断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

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Grille改造FLAK、車体の製作編その2。

車体前面の上面装甲板はボルトで固定。メンテナンスで取り外せるようになってると思われます。
キットはリベットで表現されているのを削り落として、ボルトを植えるための穴を開けていきます。用意したのはMasterClubのレジンのボルト。0.8mmと0.7mmを使ってみます。このボルト、裏足がついていて軸径がそれぞれ0.6mm、0.5mm。ピンバイスで穴を開ければそこに差し込んで固定できるし、列も揃いやすくで便利。最初に下穴として0.4mmの穴をあけて、ブレを調整しながら一回り大きく開口。
一つおきに穴を開けて、次にその間の穴を中間狙って開けると、ピッチがまちまちになるのを防げます。

黙々と作業してると、時間が経つのを忘れますね、こういう作業って。

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d0360340_19200799.jpg前面と側面の装甲板は溶接で組み立てられているので伸ばしランナーを流し込み接着剤で溶かしながら溶接線を表現。
伸ばしランナーはイタレリのものが溶け具合とか使いやすいのですが、在庫が尽きたのでドラゴンのランナーを使用。
しかし色がグレーでどこに溶接を追加したかわかりにくくてブログ的には見栄えがしないのが難点。

前面装甲板と車体下面の傾斜装甲板の継ぎ目もおそらく溶接されてると思いますが、実際にどんな感じになっているのか調べてみて愕然...キットのようにツライチで繋がるのではなく、傾斜部が面落ちする形で納まってます。
→ 現存車両のディテール: Prime Portal >MarderIII-M

おまけにキットの前面装甲板はなんだか分厚すぎます。見た目80mmくらい、ティーガーとも真っ向勝負できそう....

意を決して下面の傾斜部をナイフで削り込み。細部の均しは前回紹介したWAVEのシートヤスリが活躍しました。ハサミで簡単に切れるので、加工部分のサイズにあわせることができます。しなりを利用して入隅部分もサンディング。

細かいパーツを接着する前にやっておけば簡単な作業だったけど、なんとかクリア。

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by hn-nh3 | 2017-05-27 19:46 | 38(t)系列 | Comments(0)
d0360340_11525695.jpgSMICON 2017参加作品、グリレ弾薬車改造FLAK製作編その2。
前回、自走砲のベースとなる車台の特徴について少し触れましたが、車体下部はマーダーlll M型と同じコンポーネントを使用しています。1944年の11月頃に構造がリベット接合から溶接へと変更になり、同年12月より生産開始のグリレは試作車を除けば溶接構造の車体。
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キットの側面装甲板にはリベットがついてますが、グリレ車体では不要。車体前端から後部まで3パーツを継いでいたのも改められて一枚板になっているので継ぎ目の筋彫りを埋めてしまいます。綺麗にモールドされたリベットをザクザクと削ぎ落としていくのは後ろめたい気分。模型の神様に叱られそう。
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2本の継ぎ目は瞬間接着剤(シアノン)にシッカロールを混ぜてペースト状にしたもので埋めて、硬化したらサンディング。
が、しかし。うっかり何も考えずにサスペンションを先に接着してしまっていたものだから、車体とアームの隙間にヤスリも入らず作業は困難を極めます。どうしようかと悩んでいたところで思い出したのが、WAVEのHGダイヤモンドヤスリシート。ペラペラの鉄板の表面がヤスリになったもの。いろんな形に切って使えるみたいで、バレンタイン戦車の転輪の加工で使えるかなーと買ってありました。(そっちも早く作らないとね)

腰のあるサンドペーパーといった感じで、シート裏面の両面テープにプラ板など裏打ちして使うのが本来の使用法ですが、シートのみでも十分にサンディングできます。それがなんとか隙間に入るので、作業を再開。それでもなかなか。最初にサスペンションつける前にやっておけば、なんてことない作業だったんでしょうが。
「そんなの先に気づけよ」と背中で模型の神様が笑ってます。

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小一時間、いや、かれこれ二、三時間かかったかな。 側面のリベット削ぎ落としと溝埋めが終わって、ブログ用の写真を撮ったところで気がつきました。

車体裏面にもびっしりとリベットがついてます。これも全部削るの?

by hn-nh3 | 2017-05-21 03:39 | 38(t)系列 | Comments(12)

