断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

マジックトラックを繋ぐ

d0360340_11081617.jpg
履帯、組みました。キットの「マジックトラック」を流し込み接着剤でC組みに。

と、まあ作業日誌的には1行で終わってしまう内容ですが、備忘録というかお役立ちTips的に工程を書き留めておきます。
リモネン、セメントS、ロコ組み、C組み...長いブランクを経た出戻り経験者としては、最初全くその意味がわからず右往左往、ようやく履帯の詳しい組み立て方を書いた記事にたどり着いて助けられたことがあるので、そのバトンをつないでおきます。

履帯は戦車模型の華でもあるけど、その組み立てはやっぱり最大のネック。...夜中に小人が耳の中から出てきてバラバラの履帯を勝手に繋いだりしてくれてもいいのだけど... といつも思います。
一体成型のベルト式履帯は便利だけど軟質樹脂の可塑剤の経年変化が心配だし、アフターパーツでフリウルとかマスタークラブのメタル組み立て式履帯を買うという選択枝もあるけどお金かかるしで、やっぱりキットに入ってるプラの組み立て式履帯を使うことが多くなります。

1枚1枚をランナーから切り出して使うタイプ。曲線部分はバラで直線部分などは一体化が図られた部分組み立て式、プラの組み立て式履帯には幾つかのタイプがあります。マジックトラックというのは、ドラゴン社のキットに(かつて)入っていた予め切り外した状態でパックされた履帯の商品名。ピンゲート工法で射出成型されたと思われ、転輪の接触面に小さな成型痕があったりします。パーツを切り出す手間が省けてユーザーには便利だけど、コストがかかるのか最近のキットには入らなくなってしまっているのがちょっと残念。時代の流れですね。
※「ピンゲート」については→金型の分類

d0360340_06485481.jpg
「マジックトラック」の組み立て。カッターマットに履帯長さ+10cm程度の長さのマステを貼ります。その上に履帯の仮止め用に両面テープを履帯長+5cm程度の長さで重ねて貼ります。両面テープを直接カッターマットに貼ると、後でマットから剥がせなくて大変な思いをします。マステを両面テープの下に貼っておけば使用後にさっと剥がせるのでオススメ。

両面テープは低粘着タイプか、接着面をベタベタ触って粘着力を弱くしておきます。両面テープは履帯の半分くらいの幅だけ残して定規を貼り付けて、履帯を並べるガイドにします。履帯幅の半分しかテープを使わないのは接着後の履帯を外しやすくするため。それ意外の両面テープ接着面は定規か他のもので隠しておきましょう。作業中に手がうっかりくっついてうっとおしいです。毛足の長いセーターなんか着て作業してたら大変なことになります。

準備が済んだら、マジックトラック(組み立て式履帯)をチマチマと並べていきます。必要数+3枚程度、取り付け時に長さ調整します。並べ方はあまり隙間が開かないように。途中、押しながら間隔を調整。変に隙間が空いていると接着剤が下に周り込んだり、接着剤で溶けたプラが接地面にはみ出して汚くなったりします。
並べる作業は片側15分、左右で所要30分程度

d0360340_08454918.jpg
履帯の接着。リモネン系の流しこみ接着剤を塗り込んでいきます。リモネン系の接着剤は柑橘系の揮発油分がプラを溶かす現象を利用したもので、初期強度の発現は遅いものの、ゆっくりと固まって強度が出ます。通常の部品の接着にはクレオスのセメントSが便利ですが、履帯の組み立てにはコレ。履帯に塗り込んで半乾きの時のグニャグニャとする状態を利用して転輪の巻きつけて形を整えることができます。

塗り込む量は多過ぎず少なからずの適量で。少ないと作業中にプチプチ切れて発狂しそうになるし、多すぎると履帯の隙間から溶けたプラがはみ出したり形が歪んだりすることがあります。このサジ加減は履帯の形状によって違って毎度試行錯誤になるので、予備履帯とか余ったコマで事前にテスト、確認しておくといいですね。

