断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

OVM雑感 (3cm MK103 auf sf.38(t) vol.12)

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Grille改造3cmFLAK制作編 その12

車両本体の工作もそろそろ終盤。フェンダーに載せるOVMを準備します。
OVM。スコップ、ジャッキ、ハンマーとかあれこれ必要な工具を車体に積んでる姿は戦車の魅力の一つ。いつでもどこでもキャンプできそうでワクワクします。ところで「OVM」と普通に書いてしましましたが、OVMってどういう意味か調べてみたら、[on-vehicle material:車両装備資材]ということでした。直訳するなら工具でなくてもいいんだね、必要なら焚き木を積んでもOVM。長年モデラーやってたけど初めて知ったよ。

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さて、本題。Grilleに積まれていたOVMの実例を見てみます。資料が少ないので引用したのは同系車のMarderlll-Mの写真。
フェンダー上に車体右はスコップ、バール、ハンマー。左側にはジャッキ、雑具箱、ジャッキ台、斧。これはGrilleもMarderlllも共通。スコップとバールはクランプでひとまとめにされてます。

クランプはドイツ軍仕様(後期型)のタイプ。それ以前の38t系列の戦車車台を利用した自走砲ではチェコ式の革バンドで固定するタイプでしたが、こんなところでも標準仕様:ドイツ化が行われてるんですね。この問題、その後のヘッツアーに至っては右ハンドルから左ハンドルに変えられて、そのおかげで75mm戦車砲の砲弾の装填がやりにくくなった、というおかしな話になってしまってますが。ドイツ仕様だから仕方がないけど、絶対無理..って思ってたでしょうね、設計した人。

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右はMarderlll-M。左はGrille。フェンダー端部、エアインテイクの下にワイヤーカッターを積んでいるようです。右の写真。工場で撮られた記録写真ですが、多くの記録写真ではこの箇所はクランプのみで何も積んでません。上の写真もクランプのみ。アバディーンに残存するgrilleでもクランプは存在します。(写真:prime portal )

ワイヤーカッター用のクランプはどの車両にも用意されてるのですが、実際に積んでる写真はほどんど無し。なんでしょうね、これ。ワイヤーカッターはオプション?
                          
d0360340_20111640.jpgジャッキと雑具箱。有孔板を加工した雑具箱はキットのエッチングパーツをベースに制作。手前の背板は実際には存在しなくて、車体側面装甲板が背板替わりに成る無駄のない構造。模型的には強度確保のため背板を残してます。車体への接着用にプラペーパーを背板に瞬間接着剤で固定。

ところで、この雑具箱。ジャッキ横の蓋の隣。つまりジャッキの下になる部分には天板はなし。ジャッキ搭載状態ではジャッキが天板替わりになるという割り切った設計。(写真:Prime Portal)

雑具箱の上のジャッキを固定するクランプ。キットには中途半端な部品しかなかったので、エッチングパーツを流用して自作。

                   
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クランプ類は、PassionModelsのジェニーズクランプを使用。組み立てやすさを追求したというけど、部品が小さくで目がシバシバします。はっきり言って、クランプをエッチングパーツで作るのは嫌いです。クランプは工具と一体整形されたプラの部品に、せいぜいハンドルだけエッチングに替えるぐらいで充分、といつも思っているのですが、このキットのOVMはクランプのモールドがなくエッチング部品が前提..

クランプの「足」は搭載工具がフェンダーのリブやステイと干渉しないように、実車ではハの字型のプレートがクランプに溶接されてます。エッチングパーツの端材を使ってこれも再現。斧は刃先をカバーするホルダーがあるので、真鍮板で自作。あー疲れた。

ジャッキ台は木板部分そケガいて木目を表現。帯金はプラストラクトのプラ材を巻いて薄く削りました。固定用の超ネジは、ジャンクパーツから流用。

ところで、これらのOVM類。実際は何色だったんでしょうね。模型だと、よく金属部分は黒鉄色、柄の部分は木目色で表現されてますが、実際問題、金属部分が黒鉄色、つまり、鉄の地金かよくて黒染め程度の防錆処理だと雨ざらしの環境に置くと、あっという間に赤錆まみれになってしまいますよね。ペンチを外に置き忘れたらどうなるか...経験あります。
上の実車写真で見ても黒鉄色ではなく、クランプと同じ色に見えます。即ちダークイエロー。柄も車体色で塗装されて木の色ではなかったと言う気がします。だいたい鉄色でピカピカ光ってたら、あっという間にヤーボに見つかってしまいます。

模型上の表現なんでしょうね。鉄部は鉄色、木部は木色というのは。しかし、OVMを車体色のダークイエローで全部が全部塗りつぶしたら、模型的にはサボってるだけみたいに見えてしまうし、この問題は悩ましい。

Commented by かば◎ at 2017-09-23 20:45 x
38(t)戦車の場合、LT-38時代からあった装備品はベルトで、ドイツで追加された装備品はクランプで、というふうに分かれているようです。

「装備品は何色だったのか」は悩ましいですね。アメリカ戦車の場合はべったりODで塗り潰されているという話をどこかで聞いたような気がしますが(うろ覚えなのでアテにしないでください)、ドイツ戦車の場合はどうなのか。

とりあえず現存品でこんな例があるので(steiner.web.fc2.com/uni/afv/a014/a-014.html)、金属部は防錆処理で黒塗装、柄は無塗装かな?みたいな判断をしています。
Commented by かば◎ at 2017-09-23 20:50 x
もっとも、ジャッキの現存品はダークイエローに塗ったものがあった気が(私もジャッキは車体色で塗ってハゲハゲにするかも)。

上の写真でも、装備品類、車体と同色に見えますね。

「車種によって違う」とか「工場によって違う」とかあるとヤヤコシイですねー。
Commented by hn-nh3 at 2017-09-24 18:29
>>38(t)戦車の場合、LT-38時代からあった装備品はベルトで、ドイツで追加された装備品はクランプで

装備品のつけ方にもドイツとチェコの関係が現れているようで、なかなか微妙な話ですね。その後、ヘッツアーに至るまで、チェコの人にとっては、それらは決してドイツ戦車ではなくチェコ製戦車だったのだろうという気がしますね。

OVMの色。米軍戦車は車体と同じOD色だったと聞いてます。その影響を受けた自衛隊車両でも迷彩色でバッチリ塗りつぶされてますね。模型表現的には張り合いないですが、迷彩のあり方としては合理的ですよね。

アフリカ戦線の米軍車両やロシア戦線のレンドリースのアメリカ製戦車に影響を受けたのかは想像ですが、ドイツ戦車も戦争後期になるとOVMも車体色でオーバーペイントしている例が多くなるようです。

これは改めて記事としてまとめたい気もしますが、OVMの色の変遷の流れとしては以下になるでしょうか。
1. 鉄部は黒色塗装、木部はニス。
2 . 1で納入されたものを車体色でオーバーペイント
3 . 鉄部はあらかじめダークイエローで塗装済み

3は車体の工場迷彩が一般的になると現れるようです。
それぞれ写真を集めてみたので、近々にアップしますね。
by hn-nh3 | 2017-09-21 20:43 | 38(t)系列 | Comments(3)