断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

模型の手帖 8月号 (KV-1 vol.5)

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いつのまにか蝉の声を聴く季節。新刊の模型の手帖はKV戦車特集ですね。

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TAKOMからはKV戦車の親玉、SKMも発売になるし、タミヤさんからはレンドリースM3スチュアートもリリースされたし、今年の夏はロシアが熱い!

サッカーのワールドカップ、ロシア大会もなんだかんだ盛り上がりましたね。会場が置かれたロシア各地の都市にはヴォルゴグラード(旧スターリングラード)とかロストフ、サンクトペテルブルグ(旧レニングラード)など、どこかで聞いたような名前がいくつもあったりして。こんなところで歴史と現在が繋がってリアルを感じます。会場の一つ、バルト海に面する都市のカリーニングラードは、その昔はケーニヒスベルグと呼ばれた旧ドイツ領、東プロイセンだったんですね。歴史は複雑。

模型に話題を戻します。M3スチュアートは買ったけど、SMKは様子見。その前にケーブルドラムのキットとか難民セット買わないとだし、それ以上にその前に作りかけのKV−1戦車を何とかしないといけないし。という訳で久しぶりにKV−1。前回の記事は5月でしたね...

KV−1の制作再始動。冒頭の雑誌はフェイクです。モチベーションアップのために作ってみました。
パーツの検証記事のカバーヴィジュアルとして、「暮らしの手帖」を何となくイメージしたものの、どこか「美術手帖」っぽい感じにもなってしまって、グラフィックデザインなかなか難し。もう少しこだわってみたかったところではあるけど、そんなことしてないで早く模型作れよって声も聞こえるし。

KV-1の製作が中断したにはちょっと理由があって、それはエンジングリル。
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トランペッターのキットはエッチングパーツを使わずに全てプラで表現するという潔さ。グリルは両端がカマボコ型になった初期のタイプと片側がフラットに潰れた後期のものの2タイプの選択式。ディテールはしっかりしていて、中間部の枠がメッシュの外側にくるのと、枠をメッシュがまたぐ違いも丁寧に再現。欠点はメッシュがプラスチックのモールドである、ということぐらい。

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メッシュを表現するならやっぱりエッチング。試しにボイジャーモデルのものを購入。値段も手頃で「フェザータッチ」と銘打った繊細さをうたったシリーズに期待。透けぐあいとかが気になります。
しかし、問題はそれ以前の話。寸法が少し幅広でトランペッターのキットにはうまく納まらない。。

d0360340_23253331.jpgそれで結局アベール。繊細さと精密さは定評あるメーカー。問題はお値段か。。と思いきや、エンジングリルだけならそれほどでもなかったので買ってみました。

ついでにフェンダー上の増設タンクのパーツも買ってみました。タンクはドラゴンのT-34についてるパーツを流用できるかなと思ってましたが、固定用の金具を必要な数だけプラ板でスクラッチするのはちょっとしんどいかなと、ここはエッチングのキットに頼ってしまおう。

しかしこれが海外からの取り寄せになるとのことで、2〜3週間待ち。パーツが届くまで暫しクールダウン。そして..そのままいつものごとく月日が過ぎて3ヶ月。

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エンジンのグリルメッシュ。アベールのエッチングパーツの構成はこんな感じ。ボイジャーモデルでは省略されていた中間リブの内部構造もパーツ化。メッシュも両端カマボコ型(右上)と片側フラット型(左下)をきちんと再現。フラットになる部分の幅が平面の展開状態では少しすぼめられてるところとか重要。立体にしたときに幅がちゃんと平行になるようになってるんですね。ちなみにボイジャーモデルのものは未対応。

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アベール(左)とボイジャーモデル(右)の比較。片側をフラットにしようとするとボイジャーモデルのものは幅が平行にはならないのがわかりますね。ボイジャーモデルでは枠は外周しかなかったので内部をプラ板で追加工作。アベールのパーツは枠部分もすべてエッチング。縁を折り返してつくるような仕組みになっていてエッチングでは再現が苦手な「厚み」を再現できるようになってます。しかし折り返しの幅とか工作の限界を超えているのではと思わせる細さ。無理やり作ったらちょっと歪んでしまった。これを作るにはいい道具が欲しい。

