雨のノルマンディ(続編)

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ノルマンディー上陸作戦計画図(1944年6月6日):Wikipediaより

6月6日はのノルマンディーの日。1944年の6月6日に連合軍のノルマンディ上陸作戦が開始された日とかで、その75周年の記念式典に赤ネクタイの某国大統領が出席とのテレビのニュース。
いずれにしても「ノルマンディ上陸」なんて遠い昔の遠い国の出来事。

地図を切り取って見ると、イギリスとフランスの間にあるのは広い海ではなく、細長い海峡なんだなとあらためて思う。大陸と島国というより対岸。
距離だけでいえば地図の右上、ベルギー国境に近いダンケルクやパ・ド・カレーに上陸するのがよさそうに思うけど、地形的に潮の流れもきつそうだし、上陸したあと、そのまま東に向いてドイツ国境を目指すのか敵に背中をさらしてパリを目指すのか迷いそう。と、なると、半島の付け根の波も穏やかそうなノルマンディ地方が上陸の適地、のように地図からは見えます。そのまま進めばパリだし。

こういう半島地形は上陸作戦には向いてるのかな。米軍が沖縄に上陸(1945年4月1日)した読谷村(よみたんそん)も確かそんな地形。前に沖縄に遊びに行った時、かみさんまかせで決めたホテルがその辺りで窓から海を眺めながらここはどんな場所なのか調べて、そこでかつてそんなことがあったと知った。目の前の静かな青い海も数十年前に時間を戻すと..オリーグドラブ色の兵士を載せた上陸用舟艇で埋め尽くされて、陸は艦砲射撃で穴だらけになって..と想像するだけで眩暈がした。もちろんリアルは想像をはるかに超えてるのだろうけど。


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東京も梅雨入り。先週の木曜日の夕暮れ時、錦糸町での打ち合わせの帰りに秋葉原のラジオ会館に立ち寄り(寄り道)。イエローサブマリンの新製品コーナーでこんなものを見つけました。

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Hauler からリリースされた1/35スケールの傘のガレージキット(HLU35112)がちょうど入荷していたのに遭遇。

傘は以前にも一度作ろうとしたことがあって、その時はノルマンディ戦を題材にしたジオラマの小道具として傘を使おうと、プラ板のヒートプレスで自作するのか悩んだりするうちに時間がなくなり、結局は閉じた状態の傘を使った。その顛末を前に記事にも書いたのが:「雨のノルマンディ」

そんな記憶もあったし、入荷したその日がたまたま6月6日だったりもしたことあって、これは何かの縁かなと思い購入。消費税込みで1944円なり。

... あれ? 1944って。1944年にかけてるのかしら。そんな訳はないとは思うけど。そんなところで時間と場所が交錯するのはスケールモデルのもうひとつの楽しみ。

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キットの中身はプラ板のバキュームフォームで整形された傘のシェードと、真鍮エッチングの傘骨と簡単な組み立て説明書。傘の持ち手は0.5mmの針金を曲げて自作しろ、と原寸図入りで書いてあります。
欲をいえばレジン製の傘の柄を入れて欲しかったかな。鉄パイプを曲げただけの傘の柄なんて味気ないし。

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ディテールにこだわるなら、細かい傘骨を追加工作したりする必要はあるのだろうけど、基本形のパーツが安定した形で作れるのは結構ありがたいかも。幾何学的な形態の自作って難しいところあるから。

このキットがあれば、あのシーン(ノルマンディに展開する第654重駆逐戦車大隊のヤークトパンターの搭乗員が傘を差す写真)が再現できそう。もちろんそのためにはヤークトパンターのキットが必要だし、雨はどうやって降らせればいいのだろう?




Commented by at 2019-06-08 11:02 x
 こんにちは。諸々符合していくのは共時性って奴ですね。
 それにしても内容の割に高価な傘ですねえ。自作はかなり根気がいりそうなので足元を見ている感じ。ま、円安と収入が上がらない日本から見ているので酷く高く感じるのかもしれませんが。
 仰る通り、柄のハンドル部分くらいはバリエーション付きで同梱して欲しいところ。真鍮線をインサートしての成型くらいあってよいでしょうに。あ、石突も欲しい。あと、骨を受ける小骨のエッチングも欲しい。WW1の飛行機のスポークのPEみたいに。あと小骨を受けるスライド部分もインサート成形ですな。
 折角ですからパンサーモデルフィーベルの当該記事を読んでヤクパンとDU部品を買いそろえて着手でしょ!メーカーもそれを期待して傘を出したのでしょうし。
 雨は色付き?クリアーを吹いて濡れて色が暗くなったように表現をするのが定石ですが、今時は何か良い画材があるのかしら?
 そうそう、かばぶさんのタグ「クブシュ」のところに書き込んだのですが、現代版画家でワルシャワ蜂起、クブシュぞっこんの方が!
http://kazamasachiko.com
 ブログをだらだら見て行きますと繰り返しクブシュとワルシャワ蜂起の話題が出てきます。またポーランドに行って(”クブシュのためではない”そうですが2ショットを決めてクブシュグッズを買いあさっています)トランクが壊れてしまったのですが、その様を(戦後爆破された例の)ヘッツァーのペラペラの装甲に例えています。
Commented by hn-nh3 at 2019-06-08 13:22
Lさん、お久しぶりです(^^)
傘一本で約1000円と、コンビニで1/1スケールの傘を買ってもお釣りがくるくらいの単価を考えると、買うべきかどうか激しく迷いましたね。
値段は... 輸入代理店の経費などは仕方ないにしても、ユーロのレートが120~130円というのは100円ぐらいだった頃の感覚からすると割高に感じますね。現地のネットショップ価格で7.82 ユーロ。21%のVAT込みでその金額ですから、仮に100円のレートなら傘2本セットで税抜き650円くらい。そのくらいですよね。

