断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

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最近のキットは装甲板の溶接痕(ビード)の表現はとってもリアル。パーツ分割の都合で省略されているところに溶接ビードを再現する方法としてはエポキシパテが表現に優れてはいるもののパテを捏ねたり、ラインを整えたりする手間はちょっと面倒。最近はもっぱら伸ばしランナー。流し込み接着剤で溶かして溶接のビードを再現。

キット製作時に余るランナーをライターで炙っていろいろな太さのものを作っておくと便利。伸ばしランナー、その日の気分で意外と太さが好みのものにならなかったりするので、「体調がいい時」にたくさん作りためておきます。

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溶接痕について少し考えてみます。実際の溶接には大きく2パターンあって、1つは「突きあわせ溶接」というもの。図の上の方法です。つなぎ合せたい部材の端部を角度をつけて切り欠いて板の奥まで溶接の熱が届くようにします。このための部材加工を「開先加工」と言います。裏側には「裏当て金」をつけておきます。突きあわせ溶接は部材をしっかりとつなぎ合せることができるので装甲板の接合によく使います。

もう一つは「隅肉溶接」と言う簡易な接合方法。図に下のパターンになります。組み合わせた部材の表面や隅の部分に溶接棒をあてがってバチバチっと溶接する方法。この方法だと部材の表面は溶けるものの奥までは届かないので強度が必要な部分には使えません。逆に熱の影響を少なく部品を固定できるので装甲板にフックなど小部材をつけたりするにはこの方法。

分厚い装甲板同士をつなぎ合せるのは「開先加工」にも限度があるので、第二次大戦当時は厚板の完全な溶接は未だ難しかったようです。それを補う方法として、組み継ぎと言って、ジグザグに切り欠いた装甲板を組み合わせて、ある程度の深さまでの溶接でも強度が確保できるようにする方法。しかし完全に接合したものではないので、被弾して誘爆した時にそこから破断してしまっている例をよく見ます。

d0360340_21010497.jpg話を模型に戻します。伸ばしランナーを部材に直接おいて溶接痕を表現しようとすると、図の下の例のように、溶接ビードが大きく盛り上がった状態になってしまって、少し荒々しいイメージ。

盛り上がりを少なく、もう少し繊細に表現するには部材に溝を掘って、そこに伸ばしランナーをはめ込んで、その状態で溶かし込む方法。図の上のパターンになります。この溝の深さと伸ばしランナーの太さの組み合わせでいろいろなニュアンスをコントロールします。このための溝の筋彫り作業は模型の「開先加工」。

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この「開先加工」の深さの違いでどのような溶接痕ができるか、3パターンで実験してみました。Aは筋彫りなし、ラインのあたりをつけるためのケガキ線だけ入れてます。Bは伸ばしランナーの直径の1/3程度が埋め込まれる深さの溝。Cは2/3程度埋め込まれる溝をつけたもの。写真左は溝にランナーをはめ込んだ状態。それを流し込み接着材で溶かしたものが写真右。(写真:クリックで拡大)

平面部分の溶接表現には直径の1/2ぐらいの溝を作るのがラインもきれいに出て良さそう。入隅部分には溝は必要ないだろうけど、出隅に溶接ビードを作る時には必要不可欠。

溝に嵌めたランナーに接着剤を塗ってカッターで刻みを入れて接着剤を塗って柔らかくして形を整えてまた接着剤を塗って乾かして溶接ビードを表現。カッターの刻みを細かくしてもう少し繊細な感じにしたかったけど... 実験だから今回はこの程度で。

by hn-nh3 | 2018-02-23 23:24 | 模型 | Comments(2)

月にiPhone

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昨日の皆既月蝕。何でも「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」という特別な月だったらしい。空にiPhone向けて撮ってみたら、ただの小さな赤い点。ちょっと物足りなかったから月の軌道を加筆してみたよ。

iPhoneでの写真撮影。日頃は不自由を感じることもなく便利でこのブログの写真も半分くらいはiPhoneで撮った写真を使っているけど、こういう時は光学望遠レンズを積んでない弱みを感じますね。月にiPhone... 完璧無比なものはないことの喩えか。

