無線機回収(ロレーヌシュレッパー 15cm自走砲 その5)
2018年 11月 11日
カッターの刃を慎重に差し込み少しひねってやると瞬間接着材で接合した部分がパリっと剥がれる。
既に配線をしてある無線機は、本当は配線を一度外して作業したほうが設置作業は楽になるという気がしたものの、せっかくつけた配線もバラすのは少し忍びなかったので、配線をつけたまま宙に浮かしてラックの取り替え作業。ずいぶんとアクロバティックな作業になってしまったもののなんとか完了。
無線機の雨避け板の上にはヘッドホンの収容箱が置かれるのが標準レイアウトのようだけど、ノルマンディ戦での捕獲車両の写真では見当たらないので、それに倣って設置してません。
車内通話用のコネクターが設置されているかどうかは、参考にした記録写真では判然としないものの、運転手がヘッドホンをつけていると思われる写真もあるので、運転手席への通話用配線があったと想像できます。となると車内通話用のコネクターも設置されていた可能性が大。模型ではスピーカーの後ろにチラリと見えるのがそれ。
無線機ラック改修完了。これで当たらずとも遠からず。資料写真と比較してみます。
この記録写真の高解像度の写真があれば、各部のディテールが判明するものも多そうですが、現時点での考証はこのくらいが限界。
射表といわれる射撃補正用の数値が書いてある黒板は、アフリカ仕様では無線機横の戦闘室内部側面に設置されてましたが、この写真を見る限りはノルマンディ仕様の車両ではそこになく、どうやら前面装甲板左側についていると思われます。装甲板上端がうっすらと線がダブルになっていて、内側に薄い鉄板が貼ってあるように見えるのが、射表ではないかと推測。
ちょっと気になること。米軍の調査報告書からの抜粋ですが、砲座の部分の車体には欠き込みがあるような図。そして補強用の三角のプレートの有無について。
BrachModelのキットではこの切り欠きは表現されてません。その横の補強用の三角のプレートがキットでは用意されているのですが、どうもこれは記録写真の読み取り間違いと思われます。
プラストラクトの1.2mmアングル材を貼り付けてそれらしく再現。砲座の欠込みは最大仰角時の揺架の干渉を避けるための措置だと思われます。これを再現するには模型の構造に影響するので今回は見送り。(まあ次回はないと思うけど)
これで工作は終了。時間もないから塗装を始めます。サフェーサープライマーを全体に吹いて、2400番のペーパーで粒子の荒れたところを均して下地調整。工作のキズや接着跡などスケール感を損なうものがないかの最終チェック。
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hiranuma
at 2018-11-11 20:38
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きちんとした考証に基づいた丁寧な工作、お上手です。
サフを吹いたら一段とカッコいい!!
私もサフくらい吹いてと思っているのですが、針仕事がチマチマとあって、、。
サフを吹いたら一段とカッコいい!!
私もサフくらい吹いてと思っているのですが、針仕事がチマチマとあって、、。
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hn-nh3 at 2018-11-12 04:14
同じ資料写真でも制作前と後では見えてくるものが違うから、一度作った部分もいろいろやり直したくなりますね。キリがないですけど。
サフ吹いて磨いてる時間が結構好きですね。色が着く前の陰影だけの世界というかなんというか。時間に余裕があればもう少し眺めて手の入れ方のバランスの悪い部分を修正したりもしたいところですが、スケジュールが押しているので少し塗装を始めてます。
サフ吹いて磨いてる時間が結構好きですね。色が着く前の陰影だけの世界というかなんというか。時間に余裕があればもう少し眺めて手の入れ方のバランスの悪い部分を修正したりもしたいところですが、スケジュールが押しているので少し塗装を始めてます。
by hn-nh3
| 2018-11-11 18:28
| ロレーヌシュレッパー系列
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Comments(2)