断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

カテゴリ:Hotchkiss系列( 2 )

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オチキス改造自走砲、Panzerjager 39(H)7.5cm続編。 
自走砲って好きです。オープントップの車両は、戦車だと分厚い装甲板に隠されてしまう内部の複雑な機構が全部見えたりして、模型としての見せ場が多いところでしょうか。作るのに手間がかかるから完成までたどりつかなかったりするのですけど。

思えば、デモドリ1号はセモベンテL40 da47/32(イタレリ)、2号は Sdkfz.138/1 15cm自走重歩兵砲 グリレH型-極初期型(ドラゴン白箱)、そして3号がこのオチキス改造自走対戦車砲(ブロンコ)。

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d0360340_07201052.jpg戦闘室内部の造作はBLAST Modelのレジンキットを利用。当時の写真で内部がわかる写真も少ないのでよくリサーチされたこういうアフターパーツがあると助かります。

対戦車砲型では現存車両はないものの、10.5cm榴弾砲搭載型はソミュールに現存。それも内部工作の参考になります。ただし戦闘室デッキ後部の床板が失われているなど不完全な状態なので、車両の正確な再現とはいかず、その他断片的な資料とあわせての推測になる部分も。

戦闘室後部、エンジンデッキの脇にセットバックしたニッチ状の窪みは何のスペースなのか。ここは資料のない部分ですが、海外のモデラーが即応弾ラックの場所と推測していたのに倣って、想像で作ってみました。ロレーヌシュレッパー車台の対戦車自走砲:Marder1にも即応弾ラックはあるので、その可能性はありそう。

外から見える部分の戦闘室内の塗装は、車体色のパンツァーグレー。砲架下から運転席への隠れる部分は室内色の白で塗ってあります。この塗り分けはハーフトラック(Sdkfz251)やグリレH型の当時の写真で確認できるパターンを踏襲してます。エンジンのミッションやキャブレターは、オチキス戦車の内部塗装色を調べて、ライトグリーンとブルーで塗装。実際には改装時に車体色と同じグレーで塗りつぶしてしまっているような気もしますが、そこは模型的なアクセントとしての判断。

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1944年のノルマンディ戦で使われたのに...何故イエローベースの3色迷彩ではなく、グレーで塗っているのかということに対する答えはコレ。

残っている数少ない記録写真で確認できる内部塗装色はダークイエローよりも暗い色。左下の写真でよくわかります。PAK40の砲尾は明るいダークイエロー。防盾内側はそれよりはるかに暗い色。装甲板の角度で暗く見えているということを考慮しても、ダークイエローではないことは確か。BLAST Model の組立て説明書にも内部色はグリーンかグレーかもね、との言及あり。

右下の破壊された車両の矢印部分。側面装甲板が吹き飛んで、インナーシールドに色ムラはが見えます。外部がダークイエローでオーバーペイントされたとき、側面装甲板が邪魔になって塗料が届かなかった部分にロールアウト時のグレーが残っているのだと想像します。戦闘室内も暗色に見えますが、これは装甲板の角度で暗く見えてたり、火災でススがついた可能性もあるので、内部がグレーで塗り残されていたのか外部同様にダークイエローでオーバーペイントされていたのかは判断がつかず。

右上の内部写真は左上の後ろ姿の車両と同一車両のものと思われますが、影になって色調の判別は難しいところですが、機銃架や無線機ラックはダークイエローか。戦闘室の後ろ扉は内側にもダークイエロー、3色迷彩が施されているのがわかります。これは戦車のハッチの内側を車内色でなく車体外部色に塗って、解放時にも目立たないようにしていたのと同じ塗り方。

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正面、側面の写真。周囲の建物から判断して、上図左上の後ろ姿の写真と同一車両と思われます。いろいろな角度から撮ってあってグッドジョブ。この写真の原版までたどり着ければ他の部分も写したカットなどまだまだ発見がありそうだけど、いずれも原典不明。

d0360340_09514518.jpgこれは10.5cm砲タイプですが、戦闘室内部のディテールがわかる貴重な写真。
原典はWaffen-Revue70か。

この写真を見ると、戦闘室内部は外側のダークイエローとは全く違う暗色で塗られていることがわかります。
外防楯と砲身はダークイエロー。内部は製造時に塗られていたと思われるフランス車両系のグリーンか、1943年までの独軍制式色のパンツァーグレー。

ルノーR35を改造した4.7cm対戦車自走砲の塗装色はグレー、ロレーヌシュレッパー自走砲で同じくグレー塗装のカラー写真があることから判断すると、製造が1942年のこの車両もロールアウト時には内外ともにパンツァーグレーで塗られていたのでしょう。
そしてこの車両に限らず、その後の制式色の変更にあわせて車体をダークイエローに塗り替えが行われ、必要に応じて迷彩も施されたと想像します。

オープントップの戦闘室内側の塗り替えをどうしたのかは、車両ごとケースバイケースだったと判断しています。たとえば、ロレーヌシュレッパー15cm自走砲の戦闘室内側にも迷彩(イエロー+グリーン)が施されている車両などの写真も残ってます。後記のPANZERWRECKS15に掲載されたパリのバリケードに使われたオチキス車台対戦車自走砲の戦闘室内側はダークイエローに塗られていたことが写真で確認できます。