せっかくの月だし、とズームレンズ付きコンデジを空に向けるも暗い夜空にセンサーが惑わされてシャッターが切れなかったり、カメラのプログラムが余計な気を回してISO感度をあげるもんだから画質は荒れるわでさっぱり使い物にならず。マニュアル設定で調整しながら撮ればいいのだろうけど..... それに比べて空に向けるだけで大きさ以外は普通に月蝕が撮れてしまうiPhoneの優秀さとは一体何だろう。ブツ撮りの時に樽型収差とかに悩まされることもないし。

愛用のiPhone6S。最近やっぱりのキルスイッチが入ってしまったらしく、どうもカメラの反応が鈍い。GoogleMapも途中でよく落ちるし。潮時なのだろうけど、この時期に買い換えるのはちょっと迷う。まだまだ発展途上のⅩにするのか外見的には変化のない8にするのか...

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皆既月蝕記念にRed Iron Modelsのレジンキット、スプートニク1号を組み立ててみました。パーツ構成など以前の記事:Спутник-1を参照。

組み立てはいたって簡単。半球状に2分割された本体を貼り合わせて、4本のアンテナ基部をはめ込みます。ガイドの穴がちゃんと穿たれて位置も違わずセットできるのは嬉しい配慮。アンテナのロッドは0.5 mmのピアノ線に置き換えました。キットにはアンテナ用に丸めた銅線が同梱されてましたが、それではヨレヨレになってしまうでしょう。
アンテナの取り付け部にドリルで穴を開けないと弱いかなと追加工作が億劫になってたのですが、見れば何と、ちゃんと差込み用の穴がレジンパーツに空いてるじゃないですか。そんなこんなで組み立ては15分ほど、月蝕の間に完了。

スプートニク1号。アルミニウムの球体に4本のアンテナがついてますが、実寸で2.4mのアンテナが2本、2.9mが2本という構造。電波の送信用と受信用なのかなと思って調べてみたら、どちらも送信用。20メガヘルツと40メガヘルツの2つの無線送信機を積んで地球に向けて電波を発信、世界各地で観測されたそうです。

地球からの応援の声も聞こえず、暗い宇宙の中で僕はここにいるよと電波を発し続けていたのね.. 宇宙を初めて飛んだ人工衛星の孤独を知って、ちょっとしんみりとした月蝕の夜でした。


by hn-nh3 | 2018-02-01 18:24 | 模型 | Comments(0)

COLLECTION 2017

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あっという間に今年も残すところ1日。今年もいろいろ買いました。
残庫を考えればもう買ってはいけないと思いつつ、やっぱりなんだかんだ買ってしまいます


在庫管理もかねて今期収蔵品のリストを作ってみました。(クリックで画像拡大)
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衝動買いは極力控えてアイテムも選んだつもりがこの結果。購入費用11万なり。塗料と工具、プラ棒など汎用材、ジャンクパーツは省略。資料本も最近はあまり買わなくなったので、考えてみれば安上がりの趣味かもしれませんね。六本木のキャバクラで遊べば軽く一晩で使える金額だし。

それより問題なのはINPUTとOUTPUTの圧倒的非対称。今年完成したのは結局、SUMICON参加作品のGrille改造FLAKの一両とフィギュア2体)...
うーん。もっと作業スピード上げないと。




by hn-nh3 | 2017-12-30 06:57 | 模型 | Comments(4)

60・70・70M・76M

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MiniArtの"T-60 第264工場製"のキットには、このタイプ特有の角形の工具箱のパーツが用意されてます。蓋の部分が斜めになったおにぎり型というか台形断面の工具箱も標準部品のランナーに入っていて、どちらを使うかは再現するバージョン次第。
どうせ作るなら、せっかく用意してくれたオプションパーツの角形工具箱を搭載の車両を再現してみたいところ。考証沼にハマるのは避けたいところだけど、どの時期の車両が角形工具箱を使っていたのか少し調べてみたい気も。

