断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

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四谷の穴

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そろそろ梅雨が始まるのか、空の青さは先週までの四ツ谷駅。ここで降りるのは迎賓館にお呼ばれする用事か、四谷仙波堂に探し物を見つけにいく時ぐらい。前者は未だ話はなく。

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地下鉄、丸ノ内線の改札を出ると相変わらず目の前には巨大な穴。普通はタクシーロータリーなどありそうなものだが、この駅前はというと、四谷見附の交差点に面して周囲から陥没した30mほどの雑草の生えた穴が空いているのだ。

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Google Mapで見るとこんな感じ。都心の一等地に意味不明の三角形の穴の空いてる謎。Google先生に聞いてもよくわからないんですね。昔ここは江戸城の外堀だったところで地盤が悪くて建物が立てられないとかそんな都市伝説めいた話があるぐらいで。少し前に気になって調べたときはいくつかヒットした話も、もう一度調べたらその記事もなくなってしまっていて、この穴のことはもう誰も気にしていないのか気にしてはいけないのか。

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穴が空いてる理由を考えてみます。画像はiPhoneアプリの「東京時層地図」から。現在から明治までの地図や航空写真などが重ねられていて場所の移り変わりがとてもよくわかるので好きなアプリです。

左が現在の地図。赤い丸で囲んだところが穴の空いている場所。中央の地図は明治16年(1883年)頃の地図。そこが旧江戸城の外堀であったことがわかります。右の図は現在と過去を重ねたもの。外堀だったところにJR中央線(旧甲武鉄道)を通して四ツ谷駅をつくり、戦後に地下鉄の丸ノ内線が開通して地下鉄の四ツ谷駅ができて、その二つの駅に挟まれた部分に、その穴が空いています。

外堀の水面だった部分、かつての堀の底なので地盤が悪くて建物を建てるのに向かないという説もあるようですが、そんなこといったら湾岸の埋立地なんて地下数十メートルまでの杭を打って建物を立ててるぐらいだから今の技術をすればなんら不可能はない話。それに外堀のこの部分は台地を掘削して作ったものだから堀の底には硬い地面があると想像します。これを地盤が悪いといったら、干潟に木杭を打って建物建てたベネツィアなどは未だ水の底。

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同じく「東京時層地図」から空中写真と地図。右の地図は明治42年(1909)年の姿。中央線の線路敷が堀を横断しているのがわかります。その頃は例の穴の部分はまだ水面。中央の写真。終戦直後の昭和22年(1947年)に米軍が撮影したもの。

d0360340_19585924.jpg四ツ谷駅付近を低空から撮った写真。前に紹介した「米軍が見た 東京1945年秋」に掲載の1枚。1945年8月25~9月1日撮影。

四谷見附の交差点の手前、この頃はまだ地下鉄丸ノ内線はなく、穴のある場所は、外堀を埋め立てた低地の状態。戦時中につくったのかその頃は畑になっていた様子。

その横の中央線のホームの手前に、今はない跨線橋が確認できます。現在の迎賓館方面に抜ける出口が当時はあったのでしょうか。

昭和38年(1963年)の空中写真を見ると、地下鉄丸ノ内線(1954年開業)が見えます。この部分は地上に現れる地下鉄の線路敷とその上に高架状につくられた丸ノ内線の駅舎。穴の部分は、鉄道用の付属施設でしょうか、いくつかの建物が並んでいるのが見えます。
(写真と図版はいずれもクリックで拡大)
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1979年と1984年の写真では穴の中の建物はいちど消滅して、1992年には再び現れて現在はまた無くなってます。

ゼンリンから発行されている最新の地図に穴(黄緑に着色した部分)と昔の江戸城の外堀の位置を青い点線で重ねてみました。堀割りのラインは明治の頃の地図を参考にトレースしただけなので、あくまで位置は目安。変遷を見ると、元々の堀割の地形が残る穴の底は、今まで建物が全く建てられなかった訳ではないけど、結果として空地になってしまっているようです。

駅ビルとは言わないまでも穴を埋めてしまってタクシー乗り場にしたら便利なのにとか、せめて駅前広場ぐらいには整備したらいいのに、とも思いますが。ひょっとして穴のままにしておかないといけない理由があるのか?

穴の下には迎賓館へと続く秘密の地下トンネルがあって塞ぐことができない...とか。穴の底にはたどり着けた人の願いが叶う秘密の小部屋があるのに階段を降りて行った人たちは誰も帰ってこなかった...とか。戦時中に動物園から逃げた象が今もかくまわれている..とか。

人知れず囁かれ続ける都市伝説のように妄想は膨らむものの、見えているのはただの空虚な穴。(後編に続く

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by hn-nh3 | 2018-05-31 22:40 | 構造物 | Comments(2)

難民カート

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MiniArtからメールマガジンが届きます。何か登録したっけな?と思いつつ、好きなメーカーではあるからそのままにしてますが。

LUGGAGE SET(No.35582)がもうすぐリリースとのお知らせ。2018年のカタログにホワイトバックのモデリング画像で発表されたときになんとなく気になってましたが、このボックスアートを見て、やっぱりそうなのかと。
タイトルは1930〜40年代荷物セットとなってるけど、廃墟の街を背にした荷物は、夏のバカンスのためのものではなく、これは故郷を追われる人々の荷物なのだと。
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d0360340_19281217.jpg難民の話はこの前の記事:荷車メモ で少し触れましたが、このキットから想像されるのは1945年のドイツ人追放

敗戦で1200万人とも1600万人とも言われるドイツ人が旧領土や占領地から追放されたと言われています。当時のドイツ人の5人に1人くらいの人が住む場所を失った、ということでしょうか。着の身着のまま身の回りのものをカバンに詰めて、ベビーカーにもありったけの荷物を積んで西に移動する姿が写真に残ってます。

王道楽土の開拓からの引き輪げではなく、戦争の結果の国境変更により故郷を追われた人々。ドイツ国境は戦後に東側がごっそりポーランドになってるんですね。ポーランド自体も東半分をソ連に持ってかれて西側をドイツから得て、国自体が西にスライドしてるような有様。フィンランドも然り。国境はあくまで結果です。
そうしたヨーロッパの状況を知ると、北の島々が元の持ち主に返されるなんて幻想だってのがわかります。まあ元の持ち主って誰?という話もあるけど。

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もちろんキットの使い方はそれだけではないし、モデリングとしての個人的な興味の範疇は荷車系のベビーカーと小型カート。

キットのパーツランナーを見ると、MiniArtらしい繊細さでベビーカーの華奢な感じがうまく表現されてますね。PEパーツに走らずプラパーツのみで再現できるのは嬉しいですね。ハンドルは折れてしまいそうな細さでさすがに真鍮線で作り直したほうが良さそう。