しかし、枠の仕上がりの幅が全然違う。ボイジャーモデルのものが製作誤差で幅広になってしまった、ということではないのがわかります。

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アベールのエッチングパーツとトランペッターのプラパーツの比較。左が片側フラットのタイプ。右が両端かまぼこ型。仕上がり幅がトランペッターのキットと揃ってくるのが分かります。メッシュは2タイプ用意されてますが、枠は端部のリブの片側を切り飛ばしてフラットタイプに対応させる選択式なので、そのまま作るとどちらか1セットしか作れないことになります。

それで片側フラットの枠はプラ板で自作してみました。これを制作中のKV-1に使って、両端かまぼこ型のエッチング枠は「組立待機中」のKV-2に使うつもり。

しかしアベールのは、メッシュの周囲のリベットも作らないといけないんだね。気が遠くなる。
こうして考えると、トランペッターのオリジナルパーツは透過度以外は遜色のないディテールであったことを認識。塗装でそれらしく表現してやれば全然問題なし。

というのが3ヶ月かかって知りえた事実。

( 7/30訂正:文中のエッチングメーカーの名前が間違ってました。エデュアルドではなくアベールが正解...)

Commented by かば◎ at 2018-07-30 16:23 x
とりあえず!
エデュアルドではなくアベールでは……。
Commented by hn-nh3 at 2018-07-30 17:52
かば◎さん、校正ありがとうございます!
うっかり間違えちゃいましたね。。恥かしいので早速訂正しました(汗)ヴォイジャーモデルも読みにくいのでボイジャーモデルにあわせて修正。
Commented by hn-nh3 at 2018-07-30 18:02
エッチングパーツを購入してから日が経っていたものですから.... 私、告白しますが、アベールは初めてなんです。

実はディテールを細密に表現することにはそれほどこだわりがなくて、クランプ類でもプラパーツの出来がよければそれでよしとしてしまうことも。パッションモデルのものでも半分くらいしか使わないし。だからなんとなくアベールやエデュアルドは遠い世界とおもっていたから、名前にあまり馴染みがなくて..(笑)

どちらかというと形の意味を捜すのが好きなのかもしれません。模型を精密に作るのはそのための手段というか。
Commented by hiranuma at 2018-07-30 18:23 x
「模型の手帳」どこで売っていますか?
しかし、2018 SPRING では、、
Commented by hn-nh3 at 2018-07-31 00:01
>hiranumaさん
あああ....痛いとこ突かれました。
その実、このカバーデザインは思い付いて5月早々に作ってあったのです。5月春号というのが原型。しかしパーツの到着を待っている間に月が明けて5を6に直し、作業が遅れて6を7に、原稿を落として7を8に..ようやく8月号にして出版(笑) 春を夏に直すのをすっかり忘れてましたよ。嘘はつけませんねー

便利なアフターパーツがいくらでもあるのにhiranumaさんは何故にプラスチックの工作で全てを作ろうとするのだろう? と、ちょっと考えてました。

エッチングやら何やらでディテールを足し算するのではなく、引き算ともいうべくプラスチックの固まりの刻み方をひたすらに小さくしていくことでそれこそ「解像度」を限界まで上げていくための作業。なのか?
優れた仏師は、木の塊の中から仏様の姿を何一つそこなうことなく鑿で彫り出しているだけだ、と聞いたことがありますが、何かそこに通じるものがあるような気もします。
Commented by かば◎ at 2018-07-31 09:16 x
うはははは。訂正ご苦労様です。

>>どちらかというと形の意味を捜すのが好きなのかも

ああ、これはいい表現ですね。
私もたぶん、それに近いと思います。
キットで、「そのような意味を感じさせる表現」になっていれば、私も手を入れずにそのまま生かしたい(ぶっちゃけて言えば、「あ、ここは手を抜こう(^^;)」と)と思うことが多いですね。