角形の工具箱を使うことにすると、標準型の台形断面の工具箱のパーツが余る。

そうだ、いいこと思いついた。作りかけでずっとほったらかしになっていたT-70Mに使えるかも。
このT-70MはMiniArtの比較的初期のキットで各パーツのディテールは少し甘く、工具箱もヒンジや留め具をディテールアップが必要。タミヤからリリースされたSU-76Mの工具箱の留め具のモールドとかをオユマル複製して移植しようかなど考えていたけど、もうその必要はなくなりました。MiniArtのT-60のキットから工具箱が流用できるのです。
やっと来てくれました。ずっとこの日を待っていたような気がするよ。

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工具箱のパーツを比較してみます。タミヤのSU-76MのものとミニアートのT-60。
タミヤのSU-76Mのリリースされた時に部品請求してタミヤのパーツをそのまま使ってしまおうかと考えたことがあるのですが、ミニアートのT-70のものは一回り大きく、どっちが正解なんじゃろかと気になってしまって、それでずっとそれっきりになってしまっていたような気がします。こうして今、ミニアートのT-60のものと並べてみると、どうやらこのサイズが正しそうです。

ヒンジはリベット止めの3個から溶接型の2個と、T-70の生産時期で変わっていくので、そこは作るバージョンに合わせて調整すればいいだけの話なのですが、断面形状のプロポーションが違うのは少し気になるところ。工具箱の生産時期で変わったのか、キットの考証が違っているのか。これは少し悩ましい。T-60の写真を見てもミニアートのパーツよりも箱の上面の水平部分がもう少し広いような気もするし。



by hn-nh3 | 2017-12-23 05:48 | 模型 | Comments(7)

Спутник-1

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Спутник-1 買ってしまった.. スプートニク1号。RED IRON MODELSからリリースの1/35のレジンキット。

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この手の買い物はGMUKAミニチュアから。宅急便の箱にはお約束の猫スタンプが押してあります。
このところ本業が多忙を極めて、ニッパーを握る時間もろくろく確保できない状態が続いてます。すると高まるのは買い物衝動。購入ボタンを押すのに躊躇がなくなって、ついつい余計なものにまで手を出してしまいます。

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スプートニク1号。旧ソ連が1957年10月に打ち上げた世界初の人工衛星。地球の周りを96.2分で周りながら発信する電波は世界中で観測されたそうです。直径58cmのアルミニウムの球体に2.4mのアンテナが4本。"Спутник"というのはロシア語で衛星を意味するのだとか。「衛星1号」..なんだか夢のないネーミング。共産主義国家らしいといえばそうですが。
ちなみに犬を乗せて宇宙を飛んで星になったのはスプートニク2号。打ち上げは1ヶ月後の1957年11月。ユーリイ・ガガーリンが宇宙から初めて地球を見たのは1961年4月に打ち上げたボストーク1号。「東方1号」という意味らしいです。

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スプートニクが60年前、実際に宇宙空間を飛んでる写真を探したのですが見つからなかったので、キットのパッケージの写真。
小さな可愛いサイズの箱のスケール感が伝わるように比較でチョコエッグのおまけを横に置いてみたら、ますますよくわからん絵姿に..

中に入ってたのは簡単な組み立て説明図とレジンのパーツと銅線2種類。衛星本体は2分割されたパーツを合わせるだけで完成。それにアンテナ基部のパーツを4つ取り付けて銅線でアンテナつければ出来上がりの至ってシンプルなキット。SFチックな展示台もレジンで同梱。

しかしアンテナはピアノ線など腰の強い針金に替えてやらないと、ヨレヨレのアンテナではなんだかイメージと違うものになってしまいそう。

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その気になれば1時間で組み立ては終わるはず。問題は塗装か...アルミニウムでピカピカした光沢感を塗装で表現するのに塗料は何を塗ったらいいのかしら。日頃、AFVモデルばっかり作ってるとメタリック塗装のノウハウが身につきません。

d0360340_05570918.jpg通販の送料がもったいなかったので、ついつい、ついで買い。
「マンホールの蓋 1922年製」1/35 同じくRED IRON MODELSのジオラマアクセサリー。旧ソ連の戦前のマンホールの蓋を再現したものが5種類。東部戦線の市街戦の情景に最適とのことだけど、ジオラマに使ったところで、こんなの誰に気がついてもらえるのかしら。

