断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

冬のヘルシンキ

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仕事でフィンランド。秋に続いて2回目の出張は冬の季節。凍てつくバルト海。
川や湖ではなく海が凍るというのはなんとなく不思議。最近は暖冬で以前ほどには凍りつかないようですが、昔は沖合の要塞島、スオメンリンナに行くバスが氷の上を走ったとか。

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今年はここ数十年でこんなことなかったほど雪が多いのだそうな。何時になく暖かいらしく、この日も気温は0度ほど。

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冬のフィンランドといえばオーロラが有名なんでしょうが、それは北のほうに行かないと見れないらしい。今回も予定がびっしりで市内観光は朝や隙間のわずかな時間にヘルシンキ市内を少しだけ。

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街の中心部にあるストックマンデパートの向かいのアカデミア書店は、フィンランドの建築家アルヴァ・アアルトの設計。

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室内は3層分の吹き抜けとトップライト。黒い外観に対して中は白い大理石を使った静かな空間。フィンランド語がさっぱりわからないから、ずらりと並んでる本はただ眺めるだけ。。

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ミリタリーコーナーもありましたよ。とはいえ並んでるのは英語のタイトルの「洋書」ばっかり。フィンランド軍物がずらりと並んでいるのを想像していた期待はあっさり裏切られました。まあそうだよね。アカデミア書店は日本でいえば紀伊国屋書店とか八重洲ブックセンターみたいなものだからミリタリー専門書店のような品揃えを期待するのがそもそもの間違い。

フィンランドの3号突撃砲(STRUMI)の本 "SUOMALAISTEN RYNNÄKKÖTYKKIEN KOHTALOT"とかあったら買って帰ろう、なんて勝手な想像してましたが、やっぱり人気あるのはティーガーとかパンターですね。どこの国でも。
もちろんフィンランド物コーナーもありましたよ。冬戦争関連の本とか映画"Tali-Ihanatala 1944(タリ イハンタラ1944)"のメイキング写真集なんかも。しかし、言葉が分からないと持ってても意味なさそうな本ばかりで、何も買わずに本屋を出ました。

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ヘルシンキ大学の近く、カイサニエミの地下鉄駅から続く地下道。岩盤を掘り抜いてモルタルを吹き付けただけの洞窟のような風景が不思議。ちょっとぶれてしまったけど、ラスコー洞窟のような動物の絵が描いてあってちょっと楽しい。薄暗い照明が逆に雰囲気出してます。こういう遊び心は好きですね。

ヘルシンキの地下には無数の地下トンネルがあるのだとか。目的は..軍事、核シェルター。そういうところはやっぱり海で囲まれた国とは違って、戦争で国境がいくらでも変わってしまうのがヨーロッパなんですよね。前にスイスで道端にトーチカがあるのを見かけたときに感じたその慣れない感覚を思い出しました。..どこかの国の指導者は国境に壁を建てたがってますが(笑)

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ヘルシンキの空港。出発ロビーの奥のほうで見つけた面白い待合場所。最近できたみたいで、頭上をぐるりと囲む2m×75mの360度映像スクリーンが圧巻。ゆるゆるとうねった形になってるのはオーロラをイメージしたのかしら。

フィンランドの森の四季折々の風景を360度撮影した映像が数分ごとに移り変わっていく趣向で、飛行機の時間がなければずっと眺めていたくなる場所。その下の壁には人の動きに反応してプロジェクションマッピングが投影されたり最新のテクノロジーが投入されてます。
ただちょっと惜しいのは映し出される映像が、動画(ムービー)ではなく写真(スチール)であること。写真は動いてる時間を止めるものだから、こういう場所はやっぱり動画素材が似合うと思う。たとえ動きのないフィックスショットであっても、動画で映し出されるとそこに時間の流れを感じるのだけど。静寂の雪の林の中でときたま雪が枝から落ちたり..とか。
言うのは簡単だけど。

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帰国の時間。搭乗ゲートのカウンターが美しい。たぶん人工大理石か何かの樹脂素材でできたカウンターで数字の部分を裏面を薄く削り込んでバックライトで光る数字が透けて浮き上がる仕組み。フィンランドは空港に限らず公共物のデザインがとても綺麗。

( ..って、もうとっくに帰国してこの記事を書いてます。)