MiniArtからT-60

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MiniArtからいよいよT-60が出ますね。静岡のホビーショーで予告されてましたが、MiniArtのホームページにも掲載されたようです。

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そろそろ本命のT-34か!と思ってたら、そうきましたか。ちょっと以外な気もしたけど、らしいといえばらしい。

MiniArtからはT-60の後継車両のT-70が既に出ているけど、最初の頃のキットだけあって、雰囲気は悪くないけど転輪とかはちょっと残念な出来でした。まさかそのパーツを流用してないよねと恐る恐る見れば、完全新金型。履帯は軽め穴の空いたタイプ。もちろんガイドの穴もばっちり抜けてます。

エッチングもほどほどの量。ラジエターグリルのメッシュには冬季用のシャッター板まで用意されてるし、留め金の蝶ネジも可倒式のディテールを表現するなど、あるものはとにかく再現しようという心意気。 ここんとこ元気ですね、MiniArt。

T-60なんてブサイクだしヨワヨワだし走る棺桶みたいなインテリアなんていらないと思うけど、やっぱり買っちゃうんでしょうね結局は。
この勢いでT-70初期型とか、カチューシャ搭載型とかも出して欲しいな。もちろんその前にT-34/76(ピロシキ砲塔)もね。
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by hn-nh3 | 2017-05-18 19:46 | 模型 | Comments(8)
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製作記連載その2、スタートします。やっぱりドイツ物という訳ではないけどバレンタイン戦車の製作と並行してちょっと変わったものを作ってみます。キットはドラゴンの白箱[CHC6481]、Sdkfz.138/1 グリレ弾薬運搬車改造 3.0cm FLAK。1945年5月、ドイツの敗北直前に近づくソ連軍に呼応してプラハ市民が蜂起した際に登場するレア車両です。
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この時に残された写真には、とにかく変わった車両が登場します。チェコ蜂起軍(CSR)が工場から引っ張り出しきた未完成のヘッツァー とか、まだ残っていた短砲身の3号突撃砲を使ったり、はたまた車輪がついて動くものと弾丸が打てればという感じでパンツァーベルファーの車台にMG151 ドリリンクを載せてみたりと、なりふり構ってられない感じがひしひしと伝わってきます。

今回のお題のグリレ改造車もその内の一両です。1943年の末から1944年の9月にかけて生産された38t戦車車台に15cm重歩兵砲を搭載した自走砲:sdkfz.138/1 Grille、(おそらく)その弾薬運搬車型の車両を改造して航空機用の3cm機関砲MK103を搭載したものと言われています。

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この車両。戦争末期の混乱のなかで作られたワンオフの車両としては以外に写真が残っています。
左上の写真は、ドイツ軍として行動している時に取られた写真。手前のヘッツァー(シュタール型!)の後ろにちらりと写ってます。このことから、この車両、蜂起部隊の改造車ではなく、ドイツ軍が作った車両であることがわかります。右上の写真は(おそらく)ドイツ軍に放棄されて所在なく放置されている時に撮られたもの。その根拠はカモフラージュの草(ネット?)がヘッツァー・シュタールのものと同じ。乱暴な推理ですが。
左下のはCSRに接収された際の写真。5月5日〜9日頃に撮られたものと言われてます。この写真の他にもいくつか写真が残ってます。この車両、チェコ共和国軍の編成に加えられて暫く使われたそうです。右下はいつの頃に撮られたかは不明ですが、スクラップヤードらしき場所で撮られたもの。手前のオチキスも気になりますが、その隣の初期型ヘッツァーに並ぶようにこの車両が写っています。オープントップの戦闘室の部分にMK103機関砲のシールドが僅かに確認できます。

写真など詳しくはこのサイト→ forum.valka.cz > 3cm MK103 auf Grille M
(スロバキア語はGoogle先生に聞くと片言のニホンゴで教えてくれます。)

車両の細かい分析は回を改めますが、外観正面、左側は何枚かの写真が残ってるのでおよその全体像はそれで掴むことができます。右側は上掲のスクラップヤードの写真で一部がチラリ、後部はぼんやりした写真が一枚。オープントップの戦闘室内部はほぼ写ってないので、このあたりは多分に推測することになりそうです。
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製作記は既にSUMICONのBBSで開始してますが、自走砲用に生産された38t車台の部分からスタート。こちらでは、BBSで書ききれない考証とか瑣末な工作をメインに書き留めておきたいと思います。

車体はM型(K型)と言われるタイプ。グリレM型の生産が開始された1944年12月には車体は溶接構造になっていますが、キットのものはリベット構造のマーダー3初期型のパーツが流用されているので、側面のリベットをこの後、削りとる予定。車体前部上面はメンテナンスのためかボルト止めになっているので、それは残します。で、よく見たらキットのものは丸リベットになってます...(んー、どうしよう...)