パターンがそれぞれ違うけど、どの蓋がどういう類の蓋でどのエリアでよく使われたのかとかの情報がないので、考証にこだわると途方もない世界をさまようことになりそう。

..1942年5月のハリコフ周辺の下水道整備状況とか、スターリングラード市街における1922年型マンホール普及率とか、そんなのどこでどう調べたらいいものやら。

by hn-nh3 | 2017-12-16 06:20 | 模型 | Comments(4)

ウクライナから

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土曜日の朝、玄関のベルが鳴ってドアを開けるといつもの郵便配達のおじさんが海外からの小包ですよと。
見慣れない切手の貼られた包みはウクライナのキエフから。

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中に入っていたのは ZZmodelの"PRV-10 Radar”、スケールは1/87。
思い出しました。一ヶ月くらい前にネットを見ていてボックスアートが気になって買ってしまったキットがようやく届いたのでした。Amazon.jpだと法外な値段がついていたので、Amazon.comにて送料込みの44ドルで購入。英語で買い物ができるとハードルは低いですね。

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早速、開封の儀。で、蓋を開けると、いきなり発泡スチロールの塊のお出迎え。心がザワザワと騒いで、やられた!と、一瞬思いましたよ。でも、その下にちゃんと部品は入ってました。これがウクライナ流の挨拶なのでしょうか。

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箱の中に入っていたもの。組立説明書とレジンの部品。素朴なエッチングパーツ。
そして知らないおじさんの顔が書いてある紙切れが入ってます。何だろうと思ったらウクライナのお金、1フリヴニャ札でした。
販売店からのメッセージカードも入ってました。買い物ありがとー!ちょっとだけどウクライナマネーもプレゼントするよ!って書いてあった。なかなか粋なことしてくれるね、ウクライナ。

それで、PRV−10って何?と聞かれても困るのですが、どうやら旧ソ連のレーダーのようです。1960年代の代物。
気になる人はこちらの解説を見ましょう:Radar Basics PRV-10 とか:ソヴィエトレーダーサイト

一体どんな車両なのかはおいおい調べるとして...とにかく車輪のついた変な形のものにはとことん弱いんです、あたし。
またつまらないものを買ってしまいました、の巻。

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PRV-10 (写真出典:Radar Basics:http://www.radartutorial.eu/19.kartei/11.ancient/karte054.en.html)


by hn-nh3 | 2017-12-09 13:48 | 模型 | Comments(2)

マジックトラックを繋ぐ

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履帯、組みました。キットの「マジックトラック」を流し込み接着剤でC組みに。

と、まあ作業日誌的には1行で終わってしまう内容ですが、備忘録というかお役立ちTips的に工程を書き留めておきます。
リモネン、セメントS、ロコ組み、C組み...長いブランクを経た出戻り経験者としては、最初全くその意味がわからず右往左往、ようやく履帯の詳しい組み立て方を書いた記事にたどり着いて助けられたことがあるので、そのバトンをつないでおきます。

履帯は戦車模型の華でもあるけど、その組み立てはやっぱり最大のネック。...夜中に小人が耳の中から出てきてバラバラの履帯を勝手に繋いだりしてくれてもいいのだけど... といつも思います。
一体成型のベルト式履帯は便利だけど軟質樹脂の可塑剤の経年変化が心配だし、アフターパーツでフリウルとかマスタークラブのメタル組み立て式履帯を買うという選択枝もあるけどお金かかるしで、やっぱりキットに入ってるプラの組み立て式履帯を使うことが多くなります。