# by hn-nh3 | 2019-02-16 17:08 | 日々 | Comments(0)

日常とバリケード

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ゼンゼンゼン回の記事に取り上げた映画"Miasto44""のメイキング映像を見つけた。バリケードのシーンなどは実際の街の中でオープンセットを組んで撮影していたようだ。ポーランド西部、ブラツワフ ブロツワフ( Wrocław)という街のこの辺り


バリケードって何だかワクワクします。瓦礫やらガラクタで道が封鎖されると風景は一変。見慣れた「街」が見知らぬ「都市」に変貌する、というような。
もっとも、ヨーロッパみたいな街区型の街じゃないとそれは無理なんでしょうけど。


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映画でのワルシャワ蜂起の再現度合いは凄まじいものですが、兵器や装備の類も綿密な考証を元に再現されているようです。
↓こんなサイト。映画に登場する銃器をリスト化しています。





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このところ、vol de nuitさんのサイトでワルシャワ蜂起で国内軍(AK)が使用した車両を追跡した記事 ”Archive: Vehicles in Warsaw, 1944” やそれに関連してかば◎さん関連記事をアップするなど、なにやらワルシャワ方面が気になる状況。

voi de nuit さんの車両追跡で、Opel Kapitänの写真がなかなか見つからないのですが、こんな映像を発見。
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シトロエンtype23の後ろにいるセダンはオペル・カピテーンですね。
と、言ってもこれは当時の記録写真ではなく、上記の映画"Miasto44''の1シーン。

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https://www.imcdb.org/movie.php?id=3765326

IMCDBは映画やテレビ番組など映像に登場する車両のデータベースとしてソフトスキン類の写真を探すときに便利なサイトですが、"Miasto44”もカテゴリーページが作られてました。ページはまだまだ整備途上というところですが、しかし、この映画。登場する戦車や装甲車ならともかく、チラっとしか映らないこんな乗用車でも当時実際に使われていた車種にもこだわるなど、つくづくマニアックな映画だったと、あらためて感心。

# by hn-nh3 | 2019-02-09 14:12 | 資料 | Comments(7)
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コードロン シムーンの制作、その5。
ワルシャワのケーブルドラムのロゴをドライデカールで自作したものの余白に、サンテックス搭乗機の尾翼のマーキングを配置しておいたものをテスト。感圧式の転写デカールはきれいにつきましたよ。扱いは気を使いますが、文字はシャープで、なにより水貼りデカールのような余白がでないのがいいですね。

隣においた一円玉との比較でもわかるように、非常に小さな文字なのでうまくデカール文字が作成できるか不安だったけど見事に再現、転写した文字の接着強度も実用範囲。

マーキング下段の"Avions Caudron"の文字のAとdの位置がおかしくなっているのは転写でミスをしたから。文字の位置決めが簡単にできるように尾翼の文字を1グループで転写できるようにシートに配置しておいたのですが、転写の際に上部3段の文字を転写している間にシートを押さえる指でうっかり下段の文字を押してしまっていて、一部がずれて転写されてしまった...という顛末。
実際に貼る時はシートを分割してそれぞれに転写したほうが安全かな。いい実験になりました。

ドライデカールの文字は作る時に色を選べるので、実際に貼るバージョンは白で刷ってもらう予定。

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模型の制作も少しつづ、内部パーツの塗装を済ませました。塗料は水性アクリル系のライフカラーを使用。我が家は非ラッカー環境なので。
椅子の皮シートと主翼をつなぐ2本の桁材は機内色の赤。床は木の色で塗れと組立説明書にあったけど、どんな色調だったのか? ここで悩んでいても進まないので、先に進みます。

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機体に床板をセット。操縦主席の天井に後部までのびるロッドは水平尾翼調整用と思われるもの。プラストラクトのプラ棒でデッチアップ。
本当は尾翼まで繋がっているのだけど、模型だからもちろん見える範囲だけ。反対側の細かい器具もプラ棒でなんとなく造形。単純化しつつも、それぞれ2つぐらいの形の組み合わせで再現。これを1ブロックの造形に解像度を落とすと急におもちゃっぽくなるので、このあたりの加減がスケールモデルらしさを出すコツですね。