クランプ類は、最近はエッチングでいろいろ用意されていますが、例えばドイツ軍用なら、それなりのモールドがしてあればハンドルを足す/替えるだけで充分かなあ。

なお、アベールのKV用グリルメッシュ。横枠に取付ボルトの位置凹が入っていますが、このボルトは生産時期によって数が違う(特に1942年型ならもうちょっと間引かれている?)ので注意が必要です。
Commented by hn-nh3 at 2018-07-31 17:57
ボルト本数も違うのですね。気づいてなかった...ありがとうございます。
しかし、ここまでたどり着くだけでも思いのほか時間がかかってしまいました。箱を開けてパーツを眺めていた時はKV-1なんて3日で組めると思ってましたが...(いつだってそう)

クランプは工具をフル装備の状態で再現するならプラのモールドでも全然OK派ですが、ワイヤーカッターは無くしたなど変化をつける時が悩みですね。そこだけ空のエッチングクランプに変えても他とのバランスが悪いし。

そうか、工具と一体成型のクランプから工具の柄を切り飛ばして、クランプ部分に穴を開けたらそれっぽくなるかも。
こんどやってみよう。
Commented by hiranuma at 2018-08-04 09:55 x
hn-nhさん

私の工作は自由気ままに見た通りを再現できたらと思っています。出来るだけリアルに作れたらうれしい。メッシュパーツも使うのでプラスチック限定ではないのですがよく、プラモデルだからと言い訳しています。
コーナーポールやコードの類を真鍮線で作られる方が多いのですが作りにくいのでは? 伸ばしランナーやプラ棒で作ればすぐ出来るので取り扱いがしやすいと思います。
エッチングパーツはM3A4E8ではキットについていたので使って見ましたが瞬間接着剤を使って接着するのは難しいし、モノによってはハンダを使うのもあり未開拓の工作です。
それと、エッチングパーツは高くて探すのも時間がかかることが多くせっかちな性格なので待つのが、。
模型を作るコストは抑えたいと思っていますから要するにケチなんですね。
Commented by hn-nh3 at 2018-08-05 10:34
hiranumaさん

コード類は確かに真鍮線だと硬い表情になることが多くて、焼き鈍して使うか伸ばしランナーを使ったほうが雰囲気はよくなりますね。

やっぱりプラが扱いやすいのでなるべくならプラ細工がいいですね。それと工作の「均質感」というもありますし。
今、ブラチモデルのレジンキットを作ってますが、パーツの欠損の補修はプラ板でもいいのに、わざわざレジンの余りゲートから補修用部材を削り出して使ってます(笑)
Commented by hiranuma at 2018-08-05 14:07 x
hn-nhさん

ソリッドの同質感は大事だと思います。
粘土細工や彫刻など塗装しないものの素材だけの形から受ける造形のパッションみたいなものってあるような。
塗装せずに完了のモデラーもいますよね。
Commented by hiranuma at 2018-08-05 14:46 x
hn-nhさん

言葉の意味するところで印象が異なるのに
均質感:同質感としたこと失礼しました。
均質感の方がフィットするようです。

もう1つ、
作りだすことの喜びや楽しさが模型にはあるので、そういう意味でもプラ材は加工しやすいいので、自分のやりたいだけ工作できるのはいいのかも。(あまり説得力はないですね、)
Commented by hn-nh3 at 2018-08-05 22:10
均質というと中までミッシリつまった感がありますが、所詮は表面の問題となるとhiranumaさんのいう同質という言葉のほうがしっくりくる気もします。ニホンゴ難し。

ふーと思ったんですが、大戦期の車両はモノクロ写真からイメージを拾っていることもあり、模型も(実際に塗られていたかもしれない色で)塗装されたものより、色のない陰影だけの素材で作っている時のほうが「リアル」に思えたりすることがあります。...なんて、完成しない言い訳ですかね(笑)
by hn-nh3 | 2018-07-30 06:14 | KV-1戦車 | Comments(12)