オープントップ(Panzerjager 39(H)7.5cm vol.2)
2018年 05月 20日

自走砲って好きです。オープントップの車両は、戦車だと分厚い装甲板に隠されてしまう内部の複雑な機構が全部見えたりして、模型としての見せ場が多いところでしょうか。作るのに手間がかかるから完成までたどりつかなかったりするのですけど。
思えば、デモドリ1号はセモベンテL40 da47/32(イタレリ)、2号は Sdkfz.138/1 15cm自走重歩兵砲 グリレH型-極初期型(ドラゴン白箱)、そして3号がこのオチキス改造自走対戦車砲(ブロンコ)。
対戦車砲型では現存車両はないものの、10.5cm榴弾砲搭載型はソミュールに現存。それも内部工作の参考になります。ただし戦闘室デッキ後部の床板が失われているなど不完全な状態なので、車両の正確な再現とはいかず、その他断片的な資料とあわせての推測になる部分も。
戦闘室後部、エンジンデッキの脇にセットバックしたニッチ状の窪みは何のスペースなのか。ここは資料のない部分ですが、海外のモデラーが即応弾ラックの場所と推測していたのに倣って、想像で作ってみました。ロレーヌシュレッパー車台の対戦車自走砲:Marder1にも即応弾ラックはあるので、その可能性はありそう。
外から見える部分の戦闘室内の塗装は、車体色のパンツァーグレー。砲架下から運転席への隠れる部分は室内色の白で塗ってあります。この塗り分けはハーフトラック(Sdkfz251)やグリレH型の当時の写真で確認できるパターンを踏襲してます。エンジンのミッションやキャブレターは、オチキス戦車の内部塗装色を調べて、ライトグリーンとブルーで塗装。実際には改装時に車体色と同じグレーで塗りつぶしてしまっているような気もしますが、そこは模型的なアクセントとしての判断。

残っている数少ない記録写真で確認できる内部塗装色はダークイエローよりも暗い色。左下の写真でよくわかります。PAK40の砲尾は明るいダークイエロー。防盾内側はそれよりはるかに暗い色。装甲板の角度で暗く見えているということを考慮しても、ダークイエローではないことは確か。BLAST Model の組立て説明書にも内部色はグリーンかグレーかもね、との言及あり。
右下の破壊された車両の矢印部分。側面装甲板が吹き飛んで、インナーシールドに色ムラはが見えます。外部がダークイエローでオーバーペイントされたとき、側面装甲板が邪魔になって塗料が届かなかった部分にロールアウト時のグレーが残っているのだと想像します。戦闘室内も暗色に見えますが、これは装甲板の角度で暗く見えてたり、火災でススがついた可能性もあるので、内部がグレーで塗り残されていたのか外部同様にダークイエローでオーバーペイントされていたのかは判断がつかず。
右上の内部写真は左上の後ろ姿の車両と同一車両のものと思われますが、影になって色調の判別は難しいところですが、機銃架や無線機ラックはダークイエローか。戦闘室の後ろ扉は内側にもダークイエロー、3色迷彩が施されているのがわかります。これは戦車のハッチの内側を車内色でなく車体外部色に塗って、解放時にも目立たないようにしていたのと同じ塗り方。

これは10.5cm砲タイプですが、戦闘室内部のディテールがわかる貴重な写真。原典はWaffen-Revue70か。
この写真を見ると、戦闘室内部は外側のダークイエローとは全く違う暗色で塗られていることがわかります。
外防楯と砲身はダークイエロー。内部は製造時に塗られていたと思われるフランス車両系のグリーンか、1943年までの独軍制式色のパンツァーグレー。
ルノーR35を改造した4.7cm対戦車自走砲の塗装色はグレー、ロレーヌシュレッパー自走砲で同じくグレー塗装のカラー写真があることから判断すると、製造が1942年のこの車両もロールアウト時には内外ともにパンツァーグレーで塗られていたのでしょう。
そしてこの車両に限らず、その後の制式色の変更にあわせて車体をダークイエローに塗り替えが行われ、必要に応じて迷彩も施されたと想像します。
オープントップの戦闘室内側の塗り替えをどうしたのかは、車両ごとケースバイケースだったと判断しています。たとえば、ロレーヌシュレッパー15cm自走砲の戦闘室内側にも迷彩(イエロー+グリーン)が施されている車両などの写真も残ってます。後記のPANZERWRECKS15に掲載されたパリのバリケードに使われたオチキス車台対戦車自走砲の戦闘室内側はダークイエローに塗られていたことが写真で確認できます。

この後、ダークイエローでオーバーペイントして三色迷彩にする予定でしたが、内部までダークイエローを吹くのか迷彩はどんなパターンにするのか思案しつつ、そして5年の月日が流れすぎ...

