断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

T-60 来襲

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大変なことになってきました。我が家にT-60が2台、GAZ?工場製と第37工場製。MiniArtから立て続けに発売。しかも鋼製転輪の264工場製のリリースも発表されて、もう何が何だか。
SU−122の時はバリエーションと言ってもその違いなんて、ほとんど間違い探しのレベルだったから1つだけ買って他はスルーしちゃいましたが、T-60は生産工場と時期によって転輪とか砲塔が違ってたりして、ちょっと気になってしまうんですよねー

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35215(GAZ?)と35224 (No.37)のキットの違いは 、大雑把に言うと転輪が違います。T-40から引き継いだディスクタイプの転輪と鋳造のスポークタイプの転輪。
他は共に初期型の砲塔など仕様はほぼほぼ一緒で、わずかにトランスミッションのアクセスハッチのボルト数の違いがあったりするくらい。

35215は当初、GAZ工場製と謳ってましたが途中でその表記は消えてます。キットで再現されているディテールがGAZ工場製の特徴とは言い切れないのだと想像します。私もロシア側に寝返ってまだ日の浅いモデラーなので細かいことわかりません。セータ☆さんのブログ記事:gizmolog や最近発売されたCanforaのT-60本を眺めながら作ることにします。

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いい出来です。インテリア再現キットとはいえ、車体が小さいので眩暈を覚えるほどのパーツ数ではないです。最近のMiniArt らしくディテールもシャープ。フェンダーのリブもプレス模様がちゃんと裏側にもモールドしてありましたよ。

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ディテールも繊細。別パーツのドライバーズハッチ周りのバルジの装甲板の溶接跡も雰囲気あります。車体との取付部の溶接跡もちゃんと表現してあって、もう伸ばしランナーで追加工作する必要なし。

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砲塔はスライド金型を使って、側面のディテールも丁寧に再現。前面の張り出し上部のベンチレーション用のスリットもそれらしく表現されてます。さすがにスリットは抜けてなかったけど覗き込んでも見える場所ではないので、このくらいで十分か。

この砲塔前面のベンチレーション用スリットはT-40から踏襲された形式ですが、防御力にはやっぱり問題あったのか、ここにつけるのは廃止して砲塔ハッチにベンチレーターをつけた改良型の砲塔が後に登場します。このタイプもいずれキット化されるんでしょうね。

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d0360340_05340484.jpg履帯は組み立て接着式。両サイドに穴の空いたトレッドパターンのモールドはHobbyBossのT-40のものよりも細部のニュアンスがよく再現されてます。
ガイドホーンの軽め穴も当然のように抜いてます。ただ、穴のエッジに少しバリが出るのか、穴の輪郭が安定してないのが少し惜しいところ。

最近のタミヤのキットで、ガイドホーンの穴を再現しないでなんとなくごまかしているのは、こういうリスクを嫌っての判断なのかもしれないですね。

..

さてさて、ちょっとここでガチンコ対決。T-40からT-70まで使われているディスク型ホイールのキット比較。MiniArtのT-60のものとHobbyBossのT-40、TamiyaのSU-76Mを並べてみました。
                  
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TamiyaのSU-76Mは転輪の幅が広がったタイプのものなので厳密には同じではないのですが、プレスしたお椀型のディスクを転輪のリム部分のリングに溶接した構造は同じ。HobbyBossのものはリムの表現が少し強調されすぎてる感はあるものの雰囲気は悪くないです。Tamiyaのものは、溶接部のディテールが少し間延びしていてちょっと違和感を覚えます。最近作のバレンタイン戦車もそうだったけど、タミヤさんはどうも転輪の曲面のニュアンスの把握ができてないところがありますね。

              
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MiniArtのT-60。GAZ工場製で使われているディスク型転輪は誘導輪も同じ形ですが、直径はアイドラーホイールのものが一回り小さくなってます。前のバージョンのT-40から踏襲された形式ですが、何か意味があったのでしょうか。後のT-70では同サイズのもので統一されていること考えると、補給が煩雑になっただけだったような気もします。

これが少し悩みの種で、GAZ工場製のT-60。誘導輪が一回り小さい正規パターンのものと、転輪と同じサイズのものを使っているのがあるんですよね。
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GAZ工場製T-60(写真出典は共にCanfora T-60より)


Commented by セータ☆ at 2017-09-01 20:52 x
あの「誘導輪だけやや小径」というのは謎ですねー。
或いは…?と思うのが、T-40の前段階に「実験戦車010(Опытный танк 010)」というのがありまして、この車両はディッシュ型転輪に丸穴が開いたような誘導輪なのです。ここからT-40に発展して行く際に「転輪は転輪、誘導輪は誘導輪」と別個に進化して、形も構造もそっくりなのに直径が異なる…なんて事になったのかも?

