Chwat :ワルシャワのヘッツァー vol.2

Chwat :ワルシャワのヘッツァー vol.2_d0360340_18403342.jpeg

「Chwat」号の製作編その2

前回は、1944年6月生産車の特徴を再現すべく車体足回りの修正。今回は車体上部の修正作業。ベースとしたタミヤのヘッツァーは1944年8−9月頃の中期型の車両のため、初期型にするにはいくつかの変更が必要。

Chwat :ワルシャワのヘッツァー vol.2_d0360340_18464894.jpeg

車体上部についているピルツ(組み立て式クレーンの取付台座)は7月以降の装備になるので、先ずはそれを削り取る(写真の矢印の3箇所)。

車長席は戦闘室レイアウトの関係でエンジンルームに食い込むような位置に設けられてますが、そのハッチは大きな跳ね上げ式。さすがにこれでは不便だったらしく、中期型以降は小ハッチが設けられる(黄色い丸の部分)ことになるのですが、6月生産車では未装備なので、ハッチのモールドを削り落としてハッチの溝をパテ埋め。パテはいつもの「瞬着パテ」(シアノン+ベビーパウダー)。

Chwat :ワルシャワのヘッツァー vol.2_d0360340_18541902.jpg

「Chwat」号に車長用のハッチが未装備なのは、当時の記録フィルムでも確認できます。8月5日、バリケードから回収する時に撮影されたフィルムより。

Chwat :ワルシャワのヘッツァー vol.2_d0360340_18593330.jpg

「Chwat」号を正面から捉えた映像。中央郵便局の蜂起軍部隊拠点にて修理して自走できるようになった時に撮影されたときのもの。前面装甲には"Chwat"のマーキング。
車体天板は火炎瓶攻撃の際の火災で外れたのでしょうか。そのままになってます。この特徴は後の作業にて再現する予定。

先ずは初期型の最大の特徴である砲身周りの修正。砲身は先端部にネジが切ってあるタイプ。防盾は側面のエラが削げたような形状。これらはDEFモデルのアフターパーツ(レジン+金属砲身)を利用。車体側のマントレットはキットの中期型のパーツを改造して初期型仕様に仕立てます。

Chwat :ワルシャワのヘッツァー vol.2_d0360340_19102544.jpeg

車体にボルト接合するための「耳」が左右に張り出しているのが初期型の特徴。プラ板をサークルカッターで切り出してピンバイスで穴あけしたものを重ね貼りにして厚みを確保したものを接着。エポキシパテを盛って周囲をなだらかに整形。外周のフランジも初期型は少しスリムに見えるので、実車の写真を参考にアウトラインを修正。

砲耳の部分は周囲がドーナツ状に浅く盛り上がっていて以降のタイプは形状が違っています。一度モールドを削り落としてプラ板をリング状に切り出したものを接着。これは別部品ではなく鋳造で一体で形作られているので、周囲にエポキシパテを盛ってシームレスに再現。

Chwat :ワルシャワのヘッツァー vol.2_d0360340_22525790.jpeg

砲耳部分に埋め込みもマイナスネジは0.5mmプラ棒の小口に筋彫りして再現。ピンバイスに挟んで作業したらセンターもとれて簡単にできました。砲耳の両側にある2つの大きめのネジは砲の吊込用のフックをつけるためのネジ穴のようです。1.0mmのプラ棒を利用して制作。

筋彫りに使ってるのはシモムラアレックのホーリー0.2。これ意外に便利。

Chwat :ワルシャワのヘッツァー vol.2_d0360340_19210161.jpeg

表面に鋳造のテクスチャーをつけます。溶きパテではなく、瞬間接着剤を楊枝で塗り伸ばしながら細かな凹凸を再現。サフェーサーを軽く吹いて形状のチェック。ちょっとカサカサな感じになってるので、もう少し表面を穏やかに調整したほうがよさそう。

とりあえず今日はここまで。

Commented by vol de nuit at 2019-08-24 23:26 x
初期型への道のり、進んでますね。

私は鋳造表現の際は専らパテ使用でしたが、瞬着+楊枝も良さそうですね...!(特に防盾等に最適かも!?
Commented by セータ☆ at 2019-08-25 01:07 x
>>ピンバイスに挟んで作業したらセンターもとれて簡単

あぁ成る程!チャックの溝が中心出しのガイドになる訳ですね。真似してみたいです。
Commented by hn-nh3 at 2019-08-25 06:10
vol de nuit さん
鋳造表現に瞬間接着剤は便利ですよ。ラッカーパテのように臭わないし、エッジが甘くなったりすることないので。

今回はタミヤのイージーサンディングで試してみたら、肉持ち感が弱くて、少し刷毛目が強くでてしまったので、この後、シアノン+ベビーパウダーでペースト状に調整したもの使ってテクスチャーを修正しました。
Commented by hn-nh3 at 2019-08-25 06:17
セータ☆さん
ピンバイスは使い古してチャックのエッジが甘くなったものがいいですね。0.3mmドリル刃がホールドできないぐらいダルくなってるのが、挟んだプラ棒が傷つきにくくてちょうどいいのです。

チャック溝にそってカッターを走らせてプラ棒の断面にアタリをつけておくと、同様に筋彫りツールを溝に沿わせる時にブレも少なくなります。
Commented by デビグマ at 2019-08-25 22:23 x
繊細な工作、お疲れ様です。最初の画像ではわからないくらい手が入ってますね。ヘッツァーってかなり細かいバリエーションがあるので、いつの日かお気に入りの1台を作りたいところですね~
Commented by hn-nh3 at 2019-08-26 05:29
デビグマさん
ここまでの作業は「初期型の決定版キット」があればやらなくてもいい作業なのですが。。
とはいえ、こういう作業が楽しいといえば楽しいところ(^^)

ヘッツァーも地味にマイナーチェンジをしているので、細部を気にしだすと手が止まりますね。転輪のリムを固定しているボルトも数だけでなくリベットのタイプもあったり。。
誘導輪のディテールの改修をするかどうか思案中。
Commented by たんくたんくろう at 2019-08-26 16:11 x
こんにちは。ご無沙汰してます。
ヤフブロが閉鎖になってしまうので仕方なくアメブロに引っ越しました。
例によって一貫性のない種々雑多なブログですがまたよろしくお願いします。
Commented by hn-nh3 at 2019-08-26 23:21
たんくたんくろう さん
こちらこそ、ご無沙汰してしまってます。
ヤフーブログは大変なことになりましたね。使ってる人多かっただけに。。 たんくたんくろう さんがFC2に移行したのはブックマークしてたのですが動きがなくなってどうしたのかしらと思ってました。

アメブロにしたんですね。またちょっかいだしに行きますね(^^)
by hn-nh3 | 2019-08-24 22:47 | HETZER | Comments(8)