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断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

カテゴリ:資料( 29 )

デカール大作戦

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6/13 追記あり

デカール到着。製作中の1/72 コードロン・シムーン サン・テグジュペリ搭乗機用にオリジナルデカールを作成しました。記録写真から文字の書体やサイズなどを調べてイラストレーターを使ってフォントを改造して入稿用原稿を作ります。

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原稿はこんな感じ。文字データーはすべてアウトライン化。これをデカール制作サービスのところに送って、白インクで刷ってもらいます。

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データー送って中1日で製品到着。こんな感じで仕上がってます。手前においてある黒いフィルムは製版用のフィルム。オフセット印刷同様、こうしたフィルムを作る必要があるみたいです。

ちなみにこれはデカールといっても模型制作でよく使う水貼りデカールではなく、文字や図柄を圧着するドライデカール。インクで刷られた文字の裏に糊がひいてあって裏打ちシートの上から擦ると転写されるしくみ。昔はインスタントレタリング、通称インレタともよく言いました。水貼りデカールのように余白がでないのは利点ですが、接着面を文字裏だけに頼ることになるので、あまり細かい文字や線だと接着強度の確保が難しくなります。それと水貼りデカールに比べて糊の寿命が短いようなので、使わないまま長期保存するのは難しいかも。


今回かかった費用は...
70×110サイズ 基本色(白)2100円
製版用ネガフィルム作成   1900円
送料・代引手数料      1000円
消費税            400円

合計:5400円(消費税込)

決して安くはないです。窓口引取りは今はやってないとか、カード決済未対応とか、そのあたりで余計なコストがかかってしまってる感あり。製版用フィルム作成費というのも悩ましい。次回も同じものを作る場合はこの製版フィルムを持ち込めば、そのまま作ってもらえて割安になるのですが、そうそう増刷なんかしないしね。。


今回の制作ではもうひとつ実験をしてみました。

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いつもお世話になってる hiranuma さんとのコラボ企画。氏がJミリで連載している超絶ディテールのケッテンクラート用のデカール制作に協力しました。
1/35でもとても小さな車両のこれまた小さな文字の再現実験。 ドライデカールで再現できる線の細さの推奨値をはるかに下回る微細な文字が果たして再現できるか....

ダメ元でやってみようと、必要な文字テキストと1/35でのサイズの情報とトレースの下敷きになる資料写真を送ってもらって、イラストレーターで文字を配置。似たようなフォントを探したり、文字間隔やレイアウトを写真を見ながら調整したりと、見た目よりは以外と地味な作業を要求されます。大きな文字だと、実物のロゴとイラストレーターに入れてあるフォントの形が一致することはほとんどないので、近似のフォントをベースに文字を改造したりの作業も必要になるのですが、今回は、文字が小さくて微妙な文字の形の違いは判読できないこともあるので、その作業は省略。
ただし、ついでに作ったバイクのZündapp(ツェンダップ)のロゴは「 ü 」のウムラウトが一般的な表記では文字の上に2つの点がつくのに対して、メーカーロゴでは U の内側に点が配置されてるデザインになっていたので、そこだけ文字改造。

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hiranumaさんから、別の制作サービスに発注してみたものが到着、といただいた写真が上の2枚。

発注先は インレタ.com
費用は以下、とのこと
【インスタントレタリング代】
黒刷:濃色カラー (100 x 148 mm)    3240円×1枚=3240円
白刷:自作箔押しシール (100 x 148 mm) 4320円×1枚=4320円
【その他費用】
ゆうパケット(到着:出荷後2〜3日) 350円×1=350円
完全データ入稿により初期費用無料

合計:7910円(消費税込)

黒と白の2枚のシートでこの値段ならお買い得。製版フィルムを使わない印刷方法のようで、デジタル製版なのかインクジェット印刷なのか、そこまでは伺ってないので不明ですが、コストを抑えられるのは嬉しいですね。

黒で刷ったバージョンは再現力も実用レベルに達してるとのこと、しかし白は文字が滲んだりとんでしまったりして、ちょっと...ということのよう。黒とは製法が少し違うのでしょうか。

そんな報告を受けていたので、ちょっと比較実験しようと、今回制作のコードロン シムーン用データーの片隅(右上)にツェンダップのロゴとケッテンクラートの文字データーを並べて”Too”に発注をかけて仕上がってきたのがこれ。

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(写真をクリックすれば1600px まで拡大)

さすがに右2つの注意書きの文字は判読不能だけど、左側のツェンダップのロゴとケッテンクラートの積載表示は文字も判読可能、インクの滲みも特になし。これならいけるか。

<6/13追記>
仕上がったデカールをhiranumaさんにお渡しして、黒刷り(インレタ.com)のものと比較した写真を撮っていたたいた。
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細部がどうなっているか..これ以上のディテールは超マクロ撮影ができるカメラがないと判別できる領域ではないので、普通に鑑賞する限りはどちらもこれで十分な仕上がり。

hiranumaさんが制作したケッテンクラートはダークイエローの塗装だから、文字は黒バージョンがあればよくて、グレー塗装の車体に使う白バージョンは必要なの?と聞けば、hiranumaさんからのお返事は「ケッテンクラートならキットがあと4つある」

