断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

プラハ 1945.5

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買ってしまいました。プラハ蜂起軍が使用した車両の写真集。
"Prahou pod pancirem povstalcu Ceske kvetnove povstani ve fotografii "

d0360340_11492470.jpg1945年5月、連合軍を相手に崩壊していくドイツ軍に対して、プラハ市民が反旗をあげた5月5日〜9日までの抵抗戦。蜂起軍が使用したドイツ軍からの鹵獲車両や呼応して寝返ったROA(自由ロシア軍)の車両、はたまた工場から引っ張り出してきた未完成の戦車(HETZER)など、こんなものまでという雑多な車両の写真を集めた本です。2010年 既刊本。

製作中のグリレ改造3cmFLAKも、ネットの写真の多くはこの本がソースと思われます。3cm MK103をベルゲヘッツァーに搭載した車両もこの本が原典。さすがにネットで未だ見たことのない驚愕のカットがわんさか載ってるとは思わないものの、何か別の車両を写した写真の片隅に探しているものが写ってたりする可能性はあるかなと、気になってました。

蜂起軍が使用した未完成ヘッツァーのことを以前に調べていてこの本があることを知ったものの、国内では既に売り切れ。

しかしやっぱり気になって、チェコの通販サイトから取り寄せられるのかしらどうかしらと思案したりしてる時にPanzerbookさんに何気に問い合わせてみたら、1冊残ってるとのこと。聞いてみるものですね。

24cm×17cm B5版を一回り小さくしたくらいのサイズ。215ページ、厚みでいうと1.5cm 。撮影のため、インスタグラム風に片手で持ってみたらずっしり重くて親指の爪が白んでますね。
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目次です。見事にチェコ語です。英語対訳は本文、キャプション共にありません。私、チェコ語はさっぱりなので何が書いてあるのかわかりません。蜂起軍の編成表とかあったりする ..らしいのですが、眼に映る全てのものはフルヘッヘンド。

掲載車両とかこの本のデーターはPanzerBook.comの紹介ページに詳しいのでそちらを参照のこと> 1945年5月 プラハ蜂起

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写真集のパートは見開きに大きく1枚から2枚の構成。ネットではトリミングされてた写真も周囲の背景まで写っていて当時の状況がよくわかります。ヘッツァーに関してはドイツ軍からの鹵獲、寝返りROA、「未完成ヘッツァー」など含めて写真100枚も掲載されてて圧巻です。

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今回のお目当、グリレ改造3cm FLAK。ばっちり写ってます。予想どうり「ネット未掲載」の目ぼしいカットは残ってなかったものの、ヘッツァーの隣にちょこんといるのが写ってたりとか、いくつか新しいアングルの写真を発見。

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変態車両の写真もあります。有名なパンツァーベルファー改造MG151/20 ドリリンク搭載車。全ての写真には出典が明示されているので、気になる人はプラハの公文書館とかで記載の写真番号を手がかりに他のカットを探したりとかもできそうです。

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フランス軍からドイツ軍が鹵獲して使ってたAMR35をさらに蜂起軍が鹵獲したもの。砲身がないオチキスH39なんてのも登場。戦線後方ではこんな中古品戦車も結構残ってたんですかね。当時のフィルムにもAMR35が走り回ってる映像が残ってて見てると結構かわいいです。1/35のキットは出てないものかしら。

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本の紙質はマットな半光沢で上品な仕上がり。だけど写真の印刷には少し不向きなのか、別の本にも載ってるものと見比べても元の写真のポテンシャルを十分には引き出せてない感じはあります。
比べるには酷ですが、Panzerwrecksを並べてみると、デジタルエンハンスをかけて光沢紙にプリントした高精細の写真画質には遠く及ばないところで、写真の再現度という点では少し残念かな。

ヘッツァー・シュタールがさりげなく写ってますね。左上の写真。

とは言え、この本をスキャンしてネットで流通している写真では潰れて見えなかったディテールもここでは十分に解像度があがって読み取れるし、この本の価値は実際、そこではないのだとも思う。

