断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

3台目のバレンタイン(Canadian Valentine Mk.Ⅵ )

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昨日はホワイトデー。バレンタインのお返し、ちゃんとしましたか? 
思い出すのは作りかけて中断しているバレンタイン歩兵戦車。タミヤから発売されたMk.Ⅱ/ⅣとAFVクラブのMk.Ⅳの2台の制作記(Ex.バレンタイン沼)も遠い日となりつつありますが、忘れてはないですよ。またそのうち再開します。

で、今日はもう1台隠し持っているMiniArtのMk.Ⅵ初期型の簡単なキットレビューをやります。
TFマンリーコさんのブログで、AFVクラブのMk.Ⅱを改造してカナディアン・バレンタインMk.Ⅵを制作する話(https://blogs.yahoo.co.jp/maefuna/16184316.html)を受けての便乗企画ですね、早い話。

バレンタイン戦車のシリーズの中でもMk.Ⅵ、Mk.Ⅶはカナダで生産され、主にレンドリースでソ連に送られた車両です。外観はイギリスで生産されたMk.1〜Mk.Ⅱ/Ⅳに準じた内容で、Mk.Ⅶになると砲塔や車体に鋳造部品が多用されるなど本国仕様とは異なる仕様になったりして、模型制作的には面白いところ。この辺りの違いは以前の記事:バレンタイン沼リスト化してるのでそちらを参照。
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Mk.Ⅵ初期型は仕様的にはほぼほぼMk.1と同じで、はっきり言えばあえてキット化する意味があるのか、カナダ人以外に買う人がいるのかと思ってしまいますが、まあここに買っている人がいるので、それなりには需要があるのかも知れませんね..
MiniArtのキット。やはりMk.1との違いを出すために、レンドリースでソ連に送られた車両のマーキングをデカールで用意。ソ連戦車兵のフィギュアセットがついてます。Mk.1には入ってなかった仕様として、メッシュのマフラーガードがエッチングパーツで用意されてます。
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転輪は初期のリブ型のプレスパターンのものが入ってます。リブ型パターンの誘導輪と筒型ヘッドライトのランナーも追加されてます。砲塔の左側面にはD型のハッチがあるものとないものの両方が入ってます。Mk.Ⅵ初期型はD型ハッチのない仕様。

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MiniArtのバレンタイン戦車シリーズはプロポーションに難があるらしくPMMSのレビューでも問題になってました。
同じレビューで転輪もAFVクラブのものと大きさが違うとか指摘があったので比較してみました。タミヤとだいたい一緒か。
バレンタイン戦車の転輪はゴム部分の断面形状の丸みが特徴的ですが、タミヤのキットは一番新しいキットなのにその特徴は完全に無視。MiniArtの転輪はちゃんと丸みが表現されてます。ややオーバーな感じもするけど雰囲気は悪くない。
プレスパターンはカナダのボーデン博物館に残る実車の写真をみると、キットのリブはエッジの丸みが不足気味か。

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車体はMiniArtもスライド金型を使って箱型の一体整形。裏面のモールドは各社まちまち。MiniArtのものはドライバーズシート付近の車体下部にハッチらしきもの。工場で撮影された写真がこの記事に掲載されているので、それを見るとMk.ⅥはMiniArtのキットのようにハッチがあるのが正解。

同じ記事、その写真の下に掲載されてる工場風景を描いた絵は、カナディアン・バレンタインの塗装色が何色で塗られていたかという問題を解く貴重な資料。絵なので正確さには欠けるとはいえ、オーカーの入ったグリーン。いわゆるカーキグリーンno.3という色でしょうか。カーキグリーンno.3は茶色なのか緑なのかよくわからない色ですが、少なくともSCC2 ブラウンではないですね。ソ連に送られたマチルダとかバレンタインなどイギリスとカナダから送られた車両の色は緑だったのか茶色だったのか、ミシリンでもいろいろと議論がありましたが。

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サスペンションのコイルスプリングは、AFVクラブのキットはスライド金型を使って本当に可動するバネを再現した驚異的なモールドでしたが、MiniArtはそこまではやってません。それでもシャープなモールドでこれで十分。このスプリングは実車の写真を見ると丸ではなく角形断面のロッドが巻いてある形状ですが、MiniArtのはそれをしっかり表現してます。それに対してAFVクラブのものは丸型断面のロッド。現存車両ではアバディーンの実車(Mk.Ⅱ)も角形断面のロッドなので、AFVクラブのような仕様が果たしてあったのか。これはもう少しリサーチする必要がありそう。

とりあえず今日はここまで。気が向いたら砲塔も少しレビューするかも。
そもそも、MiniArtのMk.Ⅵ初期型のキットは転輪や角形ヘッドライトなどタミヤのキットとのコンバート用に買ったのですが、せっかくならパーツ取り用だけでなく、残り部品で何かしてみたいところだけどまだ妙案はなし。

Commented by TFマンリーコ at 2018-03-15 22:53 x
丁寧なレビューで、大変参考になります。私はミニアートのMkⅥは持っていないのですが、なかなか充実した内容のようですね。
ミニアートのキットのプロポーションについては、以前、私のブログで簡単な比較をしてみたことがありますので、URLはその記事にしておきました。ご参考まで。
Commented by hn-nh3 at 2018-03-16 06:04
TFマンリーコさん、ありがとうございます。
フェンダー上の初期型雑具箱(X型のリブのある蓋)はMk.Ⅵ、そしてMk.Ⅶでも使ってるので、筒型のヘッドライトとともにカナディアン・バレンタインの大きな特徴になりますね。

下記の写真の車両は鋳造一体型砲塔、車体前部も鋳造パーツになった典型的なMk.Ⅶだと思いますが、フェンダー上の大型雑具箱の蓋のX型リブが1つではなく3箇所に入ったタイプです。このタイプはどのくらい使われていたのかしら?
https://imgur.com/a/EpAQi
Commented by TFマンリーコ at 2018-03-17 22:46 x
このリブはおもしろいですね。
写真によっては、逆にリブがまったくないように見えるものもあるんですが、そういうタイプもあるんでしょうか…?
Commented by hn-nh3 at 2018-03-18 06:58
イギリスで生産された車両でこのリブの仕様があったのかまでは追跡できてないので、カナダ製車両独自のバリエーションなのかは不明です。

通常のリブ付き雑具箱がMk7まで使われていることは、この写真で確認できます。砲塔は鋳造一体型。転輪は初期型の放射状プレスパターン。https://imgur.com/a/luC8G

車体上面を捉えた写真が少ないのでリブのあるなしは判別しにくいですよね。指摘の通りリブがないように見える写真も多いです。

https://imgur.com/a/SovTD
これは車体前部も鋳造パーツになった典型的なMk.7ですが、問題は2つある雑具箱の後ろの方(エンジンルーム脇)の小型の雑具箱は、どうもリブなしではないかと想像しているのですが、追跡しきれてません。砲塔脇の大型雑具箱もカナダバージョンでリブなしのものがあったのかは、解像度の高い写真を探さないとなんとも言えないところですね。

by hn-nh3 | 2018-03-15 20:59 | valentine戦車 | Comments(4)