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コードロン シムーン制作の近況報告。超スローペースではあるけど進んでます。主翼のパーツを胴体に接着して、実機にはない翼の接合部の溝をちまちまと埋めたりやすりがけをしたり。
溝埋めはいつももの瞬間接着剤パテ。シアノンにベビーパウダーを混ぜたものを使ってます。ラッカーパテと違って塗装してもヒケがでないので安心。

垂直尾翼に貼ってある文字は前にテストでケーブルドラムのロゴの片隅にデーター配置して試作したもの。文字が小さいので、ドライデカールの印刷解像度や糊の接着強度に不安があったけど、やすりがけの最中にベタベタと手で触っても全然大丈夫。剥がれたりはしてないですね。あとはシンナーなどの薬品への耐性のチェックが必要かな。

by hn-nh3 | 2019-06-10 21:10 | 資料 | Comments(6)
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ノルマンディー上陸作戦計画図(1944年6月6日):Wikipediaより

6月6日はのノルマンディーの日。1944年の6月6日に連合軍のノルマンディ上陸作戦が開始された日とかで、その75周年の記念式典に赤ネクタイの某国大統領が出席とのテレビのニュース。
いずれにしても「ノルマンディ上陸」なんて遠い昔の遠い国の出来事。

地図を切り取って見ると、イギリスとフランスの間にあるのは広い海ではなく、細長い海峡なんだなとあらためて思う。大陸と島国というより対岸。
距離だけでいえば地図の右上、ベルギー国境に近いダンケルクやパ・ド・カレーに上陸するのがよさそうに思うけど、地形的に潮の流れもきつそうだし、上陸したあと、そのまま東に向いてドイツ国境を目指すのか敵に背中をさらしてパリを目指すのか迷いそう。と、なると、半島の付け根の波も穏やかそうなノルマンディ地方が上陸の適地、のように地図からは見えます。そのまま進めばパリだし。

こういう半島地形は上陸作戦には向いてるのかな。米軍が沖縄に上陸(1945年4月1日)した読谷村(よみたんそん)も確かそんな地形。前に沖縄に遊びに行った時、かみさんまかせで決めたホテルがその辺りで窓から海を眺めながらここはどんな場所なのか調べて、そこでかつてそんなことがあったと知った。目の前の静かな青い海も数十年前に時間を戻すと..オリーグドラブ色の兵士を載せた上陸用舟艇で埋め尽くされて、陸は艦砲射撃で穴だらけになって..と想像するだけで眩暈がした。もちろんリアルは想像をはるかに超えてるのだろうけど。


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東京も梅雨入り。先週の木曜日の夕暮れ時、錦糸町での打ち合わせの帰りに秋葉原のラジオ会館に立ち寄り(寄り道)。イエローサブマリンの新製品コーナーでこんなものを見つけました。

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Hauler からリリースされた1/35スケールの傘のガレージキット(HLU35112)がちょうど入荷していたのに遭遇。

傘は以前にも一度作ろうとしたことがあって、その時はノルマンディ戦を題材にしたジオラマの小道具として傘を使おうと、プラ板のヒートプレスで自作するのか悩んだりするうちに時間がなくなり、結局は閉じた状態の傘を使った。その顛末を前に記事にも書いたのが:「雨のノルマンディ」

そんな記憶もあったし、入荷したその日がたまたま6月6日だったりもしたことあって、これは何かの縁かなと思い購入。消費税込みで1944円なり。

... あれ? 1944って。1944年にかけてるのかしら。そんな訳はないとは思うけど。そんなところで時間と場所が交錯するのはスケールモデルのもうひとつの楽しみ。

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キットの中身はプラ板のバキュームフォームで整形された傘のシェードと、真鍮エッチングの傘骨と簡単な組み立て説明書。傘の持ち手は0.5mmの針金を曲げて自作しろ、と原寸図入りで書いてあります。
欲をいえばレジン製の傘の柄を入れて欲しかったかな。鉄パイプを曲げただけの傘の柄なんて味気ないし。

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ディテールにこだわるなら、細かい傘骨を追加工作したりする必要はあるのだろうけど、基本形のパーツが安定した形で作れるのは結構ありがたいかも。幾何学的な形態の自作って難しいところあるから。

このキットがあれば、あのシーン(ノルマンディに展開する第654重駆逐戦車大隊のヤークトパンターの搭乗員が傘を差す写真)が再現できそう。もちろんそのためにはヤークトパンターのキットが必要だし、雨はどうやって降らせればいいのだろう?

by hn-nh3 | 2019-06-08 06:35 | 資料 | Comments(8)

OVM色

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だいぶ前に書いたドイツ軍戦車のOVM(車載工具)の塗装色に関する記事は、訪れる人も少ないこのブログの人気コンテンツになってるようだ。確かに模型を作っていて悩んだりするもんね。