スケルトンタイプの小型カートは牛乳缶セット(No.35580)に入ってるのと同じもので、ゴートカートとかドッグカートと呼ばれる当時一般的なタイプのもののようです。キットの箱絵のようにジャガイモ袋を積んでもいいしトランクを載せてもいいし、毛布を自作して積み込んでもリアル。

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ベビーカーと小型カート。前回の記事の時は「農業用カート」で検索しても当時の小型カートの写真をなかなか見つけられなかったけど、「難民」をキーワードに検索すると荷車やベビーカーの写真が続々と出てきます。キットと同じスケルトンタイプの4輪の小型カートの写真も見つかりました。
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d0360340_19434443.jpg上の写真は1946年7月、チェコからドイツ本国に向かう人の列。ベビーカーで荷物を運んでいる人の多いこと。確かに、普通の一般家庭にある車輪つきのカートというとベビーカーぐらい。

キット化されたタイプも見かけます。側面の模様に違いはあるものの一般的なメーカーのものだったのでしょう。それがどこのなにかまでは突き止められず。

ベビーカーやカートが写っている動画も見つけました。


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敗戦後のベルリン。避難先から戻ってきた市民でしょうか。3:45秒にベビーカー、3分50秒と4分00秒にカート、5分10秒頃にベビーカー。街はまだまだ廃墟。破壊された車両も転がったまま。ガソリンなしで動けるから便利なのか、自転車乗ってる市民が目に付きます。


その他、こんな写真を見つけました。
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1945年3月、ドイツ国内ベンスハイム。廃墟を前に呆然とする女性の名前はアンナ・ミックス。64歳。写真はWikimedia Commonsより。

この人、どこかで見たことある、と思ったら、これ。
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MiniArtのフィギュアセット:1930~40年代のドイツ市民(No.38015)。真ん中のお婆さんのモデルですね。といっても全く同じではなく、モデルの女性は60代のメガネをかけたシルバーマダムですが、キットではもう少し年配、70過ぎの老婆といった感じで脚色されてます。

彼女に限らずMiniArtのフィギュアには当時の写真の中にモデルがいたりするので、ひょんなところで出会ったりすると楽しいですね。右端の警官もキットにコンパーチブルで入っている制帽をかぶった姿でいるのを、上記の記録フィルム(5分05秒頃)の中で見かけましたよ。

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去年のSUMICONの時に作ってみたもの。フィギュアの塗装は出戻り後初めてだったので、顔の塗り方とかまだまだですね。すべて油彩です。右手の杖は真鍮線で作り直してあります。使うシーンにあわせて左手の角度はキットのオリジナルのポジションから少し調整したと思います。

フィギュアは塗装作業とベースへの固定のために足裏に打ったピンを洗濯はさみに固定して写真を撮ってますが、ピンなしでも自立するように足先の向きとか微妙な角度を調整してます。これに限らず静止した立ち姿のフィギュアは足の角度や腰とか背中の向きを微調整して、支えなしでも自立するように調整するといい感じになります。両足がつくる台形の地面のエリアに重心を納めればフィギュアは自然に立つようになります。

もちろん実際の人体とフィギュアでは身体部位の重量バランスが違うので厳密には違うのですが、人間が立つというのはそういうことですから。自分の中の言葉では「重心が見えるようになる」までポーズを微調整します。
歩いている、動いてる姿勢の時は、重心を足先から外すようにします。外れた重心に向かって身体を移動させて再び安定させようとする随意反応が「運動」だから。

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製作記事:Grille弾薬運搬車改造3.0cmFLAK 1945.5 Praha

1945年5月、戦争終結時のプラハで我が身の行く末を案じるドイツ系女性、という設定で登場してもらいましたが、見立てはだいたい間違ってなかったですね。

この時は、車両の塗装やジオラマベースの製作そしてフィギュアの製作など、最後はバタバタでろくに製作記事も残さず完成させてしまったので、どこかで機会をつくってそれも書き留めておきたい気もします。車両に載せた新聞とかパンの「焼き方」とか、いつか忘れないうちに。


by hn-nh3 | 2018-05-26 09:41 | 資料 | Comments(4)

ロコムモデル

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超解像度のエッチングパーツを発表するROCHM MODEL(ロコムモデル)。その恐るべきディテールと考証密度は圧倒的。四谷仙波堂でもページを割いて詳しく紹介していますね。

(写真はいずれもロコムモデルから)
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見てるとクラクラしてきます。エッチングパーツを発表しているのは今のところ殆どパンターとティーガー関連で自分にとってはどちらの車両も「今期の生産計画」には入ってないこともあって、これを使うことはないだろうなとスルーしていたのですが、たまたまメーカーのホームページを見て、ちょっと心を掴まれました。

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ホワイトバックの写真が印象的なページデザイン。エッチング製品の紹介コーナーもさることながら、それ以上に主催者のRochmCheng氏の制作する模型の数々:Workbench が素敵です。
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未完成キットのパレード。上の写真は紹介用にこちらでレイアウトしたインデックスなので、ホームページで直接見てもらったほうがいいと思いますが、キットのオリジナルの部分と手をいれたところのバランス感。これを見ているとプラモデルって完成してなくてもいいのかも...というより、未完成の状態こそが模型の美しさなのでは、と思ってしまいます。

自分の模型が完成しない言い訳に使うつもりではないけど。

もちろん、模型は塗装までして完成させても魅力的。RochmCheng氏の完成模型のGalleryも必見。
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詳しくはページを直接見てもらいたいのですが、これまた超解像度の塗装表現。
現実の車両の塗装の光沢感とうっすらと積もった土埃。いつもそんなに汚れたりあちこち錆びたりしている訳でない戦車のリアリズムが追求されています。そして、足回りの泥汚れやレインマーク、排気の煤やグリースオイルの染みも車両の設定にあわせて本当に必要なものだけが的確に。

この作品群を見てると、流行のウェザリング商材の塗装見本的なテクニックというものが、リアルさの追求からいつの間にか遠くなった様式的な表現にも思えてきます。我が身も反省。

by hn-nh3 | 2018-05-23 08:36 | 資料 | Comments(6)
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オチキス改造自走砲、Panzerjager 39(H)7.5cm続編。 
自走砲って好きです。オープントップの車両は、戦車だと分厚い装甲板に隠されてしまう内部の複雑な機構が全部見えたりして、模型としての見せ場が多いところでしょうか。作るのに手間がかかるから完成までたどりつかなかったりするのですけど。

思えば、デモドリ1号はセモベンテL40 da47/32(イタレリ)、2号は Sdkfz.138/1 15cm自走重歩兵砲 グリレH型-極初期型(ドラゴン白箱)、そして3号がこのオチキス改造自走対戦車砲(ブロンコ)。

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d0360340_07201052.jpg戦闘室内部の造作はBLAST Modelのレジンキットを利用。当時の写真で内部がわかる写真も少ないのでよくリサーチされたこういうアフターパーツがあると助かります。

