断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

バレンタイン・バレンタイン

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夏の始まる頃に学校のプール掃除で捕まえたヤゴ2匹。..じゃなくて、
タミヤのバレンタイン戦車Mk.Ⅱ/ⅣとAFVクラブのMk.Ⅳそろい踏み。

なんで同じ戦車を2台も作ってるかというと、タミヤの最新作についてのかば◎さんのレビュー(かばぶ:バレンタインの日)に転輪のゴム部分の丸みが表現されていないとの指摘があるのをを読んで、さてどうしたものかと気になってAFVクラブのバレンタイン戦車Mk.Ⅳ(レンドリース/ソ連仕様)も買ってきてしまった次第。
...ずっと買おうかどうしようか迷っていたキットではあったので、背中を押してもらった感じですね。
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黄色がタミヤ、緑がAFVクラブ。ともに中期型の転輪が用意されています。
タミヤのを大小それぞれ2個づつ並べたのはオリジナル(左)と修正試作品(右)

比較のためにも寸法を測ってみました。

転輪大(T:外径17.0・リム径14.8/A:17.3・14.7)

転輪小(T:外径13.5・リム径11.4/A:13.8・11.3)

転輪厚(T:ゴム部3.8・リム部4.0/A:4.1・4.0)

※Tはタミヤ、AはAFVクラブ:計測は100円ショップノギス)


AFVクラブのものは接地面と側面にともにゆるやかな丸みが表現されているのに対して、タミヤのはカチッとした直線です。で、実車はというと。

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wikimedia commons からキャプチャーしたボービントンに現存するMk.Ⅱです。

似てるのはAFVクラブのほうですね。模型としては両社の0.3ミリの差が表現の違い、ということでしょうか。


タミヤの転輪もなんとか実車の雰囲気を出せないかと修正方法を考える訳ですが、薄いプラ板を接地面とゴム側面に貼ってゴリゴリ削って丸みを出すのは、転輪の数を考えるとしんどいので、プラ板は貼らずに接地面から角にかけて丸みをつけて、リムとゴムの継ぎ目にナイフをあてて溝を切り込むように丸みを表現、リムも少し薄く、背を低く削ってみます。

完璧ではないけどこれなら、1個5〜10分くらいで加工できるのでなんとかなりそう。


さてさて、 一挙に我が家にやってきたタミヤとAFVクラブのこの2台... 同じものを作るのもなんなので、タミヤのはカナダ製のバレンタインMk.Ⅶに改造してみたいと思います。

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実車がオタワに残っています。写真集はココ→ Dish models

特徴的なのは、車体前部が鋳造で一体成形のパーツになっていること、砲塔もMk.Ⅱ/Ⅳでは別部品の砲座も一体で鋳造された砲塔。それほど改造はそれほど難しくなさそうです。


戦時中の写真も探してみると.... ありますね。

Mk.Ⅳと思っていた写真の中にもちょこちょこMkⅦの写真が混じってます。

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当時の写真では細部が詳しくわかる写真がなかなかないので、なんとも言えないんですが、オタワの現存車両をつらつらと眺めていたら、いやなことに気がついてしましました。

転輪がタミヤのに入っている中期型のタイプじゃなくて、
どうやら初期型の転輪を履いているようなのです。。

Commented by かば◎ at 2017-04-20 08:14 x
ブログ開設、おめでとうございます。
削り直したタミヤの転輪、なかなかいいですね。
これはドリルレースで転輪を回転させて削ってるんでしょうか?

カナダ製のMk.VI/VIIの転輪は私もちょっと気になっていました。
レンドリースのバレンタインの写真、ひっくり返しても意外に転輪形式まで綺麗に写っているのが少ないのですが、Mk.VIIでも初期型だったということは、少なくともMk.VIだと全車初期型の可能性がありそうですね。

ちなみにイギリス製のもっと後期のバレンタインでも初期型転輪のものがありました。
https://matome.naver.jp/odai/2140309850642036401/2140310014343074203
チェコ国内で大戦末期に撮影されたレンドリース車輌ということのようですが、鋲接車体なのでMk.VIIIですかね?(←まだよくわかっていない)
イギリス本国でこの時期初期型転輪を使っていたとは思えないので、これも、カナダ製の転輪に交換した(=この時期でもカナダ製車輌は初期型転輪だった)可能性を示しているような気が。
Commented by かば◎ at 2017-04-20 08:23 x
追記。ちなみに、カナダ製VI/VIIの砲身は基本、段無しのような気がします(手持ちの写真をざっと見た感じでは)。
Commented by hn-nh3 at 2017-04-20 17:13
かば◎さん、ありがとうございます。
タミヤ転輪の加工は「楊枝レース」です。
爪楊枝のお尻に転輪はめて指先でコロコロ、カッターでカリカリ...
修正形状が定まれば、ジグ作ってドリルレース量産体制という考えもあったのですが、Mk.Ⅵ/Ⅶの転輪初期型問題にぶつかってしまって、それどころでなくなりました。