簡単におさらいすると、大戦前期のパンツァーグレーの車体色の時は工具類はいわゆる「工具色」。 ここでいう「工具色」とは工具の鉄部は黒染めか黒塗装、柄など木部は木生地にニス仕上げという工具の一般的なイメージ。タミヤのキットだと鉄部はメタリックグレー、木部はレッドブラウンで塗ることになってるアレです。

車体色がダークイエローに変更された1943年の夏頃からは、工具類も車体色と同じダークイエローに塗りつぶされた事例が多くなります。その前段階の移行期には、例えばアフリカ戦ではイエローの車体色に対して工具は「工具色」のまま。1942年夏のロシア戦線でイエロー塗装が先行して実施された時もOVMはまだ「工具色」。

それがクルスク戦やイタリア戦の頃に車体色と同じ色で塗りつぶされるようになるのは、おそらくはアフリカ線で米軍車両のOVMが車体色で塗装されていて迷彩効果が高かったのを見たからなんじゃないかと想像してます。イエローベースの工具は現場で塗ったというより工場納品時にあらかじめイエロー塗装された状態で装着されるようになったと思われ、その上から部隊ベースで3色迷彩をしていたのでしょう。

しかし、1944年の秋頃より迷彩塗装が工場出荷時に行われるようになり、グリーンの迷彩の比率が大きくなると、工具の色もイエローベースではなくなっていく傾向が.. というようなことを書いた。


この前、この記事を読んでいただいたみやまえさん:ハードな冒険 から迷彩塗装を現場でする時に「OVMを車体につけたまま迷彩塗装をするか、作業の前に工具を外してから迷彩塗装するか、乗員の性格がでそう」というようなコメントをいただいた。

確かにその通りで、いろいろな事例があったと想像します。面倒臭がりの乗員は絶対に工具つけたまま迷彩塗装したはずだし、むしろその方が迷彩効果が高まっただろうし。

その場合、塗装後に戦場で工具をなくしたりすると、工具が取り付けてあったところだけベースのイエロー色が工具の形で煮るの越されてたりするんでしょうね。例えていうなら、夏が終わった時の日焼けの水着の跡。のような。

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そんな写真はあるかなと探してみたら...ありました ! OVMの痕跡が。
冒頭にも載せた写真はワルシャワ蜂起の際にポーランド国内軍に鹵獲されたヘッツァー駆逐戦車。回収修理されてChwat号と名付けられた車両のバックショット。時を同じく撮られていた動画からスクリーンショットで部分拡大。

イエローベースの車体にグリーンとブラウン縁取りの雲形迷彩。写真のアングルによっては刷毛塗りのハードエッジ迷彩のように見えるものもありますが、この写真を見ると、ボケ足の非常に少ないスプレー塗装であったことがわかります。それも標準装備のOVMを装着した状態で迷彩塗装が行われたことも。

車体後部中央には牽引ロープのタグアイの形が綺麗にマスキングされたように塗り残しの痕跡として。その左側には予備履帯をつけたまま塗装した痕跡も。

d0360340_09204028.jpgこの写真はChwat号ではなく、後期生産型を上から撮った詳細がわかる有名な写真。
車体後部中央には牽引ロープと予備履帯をこんな感じで標準装備していた、ということがよくわかるので引用してみました。

この車両は後期迷彩のグリーンが主体の塗装色で予備履帯は写真で想像する限りは周囲との明度差からグリーンで塗装してあったと推測。ジャッキもイエローではなく、グリーンで塗ってあった可能性が大。
ワイヤーロープはみやまえさんによると、ワイヤーにはオイルを含ませた芯が入ってるとのことで、塗装はのらないから鋼材の生地色か亜鉛めっき色かと思われます。

この写真でちょっと面白いのは、車体側面向かって右のジャッキの上についてるバールが車体の迷彩にあわせてグリーン、イエロー、ブラウンと几帳面に塗り分けられていること。

チェコ人もなかなか几帳面。

おまけで特典映像:Chwat号の回収、修理、お披露目時の動画
Chawat 回収-2 https://imgur.com/7iX8L1c                       

by hn-nh3 | 2019-04-14 10:07 | 資料 | Comments(6)

タルチンスキ本

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先月ポーランドの本屋さんから購入した”Pojazdy Powstancow Warszawskich-1944”
ワルシャワ蜂起の研究家:ヤン・タルチンスキさんの著書「ワルシャワ武装勢力の車両1944」2009年刊

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17×24cm 厚みは1.7cm 168ページ ハードカバー。A4より一回り小さなサイズとはいえ、ずっしりとした本で測ったら540g。これで送料含めて2,800円ならお買い得か。

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しかし、テキストは完全にポーランド語。全く読めません。。その意味では「可食部」は写真に限られるので、コストパフォーマンスはぼちぼち。せめて写真のキャプションに英語併記してほしかったよー。

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目次。2ページに分かれていて、写真はその前半部分。1944年のワルシャワ蜂起でポーランド国内軍が鹵獲使用した車両が、車両ごとに解説されてます。記述は詳細なのでポーランド語が読めるとこの本の価値がわかるのでしょうが。。