1枚1枚をランナーから切り出して使うタイプ。曲線部分はバラで直線部分などは一体化が図られた部分組み立て式、プラの組み立て式履帯には幾つかのタイプがあります。マジックトラックというのは、ドラゴン社のキットに(かつて)入っていた予め切り外した状態でパックされた履帯の商品名。ピンゲート工法で射出成型されたと思われ、転輪の接触面に小さな成型痕があったりします。パーツを切り出す手間が省けてユーザーには便利だけど、コストがかかるのか最近のキットには入らなくなってしまっているのがちょっと残念。時代の流れですね。
※「ピンゲート」については→金型の分類

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「マジックトラック」の組み立て。カッターマットに履帯長さ+10cm程度の長さのマステを貼ります。その上に履帯の仮止め用に両面テープを履帯長+5cm程度の長さで重ねて貼ります。両面テープを直接カッターマットに貼ると、後でマットから剥がせなくて大変な思いをします。マステを両面テープの下に貼っておけば使用後にさっと剥がせるのでオススメ。

両面テープは低粘着タイプか、接着面をベタベタ触って粘着力を弱くしておきます。両面テープは履帯の半分くらいの幅だけ残して定規を貼り付けて、履帯を並べるガイドにします。履帯幅の半分しかテープを使わないのは接着後の履帯を外しやすくするため。それ意外の両面テープ接着面は定規か他のもので隠しておきましょう。作業中に手がうっかりくっついてうっとおしいです。毛足の長いセーターなんか着て作業してたら大変なことになります。

準備が済んだら、マジックトラック(組み立て式履帯)をチマチマと並べていきます。必要数+3枚程度、取り付け時に長さ調整します。並べ方はあまり隙間が開かないように。途中、押しながら間隔を調整。変に隙間が空いていると接着剤が下に周り込んだり、接着剤で溶けたプラが接地面にはみ出して汚くなったりします。
並べる作業は片側15分、左右で所要30分程度

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履帯の接着。リモネン系の流しこみ接着剤を塗り込んでいきます。リモネン系の接着剤は柑橘系の揮発油分がプラを溶かす現象を利用したもので、初期強度の発現は遅いものの、ゆっくりと固まって強度が出ます。通常の部品の接着にはクレオスのセメントSが便利ですが、履帯の組み立てにはコレ。履帯に塗り込んで半乾きの時のグニャグニャとする状態を利用して転輪の巻きつけて形を整えることができます。

塗り込む量は多過ぎず少なからずの適量で。少ないと作業中にプチプチ切れて発狂しそうになるし、多すぎると履帯の隙間から溶けたプラがはみ出したり形が歪んだりすることがあります。このサジ加減は履帯の形状によって違って毎度試行錯誤になるので、予備履帯とか余ったコマで事前にテスト、確認しておくといいですね。

塗り込みは、リターンローラー側になる部分は切れないように割としっかり、端っこの接続部数枚は長さ調整でピースを切り離しやすくするために接着材は控えめに。下に敷くカッターマットは接着材に強いものにしましょう。100円ショップのカッターマットは溶剤で溶けて履帯が緑色に染まります。

塗り込んだらタイマーを仕掛けて20分待ちます。履帯のピースが繋がり始めるので、両面テープから外して接着材を塗り残して切れやすい部分がないか確かめて、そういう箇所にはリモネン接着剤をぬりたして、さらに20分、合計40分程度待ちます。
固まり具合は板ガム程度、とはよく言います。連続した履帯がグニャと曲がって形が残るぐらいの硬さ。

リモネン接着剤は、クレオスのMr.セメント・リモネン(流しこみタイプ)を使ってます。タミヤからも同様のものが出てますが、初期強度が出るのが少し遅く、匂いが半日ぐらい残るので、個人的にはクレオスの方が好み。初期強度については個体差があったりするみたいなので、どっちがいいとは断言はできませんが。

ちなみに、リモネンセメントは自然素材を使っていて体に優しいと言う利点はあるのですが、材料の性質上、劣化する現象があるみたいです。古くなると接着力が弱くなることがあります。実は今回も一度失敗しました。塗り込んで1時間くらい待っても接着が弱くてプチプチ切れたので、諦めて全部バラしてアルコールに漬けて接着剤を落として、接着剤を買い直してやり直しました。過去にも同じ経験あり。リモネン系接着剤は1年に1回は買い直したほうが良さそうです。