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ちょっとだけディテールアップ。機体前部側面と下面にはエンジン冷却用?のスリットが実機にはあるのですが、キットはインジェクションの金型の抜きの関係で穴は空いてなかったので、造形用ナイフで掘り込み。刃にアールがついた腹の部分を使って削りこんでいくときれいに穴が開けられます。

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排気管の穴を開けるのはお約束。キットは排気管がボディと一体成型でエッジがぬるかったので、削り落として、ボディに穴をあけたところから突き出ているように、プラ棒で排気管を再現。0.9mm丸棒に0.5mmの穴、

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後部車輪が実機同様、軸で回転するようにギミック追加。機体側の軸受けが丸いのはプラ棒の端材利用で他意は無し。

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機体の貼り合わせ。古いキットなのでビタっとはいかず、段差をなだめすかしつ擦り合わせ。
隙間や段差の目立つ部分はシアノン+ベビーパウダーの「瞬着パテ」を盛り付け、切削。細かい部分の継ぎ目消しはタミヤのイージーサンディングの瞬間接着剤を使ってます。この瞬間接着剤は削りやすいという特徴もあるけど、クリアパーツが曇らないという特徴も。T.F.マンリーコさんが前にブログで紹介してましたね。

機体パーツの接合ラインがくる屋根と底板には凸モールドがあって、これを残しながら継ぎ目を消すのが難儀でしたね。
このモールドは古いキットにありがちな筋彫りが金型の都合で凸モールドになってしまっている、のではなく、実機でも凸モールドになっているもの。木製のボディには屋根に金属板が貼ってあって、板金の端部をかしめてジョイントしているものが盛り上がっているのでしょう。

ボディの貼り合わせが終わって、デカール自作の目処がついて、大きな山を超えた感じがします。
あとは完成に向かってひたすらに走るだけですが、組み立てを終わらせて塗装まで漕ぎ付けるというのが、自分にとっては高いハードルなのよね。

# by hn-nh3 | 2019-02-02 19:15 | ヒコーキ | Comments(2)
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手紙を出さなくなって、もう何年になるのだろう。

ここでいう手紙は単に切手を貼った文書のことでなく、もちろん郵便物は日々出してますよ。ハンコ押してもらう書類とか請求書とかは。
絵葉書なんか送るの好きでしたね。その家のお父さんに見られてもいいような当たり障りのない内容の中にメッセージを隠して、宛名を金釘調の変な手書き文字にしたり、どんな切手を貼るか思いを巡らせて。。それも今は遠い昔の話。

事務的な手続きにせよ請求書なんてもらって嬉しい人はいないから、せめて切手ぐらいは事務的に貼ったものでなく、届いたらちょっと楽しくなる図柄を選ぶことにしていることもあって、郵便物を出しに行ったついでに綺麗な切手を買ってきます。

先週に郵便局で買ったのは「リサとガスパール」の切手。リサとガスパールとは、フランス絵本のキャラクターで、Wikiによると、フランス・パリ(の人間界)に住んでいる、ウサギでもイヌでもない未知の生物の「2人」,,,だそうな。フランスで1999年、日本では2000年から刊行された絵本のシリーズ。

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切手は特に収集しているという訳ではないけど、気になるデザインがあるとつい買ってしまいます。前に尾形光琳の燕子花図屏風をモチーフにしたキッテレビューをしたことあったけど、今回は久々の2回目。

「リサとガスパール」の切手はグリーティング切手というカテゴリーになるもので、過去にもムーミンとかミッフィーとか絵本をモチーフにしたその流れになるもの。 82円のシート62円のシートの2種類があって、2019年1月16日発売。

切手のサイズは24×24mmの正方形。絵本のプロポーションにあわせたということか。絵本のサイズは約19cmの正方形だから、縮尺でいうと1/8。イラストの絵柄は切手としてのサイズを考慮してトリミングされてたりするから、厳密には絵本のスケールモデルとは言えないのだけれど。

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切手のディテール。だけど、ちょっとピンボケ。
カバーイラストも実は2枚の切手になっています。ここも切手だと気づかずうっかり捨ててしまう人もいたりして。

うーん。この切手を貼って請求書を送ったりするのに使うには、ちょっともったいない。

# by hn-nh3 | 2019-01-29 22:13 | 日々 | Comments(9)

Miasto 1944

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Courier crossing (1944.8) 撮影:Jerzy tomaszewski

ケーブルドラムから話は転がってワルシャワ。これまでに記事に書いたのものを並べると
などなど。

よくもここまで引っ張ったと我ながら思わないでもないけど、まだ続きます...