フェンダー上のMK.1と同じ短いタイプの道具箱が、Mk.Ⅵそして鋳造車体を採用したMK.Ⅶになっても装備している車体は写真で確認できます。同様にカナダの工場では初期型転輪を作り続けていた可能性はありますね。T34のピロシキ砲塔が第112工場で遅くまで生産されていた話を彷彿させます。

チェコで撮影されたMk.Ⅷ(or Ⅸ?:エンジンが違うだけのようですね。Ⅳと同じGMC系ならⅨかしら?)。これも増加装甲タイプで面白い車体です。第一転輪が初期型なのは修理の時に(在庫が豊富な)カナダ製初期型転輪に交換した、と考えるのが自然ですよね。そう考えると、Mk.Ⅳにも中期型と初期型を混ぜ履きしたのがありそうです。

砲身の指摘、助かります。言われなければ私はたぶん作った後に慌てて、テーパー付きの砲身に改造してたと思います。
Mk.Ⅵ/Ⅶ識別の重要なポイントかもしれません。

歴戦の車体でカナダ製テーパー付き砲身に換装したMk.Ⅳなんてものもありそうですが。笑
Commented by かば◎ at 2017-04-20 20:32 x
イギリス製バレンタインでもII/IV初期(タミヤのタイプの防盾の車体)は段付きでなくテーパー砲身のものが多いようです。
それを考えると、カナダ製バレンタインは、独自の改修は盛り込みながらも、部分的にはイギリス製の古い形質の部品を使い続けているところがいくつかある、ということなのだと思います。

ところで、Mk.VIIに改造するとなると、「履帯に1リンク置きにイボを付ける!」という難関もありますよ……(^^;)
(Mk.VIなら無しで済みますが)
Commented by hn-nh3 at 2017-04-21 06:31
>かば◎さん
鋳造で部品の一体化を計るアメリカ的な合理性と部品に残るイギリスの古い形質...中心と周縁、とかいう文化論的な言葉を思い出します。

転輪問題は依然として越えなければいけない壁ですが、履帯のイボは(誘導輪と駆動輪周りの目立つ部分だけ)がんばって再現してみたいとは思ってます。Mk.Ⅶの鋳造のヌルッとした感じがロシア的でもあり、フランス的な香りもするし。
Commented by かば◎ at 2017-04-21 14:28 x
あああ。ごめんなさい。上のコメント、間違えました。「スパイク付き履帯」はMk.VIIの特徴ではなくて、Mk.VIIAの特徴でした。というわけで、VIIを作るのであれば履帯の改造は不要です。

しかしオタワのVIIAが初期型転輪ということは、カナダ製車輌は最後まで初期型転輪だった可能性もあるってことですかね。

砲塔前後、車体前部上面がボルト止めなのは、カナダ製車輌の最初の100輌までだそうです。きちんと順番で作っているとすると、Mk.VIはすべてボルト接合、Mk.VIIは初期の数十輌を除き鋳造、ということになりますね。

生産途中での仕様変更を別にして、Mk.VIとVIIの厳密な違いは搭載する無線機の形式だそうです。

また、砲塔同軸機銃がベサなのは16輌目までで(つまりMkVIの約半分?)、その後はブローニングになります。

以上はOSPREYの「VALENTINE INFANTRY TANK 1938-45」から。
Commented by hn-nh3 at 2017-04-22 08:34
なるほど。Mk.ⅥとⅦは砲塔ハッチを開けて無線機を覗き込まない限り区別はできないということですね。
そういったことがわかってくると、ぼんやりとした写真の中にもいろいろな情報が見えてきます。

次の記事で書いたのですが、増加装甲付きのちょっと変わったタイプ:車体前面がボルト構造、砲塔が鋳造一体型、Mk.ⅥとⅦの中間型のような車両は、最初の100ロットに見られる過渡的な特徴だったのかもしれません。

http://www.canadaatwar.ca/content-17/wwii-canadian-war-industry/
工場出荷前の写真、たぶん初期の50ロットだと思いますが、一番出前の車両が、どうやらボルト車体に一体鋳造砲塔を載せているタイプ。
並んでいる50両をよく見ると、真ん中あたりに砲塔前後がボルト接合のタイプだったり、奥のほうにはMiniArtがMk.6初期型としてキットでも再現している、砲塔左側の小ハッチなしメッシュのマフラーガードタイプの車両も見えます。