対戦車砲型では現存車両はないものの、10.5cm榴弾砲搭載型はソミュールに現存。それも内部工作の参考になります。ただし戦闘室デッキ後部の床板が失われているなど不完全な状態なので、車両の正確な再現とはいかず、その他断片的な資料とあわせての推測になる部分も。

戦闘室後部、エンジンデッキの脇にセットバックしたニッチ状の窪みは何のスペースなのか。ここは資料のない部分ですが、海外のモデラーが即応弾ラックの場所と推測していたのに倣って、想像で作ってみました。ロレーヌシュレッパー車台の対戦車自走砲:Marder1にも即応弾ラックはあるので、その可能性はありそう。

外から見える部分の戦闘室内の塗装は、車体色のパンツァーグレー。砲架下から運転席への隠れる部分は室内色の白で塗ってあります。この塗り分けはハーフトラック(Sdkfz251)やグリレH型の当時の写真で確認できるパターンを踏襲してます。エンジンのミッションやキャブレターは、オチキス戦車の内部塗装色を調べて、ライトグリーンとブルーで塗装。実際には改装時に車体色と同じグレーで塗りつぶしてしまっているような気もしますが、そこは模型的なアクセントとしての判断。

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1944年のノルマンディ戦で使われたのに...何故イエローベースの3色迷彩ではなく、グレーで塗っているのかということに対する答えはコレ。

残っている数少ない記録写真で確認できる内部塗装色はダークイエローよりも暗い色。左下の写真でよくわかります。PAK40の砲尾は明るいダークイエロー。防盾内側はそれよりはるかに暗い色。装甲板の角度で暗く見えているということを考慮しても、ダークイエローではないことは確か。BLAST Model の組立て説明書にも内部色はグリーンかグレーかもね、との言及あり。

右下の破壊された車両の矢印部分。側面装甲板が吹き飛んで、インナーシールドに色ムラはが見えます。外部がダークイエローでオーバーペイントされたとき、側面装甲板が邪魔になって塗料が届かなかった部分にロールアウト時のグレーが残っているのだと想像します。戦闘室内も暗色に見えますが、これは装甲板の角度で暗く見えてたり、火災でススがついた可能性もあるので、内部がグレーで塗り残されていたのか外部同様にダークイエローでオーバーペイントされていたのかは判断がつかず。

右上の内部写真は左上の後ろ姿の車両と同一車両のものと思われますが、影になって色調の判別は難しいところですが、機銃架や無線機ラックはダークイエローか。戦闘室の後ろ扉は内側にもダークイエロー、3色迷彩が施されているのがわかります。これは戦車のハッチの内側を車内色でなく車体外部色に塗って、解放時にも目立たないようにしていたのと同じ塗り方。

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正面、側面の写真。周囲の建物から判断して、上図左上の後ろ姿の写真と同一車両と思われます。いろいろな角度から撮ってあってグッドジョブ。この写真の原版までたどり着ければ他の部分も写したカットなどまだまだ発見がありそうだけど、いずれも原典不明。

d0360340_09514518.jpgこれは10.5cm砲タイプですが、戦闘室内部のディテールがわかる貴重な写真。
原典はWaffen-Revue70か。

この写真を見ると、戦闘室内部は外側のダークイエローとは全く違う暗色で塗られていることがわかります。
外防楯と砲身はダークイエロー。内部は製造時に塗られていたと思われるフランス車両系のグリーンか、1943年までの独軍制式色のパンツァーグレー。

ルノーR35を改造した4.7cm対戦車自走砲の塗装色はグレー、ロレーヌシュレッパー自走砲で同じくグレー塗装のカラー写真があることから判断すると、製造が1942年のこの車両もロールアウト時には内外ともにパンツァーグレーで塗られていたのでしょう。
そしてこの車両に限らず、その後の制式色の変更にあわせて車体をダークイエローに塗り替えが行われ、必要に応じて迷彩も施されたと想像します。

オープントップの戦闘室内側の塗り替えをどうしたのかは、車両ごとケースバイケースだったと判断しています。たとえば、ロレーヌシュレッパー15cm自走砲の戦闘室内側にも迷彩(イエロー+グリーン)が施されている車両などの写真も残ってます。後記のPANZERWRECKS15に掲載されたパリのバリケードに使われたオチキス車台対戦車自走砲の戦闘室内側はダークイエローに塗られていたことが写真で確認できます。

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というわけで、製作中のキットはとりあえずロールアウト時の塗装色の状態。ラッカー系の錆止色サフに水性アクリル系のライフカラーで塗装。カッターを引っ掻いて塗装剥がれを表現してみたけどまだるっこしかったのでアルコールで拭いてみたらごっそり塗膜が剥がれました。加減が難しい。

この後、ダークイエローでオーバーペイントして三色迷彩にする予定でしたが、内部までダークイエローを吹くのか迷彩はどんなパターンにするのか思案しつつ、そして5年の月日が流れすぎ...
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車体底面。ここはイエローでオーバースプレーはされない場所になるので、グレーのまま使い続けられた設定。ピグメントで汚してみました。底面の丸い脱出ハッチは、プラ板で追加工作、サスペンションの取り付け基部のプレートもキットでは省略されていたので、実車の写真を見ながらそれらしく追加。

戦車の裏面がわかる写真は博物館車両でもなかなかなくて、ましてや記録写真となると...
リサーチしていたとき、ノルマンディ戦で使われていたフランス系車両の写真を追跡しているおもしろい記事があったので、参考までにリンク貼っておきます。

道端でひっくり返っているルノーR35やオチキスH39。1944年でも結構使われてるんですね。

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その他、このオチキス車台の7.5cm対戦車自走砲を詳しく分析しているペーパーを見つけたので、レファランスとして載せておきます。
これは本来は参照元にリンクを貼るか、引用元を明記すべきものなのですが、見つけたときから時間が立ってしまい、元ページにたどり着けず、検索してもわからなくなってしまっていることもあるので、モデリングの参考までに、ひとまず別サーバーにアップしたものにリンク貼っておきます:Marder l : A quick guide 1-3

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必要な資料は後になって発見される、というのもよくあること。

キットのフォルムがなんか変だと気になってリサーチして海外のモデラーも同じこと気にしてた記事も見つけたりして、それらを参考にキットの戦闘室の装甲板の角度を改修。BLAST Modelsのパッケージ写真でもわかるように、キットのフォルムからはずいぶんと正確になったと満足していたのですが、その後発売されたPANZERWRECKS15(p8-9)を見て真っ青。
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防楯が失われて戦闘室装甲板の前部形状がはっきりとわかるその写真は、前面装甲板が車体と接続する箇所ががフェンダーと車体の接する部分ではなく、だいぶ内側に入り込んだところにラインがあるのを確認できます。

確かに、そこに切り替わりのラインがあると、キットでは防楯の装甲板の角度と戦闘室装甲板の角度が大きくずれているのが、より自然な関係になるので合点のいく話。
これは気がつかなかったなー。ついついドイルさんの元図面に引きずられて、切り替わりのポイントは現存する10.5cm砲搭載型と同じフェンダーと車体の接する部分だと思い込んでた....