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履帯の取り付け。固まってきた履帯を裏返して細切りのマステを貼ります。巻きつけ途中にで履帯が切れた時にバラバラにならないようにしておく保険です。ただし、あまりピンと張らずに緩めに付けておきます。テンションが強いと変なところでたわみがでます。裏側に接着剤がはみ出て汚くなってしまったピースとかがあればこの時点までに修正しておきます。

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駆動輪から巻きつけて駆動輪で接続。履帯を駆動輪の歯に引っ掛けて全体の長さを調整しながら組み合わせます。途中、履帯が切れたりしたら、速乾性のセメントSで補修して作業を進めます。片側はうまく行きましたが、反対側は一箇所、切れたので補修、養生用の細切マステが役に立ちました。

巻きつけの途中で履帯の垂れも表現。リターンローラーの間の垂れ下がりとともに、駆動輪と転輪の間の斜めの部分も自重で自然に撓んだようにな形を作っておくとリアルです。転輪と誘導輪の間も同様。ただ、この辺りは実車では走行中と停車時で変わってくるし、舗装道路を走るときと不整地走行の時では履帯のテンション変えたりするので、その塩梅は模型としての設定によりますね。

上部のリターンローラー部分の垂れ下がりは、ほどほどに。実車の写真を見ると案外とピンと張ってたりします。激しく垂れた模型の作例を時々見ますが、履帯の垂れを表現するのは模型としての様式美みたいなところがあって、あまり強調しすぎると、却って現実から遠ざかる気がします。

と言う訳で、垂れ下がりは控えめにしてますが、接着剤の乾燥時の収縮や曲げ復りを考慮して適量より少し大きめに垂れを付けておきます。その後、静かに乾燥。巻き付け作業は20分。接着剤塗布から合計で 片側1時間。両側を作って2時間。並べる準備の30分を含めて合計の所要時間は2時間半。

ちなみに今回はC組み。駆動輪のところでCの形で繋がった履帯を塗装する時に外せるようにしました。ただうまく外したり再装着できるかは様子を見ながら判断します。転輪も履帯と接着させて一体化、転輪+履帯のセットで外せるようにしたロコ組みという方法もあり、そっちの方が強度はあるものの塗り分けが面倒になるので一長一短。どっちを選ぶかはケースバイケース。

by hn-nh3 | 2017-09-15 13:38 | 模型 | Comments(0)

T-60 来襲

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大変なことになってきました。我が家にT-60が2台、GAZ?工場製と第37工場製。MiniArtから立て続けに発売。しかも鋼製転輪の264工場製のリリースも発表されて、もう何が何だか。
SU−122の時はバリエーションと言ってもその違いなんて、ほとんど間違い探しのレベルだったから1つだけ買って他はスルーしちゃいましたが、T-60は生産工場と時期によって転輪とか砲塔が違ってたりして、ちょっと気になってしまうんですよねー

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35215(GAZ?)と35224 (No.37)のキットの違いは 、大雑把に言うと転輪が違います。T-40から引き継いだディスクタイプの転輪と鋳造のスポークタイプの転輪。
他は共に初期型の砲塔など仕様はほぼほぼ一緒で、わずかにトランスミッションのアクセスハッチのボルト数の違いがあったりするくらい。

35215は当初、GAZ工場製と謳ってましたが途中でその表記は消えてます。キットで再現されているディテールがGAZ工場製の特徴とは言い切れないのだと想像します。私もロシア側に寝返ってまだ日の浅いモデラーなので細かいことわかりません。セータ☆さんのブログ記事:gizmolog や最近発売されたCanforaのT-60本を眺めながら作ることにします。

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いい出来です。インテリア再現キットとはいえ、車体が小さいので眩暈を覚えるほどのパーツ数ではないです。最近のMiniArt らしくディテールもシャープ。フェンダーのリブもプレス模様がちゃんと裏側にもモールドしてありましたよ。

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ディテールも繊細。別パーツのドライバーズハッチ周りのバルジの装甲板の溶接跡も雰囲気あります。車体との取付部の溶接跡もちゃんと表現してあって、もう伸ばしランナーで追加工作する必要なし。