転輪は38t戦車と同様、誘導輪は軽め穴がシンプルな丸穴がグリレM型では標準。駆動輪はこの車両では標準的な外周部に軽め穴のないタイプではなく、旧来の8穴タイプのものを使用しています。戦車車台のグリレH型や、マーダー3初期型ではこの8穴タイプの駆動輪を使用しているので、おそらくは生産初期にまだ在庫のあったものを使ったのか。

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グリレM型は15cm重自走砲型の生産が1943年12月から1944年9月まで、弾薬運搬車型は1943年12月から1944年5月までとなってます。

プラハのBMM工場で撮影されたロールアウトしたばかりのグリレ弾薬運搬車の写真が残ってますが、これも駆動輪が8穴タイプのものを使用しています。

1945年5月のプラハ蜂起の際に登場するMK103機関砲搭載の改造車両はその特徴から言って、車体はおそらく1944年1月〜5月生産車、しかも早い時期のものと推測されます。詳細が不明なこの車両の生産時期が分かると、装備品や塗装を推測するための手掛かりにもなります。(つづく)

by hn-nh3 | 2017-05-17 19:43 | 38(t)系列 | Comments(2)

1/26:燕子花図屏風

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最終日に行ってきました根津美術館の「燕子花図と夏秋渓流図」展。もっと早く行けばいいのに、展覧会とか映画見るのはいつもだいたいこんな感じで今回も駆け込みセーフ。展示の目玉は江戸時代の琳派の巨匠、尾形光琳の国宝「燕子花図(かきつばたず)屏風」と鈴木基一の「夏秋渓流図屏風」。

d0360340_18391523.jpg燕子花の屏風は毎年この季節にお披露目の恒例行事ではあるけど、今回は、江戸琳派のスター、鈴木基一の夏秋渓流図も並んで展示するとあって、この風景は見ておかねばと行ってきた次第。鈴木基一は去年、サントリー美術館で朝顔図屏風を擁した大展覧会があったりして、ちょっとしたブームなのかしら。

語ればそれも面白いのだけど、今回のお題は切手。
展覧会にあわせたのかどうかはわかりませんが、今年の切手趣味週間の切手の図柄は、尾形光琳の燕子花図屏風。

六曲一双の屏風の図柄を上下二段に配して端正なレイアウト。近所の郵便局のお姉さんも「これまでで一番コンパクト」と言ってました。シート上部には左右一対の屏風を並べた全体図、その下の正方形に近いフレームの中に切手が並んでます。なんだかランナーにパーツがついたプラモみたいで、とっても綺麗なデザイン。

本来は屏風を正確に再現するためには6+6、合計12枚の切手が必要なものを、記念切手の10枚1シートというフォーマットがあったのか、それぞれ屏風の端部の一枚を省いて、5+5枚の画面で再現してあるのはちょっとだけ残念。切手として縦方向の長さの制約もあるのか、上下も画面が微妙にトリミングされています。

切手の横幅を細くすれば画面全体をレイアウトできたのでしょうが、このあたりは切手として一枚一枚にバラしてもデザイン的にきれいに見えるように「デフォルメ」したのだと思います。封筒に貼られた1枚の燕子花の切手から、屏風の全体像を思い浮かべるのもよし、残りの9枚の燕子花が今頃どこで花を咲かせているのか想いをはせるのもよし。
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シートから切り離すのがちょっともったいない気もしたけど、ミシン目で折り曲げて屏風のように立ててみました。縮尺は実物の約1/26。ここはもうちょっと頑張って1/24で再現してほしかったな。(..完全にモデラー視点)

行く春の尾やそのままにかきつばた(千代女)

風薫る五月のキットレビューならぬキッテレビュー。でした。

by hn-nh3 | 2017-05-14 20:42 | 草花 | Comments(0)
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バレンタイン戦車の製作もいよいよ佳境..  今回は砲身です。
搭載するのは2ポンド砲。イギリスは砲弾の重さで表記するんですね。口径でいうと40mm。