塗り込みは、リターンローラー側になる部分は切れないように割としっかり、端っこの接続部数枚は長さ調整でピースを切り離しやすくするために接着材は控えめに。下に敷くカッターマットは接着材に強いものにしましょう。100円ショップのカッターマットは溶剤で溶けて履帯が緑色に染まります。

塗り込んだらタイマーを仕掛けて20分待ちます。履帯のピースが繋がり始めるので、両面テープから外して接着材を塗り残して切れやすい部分がないか確かめて、そういう箇所にはリモネン接着剤をぬりたして、さらに20分、合計40分程度待ちます。
固まり具合は板ガム程度、とはよく言います。連続した履帯がグニャと曲がって形が残るぐらいの硬さ。

リモネン接着剤は、クレオスのMr.セメント・リモネン(流しこみタイプ)を使ってます。タミヤからも同様のものが出てますが、初期強度が出るのが少し遅く、匂いが半日ぐらい残るので、個人的にはクレオスの方が好み。初期強度については個体差があったりするみたいなので、どっちがいいとは断言はできませんが。

ちなみに、リモネンセメントは自然素材を使っていて体に優しいと言う利点はあるのですが、材料の性質上、劣化する現象があるみたいです。古くなると接着力が弱くなることがあります。実は今回も一度失敗しました。塗り込んで1時間くらい待っても接着が弱くてプチプチ切れたので、諦めて全部バラしてアルコールに漬けて接着剤を落として、接着剤を買い直してやり直しました。過去にも同じ経験あり。リモネン系接着剤は1年に1回は買い直したほうが良さそうです。

d0360340_09225538.jpg
履帯の取り付け。固まってきた履帯を裏返して細切りのマステを貼ります。巻きつけ途中にで履帯が切れた時にバラバラにならないようにしておく保険です。ただし、あまりピンと張らずに緩めに付けておきます。テンションが強いと変なところでたわみがでます。裏側に接着剤がはみ出て汚くなってしまったピースとかがあればこの時点までに修正しておきます。

d0360340_06002849.jpg
駆動輪から巻きつけて駆動輪で接続。履帯を駆動輪の歯に引っ掛けて全体の長さを調整しながら組み合わせます。途中、履帯が切れたりしたら、速乾性のセメントSで補修して作業を進めます。片側はうまく行きましたが、反対側は一箇所、切れたので補修、養生用の細切マステが役に立ちました。

巻きつけの途中で履帯の垂れも表現。リターンローラーの間の垂れ下がりとともに、駆動輪と転輪の間の斜めの部分も自重で自然に撓んだようにな形を作っておくとリアルです。転輪と誘導輪の間も同様。ただ、この辺りは実車では走行中と停車時で変わってくるし、舗装道路を走るときと不整地走行の時では履帯のテンション変えたりするので、その塩梅は模型としての設定によりますね。

上部のリターンローラー部分の垂れ下がりは、ほどほどに。実車の写真を見ると案外とピンと張ってたりします。激しく垂れた模型の作例を時々見ますが、履帯の垂れを表現するのは模型としての様式美みたいなところがあって、あまり強調しすぎると、却って現実から遠ざかる気がします。

と言う訳で、垂れ下がりは控えめにしてますが、接着剤の乾燥時の収縮や曲げ復りを考慮して適量より少し大きめに垂れを付けておきます。その後、静かに乾燥。巻き付け作業は20分。接着剤塗布から合計で 片側1時間。両側を作って2時間。並べる準備の30分を含めて合計の所要時間は2時間半。

ちなみに今回はC組み。駆動輪のところでCの形で繋がった履帯を塗装する時に外せるようにしました。ただうまく外したり再装着できるかは様子を見ながら判断します。転輪も履帯と接着させて一体化、転輪+履帯のセットで外せるようにしたロコ組みという方法もあり、そっちの方が強度はあるものの塗り分けが面倒になるので一長一短。どっちを選ぶかはケースバイケース。

by hn-nh3 | 2017-09-15 13:38 | 模型 | Comments(0)