しかしそうと知ったら、他の写真もなんとなくそんな感じで見えてくるから人間の目というのは信用ならない。

by hn-nh3 | 2018-05-20 11:58 | Hotchkiss系列 | Comments(4)
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7.5cm PaK40 (Sf) auf Geschutzwagen 39H (f)

急ぎの仕事で立て込んでいるのと、メッシュパーツの調達待ちでKV-1戦車の制作は停滞。今週はブログ記事落とすと思いきや、ありますよ.溜め込んでいるネタいろいろ。そういう時のために作りかけの模型が山のように。

旧作紹介。デモドリ3号のPanzerjager 39(H)7.5cm。2012年5月〜

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下地塗装まで進んだところで中断していたキット。1940年のフランス戦で大量に鹵獲したオチキス戦車の車体上部を取り払って、7.5cm対戦車砲搭載の自走砲に改造したこの車両。1942年に24両が作られて、44年6月のノルマンディ戦に投入されたと言われています。このオチキス車台の自走砲は、Marder1でひとくくりにされたり、7.5cm PaK40 (Sf) auf Geschutzwagen 39H (f)という表記だったり、簡単で的確な呼び名がないのが残念。

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この対戦車自走砲を作ったのは、魔改造先生こと、アルフレート・ベッカー少佐のBaukommando Becker。
この話はどこかでやりたいと思ってました。ロレーヌシュレッパー車台に対戦車砲を乗せたMarder Iとか、ソミュアMGCハーフトラックにロケットランチャー積んだり、みんなこの人の仕業。
(写真出典:wikipedia commons)

中古のフランス製車両にドイツ製戦闘用品を積んだ強引なシルエットとか、即興仕事のようで無線機は抜け目なく積んでたり、こういうハイブリッドな感じは好みです。

38(t)戦車車台をベースにしたHETZERを好きなのも同じ構図だから。あれはドイツ戦車じゃなくてチェコ製戦車ですね。搭載砲だけドイツ製。
自走砲で最強のナースホルンとか最強駆逐戦車のヤークトパンターなどは美しいシルエットですが、純正品のソツのなさというか、イマイチ面白みに欠けるというか。

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オチキス車台の自走砲には対戦車砲型と榴弾砲搭載型の2タイプあって、10.5cm砲を搭載したものは、その昔、グンゼのハイテクキットでリリースされたことがありました。お値段もハイテクで当時高校生だった自分には手の届かないものでしたが。

時代が変わり、10.5cm砲搭載型も7.5cm対戦車砲型もインジェクションキットとしてリリースされるなんて、そんな未来がくるなんて信じられなかったですね。タイムマシンと、どこでもドアは未だに実現してませんが.. あの頃は、AMAZONという名の有料4次元ポケットも想像の外側。

この自走砲はBroncoとTranpeterの2社からリリースされていて、データー盗用があったとかないとか言われてますが、こんなの競い合って出してどうしたんだという気もしますが。
私はBronco版で制作しました。メーカー初期の製品だったりして、ディテールとかパーツ勘合とかイマイ微妙。もっとも制作当時は出戻ったばかりでドラゴンのスマートキットなど21世紀水準のキットに疎かっちゃのでそんなに苦にはならなかったです。


しかし。それ以上に問題だったのは、「実車に全然似ていない」という話。
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(YouTube:Rommel Reviews the 21st Panzer Division/0:10)

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ロンメル将軍の謁見を受ける第21戦車師団の動画、 冒頭10秒ぐらいにちらりと映るこの車両のシルエットと、この側面図(トランペッターのキットのインストにあったものの左右反転)が全く違う。トラペのキットもブロンコのキットのどちらも図面のようなシルエット。前面装甲板の角度がまったく違う。

なんでこんなこと起きたかということには理由があります。両社のキットの設計の元になっているのがドイル先生の作った図面で、この側面図もそれを下敷きにしたものです。しかし、このシルエットは7.5cm対戦車砲型のものではなく、10.5cm榴弾砲搭載型。おそらくはソミュールに現存する10.5cm榴弾砲搭載型を測って起こした図面を元に、搭載砲と正面シールドだけ7.5cm対戦車砲に置き換えたからです。
対戦車砲と榴弾砲では砲架の大きさが違って、榴弾砲型では前面装甲板の角度が垂直に近い形状になっているのをそのまま対戦車砲型に当てはめてしまったからだと思われます。

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動画からキャチャした画像に加筆して正しいシルエットを探ります。これを元にキットの戦闘室装甲板を切断、前面装甲板の角度を修正しました。
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製作中に撮った写真をどこかになくしてしまったので、どこまでがキットの部材でどこがプラ板細工なのかが見せられないのは残念ですが、とにかく修正後はこんな感じ。錆止め塗料のレッドサイドカラーのサフェーサー吹いて、パンツアーグレーを吹いてアルコールで塗料を少し落としてみた段階。
ノルマンディ戦の頃はダークイエローにグリーンとブラウンの三色迷彩を施されてますが、工場からのロールアウトは1942年なのでおそらくは最初はこの色だったと想定。この後にダークイエロー単色迷彩の状態でロンメルの謁見を受けて、連合軍の上陸の前に三色迷彩を施されたと思われる、その過程を塗料のハゲなどで再現してみようと考えてました。そこで現在に至る...という状態。
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オープントップの車両の魅力は戦闘室内の工作。戦闘室前面の2重装甲はプラ板で制作。7.5cmPAK40 対戦車砲はタミヤのMarderⅢから流用。砲架のまわりの半円紡錘状のインナーシールドはプラ板を湯呑みに巻きつけてお湯を張った鍋でことこと煮て整形。無線機、MGドラム弾倉ラック、砲弾ラックはBrast Modelのレジンパーツを利用。無線機にはエナメル線で配線追加。MG架はキットのエッチングパーツをベースにディテールアップ。
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足まわりはキットのものを使ってますが、かなりファジーでしたね。鋼製転輪はリムが厚ぼったかったので、手持ちドリルレースで内側から薄く切削。誘導輪は実車はプレス部品なのかエッジ部分に返しがある形状になっているのがキットでは再現できていなかったので、精密マイナスドライバーを当てて削り込み。ホイールキャップ周りのリベットも追加したかな?
昔のことで記憶が曖昧。フェンダーは薄々加工。車体前面の鋳造スポンソンの形状も修正したように思います。写真に撮っておくかメモ残しておかないと忘れてしまいますね。あちこち埃にまみれてるのはご愛嬌。ウェザリングではありません。
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後ろ姿。見よこのブサカワぶり。よわよわナースホルンという雰囲気がなんとも。
リメイクという訳ではないけど、ぼちぼち制作再開して時間を経て3色迷彩になった塗装の質感を再現したいと思ってます。ぼちぼち。

