず、米軍のハーフトラックがドイツ装甲車のフリして走り回っていて、がっかりした記憶があります。
低予算ゆえの映画的な見立てだったんでしょうが、ひょっとするとひょっとすると...
劣勢のドイツ軍2戦級部隊が敵から分捕ったハーフトラックで反撃にでた!  という、実はボイテ車両が登場するシーン設定だった...としたら、そう考えるとちょっとワクワクします。ドイツ兵にもピカピカのブーツを履かせないで編上靴とレギンス、鹵獲品の米軍ポンチョを着せて、お決まりのMP40ではなく、これまた分捕ったM1カービンとか持たせて....そんなコアな設定、 なんて、ある訳ないか。敵も味方も分からなくなってしまうし。

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話は戻る。MiniArtのドイツ戦車兵が冬季防寒服を着てるフィギュアを買おうと思ったら品切れで、このキットなら同梱されているのが偶然目に止まったのが、ことの始まり。ソ連軽戦車T-70のドイツ軍鹵獲バージョン。Pz.Kpfw.T-70 743(r)なんていう型式までついます。
T34を思わせるシルエット、多面体の少しギクシャクした砲塔に流線型の防盾がついてるアンバランスさがB級SFにでてきそうな感じでなかなかツボ。専らドイツ戦車ばっかり作ってたけど、このボイテ仕様の製作がロシア戦車にはまるきっかけになった、2年前のこと。

キットはMiniArtの比較的初期のものであるせいか、なかなかファジーです。油断すると転輪はまっすぐ揃わないしトーションバーサスペンションのアームは折れるし、エンジングリルのメッシュは昨今のエッチングではなくチープなモールドだし。でも基本設計はちゃんとしてるから手を入れる素材としては魅力的なアイテム。

当初はエンジングリルにメッシュを貼って後はカラーリングに凝って...と簡単に作ってしまおうと考えてたのだけど、ディテールが実車ではどうなってるのかとか調べ始めたら、沼にはまりました。このキット、考証が甘くて、砲塔やドライバーズハッチが本当は非対称になってるのが再現されてなかったようです。ティーガー戦車の馬蹄形の砲塔が実は非対称というのは有名な話ですが、このT-70もその類。

対称か非対称か。言われないと分からないくらい外見に違いはないのだけど、知ってしまったら気がつかなかったとは言えないのがモデラーの宿命。砲塔をゴリゴリ削ったり切った張ったの大仕事。ようやく基本形が出来て細部工作に移る、という段階まできました。

ボイテ仕様がマーキングだけではつまらないので、ドイツ軍の工具箱とノテックライトを増設した仕様にしようと画策中ではあるのだけど、前面装甲板に増設されるノテックライトまでの配線をどう作るかで悩んでます。本来の位置から配線を延長して、途中はクリップを装甲板に止めて固定するか、配線保護用の配管を設置して、端部の器具との結線部分を露出配線で表現しようかどうしようかと。
当時の戦場写真にはそこまでクリアに写ったものは少ないし、どっちもアリだろうけど、どっちがより「らしい」か... そんなこと考えてる間に時間が過ぎて。

今日はここまで、また時々T70の製作記を書いていきます。


by hn-nh3 | 2017-04-18 04:04 | 模型 | Comments(0)