砲身が取り付く防盾には、機銃口周囲の張り出しが有るか無いかの2タイプがあり、タミヤのはそもそもの高さが不足しているのでは、とかば◎さんも指摘、このMk.Ⅶの製作でもAFVクラブのを参考に防盾の形を修正したのが前回までのあらすじ。

カナディアンバージョンのMk.Ⅶの砲身は、タミヤのキットに入っているような段付きの砲身ではなく、テーパー付きの初期型砲身を使用していたようです。先端に向かって細くなるだけでなく砲口部分がラッパ上に広がるというちょっと変わった形で、PassionModels から出ているマチルダ用のアフターパーツが流用できそうです。


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その際に、防盾の高さを1.5ミリほど延長した結果、砲口の先端がどの位置になるか、つまり延長分だけ先端も伸ばす必要があるのか、あるいは長さは変わらないのかが、よくわからなかったこともあり、まずは段付き砲身の場合にどうなるかを検証してみました。比較のため、AFVクラブのものと、この間買ったマチルダさんにも急遽参加してもらいます。
砲身の付け根部分についているリコイルシリンダーの調整用ボルトは、2ポンド砲のコンポーネントに変更がない限りどの車両でもその位置は共通、と推測ができるので、ボルト位置を基準に砲身の長さを比較してみました。

結果、どれもボルトから砲口先端までの長さは同じ。タミヤのキットは防盾の高さを延長した分だけ、砲身の見えがかりが短くなる、というのが正解でしょうか。砲身途中の段の位置は、タミヤのバレンタインとマチルダはほぼ同じ位置、AFVクラブのものだけ違う位置になっています。
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横に写真を置いてみると、修正後のタミヤの砲身は写真の砲身のプロポーションとほぼ一致していることがわかります。AFVクラブのものだけが段の位置が違っているようです。(そういうタイプがあった可能性もあるが、それは未検証)
Mk.Ⅱ/Ⅳに搭載されている同軸機銃(BESA)の先端は、2ポンド砲身の段の位置より少しだけ下がった位置にあることが写真でわかります。AFVクラブのものはこの関係もずいぶんと異なる結果になっています。

Mk.Ⅶの場合、2ポンド砲はテーパー付き砲身のタイプ、同軸機銃はブローニング1919に換装されているので、試しにセットしてみました。機銃の長さは写真を見ながらの目分量。
カナディアン・バレンタインに限らず、機銃口が張り出しているタイプの防盾には、照準口の前に丸いフタのようなものがついているので、これもエポキシパテで表現。何かの機能があるとも思えないので鋳造用の湯口の跡かもしれません。

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できました。こんな感じ。来週はいよいよMk.Ⅶの最大の特徴である一体鋳造型砲塔の加工が始まります...

と、今回の製作はここまでにしておきますが、
上掲の防盾の加工前と加工後のラインの比較図を作っていて、何故か思い出したのが下の図版。
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図版出典:産業技術研究所 火山研究解説集:有珠火山>噴火の概要

1943年9月から1945年2月にかけて昭和新山が生まれる過程を記録したもので、「ミマツダイヤグラム」と呼ばれる有名な図です。有珠山の火山活動で麓の麦畑が隆起して山になっていく姿を地元の郵便局長だった三松正夫氏が定点観測で記録していました。(詳しい記事はこちら
戦時中でも、こんなものをひとり作っていた人がいたんですね。本当にいい仕事。


by hn-nh3 | 2017-05-13 04:03 | valentine戦車 | Comments(6)
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カナディアン・バレンタイン Mk.Ⅶ 製作編、防盾の回。鋳造一体型の砲塔の製作の前に内装式の防盾を修正します。

当時の写真で確認する限り、Mk.Ⅶの大半は機銃口部分のエラが張ったタイプ。カナディアン・バレンタインに関しては、タミヤのキットのような機銃口部分が窪んだ形状のものは、プロトタイプのMk.ⅥおよびMk.Ⅶの初期50台(リベット車体に鋳造一体型砲塔)までは使用していることが確認できるものの、100台以降で採用されたと言われている鋳造車体タイプでは砲塔防盾はエラ張りタイプが一般的。砲身は当初仕様の初期型のテーパータイプが生産後期になっても使われていたと推測できます。