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そう、SUMICONで来月くらいから制作開始する、同じくBaukommando Becker製のロレーヌシュレッパー15cm自走砲。そのちょっと個性的な迷彩塗装の習作のつもりで、この機会に積年の未完成キットを完成させてみようという魂胆、なのです。
そんな訳で唐突に伏線回収。

デモドリ3号、不定期連載(の予定)




by hn-nh3 | 2018-05-16 21:45 | Hotchkiss系列 | Comments(6)

荷車メモ

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At the market in Baryssau, Russia 1942:Franz Krieger

1942年、旧ソ連領内(現ベラルーシ)ミンスク近郊の都市、ボリソフ(Барысаў)の市場での一枚。撮影はフランツ・クリガー(1914-93)。オーストリアの写真家で戦時中はPKに所属。> LENS | World War II Mystery Solved in a Few Hours
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AT THE BERESINA NEAR BARYSSAU, RUSSIA 1942:Franz Krieger

写真はいずれも PIXPAST より。カラーフィルムのプライベートコレクションで、WEBで公開されている大戦期のカラー写真はフィルムからの色再現が見事で当時の実際の色調を知ることができる貴重な資料。
AFVに限定した写真コレクションではないので、それを期待すると少しがっかりしますが、それでも独ソ線初期のソ連戦車(BT,T-35)やドイツ軍(3号戦車、8輪装甲車、ソフトスキン)やフランス線で遺棄された仏軍戦車など、原版自体の発色や退色で再現しきれてない色もあるけど、このコレクションに登場する戦車や車両の色調は模型製作の参考になります。白眉はアフリカでロンメルが使用していた”MAX”のカラー写真でしょうか。個人的には当時の街や村の風景、人々の姿などAFV写真集では得られない情報がたくさんあって好きですね。
写真にはいずれも著作権があるので、上記2点は有料データー購入。



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製作中のKV-1戦車は、必要なメッシュ材料の調達や細部仕様の確定作業で、ちょこっと休憩タイム。(そのまま中断、ってことにはならないので大丈夫..) 

今日のお題は当時の写真に登場する農業用カート。

秋葉原のパーツバラ売りコーナーでちょっと前に購入。
このコーナーは戦車のキットのパーツランナーをバラ売りしていて、欲しい部品の調達に便利だったりしますが、フィギュアセットもランナーを細切れにしてフィギュア単体でバラ売りしてたりします。セットはいらないけどあの人は気になるなーなんていうときに、出会えると嬉しいですね。

もちろん全てのキットが並ぶ訳ではないので(どっちかというと在庫処分?)パーツとの出会いは一期一会。使うあてもないのに、つい買ってしまったりします。
                        
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小型のカートのパーツはMasterBox 3567「第二次大戦期の西欧市民」のセットに入っているもの。キットの箱絵には姿は描かれてません。農夫の傍に置く小道具にでもとセットされたのでしょうが、しかし2人の大人と少年少女が並ぶシーンにはちょっとそぐわないので表紙からは省かれたのか。いずれにせよ、このキット(セット未購入)に小型のカートが入ってるなんて知りませんでした。

d0360340_13394751.jpg余談ではあるけど、このキットにはシリアスな話題に触れてしまう部分があって、ボックスアートの右側に登場するヒゲを生やしたおじさんは実はユダヤ人だというような話。
これについては、かつて ”赤軍博物館別院 別当日誌”や模型慕情さんが記事で扱っていたのでそちらも参照。

ボックスアートの裏側には小型のカートと4人の組立図。帽子姿のヒゲのおじさんはキッパ(ユダヤ帽)とのコンパーチブル。少年も帽子を選べます ..軍帽をかぶって台車で何を運ぶんでしょうね。箱裏絵の構図からなんだかいろいろと想像してしまう。

どうしたものか、荷車の風景写真でピックアップした冒頭の2枚。意図したものではなかったのだけど、ボリソフ、ミンスクという街は、避けがたくそのことに関わる場所だったようです。
それ以上はここで語ることはしませんが。

話題を変えましょう。
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組み立ては一瞬です。荷台のフレームや車輪のスポークなどパーティングラインの処理は少し面倒だったけど、簡単に組みあがります。
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カートの裏側。前輪は引棒にあわせて方向転換できるように構造。引棒も高さを変えられるようなディテール。接着してしまいましたが、真鍮線を軸打ちすれば可動にもできそうです。動かして遊ぶことはないと思うけど。
なんとなくひっくり返ったカブトムシみたい。本来は何を運ぶためのカートなんでしょうね。

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このタイプのカートはポピュラーなのか、MiniArtの最近作:「ミルク缶と小型カート」(no.35580) のセットにも入ってますね。荷台のコーナーに柱のないタイプでMasterBoxのものとは細部が異なります。特にどこかのメーカーが専売特許で生産しているものではないだろうから、いろいろなバリエーションはありそうです。

d0360340_14285900.jpgMiniartnのキットの組立て説明図を見ると、前輪周りも少し複雑な構成。どちらが正解というものでもなさそうですが、モールドなどはこちらのほうがシャープな予感。ミルク缶は使う用事ないしとスルーしてたけど、買わないとだめかな。

この小型カートはアンティークとしても人気があるようで、Farm CartとかGoat Cartで検索すると、e-Bayなどで売ってるのが見つかります。花屋とかパン屋の店先においたら可愛いのでしょうね。

名前の話。Farm Cartというのはわかりますが、なんで「Goat Cart」というのか。検索するとヤギに牽かせた小さな馬車の写真がでてきて、「Goat Cart」というのは、総じて子供が馬車遊びをするためのおもちゃと思われます。しかし、それは2輪のいわゆるリンバーの子供版がほとんどで、キットでも再現されたタイプの4輪のカートをヤギで引いている事例は見つからず、なぜこの4輪カートも「Goat Cart」というのかは結局わからず。馬車とか西洋アンティークに詳しくないのではっきりとしたことは分からないけど、小型のトイカートのことをゴート・カートと呼ぶのかもしれません。ひょっとして、ゴーカートというのもそこからきてるのか?

この小型のカートが当時の写真に写っているのを探したのですが、見つかりませんでした。考えてみれば、目の前をティーガーとかパンターとか通り過ぎるのはカメラマンもすかさず写真に撮るけど、スターリン戦車に背を向けてこんな民生用カートを撮ったりはしないと思うし。

(築地市場でターレーを撮らずにゴミ収集ビークルにカメラを向けるようなもの...)