ちなみに、著書のヤン・タルチンスキさんは1994年に”Pojazdy Armii Krajowej W Powstaniu Warszawskim” という本を出してます。その本は未見ですが、ネットで部分を確認する限りは構成は同じ。
今回購入の2009年版の本は、1994年版の増補改訂版になるものと思われ、どうやら新編集の本ではなさそう。

それはともかく、蜂起軍が使用した車両が1冊にまとめられていることは重要。写真の大半は現在ではネット上でも収集できるものですが、情報としてまとまっているという価値は本ならではのもの。

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鹵獲パンター。2両をドイツ軍から鹵獲して使用したようですが、テキストがポーランド語なのが歯痒いところ。写真は半光沢のアート紙の印刷なので再現度は悪くないです。

もっとも最近の出版物で見るような「オリジナルネガからの新規スキャン」「デジタルエンハンスをかけてディテールを強調」というのと見比べると、ちょっと物足りなさを感じる写真も。
出版が2009年ですから、この10年の隔たりはそんなところに。

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鹵獲されてバリケードに組み込まれたヘッツァー駆逐戦車「Chwat(フファット)号」のページ。
国内軍兵士に火炎瓶攻撃を受けて内部で誘爆が起きたのか、側面装甲にはヒビが入って、天板はボルトが飛んでめくれ上がってしまったのがこの写真でも確認できます(黄色い矢印)

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後で回収されて修理された時の写真。装甲板のヒビは溶接して補修してあるように見えます。上面装甲板はめくれあがったままですね。

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トラック(シボレー157 or155)のシャーシに自作の装甲ボディを乗せた国内軍オリジナル装甲車「Kubuś(クブシュ)」
ドイツ軍が拠点としていたワルシャワ大学に攻撃を仕掛ける、という華々しい「戦果」もあってか、ミラージュホビーからキットもでている有名な車両ですが、退却時にバリケードを通過できなくて放棄されてしまったのが残念。

ヘッツァーChwat号も回収修理して自走できるようになったものの、結局は拠点のバリケードから外に出られなくて戦果もなく役目は終わってたりと、なんだかあまり有効に使われなかったみたいですね。

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シボレー157に装甲板を張った簡易装甲車。アンバランスなデザイン。”AK”の派手なロゴもあって模型映えしそうなアイテム。ミラージュホビーで是非ともキット化してほしいところですが、たぶん買わないだろうなー(笑)

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DKW F5? のバンタイプの車両に派手はロゴ。救急車として使用されていたらしく後ろ姿の写真には赤十字マークの旗とキューピットのハートマークが描いてあるのが確認できて、これも模型で再現したら楽しそう。
というか、この類の非正規車両の面白さは、結局はマーキング次第なんですよね。それがなければただの普通の車両。

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トラックの類もあれやこれや。ちょっと前に vol de nuit さんのところの記事(Archive: Vehicles in Warsaw, 1944)かば◎さんらとわいわいと車両特定をやったので、だいぶ詳しくなりました。上の写真のトラックはタトラT27。下のトラックはボルグヴァルトL1400。

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バイクの類も。兵士が乗っているのはVictoria V98か。
個人的には横に写ってるケーブルドラムがとても気になります。前にChwat号のバリケードに使われているケーブルドラムのメーカーロゴを特定した記事も書きましたが、これはロゴの入ってないタイプでなんだか新鮮。

本のレビューは結局、この本の本当の価値であるテキストではなく掲載写真の話になってしまいました。
言葉が解るか解らないかといったら、出来たほうが100倍楽しいと思うけど、この歳になってポーランド語の勉強をしようという気にはやっぱりならないし。

記事の写真は全て”Pojazdy Powstancow Warszawskich-1944”から。
高い本ではないので興味がある人は是非、買いましょう。積んでおくだけのプラモよりは役に立ちます。

03/24追記;
セータ☆さんに携帯のGoogle翻訳にカメラ撮影>OCR読み取り>翻訳の機能があるよと教えてもらって、早速、読んでみました。鹵獲使用した車両の運用履歴など詳細に語られてます。その情報の多くはネットでも拾えたりしますが、というかこのタルチンスキ本が、そうしたネット情報のソースになってたのだと再認識。

by hn-nh3 | 2019-03-23 18:44 | 資料 | Comments(11)
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季節はあっという間に過ぎていきます。時間に追われて、本も読まずに積んだままの日々。
そうそう、モデルグラフィックスの2019年4月号も買ってます。映画「この世界の片隅に」の映像世界を模型で読み解く好企画。もうちょっと早くレビューするつもりだったんだけど。。

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「この世界の片隅に」は映画を見て、原作となる、こうの史代さんの漫画も買ってしまったクチですが、本屋で表紙をめくるまでは正直期待してなかったですね。今年公開が予定されている新作の映像追加版:「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の宣伝を兼ねたタイアップ記事、ぐらいに考えてましたが、いやはや、パラパラっとページをめくった次の瞬間にはレジに向かってましたね。巻頭から後ろのページまでみっしりと特集記事。

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映画のシーンを再現した見事な作例もさることながら、片淵監督特別監修ということだけあって、映像の中でのメカの描かれ方なども詳細に語っていて、模型作りのヒントになります。