戦車の裏面がわかる写真は博物館車両でもなかなかなくて、ましてや記録写真となると...
リサーチしていたとき、ノルマンディ戦で使われていたフランス系車両の写真を追跡しているおもしろい記事があったので、参考までにリンク貼っておきます。
道端でひっくり返っているルノーR35やオチキスH39。1944年でも結構使われてるんですね。

これは本来は参照元にリンクを貼るか、引用元を明記すべきものなのですが、見つけたときから時間が立ってしまい、元ページにたどり着けず、検索してもわからなくなってしまっていることもあるので、モデリングの参考までに、ひとまず別サーバーにアップしたものにリンク貼っておきます:Marder l : A quick guide 1-3

キットのフォルムがなんか変だと気になってリサーチして海外のモデラーも同じこと気にしてた記事も見つけたりして、それらを参考にキットの戦闘室の装甲板の角度を改修。BLAST Modelsのパッケージ写真でもわかるように、キットのフォルムからはずいぶんと正確になったと満足していたのですが、その後発売されたPANZERWRECKS15(p8-9)を見て真っ青。

防楯が失われて戦闘室装甲板の前部形状がはっきりとわかるその写真は、前面装甲板が車体と接続する箇所ががフェンダーと車体の接する部分ではなく、だいぶ内側に入り込んだところにラインがあるのを確認できます。
確かに、そこに切り替わりのラインがあると、キットでは防楯の装甲板の角度と戦闘室装甲板の角度が大きくずれているのが、より自然な関係になるので合点のいく話。
これは気がつかなかったなー。ついついドイルさんの元図面に引きずられて、切り替わりのポイントは現存する10.5cm砲搭載型と同じフェンダーと車体の接する部分だと思い込んでた....
しかしそうと知ったら、他の写真もなんとなくそんな感じで見えてくるから人間の目というのは信用ならない。
こんなレポートを見ちゃうとますます興味持っちゃいますね。しかし前面装甲板の切り替わりのラインが内側に入りこむということは車体前半の鋳造部分との関係がどうなってるのか良くわからない・・・
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オチキス戦車を作ったことある人にしかわからない話かもしれませんが(笑)
戦車車台の鋳造ボデイの前部パーツの分割ラインで基本的には自走砲の戦闘室前面装甲を立ててると考えるのですが、戦闘室の形状にあわせて鋳造部分を一部切り欠いているのか自走砲の装甲板を曲面にあわせて削り込んであわせてあるのか、少し検証が必要かもしれません。
ブロンコのオチキスは、この鋳造前部パーツの分割ラインの位置がどうもおかしいですよね。それで操縦手まわりのベンチレーターとかの関係も少し狂ってしまっているように思います。
このあたりから洗い直しが必要なので、検証には少し時間がかかかると思いますが、この問題は決着させておきたい気がします。
戦車車台の鋳造ボデイの前部パーツの分割ラインで基本的には自走砲の戦闘室前面装甲を立ててると考えるのですが、戦闘室の形状にあわせて鋳造部分を一部切り欠いているのか自走砲の装甲板を曲面にあわせて削り込んであわせてあるのか、少し検証が必要かもしれません。
ブロンコのオチキスは、この鋳造前部パーツの分割ラインの位置がどうもおかしいですよね。それで操縦手まわりのベンチレーターとかの関係も少し狂ってしまっているように思います。
このあたりから洗い直しが必要なので、検証には少し時間がかかかると思いますが、この問題は決着させておきたい気がします。
案外、装甲板を切り出して車体に合わせたら上手く合わなくて車体を削って辻褄を合わせた結果だったりして。。
ブロンコのオチキスはキットとして未熟な部分の手直しに終始してしまい、実車との違いについてはあまり考察してないので分割ラインは気が付きませんでしたね。すっかりこの自走砲の虜になってしまったので、ぜひ解明をお願いします~
ブロンコのオチキスはキットとして未熟な部分の手直しに終始してしまい、実車との違いについてはあまり考察してないので分割ラインは気が付きませんでしたね。すっかりこの自走砲の虜になってしまったので、ぜひ解明をお願いします~
>>車体に合わせたら上手く合わなくて..
当時は3D CADなんかないから、工場での試作はそんな感じだったと想像しますよ。3面図から装甲板の型紙を起こして最初はベニヤ板か何かに写して切り出して車体に合わせて...さてどうしよう??という姿が目に浮かびますね。
生産の省力化とかパーツの共通化とか、そういう合理的思考は戦後のマスプロダクトの価値観だったりするので、そこは注意して考えないと考証を見誤るかもしれません。先人が10.5cm砲型と7.5cm砲型を共通の戦闘室形状で復元してしまっていたのもその思考の罠。