とはいえ、意地もあるから見つけました。キットのタイプそのものではないけど。
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YouTubeの動画:Rhineland-Palatinate in April 1945 (in color and HD) 10:00頃に登場

荷台がフレームのスケルトンタイプではなくて板で組まれた箱型タイプ。スケルトンタイプはミルク缶とか干し草運んだりするには便利ですが、小物を入れて避難するにはこっちの箱型タイプのほうが役に立ちそうです。暇なときにでもキットの荷台をこのタイプに改造してみようかしら。

この動画が撮られたのは1945年4月。ラインラント=プファルツ州ということで地理的にはベルギー、ルクセンブルグ、フランスと国境を接するあたりか。

「Goat Cart」は検索すると、German Farm Cart という名前ででてきたりもするから、ロシアや東欧ではなく、ドイツやフランスなど西ヨーロッパで一般的な小型荷車という気もします。(要確認)

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1/35スケールのキットで民生用/非武装カートにどんなものがあるかを集めてみました。軍用タイプは除いて、その他にも、件のMasterBoxのゴートカートのようにボックスアートに載ってないもの、一輪車など手押車のタイプ、見落としたものなどまだまだあるかも知れません。レンジキットメーカー:スターリングラードから出ている農業用カートはまさに冒頭の写真に登場するようなタイプ。タイトルにロシアの荷車とかウクライナの荷車とかありますが、地方によってどう違うのかはちょっと調べたくらいではわからない奥深き世界。

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レジンメーカーのスターリングラードからは、荷車に避難民を乗せたセットも出てます。上掲の動画もそうですが、民間用カートが登場する風景を探すと、従軍カメラマンが写真を撮ってる場所というと、やはり戦場から避難する、占領地から逃れる難民の写真にぶつかります。

この母子が荷車に乗った写真はドイツ軍がいなくなった村に帰還する時の写真のようですが、いずれにせよ戦争は抽象的な戦場ともいう無人の荒野で専ら行われていた訳ではなく、日常の街や村、畑があったところで起きていたことなんだなと..

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小さなカートが気になってキャプチャした写真ですが、背景は完全に破壊された村。

MasterBoxの小型カートのキットは、この前のSUMICONで制作したT-60のジオラマで使えるかと思って買い込んだものでした。
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記事は:ROSTOV 1942.8 :T-60 (Plant no.264) INDEX 参照

舞台設定はスターリングラードの前哨戦、近郊都市ロストフ陥落の少し後の風景。撤退、そして新たな戦線に送られる兵士、占領された街や村から逃れる住民の姿など、小さなベースの外側で起きている出来事が見えてくるように、何かベースの中に関連した小物を配置したくて、その候補のひとつで買ったのがMasterBoxの小型カート。

結局、スペース的な制約もあったし、小物の設定に作り込みが足りないと冗長になるだけなので、壊れたカートを配置するのはやめましたが...
戦場ではあるけど同時にそこは誰かが普通に暮らしていた日常でもあるような。
それもあって、戦車に踏み荒らされるのは草原ではなく麦畑。

戦車の模型を作る以上は、反戦を声高に訴えるとか戦争の悲惨さを伝えよう、なんてこと言うつもりは全くありません。しかし、戦車の模型を置くための「ベースという模型」は戦車がくる前からそこにあった場所、ともいうような日常世界をどこか表現しておきたいという気持ちがいつもあります。戦場だけど日常世界でもあるベース、の表現。 兵士たちがトランプに興じる戦場の日常ということではなくて。
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なんとなく雨の日は内省モード。





by hn-nh3 | 2018-05-13 18:23 | 資料 | Comments(4)

重力と線

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象を飲み込んだウワバミのなかみを書いてみました。正確に言えば、サン=テグジュペリの「星の王子様」の挿絵を真似て書いてみたところ。新しいシャーペンを買ったので、試し書きがてら久しぶりにシャーペンで絵を描いてみた。

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シャーペンを使う機会はめっきり減ったけど、模型制作で正確な線を引くにはやっぱりちゃんとしたシャーペンが欲しい。リベットを打つ位置やカットする寸法を定規から正確に転記するには、できるだけ芯が細いことが理想だけど、強度のこともあって芯の太さは0.3mmが限界なのかと思っていたら、0.2mm芯のシャーペンがありました。その名は「orenznero」(オレンズネロ)。Pentelから2017年2月に発売。(コンセプトドローイングはメーカーサイトより引用)

d0360340_18372300.jpgメーカーサイトによれば、芯の減り具合にあわせてシャフトのパイプがスライドすることで極細芯で書くことが可能になったのだとか、また自動芯送り機構を搭載して芯の出しすぎで折れるのを防止する、とのこと。

ちょっと興味を惹かれたので買ってみました。新機軸の技術云々以上にドローイングの製作図面のようなロゴがツボだったので、ほとんどジャケ買い。
届いたパッケージは黒地にシャーペンの図面のグラフィックがクールでよい感じ。

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早速、箱を開けて常用のシャーペンと比較してみます。上が新しく買った「ORENZNERO」0.2mm。下が常用のシャーペン。同じくPentelの「GraphGear」0.3mm。芯を保護するパイプの太さをデジタルノギスで測ってみると。「ORENZNERO」が0.5mm、「GraphGear」が0.8mm。

ちなみに「ORENZNERO」のネーミングは左側から読んでも右から読んでもオレンズネロ。自動芯送り機構でずっと描き続けられることを表現しているのだとか。

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ガチンコ対決。0.2mmと0.3mmの芯で買いた線と文字。芯の硬さにも影響されて、ぱっと見でそんなに変わらなく見えたりして正確な比較にはならいのですが、0.2mmのほうが線は軽い感じですね。折れずに描けます。ただ、オレンズネロの場合、シャフトからほとんど芯が出ないで書けるようになっている反面、たとえば定規で精密な線を引くとか、定規の目盛りにあわせて寸法をプロットする、というような使い方をする場合は、シャフトの「厚み」が少し邪魔になるかも。芯を余分に出して、折れやすくはなるけど芯の細さを生かして使うのがベターかな。

d0360340_19112868.jpg使い終わった後は、ノックボタンを押しながら芯を紙に押し付けてやると、芯送りのシャフトパイプがペン本体に収納される仕組み。

鞘に収まるというか亀みたいというか、精密なシャフトが本体の中に隠れることで、うっかり床に落として先端を曲げてしまう事故を防げるのは嬉しい配慮。

今まで落としてオシャカになったシャーペンの多いこと。紙の上に文字を書くだけならそうでもないけど、模型のパーツを手に持って、寸法を移したりしている時に、ついうっかり手から滑り落ちること、ありますよね。



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「本当の定規」も買いました。コクヨから発売の15cmの定規。30cmnのバージョンも発売されてるみたいですね。gizmologの記事で知って購入。AMAZONなどでは売ってなくメーカーの通販サイトから。

