断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

プラハの街灯

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プラハの街灯。製作中のGrille改造 3cmFLAKの横に添える街灯のリサーチ。

d0360340_08254563.jpgd0360340_08265064.jpg1945年5月、プラハ蜂起の時の写真。市庁舎前の広場に停車するのは蜂起軍のHETZER駆逐戦車ですが、今日の本題は、その右側に立っているクラシックな街灯。当時の街灯を1/35の模型として復元してみたいと思います。

このタイプは市庁舎のあたりにあったと思われ、いろいろな写真に登場しますが、文様をかたどったようなモチーフが組み込まれていて、いざ作ろうとすると、なかなかどうして大変。アップの写真もないので彫刻の細部も実際よくわからない。
ちょっと日帰りでプラハに行って見てこようかとも考えましたが、どうやら現在はこの街灯はなくなっているらしく、ネットの写真を検索してもこれ以上の写真は見つからず。

2番目の写真も1945年のプラハですが、くるんとシンプルな渦が巻いたタイプでこのくらいなら簡単に作れそう。ミニアートから出ている街灯のキットの柱脚部を流用して上部は針金細工で作れば良いか。
ただ、形がシンプルすぎて実際に作って面白いかというと微妙なところ。

この写真の右隅にちょっと複雑な形状の街灯のフレーム(手前の街灯柱に照明部が隠れていると思われる)が見えていますが、このタイプは現在でも残っているようで最近の観光写真でも見つけることができます。なので、細部のディテールも確認することは可能。しかしちょっと制作難易度高し。

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3番目の写真。実際のGrille改造 3cmFLAKの背景にも街灯が写っています。路面電車の走る大通りにあるのはラインがすっきりしたモダンなタイプ。道路の上にはりめぐらされた路面電車の架線を避けるように設置された新しいものなのでしょう。

こういった近代的なものも当時の写真でよく目にします。実際、こういうタイプのものの方が多かったのでしょう。

現在のプラハの写真を検索すると様式的なノスタルジックなテイストの街灯をいろいろと見ることができますが、おそらくはそういったものは、観光用に古い様式を模して新しく作られたものではないかとおもいます。クラシックなスタイルのものはその時代が過ぎ去った後に懐かしんで作られるパターンが多いですね、古今東西。



d0360340_09002417.jpg4番目の写真。前に紹介したプラハ蜂起の蜂起軍車両写真集(→紹介記事:プラハ 1945.5)より引用。バリケードにされたトラックの横に立つ街灯で、なかなかエキゾチック。
ポールとランプを他キットから流用できれば、あとは針金細工でなんとかなりそうな予感。これを1/35で「復元」することにします。

しかし、この壊れたトラックと歩道の敷石を剥がして積み上げたバリケード。すぐ手に入るものでうまく作ってます。ちなみに、東京の道路の歩道がある一時期を境にアスファルトやコンクリートになったのは、安保闘争や大学紛争の際に歩道の敷石ブロックを砕いて投石に使われたことがあって、その防止策として歩道から敷石が排除されたのだとか。騒乱の季節も遠くなった最近は景観重視で歩道の敷石がまた復活してきてますね。

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このキットを元に作ります。ミニアートのジオラマベース、路面電車敷セット。車両のベースを作ろうとちょっと前に買ったのですが、電車の架線のパーツのランナーにボックスアートにはない街灯のパーツが入ってました。
ランプの部分はシェードの形が目的のものとは違うので、削り込んでなんとなく似たような雰囲気に改造。
ポールはキットのパーツからアームを切り離して、ポールの先端のディテールを上下ひっくり返して付け替えたりして、これまたそれらしく。なんとなく映画のセットを作ってるみたいで楽しい作業。
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0.7mmの針金をくるくるとリングを細工していきます。モデルとする街灯のサイズは正確にはわからないので、ランプの大きさ合わせで写真を拡大縮小して、それを下敷きに形を作っていきます。リングとポールのジョイントは、図面を描いてプラ板から切り出しました。ここまでできれば、あとはランプのガラスキャノピー。

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0.3ミリの透明塩ビ板に向かって弾丸を打ち込みます。

というのは嘘で、キャノピーの型をエポキシパテで作って温めて柔らかくした塩ビ板に押し付けて成形。いわゆる「ヒートプレス」ですね。大きめに切った塩ビ板の両側を割り箸で挟んで固定して、ガスコンロの上で塩ビがグニャグニャ似なるまで温めて、ペン先につけたプレス型を押し当てて一気に形を作りました。ちなみに、ガラスキャノピーの形をしたプレス型はペンのキャップにエポキシパテを詰め込んで制作。

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キャノピーの形状は直径に比べて奥行きが長いので、塩ビにエポキシパテで作ったプレス型を押し当てるだけで、ここまで絞り込める気はしなかったので、プレス型より一回り大きい円を切り抜いたプラ板を成型時に外側からかぶせて直径を絞り込みました。

形ができたら、ナイフで切り出して完成。ヒートプレスなんて5年ぶりぐらいにやったので、ちょっと不安でしたが、うまく行きました。作業風景は超ローテクで見られたものではなかったけど、出来上がってみれば、こんなもん。

プレス型は残してあるので、注文があれば量産できますね。プラハのメインストリートを1/35で作るとか...

形状チェックのために本体にセットしてみました。モデルとした写真の街灯と比べると、ガラスキャノピーの外径がランプシェードより少し小さめな感もあるものの、当たらずとも遠からず。

大きさのズレは、キャノピーのプレス型のガイドにしたペンキャップのサイズで決まってしまったのだけど、その辺りはご愛嬌ということで。
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Commented by hiranuma at 2017-10-26 18:44 x
プラハの街灯いいですね〜!
真似をしてみたくなりました。
高さがあるので実際のレイアウトする際には視覚的な高低差の課題が出る可能性があります。うまくレイアウトできるといいですね。
Commented by hn-nh3 at 2017-10-27 06:09
hiranumaさんの超絶工作にはいつも恐れおののいています。ミゼットのヴィネットで昭和の街灯作られてましたね。(^^)

プラハの街灯は添景なので、適宜省略しながら作ったので、短時間で楽しく作れました。それよりも当時誰も意識して街灯なんか撮影してないから、いい写真を探す方が苦労しました。

>>高さがあるので実際のレイアウトする際には視覚的な高低差の課題が出る

まさにその問題に直面してます。ベースは車輌より一回り大きいだけ(12×18cm)なので、周囲の空間の大きさを想像させるのに街灯を立てようと考えたのですが、バランスが悩ましい。
実際の路面電車の架線と干渉しないような高さにすると、模型上は空間的にまとまらないので、少し低めにデフォルメする必要がありそうです。
by hn-nh3 | 2017-10-26 12:12 | 構造物 | Comments(2)