映画:Warsaw 44(原題 Miasto 44)のシーン。貼り付けた動画は映画の一部ですが、原題の Miasto 44 で検索すると全編もYouTube でみることできます。

1944年8月のワルシャワ蜂起をポーランド側から描いた映画で2014年の作品。こんなのあったの知りませんでした。日本では劇場公開はされなかったようで、DVDが発売されてます。邦題は「リベリオン ワルシャワ大攻防戦」......と、なんともB級タイトルがついてます。戦争映画にありがち。

YouTubeの日本語字幕のないものをざっと眺めた限りは、あちこちで感想が書かれているように、映画としての出来はちょっと微妙。
と言っても、ストーリー展開がB級という訳ではなく、絶望的な状況に追い込まれていくハードな映像の中に唐突にスローモーションで挿入されるラブシーンといったよくわからない演出があったり、ここまで描かなくてもいいのにという展開についていくのがちょっとしんどかったりで、ポーランド人でない限りは正直なところ全編を観るのはおすすめしません。YouTubeのリンクを貼った短いシーンで雰囲気だけつかむ程度で十分かと。

ワルシャワ蜂起を扱った映画では過去にアンジェイ・ワイダが「地下水道(原題:Kanal)」なんて傑作を残してたりするから、それ以上の作品を作ろうと力が入ってしまったのは、作り手視点からすればわからないでもないけど。

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それはそれとして、映画のワルシャワの市街戦の考証は極めて緻密。前にも紹介した当時の記録写真を再現したと思われるシーンが随所にあったり、登場する車両や武器は本物?もしくはかなりの精度で再現したレプリカ。写真はそんな1シーンですが、市民を盾に鬼畜な攻撃を仕掛けるドイツ軍のパンター戦車。別なシーンで確認すると足回りはどうもT-55を流用してるものの、車体はかなりの再現度。OVMがちゃんと装備されてたり、キューポラに対空機銃架がついてたりと、ミリオタの厳しい視線に十分耐えられる仕上がり。よく見ると、パンターの後ろにヘッツァーもいますね。

その他にも、2cm対空機関砲FLAK38が、プライベートライアンの時と同じく対地攻撃で絶大な威力を発揮したり、ゴリアテ無線操縦爆薬運搬車との対決など戦争映画史ではお約束なシーンも。有人操縦の爆薬運搬車ボルグヴァルト B Ⅳも登場して、市民に鹵獲された車両が爆発してしまうといった悲惨な事故も史実どおりに再現されていたり。。
AK(ポーランド国内軍)の兵装も自国制作の映画ならではの再現度。MP40など鹵獲したドイツ軍の銃器に加えて、英軍から届けられていたステンガンやPIAT、ステンガンとMP40を参考にして地下生産されたブリスカヴィカなどなど。

バリケードでは、これはポーランド人の間ではお約束なんでしょうか。ケーブルドラムがあちこちで使われてます。
当時のバリケードの写真では、そこまでは登場頻度は高くないものの、やっぱりChwat号の有名なバリケード写真の印象が強いのか、映画ではこれでもかとケーブルドラムが街のあちこちに転がってますね。

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ほらほら。こんな感じでMiniArtのキットの正しい使い方みたいに登場します。
注目すべきは、ケーブルドラムにステンシル文字で描かれているロゴ。文字は「KABELWERK OZAROW」!
ワルシャワ南郊のオジャルフにあった電気ケーブル製造会社の名前です。Chwat号バリケード写真に写ってるドラムにも同じ文字がペイントされてます。この映画知ってたら、苦労して解読する手間はなかったですよ。

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記録写真のロゴと映画で再現されたものは微妙に書体が違ったり、文字下に白帯がペイントされてたりしますが。こういうタイプが当時もあったのかソースを知りたいところ。(誰も気にしてない?)
実は、Chwat号バリケード写真のケーブルドラムの横に転がってるゴミバケツがどんなものなのか追跡してたら、この映画に行き合ったった、というのが今回の記事の事の次第。映画にもゴミバケツがでてきますね。ブリキ製で一般的なものだったりしたのかしら。