ブログ中の記事の紹介写真は絞りを浅くして撮ってます。ピンボケしちゃったんじゃないよ。ちゃんと買って読もうね。

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主人公のすずさんが嫁いだ北條家の段々畑をリアルに再現した記事なんか好きです。制作を担当しているのは、AFVモデラーにとってはカリスマ的存在の吉岡和哉氏。装甲車が登場するでもなく野菜が植わってるだけの段々畑ですよ。なんという才能の無駄遣い。(笑)

映画の考証は徹底してます。片渕監督は呉市で栽培されていた野菜も調べていたとのこと。記事の写真は野菜の栽培カレンダー。これに応えて吉岡氏もさつま芋、かぼちゃ、葉物の野菜の葉の写真からデーターを作って、レーザーカットで切り抜いた自作野菜パーツで見事に再現。制作記事の解説も簡潔にして的確な文体。これぞプロの仕事。

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個人的にはこういうページが好き。映画の片隅に写っているメカを同定してます。

終戦直後の呉に着底する艦船群を米軍が撮影したカラーフィルムは有名ですが、映画の風景は当時の記録に基づいて精密に再現されていることがわかります。


https://www.youtube.com/watch?v=RnFHIbhng84

映画「この世界の片隅に」を見てる時は気がつかなかったけど、劇中、こんなに映ってたんだっていうぐらい、いくつもの艦船、飛行機がチラッと登場してたんですね。艦船や飛行機で自分の模型ジャンルとしては守備範囲外のものばかりですが、前に記事(一円陣地)でちょっと書いた八九式12.7cm連装高角砲なんかも映ってます。その他にも広島市内を走っていた市電やトラックの類も型番まできちんと考証されているのが解説されていて楽しい。

しかし、こうした軍艦や戦闘機が映画の中の風景に描かれているのに映画の物語ではほとんど説明されないんですよ。
それは映画の文体でもあるけど、主人公のすずさんが知りえないことは(同じ世界に存在していたとしても)説明されることがない、ということなのか。 確かに現実ってそうだよね。

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そんな話はB29と戦艦大和の描かれ方にも現れてます。B29は10,000mもの高高度を飛ぶから飛行機雲が出るんだけど、空の飛行機雲を見て、「知識として知っている」ぼくらはそれがB29だと気がつくけど、初めて空に見るすずさんにはB29は見えない。

戦艦大和は前に呉軍港に入港しているのを「あれが大和だ」と旦那の周作さんから教えてもらったから大和だと知っている。しかし、そのB29が向かった先の海に浮かぶ大和らしき姿が映るシーンには何の説明もない。ぼくらはそれを見て沖縄に出撃する戦艦大和だと想像する訳だけど、それは呉で暮らしている主人公のすずさんが知らない世界で起こっていること。山の向こうの広島に落ちた原爆も同じで、原爆症のことも描かれても語られない。

ちょっと模型誌レビューから脱線してしまったけど、映画評では物語の背景世界についての話が少なかっただけに、片渕監督自身が解き明かす戦艦大和の最後のシーンのことなど、腑に落ちた感じ。

by hn-nh3 | 2019-03-17 16:27 | 資料 | Comments(0)

日常とバリケード

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ゼンゼンゼン回の記事に取り上げた映画"Miasto44""のメイキング映像を見つけた。バリケードのシーンなどは実際の街の中でオープンセットを組んで撮影していたようだ。ポーランド西部、ブラツワフ ブロツワフ( Wrocław)という街のこの辺り


バリケードって何だかワクワクします。瓦礫やらガラクタで道が封鎖されると風景は一変。見慣れた「街」が見知らぬ「都市」に変貌する、というような。
もっとも、ヨーロッパみたいな街区型の街じゃないとそれは無理なんでしょうけど。


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映画でのワルシャワ蜂起の再現度合いは凄まじいものですが、兵器や装備の類も綿密な考証を元に再現されているようです。
↓こんなサイト。映画に登場する銃器をリスト化しています。





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このところ、vol de nuitさんのサイトでワルシャワ蜂起で国内軍(AK)が使用した車両を追跡した記事 ”Archive: Vehicles in Warsaw, 1944” やそれに関連してかば◎さん関連記事をアップするなど、なにやらワルシャワ方面が気になる状況。

voi de nuit さんの車両追跡で、Opel Kapitänの写真がなかなか見つからないのですが、こんな映像を発見。
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シトロエンtype23の後ろにいるセダンはオペル・カピテーンですね。
と、言ってもこれは当時の記録写真ではなく、上記の映画"Miasto44''の1シーン。

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https://www.imcdb.org/movie.php?id=3765326

IMCDBは映画やテレビ番組など映像に登場する車両のデータベースとしてソフトスキン類の写真を探すときに便利なサイトですが、"Miasto44”もカテゴリーページが作られてました。ページはまだまだ整備途上というところですが、しかし、この映画。登場する戦車や装甲車ならともかく、チラっとしか映らないこんな乗用車でも当時実際に使われていた車種にもこだわるなど、つくづくマニアックな映画だったと、あらためて感心。

by hn-nh3 | 2019-02-09 14:12 | 資料 | Comments(9)

Miasto 1944

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Courier crossing (1944.8) 撮影:Jerzy tomaszewski

ケーブルドラムから話は転がってワルシャワ。これまでに記事に書いたのものを並べると
などなど。

よくもここまで引っ張ったと我ながら思わないでもないけど、まだ続きます...