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この定規の画期的なところは、何よりも「厚みのない線」を実現したこと。通常の定規のように目盛りを印刷(or刻み)の線で表現する限りは線自体の太さからは逃れられなくて、線の太さが0.2mmなら1cmといっても厳密には9.9mmから10.1mmまでのブレが生じてしまう。線の中心で目盛りを読むのか、端のどちらかで読むのか決めておかないと、誤差は結構大きい。たかが0.2mmといっても、シャーペンの芯の太さほどある訳だから。
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「本当の定規」では目盛りは線ではなく面のエッジで表現されている。物質世界で線を表現しようとする限りは、その線を実現する物質の「太さ」から逃れることはできなくて純粋な一次元の線というのは概念の中にしか存在しない。しかしこの「本当の定規」では、面という2次元の終わることにON/OFFの切り替わる「線」が現れる、ともいうような目からウロコの表示の仕方。

この定規の「正しい目盛り」を頼りにオレンズネロで引いた0.2mmの線が太く見えますね。こうなるとシャーペンももっと細い芯の製品が出ないかしらと思ってしまうけど、芯という太さが必要なものを使う以上は限界がありそう。やはりカッターで面を切り裂くことでしか物質的厚みを持たない線は引けないのだろうか。



しかし面が終わるところに厚みを持たない1本の線が現れるという思考にはワクワクしますね。物質から解放された無重力の線、ともいうような。

その昔、地球が丸くなかった頃、この世の果てには海が滝のように奈落へと流れ落ちる場所があって世界はそこで終わる、という風景が想像されてたようですが、この「正しい定規」を見てるとそんな世界の終わり方も素敵だなと思ったりします。

まだ訪れたことのない遥か遠く南の海と島々が突然に厚みを失った映像のように流れおちて世界が終わる場所。

その風景を想像してPhotoshopで作ってみたよ。
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世界の終わるところの想像図:※イメージなので実際とは異なる場合があります。



by hn-nh3 | 2018-05-11 20:24 | 資料 | Comments(0)

KVポケット (KV-1 vol.4)

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どれだけ写真を撮ったところで物の内側が映ることはない。空港の手荷物件でX線に通さない限りはスーツケースの中身も見えないのと同じで、人の内面だって何もわからない。だのにその人の顔の表情はいつも何かを映しているようで見る人の気持ちを惑わせる。

製作中のKV-1戦車はちょっとそんな迷宮に足を踏み入れてしまったようです。

d0360340_17585750.jpg右の写真の車両は強化型鋳造砲塔に42年型車体でエンジンアクセスハッチはフラットなタイプ。フェンダーには増設燃料タンクの固定金具がついてるのが確認できます。1941~42年型車体で見かけるエンジンデッキの点検ハッチをフラットなタイプに改造してみたのは前回までの話。 ...しかしこのフラットハッチ。生産簡易型というものではなく、通常のV-2Kディーゼルエンジンの供給不足を補うためにM-17Tガソリンエンジンを搭載した車両を特徴づけるハッチではないか、そんな解釈が近年の有力な説であることをセータ☆さんから教えてもらった。


d0360340_17512778.gif考えてみると、標準ハッチのドーム型の膨らみにはアフィルターが収まっていて、フラットハッチを使うためにはエアフィルターが他所に移動する必要がある訳です。しかし42年型車体のすべてがフラットハッチでもなく後継のKV-1Sではドーム型のハッチに戻っていることを考えれば、フラットハッチはエアフィルターの位置が違うエンジンが一時的に採用されたことによる限定仕様、と考えるのが自然かもしれない。40~41年の一時期、M-17Tガソリンエンジンを搭載した車両が生産されたという記録もこのフラットハッチの登場する時期とかぶってくる...


結局のところ、フラットハッチの内側がガソリンエンジンかディーゼルエンジンかは模型的にはどっちでもいいのです。中は空っぽ、プラスチックのハリボテですから。モーターライズでもないし。


ポケットの中にはエンジンがひとつ。ポンとたたけばエンジンは二つ。

しかし、見えることのないエンジンの問題から避けて通れない理由がひとつあって、それはフェンダー上の装備品の話。

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従来はフェンダーに筒型増設燃料タンクを搭載している車両がM-17ガソリンエンジン車とされていたようですが、近年はエンジンの種別に関わらずチェリャビンスク・キーロフ工場製車両に見られる装備、という説が濃厚。これもセータ☆さん情報。

確かに後継のKV-1Sで筒型燃料タンクが標準的な装備であることを考えれば、ガソリンエンジン車に限った装備ではないと考えるのが自然。もちろんガソリンエンジン車の場合、航続距離や補給の問題で増設燃料タンクがマストアイテムであった可能性はあるけど。

d0360340_18140426.jpg模型製作上の問題は、エンジンのハッチがフラットな車両にする場合、M-17Tガソリンエンジン車の可能性も考えて、増設燃料タンクを積んだ仕様を再現するのが妥当ではあるけど、右の写真の車両のようにタンクを積んだ形跡が見られない車両もあることをどう考えるのか ..未装備の訳は何か? あるいは取れてしまった理由は?..とか、悩みはつきない。

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試しにタンクを乗せてみました。キットには入ってない増設燃料タンクはドラゴンのT-34から流用が出来そう。ただしフェンダーへの取付ディテールを調べる必要あり。


d0360340_18380383.jpg増設タンク付き車両では工具箱は40年型から使われている大型のタイプを装備しているパターンが殆どで、これはKV-2のキットから流用できるものの、トラペのKV初期型のキットはフェンダー幅が間違っているらしく工具箱のパーツも奥行きが長くなってしまっているので、流用するには奥行きを切り詰める必要がある…. さてどうしよう。


フェンダー上の装備の問題は、最終的な塗装やマーキングをどうするかという話とも関わってくるので、問題先送りで未完成とならないようにするためには、どこかで腹を括って決める必要がありそう。

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とりあえず、エンジンデッキのメッシュを追加工作。キットにはエッチングパーツはなく、プラスチックの部品のみ。メッシュグリルのパーツは両サイドがかまぼこ型になったタイプと砲塔に近い側がフラットになったものの2パターンが選択可能。41年型車体では後者の片面フラットのパターンであることはボービントンやアバディーンの現存車両や事例写真で確認できます。

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Voyager Modelからエッチングのメッシュパーツが出てるので試しに使ってみます。メッシュは繊細で透過率も高くていい感じ。実車の写真を見ると、メッシュグリルの中間部にはリブがあってロッドで補強されている様子。リブも実際はもう少し複雑な形状と思われますが、メッシュ越しに見えるだけなのでプラ板で簡略的に再現。真鍮のパーツの枠内にプラ板で補強しながら組んでみました。

