断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

重力と線

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象を飲み込んだウワバミのなかみを書いてみました。正確に言えば、サン=テグジュペリの「星の王子様」の挿絵を真似て書いてみたところ。新しいシャーペンを買ったので、試し書きがてら久しぶりにシャーペンで絵を描いてみた。

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シャーペンを使う機会はめっきり減ったけど、模型制作で正確な線を引くにはやっぱりちゃんとしたシャーペンが欲しい。リベットを打つ位置やカットする寸法を定規から正確に転記するには、できるだけ芯が細いことが理想だけど、強度のこともあって芯の太さは0.3mmが限界なのかと思っていたら、0.2mm芯のシャーペンがありました。その名は「orenznero」(オレンズネロ)。Pentelから2017年2月に発売。(コンセプトドローイングはメーカーサイトより引用)

d0360340_18372300.jpgメーカーサイトによれば、芯の減り具合にあわせてシャフトのパイプがスライドすることで極細芯で書くことが可能になったのだとか、また自動芯送り機構を搭載して芯の出しすぎで折れるのを防止する、とのこと。

ちょっと興味を惹かれたので買ってみました。新機軸の技術云々以上にドローイングの製作図面のようなロゴがツボだったので、ほとんどジャケ買い。
届いたパッケージは黒地にシャーペンの図面のグラフィックがクールでよい感じ。

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早速、箱を開けて常用のシャーペンと比較してみます。上が新しく買った「ORENZNERO」0.2mm。下が常用のシャーペン。同じくPentelの「GraphGear」0.3mm。芯を保護するパイプの太さをデジタルノギスで測ってみると。「ORENZNERO」が0.5mm、「GraphGear」が0.8mm。

ちなみに「ORENZNERO」のネーミングは左側から読んでも右から読んでもオレンズネロ。自動芯送り機構でずっと描き続けられることを表現しているのだとか。

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ガチンコ対決。0.2mmと0.3mmの芯で買いた線と文字。芯の硬さにも影響されて、ぱっと見でそんなに変わらなく見えたりして正確な比較にはならいのですが、0.2mmのほうが線は軽い感じですね。折れずに描けます。ただ、オレンズネロの場合、シャフトからほとんど芯が出ないで書けるようになっている反面、たとえば定規で精密な線を引くとか、定規の目盛りにあわせて寸法をプロットする、というような使い方をする場合は、シャフトの「厚み」が少し邪魔になるかも。芯を余分に出して、折れやすくはなるけど芯の細さを生かして使うのがベターかな。

d0360340_19112868.jpg使い終わった後は、ノックボタンを押しながら芯を紙に押し付けてやると、芯送りのシャフトパイプがペン本体に収納される仕組み。

鞘に収まるというか亀みたいというか、精密なシャフトが本体の中に隠れることで、うっかり床に落として先端を曲げてしまう事故を防げるのは嬉しい配慮。

今まで落としてオシャカになったシャーペンの多いこと。紙の上に文字を書くだけならそうでもないけど、模型のパーツを手に持って、寸法を移したりしている時に、ついうっかり手から滑り落ちること、ありますよね。



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「本当の定規」も買いました。コクヨから発売の15cmの定規。30cmnのバージョンも発売されてるみたいですね。gizmologの記事で知って購入。AMAZONなどでは売ってなくメーカーの通販サイトから。

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この定規の画期的なところは、何よりも「厚みのない線」を実現したこと。通常の定規のように目盛りを印刷(or刻み)の線で表現する限りは線自体の太さからは逃れられなくて、線の太さが0.2mmなら1cmといっても厳密には9.9mmから10.1mmまでのブレが生じてしまう。線の中心で目盛りを読むのか、端のどちらかで読むのか決めておかないと、誤差は結構大きい。たかが0.2mmといっても、シャーペンの芯の太さほどある訳だから。
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「本当の定規」では目盛りは線ではなく面のエッジで表現されている。物質世界で線を表現しようとする限りは、その線を実現する物質の「太さ」から逃れることはできなくて純粋な一次元の線というのは概念の中にしか存在しない。しかしこの「本当の定規」では、面という2次元の終わることにON/OFFの切り替わる「線」が現れる、ともいうような目からウロコの表示の仕方。

この定規の「正しい目盛り」を頼りにオレンズネロで引いた0.2mmの線が太く見えますね。こうなるとシャーペンももっと細い芯の製品が出ないかしらと思ってしまうけど、芯という太さが必要なものを使う以上は限界がありそう。やはりカッターで面を切り裂くことでしか物質的厚みを持たない線は引けないのだろうか。



しかし面が終わるところに厚みを持たない1本の線が現れるという思考にはワクワクしますね。物質から解放された無重力の線、ともいうような。

その昔、地球が丸くなかった頃、この世の果てには海が滝のように奈落へと流れ落ちる場所があって世界はそこで終わる、という風景が想像されてたようですが、この「正しい定規」を見てるとそんな世界の終わり方も素敵だなと思ったりします。

まだ訪れたことのない遥か遠く南の海と島々が突然に厚みを失った映像のように流れおちて世界が終わる場所。

その風景を想像してPhotoshopで作ってみたよ。
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世界の終わるところの想像図:※イメージなので実際とは異なる場合があります。



by hn-nh3 | 2018-05-11 20:24 | 資料 | Comments(0)