MiniArtから1/35 ゴミバケツ(ポーランド型)なんてキットがでないかしらと、密かに待ち望んではいるのですが。





# by hn-nh3 | 2019-01-26 09:43 | 資料 | Comments(10)

ドライデカール制作

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デカール到着。
実験をかねて、ケーブルドラムのデカールを自作してみた。1944年8月のワルシャワ蜂起の際にAK(ポーランド国内軍)が築いたバリケードで使用されたケーブルドラムのロゴを再現。

記録写真を見ながら、イラストレーターで文字を作成、アウトライン化したデーターをドライデカール(インレタ)の制作サービスしてるところで作ってもらった。
データーを送ると、中1日で制作、納品してくれる、というサービス。料金表も載ってるので、70×110のサイズなら送料合わせて3000円くらいで出来るなら、と頼んでみたら、出力用の版(ネガフィルム)が必要とのこと。料金表にも載ってるのを見落としてました。それが1900円。。
結局、送料と代引手数料、フィルム代を含めて、合計税込5400円。

うう。もちろん、払えない金額ではないけど、戦車のプラモが買えてしまうよ。。
ケーブルドラムのロゴごときに、なんたる放蕩。

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入稿した版下と出来上がったドライデカールの比較。デカールのフィルムに光が反射して写真では色が薄くなって見えますが、実際は黒一色。デカールの下に保護台紙があるので、その黄色が写ってますが、デカールを配置したフィルムは透明。

どのくらいの解像度で再現できるのか知りたくて、ケーブルドラムのロゴの余白に、製作中のコードロン シムーンの機体マーキングのデーターを配置してみました。「F-A」「NRY」「No7042」「SIMOUN」「C.630」「Avions Caudron」という文字などなど。小さな文字が潰れずに再現できるか、文字のエッジが印刷で太ったりしてニュアンスが変わったりしないか、そのあたりを確かめるために今回テスト。

きれいに抜けてますね。文字も太ったりしてなくて、版下の印象そのままに出来上がってます。
再現度は申し分ないです。あとは値段か。もうちょっと安いと、気軽にオリジナルデカールも作れるのですが、フィルム代が結構ネック。同じものを再制作するなら、フィルム持ち込みでいけるのでその分のコストを抑えられるのでお得になりますが、ケーブルドラムのロゴなんてそうそう必要になるものではないし。。。。(^^:)

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デカールのディテール。文字高さ1mmくらいの小さな文字もきれいに再現できてますね。テストのため、ちょっとづつ大きさを変えてデーターを作ってます。一番右が目標サイズ、中央がその110%、左は120%サイズ。
これがきれいに貼れるかの検証も必要ですね。ドライデカールは水転写デカールと違って、文字など図版の裏の糊だけで張り付くので、水転写デカールのような余白ができないのは魅力だけど、転写後の強度がどこまで確保できるかが課題。

ちなみに上の写真で使ってる定規は前にこのブログ記事でも紹介した「本当の定規」。

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制作したデカールを貼る準備もしないとね、と。ケーブルドラムの塗装も開始。とりあえず、ベース色まで塗ってみた段階。
木製ドラムをどんな色調で仕上げるか、ちょっと思案中。新品のドラムなら白木の色だし、使い古したものなら雨ざらしの灰色になった木の色になるし。とりあえずどちらにも転べるようなアースカラーで地色で塗装。

さて、どうしようというところで、資料を引っ張り出す。右が今回制作するドラムの参照画像。ワルシャワ蜂起のバリケードで使われているドラム。右側2つは昨年に南ドイツで筆者が撮影したドラムの写真。実際のドラム使用の程度で色調にもかなり幅があります。新品のドラムにするのか使い古されたドラムにするのか、そのミックスなのか。さて、どうする?