本国イギリスで生産されたMk.Ⅱ/Ⅳはどうか言うと、初期のタイプでエラ無し防盾テーパー付き砲身が見られるものの、エラ付き防盾になってからはタミヤのキットと同じ、段付きの砲身に変わっています。
タミヤのキットのようなエラ無し段付き砲身の組み合わせは一般的なものではなかったように思います。(ちなみにタミヤが参考にしたボービントンの車両はエラ無し防盾テーパー付き砲身)

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前回、タミヤのキットの防盾は高さが少し不足している鼻先をかさ上げして、エラの張った形状をプラ板積層で作りました。今回はそれを原型にエポキシパテを盛って全体の形状を整えました。防盾の付け根の部分も削り込んで砲耳のリムより少し面落ちした位置に修正してあります。各部分の高さや位置関係は、AFVクラブのものを参考にしました。

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この部分、タミヤとAFVクラブのものではずいぶん高さ関係が異なっています。(写真は前回の加工中のもの)

どちらが寸法的に正しい、とかはここで言うつもりはありませんが、AFVクラブの基本形の方が周りとの位置関係でツジツマがあってるように思いました。

タミヤのものは、実物では楕円形断面になっている鼻先が、ただの円形断面で再現されていたりと、寸法以外にもいろいろと「情報圧縮」があります。

しかし、模型を写真にとって拡大してみるとあちこちアラが目立ちますね。ヘッドルーペで見ながら丁寧に加工したつもりでも、カメラ目線で確認すると肉眼では気がつかなかったものが見えてきます。

防盾もまだ、もうちょっと調整が必要です。



by hn-nh3 | 2017-05-08 21:43 | valentine戦車 | Comments(0)

模型的日乗

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考証ネタから少し離れて、日常。

この間、仕事の合間にこっそり秋葉原のイエローサブマリンに立ち寄り。新着品コーナーの隅っこに、MasterClubの[MC235013:1/35 T34 転輪底部スプリングカバー 初期型]を見つけて迷わず購入。
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早速、作りかけのT34-76 1940年型で試してみました。レジンの非常に薄い成形に緊張します。少しきついのか、底板の穴になかなかうまく入ってくれません。壊さないように、しかし心を決めてギュっと押したら..
嵌りました。これで完璧。
ずっとこの日を待っていたよ。


d0360340_12535804.jpgタミヤのマチルダ、ソ連レンドリースバージョンが発売されましたね。グリーンの成形色がいい感じ、気分はもうロシアの大平原。
早くバレンタインも片付けないと..

新たに開発された履帯はスナップフィットの連結式。これでどの段階で塗装すべきか悩んで手が止まるリスクが少し減るので大歓迎。

履帯は裏と表に分割したパーツ構成で複雑な形状をうまく再現していますが、またもやセンターガイドの穴は抜けてません。スライド金型が必要なら話は別ですが、部品分割からして不可能ではないはず。裏側にヒケ防止の肉抜き穴を作ってるくらいだから、それをもう少し大きくすればセンターガイドの穴が表現できそうなものだけど。

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ブロンコからアフターパーツでマチルダの連結式履帯が出てますが、同様の部品分割でセンターガイドの穴も綺麗に抜いています。→ブロンコの履帯
こうなるとタミヤさん、SU-76M、バレンタイン、マチルダ、とセンターガイド穴なし3部作を発表するのは、大人の事情以上に頑なな意思すら感じます。

...ひょっとしてひょっとして、穴なしセンターガイドはロシアの大地の泥が詰まってる表現だったりして。 

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ここで次回作の告知。ブログを始めて、予期せず「バレンタイン戦車研究サイト」の様相を呈してますが、話はそれだけじゃないのよ。
と、別な車両も作ることにしました。

長丁場になりそうなバレンタイン改造の気分転換も兼ねて「SUMICON2017」に参加します。

ネタは、Sdkfz.138/1 グリレ弾薬運搬車改造 3.0cm FLAK。1945年5月、終戦間際に起きたプラハ蜂起の時に登場するワンオフのレア車両です。

キットはドラゴンの白箱。数年前、下北沢のSUNNYで棚の奥に残ってるのを見つけて購入。が、しかし。キットは決定的に考証ミスがあるらしい。搭載している機関砲の種類が間違ってるのです.. ぜんぜんダメじゃん! 
そんな訳で箱の蓋をいったん閉じてそのままになってたのを、この機会に作ってみたいと思います。

製作中のバレンタイン戦車と並行して、こちらにも製作記をアップしていくので、
それもまたヨロシク!


