断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

デモドリ3号(Panzerjager 39(H)7.5cm)

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7.5cm PaK40 (Sf) auf Geschutzwagen 39H (f)

急ぎの仕事で立て込んでいるのと、メッシュパーツの調達待ちでKV-1戦車の制作は停滞。今週はブログ記事落とすと思いきや、ありますよ.溜め込んでいるネタいろいろ。そういう時のために作りかけの模型が山のように。

旧作紹介。デモドリ3号のPanzerjager 39(H)7.5cm。2012年5月〜

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下地塗装まで進んだところで中断していたキット。1940年のフランス戦で大量に鹵獲したオチキス戦車の車体上部を取り払って、7.5cm対戦車砲搭載の自走砲に改造したこの車両。1942年に24両が作られて、44年6月のノルマンディ戦に投入されたと言われています。このオチキス車台の自走砲は、Marder1でひとくくりにされたり、7.5cm PaK40 (Sf) auf Geschutzwagen 39H (f)という表記だったり、簡単で的確な呼び名がないのが残念。

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この対戦車自走砲を作ったのは、魔改造先生こと、アルフレート・ベッカー少佐のBaukommando Becker。
この話はどこかでやりたいと思ってました。ロレーヌシュレッパー車台に対戦車砲を乗せたMarder Iとか、ソミュアMGCハーフトラックにロケットランチャー積んだり、みんなこの人の仕業。
(写真出典:wikipedia commons)

中古のフランス製車両にドイツ製戦闘用品を積んだ強引なシルエットとか、即興仕事のようで無線機は抜け目なく積んでたり、こういうハイブリッドな感じは好みです。

38(t)戦車車台をベースにしたHETZERを好きなのも同じ構図だから。あれはドイツ戦車じゃなくてチェコ製戦車ですね。搭載砲だけドイツ製。
自走砲で最強のナースホルンとか最強駆逐戦車のヤークトパンターなどは美しいシルエットですが、純正品のソツのなさというか、イマイチ面白みに欠けるというか。

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オチキス車台の自走砲には対戦車砲型と榴弾砲搭載型の2タイプあって、10.5cm砲を搭載したものは、その昔、グンゼのハイテクキットでリリースされたことがありました。お値段もハイテクで当時高校生だった自分には手の届かないものでしたが。

時代が変わり、10.5cm砲搭載型も7.5cm対戦車砲型もインジェクションキットとしてリリースされるなんて、そんな未来がくるなんて信じられなかったですね。タイムマシンと、どこでもドアは未だに実現してませんが.. あの頃は、AMAZONという名の有料4次元ポケットも想像の外側。

この自走砲はBroncoとTranpeterの2社からリリースされていて、データー盗用があったとかないとか言われてますが、こんなの競い合って出してどうしたんだという気もしますが。
私はBronco版で制作しました。メーカー初期の製品だったりして、ディテールとかパーツ勘合とかイマイ微妙。もっとも制作当時は出戻ったばかりでドラゴンのスマートキットなど21世紀水準のキットに疎かっちゃのでそんなに苦にはならなかったです。


しかし。それ以上に問題だったのは、「実車に全然似ていない」という話。
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(YouTube:Rommel Reviews the 21st Panzer Division/0:10)

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ロンメル将軍の謁見を受ける第21戦車師団の動画、 冒頭10秒ぐらいにちらりと映るこの車両のシルエットと、この側面図(トランペッターのキットのインストにあったものの左右反転)が全く違う。トラペのキットもブロンコのキットのどちらも図面のようなシルエット。前面装甲板の角度がまったく違う。