>>柄のハンドル部分くらいはバリエーション付きで同梱して欲しいところ。真鍮線をインサートしての成型くらいあってよいでしょうに。

まさに同じこと考えてました。傘の柄の形でその人の性格描写ができるし、真鍮線インサートも十分可能ですよね。ブラチモデルなどはメタル砲身をレジンスリーブに鋳込んだパーツ作ったりしてましたし。

ヤークトパンターは前期型の格子状コーティング付きキットがTAKOMから出てますが、興味はあれど手が出せないですね。内容と品質からすれば良心的な価格設定だと思いますが、なんというか箱の大きさが... 先日秋葉原でTAKOMのパンター(赤外線暗視装置&対空装甲付)が並んでいるのを見ましたが箱の大きさにタジタジ。プラモというよりラジコンカーでも入ってるのかという大きさ。。

>>現代版画家でワルシャワ蜂起、クブシュぞっこんの方が!
http://kazamasachiko.com

知ってます。前に調べ物をしていてサイトを見つけました(^^) 形容しがたいキャラクターに少し慄きましたが。
見たらまたコンテンツが増えてましたね。ワルシャワで記念撮影したりとクブシュ愛がひしひしと。
Commented by hiranuma at 2019-06-08 19:49 x
傘 いいですね。
塗装の仕方は難しそうですが工作は、0.2mmか0.3mmのプラ板で作れないだろうか、、
微妙なラインや皺も含めてナチュラルに。
無理だと思うとできないし無理矢理やれば掛けた時間次第でできるような気もするのですが、何のため?
工作そのものが好きだからであれば馬鹿馬鹿しくても作れるかもしれませんね。
昔々作ったヤークトパンサーをまた作るときには傘を添えてみましょうか:いいかも。
Commented by hn-nh3 at 2019-06-09 06:29
ヒートプレスで傘を作る方法はこんな感じでしょうか。
https://www.1999.co.jp/erumaer/m922.html

薄く作るならプラ板よりも塩ビ板のほうが、熱による伸びや粘りがあって扱いやすいような気もします。クリアの塩ビで成形して、薄くサフェーサー吹いて着色すれば、光に透ける傘ができるかもしれません。

傘骨の曲線は単純な放物線ではないので、ヒートプレス型を作る時に曲率が変わる様子を再現できるとリアルな傘になりそうです。
Commented by vol de nuit at 2019-06-09 12:35 x
雨傘とヤークトパンター、私も再現したく、ロイヤルモデルの#415を購入しております。

キット化された傘を見てあの写真を連想するのは、AFVモデラーの性なのかも...笑
Commented by hn-nh3 at 2019-06-09 15:18
おや? vol de nuitさんも 傘をお持ちのようで。
ロイヤルモデルの傘はレジン製なのかしら?

それにしても皆さん...傘がお好きなようで(笑)
欧州ではみんな傘はささないというけど、傘をさす姿はやっぱり絵になりなすもんね。

だけど問題は今日の雨 傘がない...
Commented by vol de nuit at 2019-06-09 18:56 x
>ロイヤルモデルの傘はレジン製なのかしら?

フィギュアと同じく、レジン製の傘です。
ですが造形が甘く、あまり傘には見えないような...

ハウラーの方が数倍良いので、フィギュアの「おまけ」として割り切ったほうが良いかもしれません。
Commented by hn-nh3 at 2019-06-10 03:01
ロイヤルモデル no.415 の兵士が持ってる傘は、小ぶりで円錐形で、と不思議なシルエットですね。一般的にイメージする傘とは違うようですが、当時はこういうタイプの傘もあったんだろうなと、少し調べてみたけど結局わかりませんでした。

傘の形を指摘されて、「よくぞ聞いてくれました。これはかくかくしかじかイタリアはトスカーナ地方のなんたらかんたらで..」とウンチクを語るほどのことでもなさそうな気もするから、深入りは控えますが(笑)
by hn-nh3 | 2019-06-08 06:35 | 資料 | Comments(8)