by hn-nh3 | 2017-05-07 18:15 | 日々 | Comments(6)
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バレンタイン戦車の標準的な3ピースボルト接合型の砲塔側面装甲板は、鋳造ではなく圧延鋼板を曲げ加工したものを使ってるのではないか? というのが前回までのあらすじ。

今回、タミヤのキットを改造して作ろうとしているMk.Ⅶは、カナダで製造するにあたり砲塔を鋳造一体で型に基本設計を変えています。標準60mmの圧延鋼板もしくは65mmの鋳造とするように仕様で定められていたので、おそらくはこの一体鋳造タイプの砲塔では、側面は60mmから65mmに増厚して生産されたと推測されます。

だとすると、鋳造一体型では側面・後部ともに65mmでシームレスに連続するラインになり、標準の砲塔では側面と後部パーツの装甲厚の違いから生じていた微妙な段差が解消します。実際には鋳造の施工誤差を考慮して65~70mmの範囲で作っていたのでしょうから、模型的には1/35換算で0.14~0.28mm程度、エポキシパテを薄塗りして鋳造表現するとよさそうです。側面上部にうっすらと見られるパーティングライン、抜きテーパーと思われる微妙な傾斜、エッジが僅かに丸くなっているところなど、その増厚分のなかで表現できます。
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写真出典:2点ともにWikimedia Commonsより

さて、ここで少し悩んでいるのが、前部のパーツとの連続ラインをどう作るのか。
標準のボルト接合砲塔では、耐弾性を考慮してか、側面装甲板に被せるように前面パーツを嵌めこむ構成になっていたのに対し、Mk.Ⅶの砲塔は鋳造でなめらかに一体成形されています。そのラインはどのようになっているのか? 要は側面が前部に繋がるところで外側に膨らむのか、前方のパーツが絞り込まれるのか、あるいはその両方か.. この問題を図面化してみます。
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とりあえず「前部パーツ絞りこみ説」で考えてみました。些細な話ではあるけど、以前の記事で触れた「装甲増厚で操縦手バイザーが閉まらなくなる問題」のように基本設計を変えるとあちこちの部品に影響がでます。

どの戦車でもそうですが、型式を重ねるにつれて各部のパーツもアップデートされていくけど、基本形がそれほど変わらないのは、そんな問題が絡んでいるんじゃないかと思います。
基本設計を変えるってのは大変なんです。ちょっとしたことでもあちこちに波及して細部に渡る調整が必要になります。前のバージョンの部品が殆ど使えなくなったり。
型式の切り替えでもパーツの残庫がでないような発注管理システムなんて当時はなかったでしょうし、モデルチェンジの不具合で納車が遅れるとかは避けたいですから。
Ⅲ号戦車なんか途中で足回りをガラッと変えてますが、よっぽど使えなかったのか。

話を戻しますが、Mk.Ⅶの鋳造一体型砲塔の基本形状の変更点、ちょっとまだ読み解けてません。現存する車体は1台だけ。当時の写真などで細部のわかる写真も少なく、もう少しリサーチを重ねたいところ。求む情報!
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いずれにせよ内装式の防盾の加工は先に済ませる必要はあるので、そちらの作業をちょこちょこ進めます。実車写真でもわかるように、Mk.Ⅶの初期型を除き、防盾は機銃口周りが張り出したタイプなので、プラ板を積層してピースを作成。キットの曲面にあわせて削ったり嵌め合いを確かめたりで、歯の治療の仮歯を思い出します。大きさも似てるし。

照準口、タミヤのは少し凹みすぎなので、側面のリブから少し飛び出る高さになるように一度削ぎ落として、下にプラ板を足して再び接着。砲身周りの鼻先も少し高さが不足しているのと、形状が楕円形になっていないので、これもプラ板積層の削り出しでつくって接着。(写真:左がタミヤ、右がAFVクラブ)

とりあえず、基本形をプラ板で加工して、後はエポキシパテを盛ってラインをなめらかに成形する予定。

by hn-nh3 | 2017-05-05 20:41 | valentine戦車 | Comments(4)
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タミヤの新作、バレンタイン戦車 Mk.ⅣをMk.Ⅶに改造してみよう!その3