なんでこんなこと起きたかということには理由があります。両社のキットの設計の元になっているのがドイル先生の作った図面で、この側面図もそれを下敷きにしたものです。しかし、このシルエットは7.5cm対戦車砲型のものではなく、10.5cm榴弾砲搭載型。おそらくはソミュールに現存する10.5cm榴弾砲搭載型を測って起こした図面を元に、搭載砲と正面シールドだけ7.5cm対戦車砲に置き換えたからです。
対戦車砲と榴弾砲では砲架の大きさが違って、榴弾砲型では前面装甲板の角度が垂直に近い形状になっているのをそのまま対戦車砲型に当てはめてしまったからだと思われます。

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動画からキャチャした画像に加筆して正しいシルエットを探ります。これを元にキットの戦闘室装甲板を切断、前面装甲板の角度を修正しました。
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製作中に撮った写真をどこかになくしてしまったので、どこまでがキットの部材でどこがプラ板細工なのかが見せられないのは残念ですが、とにかく修正後はこんな感じ。錆止め塗料のレッドサイドカラーのサフェーサー吹いて、パンツアーグレーを吹いてアルコールで塗料を少し落としてみた段階。
ノルマンディ戦の頃はダークイエローにグリーンとブラウンの三色迷彩を施されてますが、工場からのロールアウトは1942年なのでおそらくは最初はこの色だったと想定。この後にダークイエロー単色迷彩の状態でロンメルの謁見を受けて、連合軍の上陸の前に三色迷彩を施されたと思われる、その過程を塗料のハゲなどで再現してみようと考えてました。そこで現在に至る...という状態。
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オープントップの車両の魅力は戦闘室内の工作。戦闘室前面の2重装甲はプラ板で制作。7.5cmPAK40 対戦車砲はタミヤのMarderⅢから流用。砲架のまわりの半円紡錘状のインナーシールドはプラ板を湯呑みに巻きつけてお湯を張った鍋でことこと煮て整形。無線機、MGドラム弾倉ラック、砲弾ラックはBrast Modelのレジンパーツを利用。無線機にはエナメル線で配線追加。MG架はキットのエッチングパーツをベースにディテールアップ。
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足まわりはキットのものを使ってますが、かなりファジーでしたね。鋼製転輪はリムが厚ぼったかったので、手持ちドリルレースで内側から薄く切削。誘導輪は実車はプレス部品なのかエッジ部分に返しがある形状になっているのがキットでは再現できていなかったので、精密マイナスドライバーを当てて削り込み。ホイールキャップ周りのリベットも追加したかな?
昔のことで記憶が曖昧。フェンダーは薄々加工。車体前面の鋳造スポンソンの形状も修正したように思います。写真に撮っておくかメモ残しておかないと忘れてしまいますね。あちこち埃にまみれてるのはご愛嬌。ウェザリングではありません。
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後ろ姿。見よこのブサカワぶり。よわよわナースホルンという雰囲気がなんとも。
リメイクという訳ではないけど、ぼちぼち制作再開して時間を経て3色迷彩になった塗装の質感を再現したいと思ってます。ぼちぼち。

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そう、SUMICONで来月くらいから制作開始する、同じくBaukommando Becker製のロレーヌシュレッパー15cm自走砲。そのちょっと個性的な迷彩塗装の習作のつもりで、この機会に積年の未完成キットを完成させてみようという魂胆、なのです。
そんな訳で唐突に伏線回収。

デモドリ3号、不定期連載(の予定)




Commented by かば◎ at 2018-05-19 02:16 x
オチキスは「いつか作らなきゃいかんテーマ」としてずっと抱えているんですが、3つのキットがどれも帯にも襷にも状態で悩ましいですね。

私はブロンコのキットに、フチがそれなりに薄いトラペの転輪を流用してお茶を濁そうと思ってたんですが……。

ちなみにブロンコの転輪、初版と、後の短砲身版とで転輪パーツがちょっと違うようです。初版の転輪はリム部分のエッジが丸いようなんですが、私の持っているCB-35019ではエッジが角ばっています。