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# by hn-nh3 | 2019-01-20 05:03 | 資料 | Comments(8)
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コードロン シムーン制作記その4。機体のマーキングを自作するの巻。
サンテグジュペリの搭乗機のコードネームは「F-ANRY(“ ANtoine de SaintExupéRY”)」翼と機体に描かれてるロゴをイラストレーターで作ってみます。左の文字は似たようなフォントを配置してみたもの、それを右のように実機に描いてあった書体に近づくようにフォントを改造してみました。フォントでは横ラインが縦より微妙に細かったのを等幅に。Aの横線の位置を少し下げて、Yの交差ポイントを少しあげて...文字が全体的に少し太く。Rの斜めの棒は垂直に近く修正。

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尾翼に描かれている文字も解読。①②:F-ANRY は機体の左右両側に描かれているのを確認。主翼の上面、下面に大きくF-A、NRYと左右の翼に分割配置。尾翼には③:No.7042、④:SIMOUN  ⑤:C.630 ⑥:Avions Caudron。左右両側に描かれてます(たぶん)

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マーキングの復元作業はイラストレーターに図面と写真を配置。それに重ねるように文字を調整してます。下敷きにする写真は必ずしも真横から撮ったものではないのでフォトショップで遠近補正をかけて正面から見た姿に近づけてます。
③の機体No.7042と ⑤の型番 C.630の文字は実機通りのサイズで配置すると1/72では小さすぎて文字が潰れてしまうので、少し大きめにデフォルメ。それでもかなり小さいので、これをドライデカールで起こすときに再現できるかは要検証。

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工作も少し進めます。機体の内部カラーは赤。組み立て説明書に"ROUGE"って色指定されてます。ルージュ、フランス語わからないと言っても、それくらいは読めます。

博物館に現存する機体の内部写真をみると、びっっくりするぐらい鮮やかな赤ですが、模型的には内部は少し彩度を抑えてます。機体の外から見ると内部は光の加減で暗めに見えるので、塗装で明暗の補正。

このページ:MUSEE AIR ESPACE>CAUDRON C635 SIMOUN で、コクピット内をぐるぐると360度見ることができます。
もっとも、視点が一つなので、コクピット前方の操縦席足回りが隠れてしまってるのが少し残念。

操縦桿はどうなってるのかなど悩んでいたら、かば◎さんがコクピットまわりの写真を送ってきてくれました。書籍からのスキャンなので版権の問題があり、ここにはアップできませんが、操縦手のシート座面には操縦桿を引き寄せるためのV字型の切り欠きがあることがわかりました。フットペダルも操縦手、副操縦手ともに配置されてました。

副操縦手のシートには翼の桁材との関係で切り欠きがないのですが、副操縦手の操縦桿をクランクした形状のものにすることで対処したようです。

操縦手の左上部の天井を後部まで伸びるシャフトがあるのですが、これは何の用途なのか。
このページ:Caudron C.635 Simoun No. 8519.428 F-ANRO でも内部写真が見られます。機体後部の内部構造を写した写真もあって、それを見ると、謎のシャフトが後部に続いているのが確認できます。尾翼の軸に繋がってるので、尾翼の角度を調整する用途のものと推測。

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コクピット周りの追加工作。操縦手席の座面にV字型の切り欠き、操縦手と副操縦手の操縦桿を0.6mm真鍮線で自作。先端に1mmプラ棒を薄くスライスしたものを接着。操縦手の操縦桿の先端にはボタンのようなものがあるので、プラストラクトの0.3mmプラ丸棒を小さく切って接着。

フットペダルはキットでは操縦手のものしかモールドされてなかったので、副操縦手用にも同じ形で再現。本当はフットペダルは足掛け部分もパイプで構成されているのですが、1/72スケールだと工作限界にもなってくるので単純化。両足のペダルをつなぐパイプだけプラ棒の太さの違うものを配置して、それっぽく再現。

操縦手の操縦桿の前にはハンドブレーキみたいなレバー。その前にある長方形のプレートで囲われた機器はプラ角棒で代用。
このほかにも実際にはあれやこれやとディテールがあるのですが、作り込んでも外から見える保証もないから、内部工作はこのくらいにして、サフェーサー吹いて塗装の準備。

せっかく内部がよく解る写真を送ったのに結果がこれかよ..と言われてしまいそうですが。。

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1/17 追記:
指摘を受けて"F-ANRY"のロゴを修正。Aの三角の抜けを小さく、Rの抜けを小さく、Rの斜め棒を少し内側に、などなど
尾翼の”SIMOUN” "C.630"も文字の横幅が少し詰まってるように見えたので、横幅だけ110%拡張