カナダ製Mk.Ⅶの砲塔は、 Mk.Ⅳのような3ピースボルト接合ではなく、一体で鋳造された形状になってます。工作も継ぎ目やリベットを消していく作業がメインになるので、基本的には簡単。ただ砲身基部の防盾が内装式になっているので、先に防盾の工作をしてからでないと改造作業に入れないので、砲塔はしばし待機中。
(写真の砲塔:緑がAFVクラブ、黄色がタミヤ)
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そんな訳で、改修点のチェックを兼ねてタミヤとAFVクラブのキットを比較観察。
サイズ、各部のバランスは両者ほぼ一緒。パーツ分割とかディテール表現に考え方の違いが見えます。(まだ接着してないので、歪みがあったり嵌合精度が悪いとかではないので誤解のなく)

タミヤのキットは部品数を少なくするべくパーツ分割が工夫されていて、天板前面の換気用スリットなんか砲塔前部のパーツをはめるだけで自然に出来上がるようになってます。こういうところは流石と思います。しかし細部の表現となると、AFVクラブは天板の六角ボルト、リベット、マイナスネジと、実車の要素をできるだけ表現しようと努めているのに対して、タミヤは六角ボルトであるはずのモールドはただの丸。ひょっとするとひょっとすると六角ボルトになってるのかもしれませんが、肉眼で見る限りは判別できません。

防盾の張り出しの長さが両社でずいぶんと違うので、ここは要検証。
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写真出典:Wikimedia commonsより

そんなことも含めて実車の写真をあれこれ観察。側面の湾曲した装甲板に前部の砲耳部分のパーツをかぶせてボルトで止める構造になってます。前部のパーツは天板とツライチで嵌ってるのに対して、側面と後部は側面装甲板に天板を載せるような納まり。おそらくは部品の加工が悪くても誤差がそこで吸収できるようにとの設計なのかもしれません。
天板がはみ出る厚みはボルト高さ程度。その部分、タミヤのキットは、パーツが合わないんじゃなくて実物でも段差があるんだよ、ということが伝わるように、もうちょっと誇張して表現したほうがいいかも。

側面の装甲板と後部のちょっと面白い形をした鋳造部品との継ぎ目には微妙な段差があります。これは車両によって差があって、ほぼツライチな車体もあればはっきりとした段差になってるものもあります。タミヤのキットは段差がはっきりタイプ。AFVクラブは割とそろってるタイプ。
最初は鋳造したときの鋳型の型ずれ?とも思ったのですが、調べてみると側面と後部は別パーツになっていて内側からボルトで組み合わせる構成になっているようです。
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この曖昧な段差ができる理由として、「装甲側面板は実は鋳造部品ではなく圧延鋼板を曲げたものでは」ということに気がついたのは前回の記事で書きましたが、側面装甲板の表面はずいぶんとガサガサで、一見すると鋳造っぽいのも事実。タミヤとAFVクラブのキットにもそれぞれガサガサの肌合いが表現されています。確かに車体前面装甲板などの同じ厚さ(60mm)の圧延装甲板と比べてもまるで表情が違います。

じゃあやっぱり砲塔側面部品も鋳造なのかというと、鋳造にしては不思議な荒れ方で前後の鋳造パーツとも違う独特な質感になってます。
そのあたりがよくわかる写真をいくつか。→1.2.3.

砲塔前部と後部の部品の表面は、不規則なアバタ等いわゆる見慣れた鋳造肌なのに対して、側面の湾曲した装甲板は、どちらかというと規則的なさざ波のような模様。これはやっぱり鋳型に溶けた鉄を流し込んだときに生じた表情ではなく、何か機械的な加工をしている最中についた傷なんじゃないかと。

板金プレスとかには疎いので確かなことは言えないのですが、厚みに対して過大な曲げ加工を行うと、表面にシワを生じて破断するなどの「曲げ割れ」という現象があるそうです。そこまででないにしても、60mmという厚い装甲板をぐいっと曲げる加工を行ったときに鉄の表面に変化が生じた、と考えるのは不自然ではない気がします。

バレンタイン戦車の側面装甲板が圧延鋼板でできているというような直接的な言及はオスプレイ本の本文にはなく、確かな資料での確認は未だできていないのですが、状況証拠的には「鋳造ではない」と思われます。少なくとも鋳造一体型のMk.Ⅶ以外の3ピースボルト接合タイプの砲塔を模型で作る場合は側面をいわゆる鋳造肌にはしないほうが良さそう。


by hn-nh3 | 2017-05-03 05:37 | valentine戦車 | Comments(4)