映画:Warsaw 44(原題 Miasto 44)のシーン。貼り付けた動画は映画の一部ですが、原題の Miasto 44 で検索すると全編もYouTube でみることできます。

1944年8月のワルシャワ蜂起をポーランド側から描いた映画で2014年の作品。こんなのあったの知りませんでした。日本では劇場公開はされなかったようで、DVDが発売されてます。邦題は「リベリオン ワルシャワ大攻防戦」......と、なんともB級タイトルがついてます。戦争映画にありがち。

YouTubeの日本語字幕のないものをざっと眺めた限りは、あちこちで感想が書かれているように、映画としての出来はちょっと微妙。
と言っても、ストーリー展開がB級という訳ではなく、絶望的な状況に追い込まれていくハードな映像の中に唐突にスローモーションで挿入されるラブシーンといったよくわからない演出があったり、ここまで描かなくてもいいのにという展開についていくのがちょっとしんどかったりで、ポーランド人でない限りは正直なところ全編を観るのはおすすめしません。YouTubeのリンクを貼った短いシーンで雰囲気だけつかむ程度で十分かと。

ワルシャワ蜂起を扱った映画では過去にアンジェイ・ワイダが「地下水道(原題:Kanal)」なんて傑作を残してたりするから、それ以上の作品を作ろうと力が入ってしまったのは、作り手視点からすればわからないでもないけど。

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それはそれとして、映画のワルシャワの市街戦の考証は極めて緻密。前にも紹介した当時の記録写真を再現したと思われるシーンが随所にあったり、登場する車両や武器は本物?もしくはかなりの精度で再現したレプリカ。写真はそんな1シーンですが、市民を盾に鬼畜な攻撃を仕掛けるドイツ軍のパンター戦車。別なシーンで確認すると足回りはどうもT-55を流用してるものの、車体はかなりの再現度。OVMがちゃんと装備されてたり、キューポラに対空機銃架がついてたりと、ミリオタの厳しい視線に十分耐えられる仕上がり。よく見ると、パンターの後ろにヘッツァーもいますね。

その他にも、2cm対空機関砲FLAK38が、プライベートライアンの時と同じく対地攻撃で絶大な威力を発揮したり、ゴリアテ無線操縦爆薬運搬車との対決など戦争映画史ではお約束なシーンも。有人操縦の爆薬運搬車ボルグヴァルト B Ⅳも登場して、市民に鹵獲された車両が爆発してしまうといった悲惨な事故も史実どおりに再現されていたり。。
AK(ポーランド国内軍)の兵装も自国制作の映画ならではの再現度。MP40など鹵獲したドイツ軍の銃器に加えて、英軍から届けられていたステンガンやPIAT、ステンガンとMP40を参考にして地下生産されたブリスカヴィカなどなど。

バリケードでは、これはポーランド人の間ではお約束なんでしょうか。ケーブルドラムがあちこちで使われてます。
当時のバリケードの写真では、そこまでは登場頻度は高くないものの、やっぱりChwat号の有名なバリケード写真の印象が強いのか、映画ではこれでもかとケーブルドラムが街のあちこちに転がってますね。

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ほらほら。こんな感じでMiniArtのキットの正しい使い方みたいに登場します。
注目すべきは、ケーブルドラムにステンシル文字で描かれているロゴ。文字は「KABELWERK OZAROW」!
ワルシャワ南郊のオジャルフにあった電気ケーブル製造会社の名前です。Chwat号バリケード写真に写ってるドラムにも同じ文字がペイントされてます。この映画知ってたら、苦労して解読する手間はなかったですよ。

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記録写真のロゴと映画で再現されたものは微妙に書体が違ったり、文字下に白帯がペイントされてたりしますが。こういうタイプが当時もあったのかソースを知りたいところ。(誰も気にしてない?)
実は、Chwat号バリケード写真のケーブルドラムの横に転がってるゴミバケツがどんなものなのか追跡してたら、この映画に行き合ったった、というのが今回の記事の事の次第。映画にもゴミバケツがでてきますね。ブリキ製で一般的なものだったりしたのかしら。

MiniArtから1/35 ゴミバケツ(ポーランド型)なんてキットがでないかしらと、密かに待ち望んではいるのですが。





by hn-nh3 | 2019-01-26 09:43 | 資料 | Comments(10)

ドライデカール制作

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デカール到着。
実験をかねて、ケーブルドラムのデカールを自作してみた。1944年8月のワルシャワ蜂起の際にAK(ポーランド国内軍)が築いたバリケードで使用されたケーブルドラムのロゴを再現。