自走砲版はどうでした?
Commented by hn-nh3 at 2018-05-19 05:01
BPmodelの制作記事(http://www.bpmodels.net/Model/Album/phpBB2/viewtopic.php?t=32&sid=c3822130bb8606db0afff36dde0bec65)を見ると、転輪のエッジは角が割と立ってますね。PMMSのブロンコ/トラペ対決レビューを見ると確かにブロンコのは転輪リムは丸っこい感じですが、自走砲版にはリファインされたもの入ってたようです。それでも縁が野暮ったかったりしたので削ったりの大騒ぎで作った記憶があります。

オチキスは戦車タイプも作りたいアイテムですが、どうにもこうにも。ブロンコ版の足回りでもう一度作れといわれたら迷わず辞退しますね(笑)
細かいこと言わないからタミヤあたりでリリースしてほしいとも思いますし、ホビーボスでも我慢します。

フランス戦車は鋳造ボデイ曲面の形状把握、癖のある足回りの機構など、キット化のハードルは高いけど数売れるアイテムではないから、どこもあまり手を出してこないですね。
同じくキットに恵まれないルノーR35がブラチモデルのフルレジンキットがリリースされたと聞いて狂喜乱舞、これまた大枚はたいて買い込みましたが、車体上部とか砲塔とか、やっぱり形を捉え損ねてるんですよね。以外とホビーボス版のほうが正確なのではと思ってしまうくらい。
ルノーR35の制作再開は当分先になる気もするので、どこかでまた未完成レビューでもしようかしら。

KV-1は結局アベールのエンジングリルに手を出しました。筒型燃料タンクの基部もエッチングに頼ろうと同じくアベールのものを一緒に調達かけたら、取り寄せとかでしばらく時間がかかりそうです。
Commented by me20 at 2018-05-19 05:52 x
えええ~ブロンコのH39ってそんなにダメなんですか。スミコンはブラチの改造キット組んでH35でエントリーしようか迷ってたんですけども。
考えてみれば持ってるのが35001ののキットなので問題ない訳ないですよね…。
Commented by hn-nh3 at 2018-05-19 11:37
パーツ嵌合もいまひとつで、金型技術を追求した以降のブロンコ製品とは違う、多分に東欧キットを思い出させるクオリティですね。
me20さんなら、そのくらいはノープレブレムの範疇でしょうが、スマキ世代には辛いでしょうね。私も前者なので転輪のドリルレース加工も楽しい作業でしたが。
PMMS(https://www.perthmilitarymodelling.com/reviews/vehicles/bronco/cb35001susp.htm)

ブラチモデルのH35コンバージョンキットは欲しかったんですよね。フルレジンとは言わないまでもサスペンションまで含めてくれれば...とは思いました。

me20さんのブログ記事を見て、タミレリ版のFIAT508コロニアーレはどんなだったかなと、積みの山の古層を掘削中です(落盤注意!)
Commented by デビグマ at 2018-05-19 21:58 x
オチキスの自走砲、違和感の正体がわかってスッキリしました。この自走砲好きなんですが、トラペもブロンコもイマイチでずっと躊躇してます。ブロンコのH39はサフ吹きでまでで放置中ですが、ファジーな足回りは体験済みなので。。
スミコンの15cm自走砲、楽しみにしてます。今回は投票なしなので、また参加しようかしら。
Commented by hn-nh3 at 2018-05-20 06:56
デビグマさんのオチキス制作記事、見ました。^^
後から作る人にとっては、アーカイブとして整理された記事は 嬉しいです。
足回りとかやはり苦労されてますね。私はあの履帯はあきらめてフリウルに手を出しました。

自走砲の制作にあたって、いろいろ調べたこともあるので、改めてアップしておこうと思います。このキットを作ろうと思う人もいまさらいないでしょうが(笑)

SUMICONは投キットを完成させる場所として楽しいところなので、今年も参加します。デビグマさんもぜひぜひ!
by hn-nh3 | 2018-05-16 21:45 | Hotchkiss系列 | Comments(6)