で、仰るように通常の転輪と同サイズのものを装着した車両も多いですよね。比較的早期に「これ、同じサイズでいいんじゃね?」と気づいて 460mm誘導輪は在庫限り扱いになったのかな…?

第264工場製の T-60では、後期になると GAZ向けに部品を供給していた下請け工場からも転輪含む部品の供給が為されたのだそうで、「ディッシュ転輪&八角砲塔ハッチ」なんて車両も出てきますね。まぁ模型的にはかなり自由度を高くしても良い感じではあります。
Commented by かば◎ at 2017-09-02 10:11 x
うーん。誘導輪の径にバリエーションがある、というのは気付いていませんでした。漠然と、「転輪と一緒でしょ?」で片づけていました。

どうもT-60に関しては個人的に「TACAMのベース車輌」のほうが先に立ってしまっていて、しかしいくら何でもこのminiartのをツブしていきなりTACAMを作るなんてもったいないしなー、と、なお買うのも躊躇していたり。

タミヤの諸キットの転輪の扱いに関しては、どうも以前から、「実物をじっくり観察して形状の“らしさ”を追求する」ではなく、「基本、図面をもとに“えい、やあ”で」な感じがしますね。
III号戦車系列の転輪のディスク部とリム部の溶接部分が、段差ではなく溝になっているのは見るたびなお違和感を覚えます。
Commented by デビグマ at 2017-09-02 10:13 x
詳細なレビューありがとうございます!
ホイールの再現、T70は今一つだったので、興味がありましたが、実車を忠実に再現した感じですね。
エアロのキット早く完成させねば~
Commented by hn-nh3 at 2017-09-03 05:54
セータ☆さん、ありがとうございます。
誘導輪とはかくあるべしという基本設計があって、T-40で浮力確保しようとしたら期せずして誘導輪も転輪と同じ形になってしまっただけなんでしょうね。第264工場製で転輪は緩衝ゴム内蔵鋼製、誘導輪は鋳造スポークとか使ってるところ見ると部品共通化の思考があった訳ではなさそう。

誘導輪が460mmで転輪より一回り小さいと気づいてドキっとしましたよ。作りかけのT-40S....間違ったりしてなくてよかった! まあ、ソ連戦車が4BOを直接塗ってたなんて知らなかったから、うっかりレッドオキサイドのサフ吹いちゃって赤っ恥を晒してますけどね。シャア専用車ということにしておきます。赤い彗星の棺桶。
Commented by hn-nh3 at 2017-09-03 06:17
MiniArtが、かば◎さんが待ってるTCAM T-60までたどり着くのは時間がかかりそうですね。バリエーション沼にはまって、他にもマフラー違いの第38工場製なんてのも出してきちゃいそうな予感もするし。

タミヤのⅢ号戦車の転輪は、溶接線の再現に感動を覚えつつも、印象が違って...ん?って思った記憶があります。予備転輪とか他キットに流用しちゃおうと思ってもニュアンスが違って使えないなー、とか。
確かⅣ号戦車とかパンターでも転輪の詰めの甘さについては、いろいろと指摘されてましたね。
Commented by hn-nh3 at 2017-09-03 06:30
デビグマさんと同じく、T-70の転輪には悩まされたので、足回りの刷新は密かに期待してました。そんな訳でレビューは転輪メインで。上部構造は不満があれば切った貼ったすればなんとかなりますし...(笑)

期待に違わずいい出来です。転輪と履帯はT-40〜T-70(初期)用の足回りセットでいずれ別売するんでしょうね。
そして私の未完成T-70は完成からますます遠ざかる...
by hn-nh3 | 2017-09-01 06:20 | 模型 | Comments(6)