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砲塔はスライド金型を使って、側面のディテールも丁寧に再現。前面の張り出し上部のベンチレーション用のスリットもそれらしく表現されてます。さすがにスリットは抜けてなかったけど覗き込んでも見える場所ではないので、このくらいで十分か。

この砲塔前面のベンチレーション用スリットはT-40から踏襲された形式ですが、防御力にはやっぱり問題あったのか、ここにつけるのは廃止して砲塔ハッチにベンチレーターをつけた改良型の砲塔が後に登場します。このタイプもいずれキット化されるんでしょうね。

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d0360340_05340484.jpg履帯は組み立て接着式。両サイドに穴の空いたトレッドパターンのモールドはHobbyBossのT-40のものよりも細部のニュアンスがよく再現されてます。
ガイドホーンの軽め穴も当然のように抜いてます。ただ、穴のエッジに少しバリが出るのか、穴の輪郭が安定してないのが少し惜しいところ。

最近のタミヤのキットで、ガイドホーンの穴を再現しないでなんとなくごまかしているのは、こういうリスクを嫌っての判断なのかもしれないですね。

..

さてさて、ちょっとここでガチンコ対決。T-40からT-70まで使われているディスク型ホイールのキット比較。MiniArtのT-60のものとHobbyBossのT-40、TamiyaのSU-76Mを並べてみました。
                  
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TamiyaのSU-76Mは転輪の幅が広がったタイプのものなので厳密には同じではないのですが、プレスしたお椀型のディスクを転輪のリム部分のリングに溶接した構造は同じ。HobbyBossのものはリムの表現が少し強調されすぎてる感はあるものの雰囲気は悪くないです。Tamiyaのものは、溶接部のディテールが少し間延びしていてちょっと違和感を覚えます。最近作のバレンタイン戦車もそうだったけど、タミヤさんはどうも転輪の曲面のニュアンスの把握ができてないところがありますね。

              
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MiniArtのT-60。GAZ工場製で使われているディスク型転輪は誘導輪も同じ形ですが、直径はアイドラーホイールのものが一回り小さくなってます。前のバージョンのT-40から踏襲された形式ですが、何か意味があったのでしょうか。後のT-70では同サイズのもので統一されていること考えると、補給が煩雑になっただけだったような気もします。

これが少し悩みの種で、GAZ工場製のT-60。誘導輪が一回り小さい正規パターンのものと、転輪と同じサイズのものを使っているのがあるんですよね。
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GAZ工場製T-60(写真出典は共にCanfora T-60より)


by hn-nh3 | 2017-09-01 06:20 | 模型 | Comments(6)

Nuts!

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こんなの作りました。
旧ソ連の装甲トラクターKPP-40の駆動輪をプラ板でスクラッチ....
ウソです。そんな車両はありません。

で、何を作ったかというと、わかる人はもう分かってると思いますが、模型の台座固定用のナットホルダー。
そういう名前があるのかはわかりませんが、模型の下面内部にナットを仕込んで、台座にネジで固定するためのものです。積層したプラ板ディスクの中にナットが入っていて、これを模型底面に接着します。
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いろいろな方の製作記を見てると、それぞれに工夫してナットを仕込んでますが、この作り方はme20さん(web: me20の戦車工場 )がSUMICONのBBSで紹介されてました。ディスク状に切ったプラ板の中央にナットを置いて周りをプラ角棒で放射状囲んでナットが空回りしないようにする構造。
これは強度も保てそうだし、何より合理的な形状が美しかったので、この方法で作ってみることにしました。

ナットの周りに配置するプラ棒は手持ちのストックにちょうどいいサイズがなかったのでWEVEの0.5mmプラ板を積層して製作。4枚重ねの6個を2セット、なんだかんだ時間かかってしまいました。中心がずれないようにネジをはめたまま接着剤をつけたら、ネジ穴のまわりに接着剤がはみ出してしまいました。中までしっかり接着できてる証拠ということでこれで良しとします。