当時は3D CADなんかないから、工場での試作はそんな感じだったと想像しますよ。3面図から装甲板の型紙を起こして最初はベニヤ板か何かに写して切り出して車体に合わせて...さてどうしよう??という姿が目に浮かびますね。
生産の省力化とかパーツの共通化とか、そういう合理的思考は戦後のマスプロダクトの価値観だったりするので、そこは注意して考えないと考証を見誤るかもしれません。先人が10.5cm砲型と7.5cm砲型を共通の戦闘室形状で復元してしまっていたのもその思考の罠。
こんにちは。ご無沙汰しております。
以前から、こちらの記事が気になっていて、いつかトライしたいと思っておりました。
最近、何をとち狂ったか、アルケット製のロレーヌ105ミリ自走砲を作っていまして(実はこちらがベッカー社製だという説も出ているようですが…。)、こちらの目途がついたので、次は、このオチキスに着手したいと思っています。
車体側面のイメージはだいたいつかめたのですが、この前面装甲板と、車体の関係がとてもわかりにくいですね。また、お尋ねすることがあるかも知れませんので、よろしくお願いいたします。
以前から、こちらの記事が気になっていて、いつかトライしたいと思っておりました。
最近、何をとち狂ったか、アルケット製のロレーヌ105ミリ自走砲を作っていまして(実はこちらがベッカー社製だという説も出ているようですが…。)、こちらの目途がついたので、次は、このオチキスに着手したいと思っています。
車体側面のイメージはだいたいつかめたのですが、この前面装甲板と、車体の関係がとてもわかりにくいですね。また、お尋ねすることがあるかも知れませんので、よろしくお願いいたします。
マンリーコさん
お返事遅くなりました。アルケットロレーヌ105ミリ見ました!。あれ作りたいなと思ってました。
オチキス車台の7.5cm砲は10.5cm砲とは装甲板の組み立てが違うんですよね。10.5cm砲は現存車両があるので、ディテールもよくわかるのですが....
10.5cm砲型との違いは
1.戦闘室前側面の装甲板の傾斜化角度が大きい
2.正面の装甲板と前側面のジョイント位置の違い。
1.はノルマンディでのロンメル将軍謁見時のフィルムに写ってる横姿から類推するのが一番良さそうです。
2.はPanzerwrecks15 で気づいたのですが、前側面の装甲板と正面装甲のジョイントが車体に食い込む位置になっている。これに気づくと確かに他の写真でもそのように解釈できるディテールになってます。ここはトラぺもブロンコのキットも完全に間違ってます。
それから3.前側面装甲の内側に砲と共に旋回する円錐型の防楯があります。マーダー3のような形状ですね。これはトラぺのキットでは再現されていてブロンコではオミットされています。
戦闘室内は無線機ラックの数。片側1個か両側で3個か。マーダー1のような即応弾ラックはあるのかないのか。これは悩みどころ。小ネタとしては誘導輪が穴あきの旧タイプの車両もいたりして中古車改造ならではの面白いところ。
いやはや最近、バタバタしていて模型触ってないのでだいぶ忘れちゃいました。落ち着いたらちょっと資料を見直してみますね。
お返事遅くなりました。アルケットロレーヌ105ミリ見ました!。あれ作りたいなと思ってました。
オチキス車台の7.5cm砲は10.5cm砲とは装甲板の組み立てが違うんですよね。10.5cm砲は現存車両があるので、ディテールもよくわかるのですが....
10.5cm砲型との違いは
1.戦闘室前側面の装甲板の傾斜化角度が大きい
2.正面の装甲板と前側面のジョイント位置の違い。
1.はノルマンディでのロンメル将軍謁見時のフィルムに写ってる横姿から類推するのが一番良さそうです。
2.はPanzerwrecks15 で気づいたのですが、前側面の装甲板と正面装甲のジョイントが車体に食い込む位置になっている。これに気づくと確かに他の写真でもそのように解釈できるディテールになってます。ここはトラぺもブロンコのキットも完全に間違ってます。
それから3.前側面装甲の内側に砲と共に旋回する円錐型の防楯があります。マーダー3のような形状ですね。これはトラぺのキットでは再現されていてブロンコではオミットされています。
戦闘室内は無線機ラックの数。片側1個か両側で3個か。マーダー1のような即応弾ラックはあるのかないのか。これは悩みどころ。小ネタとしては誘導輪が穴あきの旧タイプの車両もいたりして中古車改造ならではの面白いところ。
いやはや最近、バタバタしていて模型触ってないのでだいぶ忘れちゃいました。落ち着いたらちょっと資料を見直してみますね。
by hn-nh3
| 2018-05-20 11:58
| Hotchkiss系列
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戦闘室内部の造作は