記録写真を見ながら、イラストレーターで文字を作成、アウトライン化したデーターをドライデカール(インレタ)の制作サービスしてるところで作ってもらった。
データーを送ると、中1日で制作、納品してくれる、というサービス。料金表も載ってるので、70×110のサイズなら送料合わせて3000円くらいで出来るなら、と頼んでみたら、出力用の版(ネガフィルム)が必要とのこと。料金表にも載ってるのを見落としてました。それが1900円。。
結局、送料と代引手数料、フィルム代を含めて、合計税込5400円。

うう。もちろん、払えない金額ではないけど、戦車のプラモが買えてしまうよ。。
ケーブルドラムのロゴごときに、なんたる放蕩。

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入稿した版下と出来上がったドライデカールの比較。デカールのフィルムに光が反射して写真では色が薄くなって見えますが、実際は黒一色。デカールの下に保護台紙があるので、その黄色が写ってますが、デカールを配置したフィルムは透明。

どのくらいの解像度で再現できるのか知りたくて、ケーブルドラムのロゴの余白に、製作中のコードロン シムーンの機体マーキングのデーターを配置してみました。「F-A」「NRY」「No7042」「SIMOUN」「C.630」「Avions Caudron」という文字などなど。小さな文字が潰れずに再現できるか、文字のエッジが印刷で太ったりしてニュアンスが変わったりしないか、そのあたりを確かめるために今回テスト。

きれいに抜けてますね。文字も太ったりしてなくて、版下の印象そのままに出来上がってます。
再現度は申し分ないです。あとは値段か。もうちょっと安いと、気軽にオリジナルデカールも作れるのですが、フィルム代が結構ネック。同じものを再制作するなら、フィルム持ち込みでいけるのでその分のコストを抑えられるのでお得になりますが、ケーブルドラムのロゴなんてそうそう必要になるものではないし。。。。(^^:)

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デカールのディテール。文字高さ1mmくらいの小さな文字もきれいに再現できてますね。テストのため、ちょっとづつ大きさを変えてデーターを作ってます。一番右が目標サイズ、中央がその110%、左は120%サイズ。
これがきれいに貼れるかの検証も必要ですね。ドライデカールは水転写デカールと違って、文字など図版の裏の糊だけで張り付くので、水転写デカールのような余白ができないのは魅力だけど、転写後の強度がどこまで確保できるかが課題。

ちなみに上の写真で使ってる定規は前にこのブログ記事でも紹介した「本当の定規」。

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制作したデカールを貼る準備もしないとね、と。ケーブルドラムの塗装も開始。とりあえず、ベース色まで塗ってみた段階。
木製ドラムをどんな色調で仕上げるか、ちょっと思案中。新品のドラムなら白木の色だし、使い古したものなら雨ざらしの灰色になった木の色になるし。とりあえずどちらにも転べるようなアースカラーで地色で塗装。

さて、どうしようというところで、資料を引っ張り出す。右が今回制作するドラムの参照画像。ワルシャワ蜂起のバリケードで使われているドラム。右側2つは昨年に南ドイツで筆者が撮影したドラムの写真。実際のドラム使用の程度で色調にもかなり幅があります。新品のドラムにするのか使い古されたドラムにするのか、そのミックスなのか。さて、どうする?

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by hn-nh3 | 2019-01-20 05:03 | 資料 | Comments(8)

雨のノルマンディ

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ノルマンディに展開した第654重駆逐戦車大隊。ヤークトパンターの搭乗員が傘を差す有名な写真。

本当はロレーヌシュレッッパー自走砲の乗員が雨の中で傘を差しているシーンを作りたかった。塩ビ板をヒートプレスしたら開いた傘ができるかな、とあれこれと構想は練っていたものの結局、時間がなくなってしまい断念。ジオラマのタイトルは「雨のノルマンディ」と決めてたのに。

戦場で傘を差している写真は意外なほど少ない。確かに傘なんか差してたら片手がふさがってしまって武器の操作に支障をきたすから、雨を凌ぐにはレインコートを着るのが正解なんでしょう。

ヨーロッパで傘を差すのは英国人だけ、という話もあるくらいヨーロッパは傘を差す習慣がないみたい。
調べてみると、傘はあちらでは雨傘ではなく日傘として発展して、それをイギリス人が雨の日にも使うようになった..という歴史があったり、フランスの子供は危険防止のため傘を持たされないこともあり、傘を差す習慣が身につかない、という記事もあった。コートで間に合う雨では傘は使わないのがあちらの流儀なのか。そういえばヘルシンキに行った時、季節は秋で何度か雨にh降られたけど、みんなレインパーカー着て傘もささずに歩いてたのを思い出します。

そんなこともあってか、模型に傘を使いたいと思って探してみたものの、傘が付属するキットの少ないこと。MiniArtのフィギュアやジオラマアクセサリーでは帽子やステッキ、カバンの類はいろいろなキットにアクセサリーとしてパーツ化されているけど傘となると....
ブロンコから「民間用スーツケースと傘のセット」というそのものズバリのキットも出てますが、閉じた状態の傘はちょっと造形が硬いんですよね。他にもいいのがないか探していたら、MasterBoxの「ヨーロッパ 女性用自転車+婦人」セット(MB35166)に女性用の傘が入っているのを発見。