Commented by かば◎ at 2017-04-22 17:11 x
この工場で並んでいる写真は私もダウンロードしてあったのですが、そこまで細かくは見ていませんでした。

ソ連での写真で車体がリベット、砲塔が一体鋳造となると修理の結果の可能性もなくはないわけですが、工場での写真で確認できるとなると、過渡的仕様でこういうものがあった可能性が非常に高いですね。

ちなみに砲塔横のDハッチも、OSPREYによると100輌目が境ということになっていますが、これも若干の前後があるのが判りますね。
Commented by TFマンリーコ at 2017-04-29 19:38 x
そうそう、Mk6と7の違いは無線機でしたね。
Mk6の生産台数が正しければ、MK6はすべて溶接車体、MK7の途中から鋳造車体ということでよさそうです。

AFVクラブのMk4のキットの転輪は中期型ですよね。
Mk6を作るには、初期型転輪が入っている、Mk1か2のキットの方が、都合がよいのですが、入手難でしょうか。
Commented by hn-nh3 at 2017-04-30 18:50
>TFマンリーコさん
Mk.6からMk.7までは確実に初期型転輪ですね。中期以降の転輪が使われたかは、写真が見つからないので、カナダバージョンは最後まで初期型転輪だった可能性があります。
砲身も段付きのタイプではなく、テーパー付きの初期型の砲身ですね。オタワに残存するMk.7Aでもテーパー付き使ってるので、最後までテーパー付き砲身だった可能性あります。

AFVクラブのMk.1とかには初期型のテーパー砲身は入っているのかしら?
Commented by TFマンリーコ at 2017-04-30 23:35 x
AFVクラブのMk1には金属製のテーパー付き砲身が入っていますよ(//blogs.yahoo.co.jp/maefuna/6154672.html)。作ったときには意識していませんでしたが…(苦笑)。

Mk6の30両という数字がどうも気になります。私の手元にあるDicker Taylor氏の本では、各タイプの生産数と車体番号が示されているのですが、6と7については区分されていません。ただ、訓練用としてカナダに残されたものが30両あり、車体番号がCT138916~45とされています。これがMk6だとすれば、実戦参加していないことになりますが…。
Commented by hn-nh3 at 2017-05-01 05:17
>TFマンリーコさん
ブログにはMk.1の(3)で「フォルディビオの2ポンド砲初期型を使用しました」って書いてありましたよ〜 AFVクラブのMk.1のボックスアートは段付きのタイプが描かれてるので、やっぱりアフターパーツなのねと思ってたのですが。

実際にMk.6が実戦参加してたかどうかは確かめようがないですね。ただ、この写真(
www.flickr.com/photos/lac-bac/15548541108)はソ連に送るための列車に載せたのを撮ったとされてますが、これがデモンストレーションでなければ、メッシュのマフラーガード、砲塔後部のアンテナポスト?などMk.6の特徴を持つ車両がソ連に送られていたことの傍証にはなるかと思います。
Commented by TFマンリーコ at 2017-05-01 20:50 x
>フォルディビオの2ポンド砲初期型を使用

あれっ、ホントだ…。自分で忘れていてはいかんですね(汗)。
でも、手許のAFVクラブのMk2のキットをチェックしてみたら、砲身はテーパー付きでした!
それに、Mk3の砲身はキットのプラパーツを使っているようなんですよね…???

>ソ連に送るための列車に載せたのを撮ったとされてますが…

なるほど~。
私は「6と7の違いは無線機だけであって、外見からは区別が付かない。溶接車体から鋳造車体への切り替えは、生産上の仕様の問題であって「6=溶接車体、7=鋳造車体」というわけではない」と思っていました。生産数についても6の30両というのはやはり疑問で、6、7の内訳はわかっていないのではないかと思います。
ところで、この車輛、履帯が極初期型のように見えますね。カナダ製の車輛で、これを履いているものは初めて見ました。
Commented by hn-nh3 at 2017-05-02 04:45
>TFマンリーコさん
変形ロの字ともいうようなトレッドパターンの初期型の履帯、TFマンリーコさんが製作したMk.1に履かせてたやつですよね。カナダ製車両でも履いているのかどうかは正直わかりません。上記のサイトの写真をもう一度見てみたのですが、画像の解像度の限界で、のようにも、そうでないようにも、見えます。同じサイトの写真で同じ場面の別の車両を撮ったものを見ると、それは一般的なタイプのものを履いています。

いずれにせよ、もう少し写真を探して確かめたいところですね。カナダ製の車両については、まとまった資料がなくてなかか悩ましいことろです。
by hn-nh3 | 2017-04-19 20:23 | valentine戦車 | Comments(14)