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# by hn-nh3 | 2019-01-16 18:15 | ヒコーキ | Comments(3)
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引き出しの奥から50フラン札がでてきたよ。
昔々、ヨーロッパがEUになる前、フランスではフランという通貨が使われていました。50フラン札には「星の王子さま」の作者、サンテグジュペリの肖像が描かれてたから、ヨーロッパ旅行のお土産でもらったりしたんだよ。

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ディテール。(写真はクリックすると拡大できます)
50フラン札の表側左上には、緑色の帽子みたいな物体。これは「星の王子さま」の冒頭のエピソードに登場する「象を飲み込んだうわばみ」ですね。そういえば前に模写したことあったな。
その横の正面から捉えた飛行機はブレゲー14ラテコエール28 (..ではなくラテコエール25か26) 
サンテグジュペリが郵便飛行のパイロットだった時代に乗っていたものですね。飛行機の後ろを横切る空色の7本線はよく見ると、小さな文字の列です。

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裏側。星の王子さまとブレゲー14。砂漠の上を飛んでますね。
50フランというと、だいたい1000円札ぐらいのイメージでしょうか。このデザインのお札は1993に発行されてEU統合で2002年にユーロに切り替わるまでの間使われたもの。フランからユーロへの両替は2012年に終了したので、この50フラン札はもはや紙くず。もっとも、コレクターズアイテムとしては人気あるらしく、それなりの値段で売れるのだそうな。

... それで、本題のコードロン シムーンの話は?

... えっと、今回はお休みです。だって連休だし。

そうそう、そんなことより、50フラン札の星の王子さまの前にヒツジがいる、って知ってました?
偽造防止の隠れキャラなのか、透明なニスで印刷してあるので、光が当たったときだけシルエットが浮かび上がる仕掛け。この透明なヒツジは、そう、王子さまが描いてもらった「ツノのあるヒツジ」。

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# by hn-nh3 | 2019-01-14 11:37 | ヒコーキ | Comments(13)

ケーブルドラム改造

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突然にケーブルドラム続編。
1944年8月のワルシャワ蜂起の時、Chwat号(ポーランド国内軍鹵獲Hertzer)のバリケードに使われたケーブルドラムのロゴを再現した記事(KABELWERK OZAROW:8月のワルシャワ 続編)の続編。

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バリケードに使われてるケーブルドラムは3個。MIniArtの「木製ケーブルドラムセット」に入ってるうち大きいタイプが使えます。しかもちょうど3個。写真の左側の1つはMIniArtのキットと同様の中心穴が角座金で補強してあるタイプだけど、右側の2つは丸いディスクタイプ。プラ板をサークルカッターで切り出して中央に2mmの穴あけ、ディスクのエッジは少し丸みをつけてます。記録写真をあれこれみると、角座金のよりも厚みがある様子。キットの角座金についてたボルトを移植して、2つのドラムは丸いディスクタイプの座金に置き換え。

どうして今こんなことを始めたかというと、製作中のコードロン シムーンのマーキングを自作デカールで再現しようと、ひそかに企てているのですが、その実験として、まずは文字としては簡単な「KABELWERK OZAROW」のステンシル文字のデカールを作ってみようという次第。それでデカール貼るなら、ケーブルドラムは塗装しておかないと.... おっと、その前に座金を取り替えておかないと....とあわてて作業。

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デカールのデーターはこんな感じ。ドラム3個分のロゴと予備を1つ。ドラム外周の「KABELWERK OZAROW」の文字の他に「1208」の数字。これは座金の縁についているものを再現。バリケードの一番右のドラムについてた数字を読み取りました。何の数字かの意味がわからないので、全部のドラムが同じナンバーなのか、本当は一つ一つ違う数字なのかが判断できない。

作ろうと思ってるのいわゆる水張りデカールではなく、文字を転写するドライデカール。昔、アルファベットを転写してレタリングするのによく使ってた「インレタ」というタイプです。最近では、データーを送れば作ってくれるサービスがあって、小さいサイズなら2000~3000円程度で作れそうなのことがわかったので、実験してみようと。


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少し予告。コードロン シムーンのサンテグジュペリ搭乗機のマーキングを復元中。イラストレーターで似たようなフォントの文字を改造してそれっぽく。イラストレーターの文字はデーター的にはどんなサイズでもできるのだけど、問題はその小さな文字がドライデカールできれいに再現できるか、ということ。