模型に取り付ける準備として、底面にネジを通すための穴を開ける必要があります。
穴はなるべく小さくなるように3ミリのネジにしてますが、実物と無関係な穴があるとタミヤの昔のモーターライズのキットを思い出してしまったりして、穴を開けるのには少しためらいは残るところ。

しかし、ジオラマ作ったり台座に乗せて品評会に出したりしなくても、塗装後のウェザリングの際に作業用の台に固定しておくと模型をべたべた触らないくていいので、やっぱりこれは必要ですね。

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SUMICONで製作中のグリレ改造FLAKにもつけてみました。裏面のディテールを逃げて前後2箇所。1箇所だと模型がクルクルと空回りして落ち着かないし、回らないように強く閉めるとサスペンション壊れます。
ナットホルダーの固定は見えないところを選んで、接着剤はベタベタと。


by hn-nh3 | 2017-07-21 05:38 | 模型 | Comments(0)

ジグ


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また、つまらないものを買ってしましました.....
グムカの新作レジンキット。ロシアンフィールドキッチン:「ソ連野戦炊事車 PK」です。

ロシアンフィールドキッチンはMiniArtからKP-42がリリースされてますが、それよりもクラシックなスタイルに惹かれて思わずゲット。ちょっと写真日記よろしくインスタグラム風の構図で撮ってみましたよ。

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箱を開けるとこんな感じ。レジンパーツの入った袋とエッチングパーツ。そしてインスト。カラーでわかりやすくて良いです。裏表両面刷りで組み立ての手順毎にカラー写真がついていてとても親切。

ガレージキットの中には、何が入ってるのか何がどうなってるんだか分からないインストもよくありますからね。

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レジンのパーツです。非常にシンプルであっという間に組みあがりそうな構成です。
清潔感のあるディテール。考証云々とかあれこれ追加工作とか言うのは野暮。

鍋の中にはボルシチ?らしきモールド。ここは空の鍋を再現するか情景的に表現するかで賛否は別れるところ。
しかしジオラマ派でなくても、フタ開けて空っぽの鍋が見えるのは少し寂しいから、何か暖かい料理を用意したくなるのも人情です。それなら、今日の献立を考えなくてもいいのはとっても楽ちん。

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キットを完成させるには、MiniArtのFARM CART [MA35542]が必要。
こんなマイナーなアイテム、どこに在庫あるかしらと思いつつ、WAVEのプラ板でも買おうと立ち寄った新宿西口のヨドバシカメラで期せずして発見。
プラモ購入は基本的にお気に入りの模型屋さんでと決めて、量販店では買わないのですが、マイナーアイテムとの出会いは一期一会。レジに直行、即お持ち帰りとなった次第。
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で、早速に検品... モールドは同社のフィギュアと同様のタッチでなかなか繊細。木目表現も雰囲気あります。ただ、車輪のスポーク部分にがっつりパーティングライン入っていて整形には難儀しました。
木製車軸はヒケ防止で成形上の肉抜穴が設けられてます。キット通りに荷台をつけるなら隠れてしまうのですが、フィールドキッチンの台車に使うとその穴は見えるので、WAVEのグレーのプラ板で塞ぎました。同色のプラで塞ぐと、もうどこに穴があったか分からなくなります。

車軸の長さがフレームより少し長くてジョイントの部分の金具がずれた感じに見えたので、金具の付け根で切り離して長さを詰めました。フィールドキッチンを載せるには、フレーム材をいくつか追加自作する必要がありますが、それを始めると本体も作り始めたくなるので、今回はここまで。
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グムカのフィールドキッチンのキットにはこんなパーツが入ってました。
真鍮線を所定の形状に加工するためのジグです。同じ長さで曲げたりするのって意外に難しいから、こういう配慮は嬉しいですね。モデラーの心をよく分ってる。

加工した真鍮線。キットで使うのは2個だけですが、ジグを使うのが楽しくて何個も作ってしまいました。注文あれば、いつでも量産できます。
                     





by hn-nh3 | 2017-07-18 19:16 | 模型 | Comments(0)