バレンタインの防盾(Valentine Mk.Ⅶ vol.5)

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カナディアン・バレンタイン Mk.Ⅶ 製作編、防盾の回。鋳造一体型の砲塔の製作の前に内装式の防盾を修正します。

当時の写真で確認する限り、Mk.Ⅶの大半は機銃口部分のエラが張ったタイプ。カナディアン・バレンタインに関しては、タミヤのキットのような機銃口部分が窪んだ形状のものは、プロトタイプのMk.ⅥおよびMk.Ⅶの初期50台(リベット車体に鋳造一体型砲塔)までは使用していることが確認できるものの、100台以降で採用されたと言われている鋳造車体タイプでは砲塔防盾はエラ張りタイプが一般的。砲身は当初仕様の初期型のテーパータイプが生産後期になっても使われていたと推測できます。

本国イギリスで生産されたMk.Ⅱ/Ⅳはどうか言うと、初期のタイプでエラ無し防盾テーパー付き砲身が見られるものの、エラ付き防盾になってからはタミヤのキットと同じ、段付きの砲身に変わっています。
タミヤのキットのようなエラ無し段付き砲身の組み合わせは一般的なものではなかったように思います。(ちなみにタミヤが参考にしたボービントンの車両はエラ無し防盾テーパー付き砲身)

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前回、タミヤのキットの防盾は高さが少し不足している鼻先をかさ上げして、エラの張った形状をプラ板積層で作りました。今回はそれを原型にエポキシパテを盛って全体の形状を整えました。防盾の付け根の部分も削り込んで砲耳のリムより少し面落ちした位置に修正してあります。各部分の高さや位置関係は、AFVクラブのものを参考にしました。

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この部分、タミヤとAFVクラブのものではずいぶん高さ関係が異なっています。(写真は前回の加工中のもの)

どちらが寸法的に正しい、とかはここで言うつもりはありませんが、AFVクラブの基本形の方が周りとの位置関係でツジツマがあってるように思いました。

タミヤのものは、実物では楕円形断面になっている鼻先が、ただの円形断面で再現されていたりと、寸法以外にもいろいろと「情報圧縮」があります。

しかし、模型を写真にとって拡大してみるとあちこちアラが目立ちますね。ヘッドルーペで見ながら丁寧に加工したつもりでも、カメラ目線で確認すると肉眼では気がつかなかったものが見えてきます。

防盾もまだ、もうちょっと調整が必要です。



by hn-nh3 | 2017-05-08 21:43 | valentine戦車 | Comments(0)