果たしてどのサイズの文字まで再現できるのか、ちょっと実験が必要かと思うので、ケーブルドラムのデカールデーターの余白にちょっと小さな文字を配置してテストしてみようと思う。

# by hn-nh3 | 2019-01-12 15:04 | 構造物 | Comments(4)
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コードロン シムーン制作、その2。
サンテグジュペリは1935年12月、フランスのパリからベトナム、サイゴン間の飛行時間記録にチャレンジするも、機体トラブルでサハラ砂漠に不時着。その時に乗っていたコードロンシムーン C630。彼の搭乗機を再現してみます。激落時の写真はネットから。

キットはエレールの1:72スケール。機種としてはC635のようですが、Wikipediaをみると、C630との違いはエンジンと客席が変更になってるとのことなので、外見的には違いがなさそう。尾翼のマーキングをC.635ではなくC630とすれば問題はないか。主翼と機体に書かれている「F-ANRY」の文字とともにマーキングの再現は今後の課題。

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先ずは内部部品とキャノピーの制作から。計基盤、床板、操縦桿、座席、後部隔壁と内部パーツは至ってシンプル。1/72もいいね。当然に省略されているディテールもたくさんあるけど、どのみちキャノピーからぼんやり見えるだけなので、ここは適当に流して作ろうと思います。

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操縦桿は2本ついてますね。なんでだろう。飛行機には詳しくないので。。(汗)
実際のスケールではもっと細いと思うけど、あえて真鍮線で作り直す必要も感じなかったので、気持ち細く削っっただけ。シートは実物はスチールのフレームに皮のバンドが貼ってある構造になっていて、キットのパーツはそれらしく再現してあるけど、もっさりしていたので、フレームを少し細く削り込み。座面のクッションも少し丸みをもたせて自然な感じに。

現存機の内部写真はこのサイトを参照:Caudron C.630/635 Simoun [Avión Enlace/Entrenador]

問題はシートの配置と数。キットには4人分のシートのパーツと床面に脚部のモールドがあるけど、サンテックス搭乗機はどうなっていたんだろうか? 操縦席と副操縦席の2つは確定として、他にもシートはあったのか?
この時は一般業務ではない長距離飛行に調整していた訳だから、燃料消費を抑えるために無駄なものは積まないだろうし、不要なシートは取り払っていた可能性もある。使わないシートよりも積みたい機材もあっただろうし。

ここで立ち止まっていても仕方がないので、とりあえず他の作業を進めます。

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キャノピーは2つのクリアパーツをはり合わせる構成。クリア部品の接着って気を使います。接着材もあまりよく効かない。リキッドポリ使ってますが、少し力をかけるとパリッととれてしまったり。みんなどうしてるんだろう。

パーツではフロントガラスはゆるい曲面で成形されているのだけど、実機の写真を見るとフラットなガラス。周りの枠もフラット。エレールのキットはこの辺りの形状把握が少し間違ってます。

クリアパーツでもあるので大きく削り込んだりの修正は難しいでの、ガラス面だけ少しフラットな感じに修正。サンドペーパーで削ってなんとなくフラットに....見えるかなという程度に。

些細なところだから、本当はスルーしようと思ってたのだけど、パーツのはり合わせして枠周りの継ぎ目を消す作業をしたときにうっかりガラス面を傷つけてしまっていたこともあるので、思い切ってガラス面をやすりがけしました。

#600、#800、#1000、#4000 と少しづつ目の細かいサンドペーパーに替えながらガラス部分を磨いて、仕上げはコンパウンドで磨き出し。

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と、思って道具箱を探してみたらコンパウンドが見つからない。そういえば最近使ってなかったな。戦車模型ではあまり出番がなかったから。昔はIPodの裏面のステンレスを磨くのによく使ってたけど。

しかたなく模型店に行って買ってきました。最近はコンパウンドにも種類があるんですね。赤いキャップが粗目、青いキャップは細め。これが昔からあったやつかしら。そして白いキャップは仕上げ目。クリアパーツでもあるので、赤、青、白とだんだん細かい粒子に変えて磨き出し。

ピカピカになったけど、映り込みがぐにゃりと歪んでます。フラットにするのは難し。

# by hn-nh3 | 2019-01-09 14:15 | ヒコーキ | Comments(4)