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早速、調達しました。畳んだ傘の襞の柔らかい雰囲気があって、ディテールは悪くないです。傘の先の部分が金型の抜きの関係でモールドが甘くなっているのを少し削り込んで調整すればそれで十分。このくらいエポキシパテこねて作れるでしょとか、製品使うなら露先の突起を伸ばしランナー植えて再現しなよ、とか模型の神様がささやく声が聞こえてきますが、それはまた今度ね。

夏の初めに雨のシーンを再現しようと思い始めた頃、ノルマンディ地方に実際、雨は降ったのか?と気になって、1944年6月6日のD-Dayの前後の天候を調べてみました。


ありましたよ、天気図が。低気圧の前線が6月4日から5日にかけてノルマンディ地方を通過しています。それで海は大荒れ、当初は6月5日を予定していた上陸作戦も延期。ドイツ軍も油断していたようです。上陸作戦は6月6日の早朝に始まります。

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ジオラマ製作は断念したものの、車両のウェザリングとあわせてちょっとした演出をしてみます。連合軍のノルマンディ上陸の前日、6月5日の様子を小道具で追加製作。写真の右2つはトラベリングクランプの操作桿(破損紛失してしまった部品の再生)、車内にセットされている射標(射角補正表)はプラ板でベースを作った上にPassionModelsの自走砲デカールセットを使用。
そして写真左の小物。雨の日に借りた傘、塗装は油彩で。そして前回の記事で紹介した読みかけの小説、サンテジュグペリの「夜間飛行」

乗員はドイツ兵なのに何故、フランス語で書かれた本を読んでいたのだろう。
雨を心配して傘を持って来てくれた地元の女性との出会いが「彼」にフランス語の本を読ませたとも考えられるし。「彼」はアルザス地方の出身でドイツ軍に招集されたドイツ系フランス人だったから。という想像もできる。全てフィクションではあるけど。

7月31日にサンテジュグペリが飛行中に行方不明になることは、本を読んでいたその時には想像もしなかっただろうし、8月12日に彼のいる部隊もファーレーズで包囲されてしまって、そのニュースを聞くこともなかったのかもしれない。...それも想像の領域。

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by hn-nh3 | 2018-12-10 21:22 | 資料 | Comments(9)

NIGHT FLIGHT

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「夜間飛行」1931

香水の名前のことではなく、ましてやPerfumeの曲の名前のことではなく、今日は本の話。
原題”VOL DE NUIT” 1931年に出版されたサン=テグジュペリの小説。


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サン=テグジュペリは日本では「星の王子様」(1943 )の作者として有名。飛行機のパイロットとしての経験が小説に色濃く反映されています。1935年にはサハラ砂漠に激落して生存が絶望視されたことも。
そんな体験が、星の王子さまの世界にも繋がっているとか。
そして、1944年7月31日。コルシカ島から偵察飛行に飛び立ったまま行方不明。

(ドイツ軍機による撃墜:彼の名前はドイツでも知られていて、彼の乗機だと分かっていれば...ということだったようです。)

というぐらいのことは知っていたものの、1944年にコルシカ島から出撃... ? ? と、サン=テグジュペリはどこの軍に所属していたのか、ふと気になって調べてみたら、自由フランス軍だったんですね。
1940年にフランスがドイツに降伏した後、彼はニューヨークに亡命。1943年に亡命フランス人で組織された自由フランス空軍の北アフリカ戦線に志願。1944年7月に行方不明になった彼の乗機がどうなったのかは長らくわからなかったものの、1998年にマルセイユ沖に沈んでいるのが発見されたんだそうな。

プラモブログなのに、なんでこんな話をしてるのかというと、制作していたロレーヌシュレッパー自走砲の中に「忘れ物」として置くのに何かないかしらと考えていて、銃器の類では乗員の顔が見えてこないし、フランスパンやワインといったものを戦車内に持ち込むの何か違うでしょ..で、ふと思いついたのが読みかけの小説。

それで、同時代の本として思い出したのがサン=テグジュペリの「夜間飛行」

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この本を1/35の模型世界で再現してみます。1931年のガリマール版は 実寸で12cm×19.5cm。本の表紙と裏表紙、中のページの写真をネットで探して、フォトショップで画像の歪みを補正、イラストレーターで1/35縮尺に縮小レイアウト。コンビニのカラーレーザープリンターで出力して切り抜いて組み立てました。

模型用の画像データーにプラモのランナーがついてるのは余興です。

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小さい.. 豆本というジャンルがあるけど、これはとても読めるサイズでは無いですね。
プリンターの出力解像度も限界なのかドットが荒く見えます。コンビニの機械じゃなくて、もっと高性能、高解像度のプリンターを使わないとこのサイズだとディテールが甘くなってしまう。

今回の1/35の夜間飛行の「初版」はとりあえずこのくらいで勘弁してもらって、いつか増版することがあれば、その時はちゃんとした出力センターに行こうかしら。データー欲しい人がいたらあげます。

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あ。もちろん、Perfumeの NIGHT FLIGHT だって好きですよ(笑)

by hn-nh3 | 2018-12-08 18:33 | 資料 | Comments(9)