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というわけで、製作中のキットはとりあえずロールアウト時の塗装色の状態。ラッカー系の錆止色サフに水性アクリル系のライフカラーで塗装。カッターを引っ掻いて塗装剥がれを表現してみたけどまだるっこしかったのでアルコールで拭いてみたらごっそり塗膜が剥がれました。加減が難しい。

この後、ダークイエローでオーバーペイントして三色迷彩にする予定でしたが、内部までダークイエローを吹くのか迷彩はどんなパターンにするのか思案しつつ、そして5年の月日が流れすぎ...
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車体底面。ここはイエローでオーバースプレーはされない場所になるので、グレーのまま使い続けられた設定。ピグメントで汚してみました。底面の丸い脱出ハッチは、プラ板で追加工作、サスペンションの取り付け基部のプレートもキットでは省略されていたので、実車の写真を見ながらそれらしく追加。

戦車の裏面がわかる写真は博物館車両でもなかなかなくて、ましてや記録写真となると...
リサーチしていたとき、ノルマンディ戦で使われていたフランス系車両の写真を追跡しているおもしろい記事があったので、参考までにリンク貼っておきます。

道端でひっくり返っているルノーR35やオチキスH39。1944年でも結構使われてるんですね。

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その他、このオチキス車台の7.5cm対戦車自走砲を詳しく分析しているペーパーを見つけたので、レファランスとして載せておきます。
これは本来は参照元にリンクを貼るか、引用元を明記すべきものなのですが、見つけたときから時間が立ってしまい、元ページにたどり着けず、検索してもわからなくなってしまっていることもあるので、モデリングの参考までに、ひとまず別サーバーにアップしたものにリンク貼っておきます:Marder l : A quick guide 1-3

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必要な資料は後になって発見される、というのもよくあること。

キットのフォルムがなんか変だと気になってリサーチして海外のモデラーも同じこと気にしてた記事も見つけたりして、それらを参考にキットの戦闘室の装甲板の角度を改修。BLAST Modelsのパッケージ写真でもわかるように、キットのフォルムからはずいぶんと正確になったと満足していたのですが、その後発売されたPANZERWRECKS15(p8-9)を見て真っ青。
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防楯が失われて戦闘室装甲板の前部形状がはっきりとわかるその写真は、前面装甲板が車体と接続する箇所ががフェンダーと車体の接する部分ではなく、だいぶ内側に入り込んだところにラインがあるのを確認できます。

確かに、そこに切り替わりのラインがあると、キットでは防楯の装甲板の角度と戦闘室装甲板の角度が大きくずれているのが、より自然な関係になるので合点のいく話。
これは気がつかなかったなー。ついついドイルさんの元図面に引きずられて、切り替わりのポイントは現存する10.5cm砲搭載型と同じフェンダーと車体の接する部分だと思い込んでた....

しかしそうと知ったら、他の写真もなんとなくそんな感じで見えてくるから人間の目というのは信用ならない。

by hn-nh3 | 2018-05-20 11:58 | Hotchkiss系列 | Comments(4)
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7.5cm PaK40 (Sf) auf Geschutzwagen 39H (f)

急ぎの仕事で立て込んでいるのと、メッシュパーツの調達待ちでKV-1戦車の制作は停滞。今週はブログ記事落とすと思いきや、ありますよ.溜め込んでいるネタいろいろ。そういう時のために作りかけの模型が山のように。

旧作紹介。デモドリ3号のPanzerjager 39(H)7.5cm。2012年5月〜

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下地塗装まで進んだところで中断していたキット。1940年のフランス戦で大量に鹵獲したオチキス戦車の車体上部を取り払って、7.5cm対戦車砲搭載の自走砲に改造したこの車両。1942年に24両が作られて、44年6月のノルマンディ戦に投入されたと言われています。このオチキス車台の自走砲は、Marder1でひとくくりにされたり、7.5cm PaK40 (Sf) auf Geschutzwagen 39H (f)という表記だったり、簡単で的確な呼び名がないのが残念。

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この対戦車自走砲を作ったのは、魔改造先生こと、アルフレート・ベッカー少佐のBaukommando Becker。
この話はどこかでやりたいと思ってました。ロレーヌシュレッパー車台に対戦車砲を乗せたMarder Iとか、ソミュアMGCハーフトラックにロケットランチャー積んだり、みんなこの人の仕業。
(写真出典:wikipedia commons)

中古のフランス製車両にドイツ製戦闘用品を積んだ強引なシルエットとか、即興仕事のようで無線機は抜け目なく積んでたり、こういうハイブリッドな感じは好みです。

38(t)戦車車台をベースにしたHETZERを好きなのも同じ構図だから。あれはドイツ戦車じゃなくてチェコ製戦車ですね。搭載砲だけドイツ製。
自走砲で最強のナースホルンとか最強駆逐戦車のヤークトパンターなどは美しいシルエットですが、純正品のソツのなさというか、イマイチ面白みに欠けるというか。