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ネットなどで断片的にバラバラで見かけていた写真が一つの本にまとまっていて、撮影日が特定され、前後の文脈が(チェコ語わからなくても)読み取れる写真は、画質云々以上に語りかけてくるものがあります。

Commented by かば◎ at 2017-09-02 10:03 x
こ……これは素敵だ……。
特にROA車輌とか惹かれますねえ。
しかし最近は慢性的に金欠なので、大冊の中華民国AFV本も買い逃してしまったし。

ネット上に写真があふれる時代になって、「もう、食うものを食わなくてもとにかく資料本は買う!」という必死な購買欲(なんだそりゃ)は保てなくなりましたが、しかし、それでも「この本じゃなきゃ」という良資料は必ずあるのですよね。
Commented by hn-nh3 at 2017-09-03 06:51
ROA(POA)車両も期待してたのですが、思いの他少なかったですね。CSR(チェコ蜂起軍)が主題と言う編集方針もあるのでしょうが、プラハでROAを撮った写真自体も少ないのでしょうね。ROAが味方になってくれたとはいえ、プラハのカメラマンも、進駐してくるソ連軍との関係を考えるとそのあたりの立ち位置の微妙さを嗅ぎ取っていたのかも。

>>中華民国AFV本

そんな資料本が出ているんですね。さすがにロシア語の怪しいサイトには置いてないだろうな...
ネットでいろいろな本が「閲覧」できてしまう時代で、本を買うことも少なくなりました。しかし、繰り返し見たくなる良本はやっぱりお布施がてら購入するようには努めてます。
Commented by Nasi kandar at 2017-09-30 18:05 x
こんにちは
こちらでは初めて書き込みします。
プラハ蜂起本、かなり濃い内容ですね!
例のドリリンク搭載パンツァーベルファーですが、ネット上で拾える画像はどれも歯痒い画質なのに対し掲載している写真はハッキリしているように見えます。
あのパンツァーベルファーは「ヒムラーのオルガン」搭載の武装SSしか配備されなかった車両で、ちゃんとした写真が残ってないので制作には苦労しました…。

それにしても終戦前後のチェコは風変わら
りな写真多いような。
ドイツ軍が鹵獲していたT-34/85がスクラップの中に意外にも多く混じっていたり、SSの義勇ハンガリー部隊に配備されたとされるトゥラーンなんていうのを見つけたりしました。
変な車両の宝庫かもしれませんね。
Commented by hn-nh3 at 2017-10-01 18:14
>Nasi kandar さん

レス遅くなりました。コメントありがとうございます。
この本、写真が最高画質でないのが惜しいのですが、それでもネットのコピー画像では読み取れないニュアンスがわかったりして、やっぱり買ってよかったです。この本でもわからないディテールは、もう想像で作るしかないな、と腹もくくれますし(笑)

ドリリンク搭載パンツァーベルファーのベースの8cmロケット砲搭載タイプは本当に写真が少ないですね。チェコで生産されたという記述もあったりして、プラハにこんな車両が現れたのも必然なのかもしれないですね。
この車両、写真をみると車体にいろいろなマーキングがあるようで、クラッペ横にはチェコ国旗のペイントがされてるのでしょうか。

終戦間際のチェコでは本当にいろいろな車両がひしめいてますね。ソ連軍のチェコ侵攻がベルリン戦の後になったり、南西から米軍が入ってきたりして、記録が残りやすかったということもあるのかも。

この時期の写真を集めたAFV Photo Album 2 がAMAZONで安くなってたので、つい買ってしまいました。ルーマニアで改造された45mm砲搭載のR-35もチェコに持ち込まれたり、テゥラーンll もいたりと、なかなか楽しい本でした。上部転輪が3個になった最終タイプのブルムベア後期型も写ってますね。
by hn-nh3 | 2017-08-27 18:03 | 資料 | Comments(4)