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オチキス車台の自走砲には対戦車砲型と榴弾砲搭載型の2タイプあって、10.5cm砲を搭載したものは、その昔、グンゼのハイテクキットでリリースされたことがありました。お値段もハイテクで当時高校生だった自分には手の届かないものでしたが。

時代が変わり、10.5cm砲搭載型も7.5cm対戦車砲型もインジェクションキットとしてリリースされるなんて、そんな未来がくるなんて信じられなかったですね。タイムマシンと、どこでもドアは未だに実現してませんが.. あの頃は、AMAZONという名の有料4次元ポケットも想像の外側。

この自走砲はBroncoとTranpeterの2社からリリースされていて、データー盗用があったとかないとか言われてますが、こんなの競い合って出してどうしたんだという気もしますが。
私はBronco版で制作しました。メーカー初期の製品だったりして、ディテールとかパーツ勘合とかイマイ微妙。もっとも制作当時は出戻ったばかりでドラゴンのスマートキットなど21世紀水準のキットに疎かっちゃのでそんなに苦にはならなかったです。


しかし。それ以上に問題だったのは、「実車に全然似ていない」という話。
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(YouTube:Rommel Reviews the 21st Panzer Division/0:10)

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ロンメル将軍の謁見を受ける第21戦車師団の動画、 冒頭10秒ぐらいにちらりと映るこの車両のシルエットと、この側面図(トランペッターのキットのインストにあったものの左右反転)が全く違う。トラペのキットもブロンコのキットのどちらも図面のようなシルエット。前面装甲板の角度がまったく違う。

なんでこんなこと起きたかということには理由があります。両社のキットの設計の元になっているのがドイル先生の作った図面で、この側面図もそれを下敷きにしたものです。しかし、このシルエットは7.5cm対戦車砲型のものではなく、10.5cm榴弾砲搭載型。おそらくはソミュールに現存する10.5cm榴弾砲搭載型を測って起こした図面を元に、搭載砲と正面シールドだけ7.5cm対戦車砲に置き換えたからです。
対戦車砲と榴弾砲では砲架の大きさが違って、榴弾砲型では前面装甲板の角度が垂直に近い形状になっているのをそのまま対戦車砲型に当てはめてしまったからだと思われます。

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動画からキャチャした画像に加筆して正しいシルエットを探ります。これを元にキットの戦闘室装甲板を切断、前面装甲板の角度を修正しました。
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製作中に撮った写真をどこかになくしてしまったので、どこまでがキットの部材でどこがプラ板細工なのかが見せられないのは残念ですが、とにかく修正後はこんな感じ。錆止め塗料のレッドサイドカラーのサフェーサー吹いて、パンツアーグレーを吹いてアルコールで塗料を少し落としてみた段階。
ノルマンディ戦の頃はダークイエローにグリーンとブラウンの三色迷彩を施されてますが、工場からのロールアウトは1942年なのでおそらくは最初はこの色だったと想定。この後にダークイエロー単色迷彩の状態でロンメルの謁見を受けて、連合軍の上陸の前に三色迷彩を施されたと思われる、その過程を塗料のハゲなどで再現してみようと考えてました。そこで現在に至る...という状態。
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オープントップの車両の魅力は戦闘室内の工作。戦闘室前面の2重装甲はプラ板で制作。7.5cmPAK40 対戦車砲はタミヤのMarderⅢから流用。砲架のまわりの半円紡錘状のインナーシールドはプラ板を湯呑みに巻きつけてお湯を張った鍋でことこと煮て整形。無線機、MGドラム弾倉ラック、砲弾ラックはBrast Modelのレジンパーツを利用。無線機にはエナメル線で配線追加。MG架はキットのエッチングパーツをベースにディテールアップ。
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足まわりはキットのものを使ってますが、かなりファジーでしたね。鋼製転輪はリムが厚ぼったかったので、手持ちドリルレースで内側から薄く切削。誘導輪は実車はプレス部品なのかエッジ部分に返しがある形状になっているのがキットでは再現できていなかったので、精密マイナスドライバーを当てて削り込み。ホイールキャップ周りのリベットも追加したかな?
昔のことで記憶が曖昧。フェンダーは薄々加工。車体前面の鋳造スポンソンの形状も修正したように思います。写真に撮っておくかメモ残しておかないと忘れてしまいますね。あちこち埃にまみれてるのはご愛嬌。ウェザリングではありません。
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後ろ姿。見よこのブサカワぶり。よわよわナースホルンという雰囲気がなんとも。
リメイクという訳ではないけど、ぼちぼち制作再開して時間を経て3色迷彩になった塗装の質感を再現したいと思ってます。ぼちぼち。

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そう、SUMICONで来月くらいから制作開始する、同じくBaukommando Becker製のロレーヌシュレッパー15cm自走砲。そのちょっと個性的な迷彩塗装の習作のつもりで、この機会に積年の未完成キットを完成させてみようという魂胆、なのです。
そんな訳で唐突に伏線回収。

デモドリ3号、不定期連載(の予定)




by hn-nh3 | 2018-05-16 21:45 | Hotchkiss系列 | Comments(6)