と、ここまではよかったのですが、車体に載せてみたら…..なんと両側のリベットの間隔より幅広で嵌らない…どゆこと?
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折り曲げたときの真鍮板の厚みが計算に入っていないのか、0.5~1mmほど幅が広すぎる。真鍮パーツなので削るのも簡単ではないから、本体のほうのリベットを移植して取り付けスペースを広げる? とも思ったけど、ミスのフォローでミスを重ねて取り返しのつかないことになりそうで思いとどまりました。

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はい、作り直します。実車の写真もガイドにしながら、メッシュグリルのリブのパーツ図面を修正して、プラ板で最初から作り直し。当然のことながらメッシュのパーツも幅広で使えないので、汎用品のメッシュから形を起こす必要あり。全て自作になるなら、アフターパーツなんかに頼らないで最初からスクラッチすればよかった。半月型のリブは多めに切り出して、精度がよくできたものを選んで使用。グリルの枠は0.5mmと0.3mmプラ板の細切りの積層。
JAPANミリテールでhiranumaさんが連載中のケッテンクラート超絶工作に比べたら、このくらいで悲鳴をあげてはいけないのだと思う。

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エンジングリルはとりあえずここまでリカバリー完了。後はメッシュを貼ってフレームを作らないと...

目の細かいメッシュは細い銅線を編み込んで.. なんてことはもちろんやりません。


※5/11誤記訂正:M-17ガソリンエンジンのM-17がF-17となっていたので訂正しました。


by hn-nh3 | 2018-05-09 19:08 | KV-1戦車 | Comments(16)

築地市場もろもろ

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連休前の築地市場はちょっと人少なめでした。海外からの観光客は桜の花を見に東北地方にでもいっているのかしら。
先週の土曜日。例によって場内散歩と夕食材料の物色。

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この前の散歩の時に見つけた丸型ヘッドライトのターレ(モートラ)は同じ場所にいました。朝の7時前後は買荷保管所のこのあたりが定位置なのか。

場内には市場特有の「車両」がいろいろといますね。冒頭の写真に写っている「ネコ車」もそのひとつ。木製の荷台に車輪は腐食に強い鋳鉄製。場内のあちこちで見かけます。このネコ車はハンドルがついて人力で引っ張るタイプ。
模型としても1/32スケールでキット化されていて、アオシマのターレーのキットに付属で入ってます。

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市場清掃用の雑用車両。と言ってもリヤカーのフレームにベニヤで囲った荷台を載せただけのものです。転輪がちょっと面白いでね。普通のリヤカーでは細いスポークの車輪だったりしますが、これはプレスしたディスク型ホイール。補強用のリブがついてるなどディテールも気になります。何の車輪を転用したのだろう?

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コレクション的に何の価値もない車両だけどプロポーション的には好み。

真鍮線をパンダ付してフレーム作ってホイールはプラ板をヒートプレス、サークルカッターで切り抜いて…と模型化を妄想しながらざっくり実測してきましたよ。ちゃんと裏側だって写真撮ってます。市場で何やってんだか…

築地市場が移転する前に図面くらいは作ってみたい。まあ、作ってどうなるものではないと思うけど。それこそプラモメーカーからキット化されるなんて夢のまた夢。

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ごみ収集ビークルにもバリエーションがある様子。この車両の足回りは鋳鉄製スポーク転輪。「ネコ車」の車輪を転用したのか。シャーシも強化してありそう。

前掲のスポーク転輪タイプとは牽引フレームの形も少し違って直線的。オプションのカゴも実用的でいいアクセント。

専門に作ってるメーカーがあるとは思えないし、築地市場の場内にはターレの修理工場もあるから、そこで作ってるのかも。

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運搬用ビークルは他にもいろいろ面白いのあります。それはまた別な機会にでも。

後は場内市場で買った魚をいくつか。

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イサキ。丸っとした形の近海魚。夏の産卵期に脂がのってくるのでこれからが旬の季節。梅雨イサキなんて言ったりします。その頃の白子は絶品。

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場内の仲卸の店では値札は一匹単位ではなくキロ当たりの単価表示。そうすることでキロ単価が品質の指標になるので、分かってくると分かりやすい。ちなみにこの活締めのイサキはキロ2600円。魚体は0.65キロなのでお代は1690円+消費税。やまふ水産にて購入。二枚におろして半身を皮目をバーナーで炙って焼き霜造りの刺身に。残りは塩焼き。

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ついで買いのマグロの柵。場内は本来はプロ向けの卸なのでマグロはブロックが基本。上物は店頭に並ぶことなく寿司屋に直行。最近は一般向けに柵で小売するところも多くなりました。

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購入したのはミナミマグロ。通称インドまぐろ。本マグロ(クロマグロ)と違って南半球が生息域。本マグロの味の落ちる夏にかけての時期はこっちの方がコスパ高し。
それにしてもマグロの柵はブログ的には絵になりにくいアイテム。肌理からマグロを語るほどの眼は無いし… この柵はちょっとシミがあるけど値段には全て理由があるのが場内。宇田喜にて購入。

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少し前の買い物。スミイカ。種名でいうとコウイカ。房総半島以南に生息。ずんぐりとした身を捌くと中からサーフボードの形をした甲羅が出てきます。寿司ネタ、天ぷらで使うイカですが、もちろん刺身でもいけます。買ったのはキロ1300円で400グラム。520円+消費税。丸利にて購入。

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スミイカは春に産卵して寿命を終えて、夏には子供が新イカとして季節物の寿司ネタに並んでこれまた旨い。
街の魚屋で扱うネタではないけど、逗子の駅前の魚屋、魚佐冶では地元の港で上がるのかスミイカもよく売ってて仕事であの辺りに行った時、帰りに買ってましたね。

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スミイカの胴体からでてきた甲羅

そういえば去年のこの季節、小坪砲台のリサーチ後に逗子海岸に降りたら、浜辺にスミイカの甲羅がいっぱい打ち上げられてましたね。春先に浜辺に打ち上げられるアメフラシとともに好きな風景。
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(春先のアメフラシ 2016年3月 逗子海岸にて)

by hn-nh3 | 2018-05-05 20:14 | 魚類 | Comments(4)

T34 & PANTHER : Season 2

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このブログを始めて1年。とりあえず続いてますが、世はSNSに移りブログはもはや過去のメディアかもしれません。いつも書きすぎてしまいますが、文章はできる限り短く、スティーブ・ジョブズのメールの返事のような完結さが理想です。

そもそも模型が語るに足るジャンルなのかは問わないにしても、たまにはティーガーとかパンターの記事も書いたほうがいいのかしら、人気ブログを目指すなら......
いちおうコレクションには、ティーガー1の中期型(DRAGON 6700)とヤークトパンターG2(DRAGON 6609)も持ってたりします。仮組みの後、まだ時期じゃないと箱に戻しましたが。

ということで今回はゴールデンウィーク特別企画。
買ってしまいましたよ!TAKOMのパンター戦車。ただし転輪のランナーだけ.....

d0360340_13454495.jpg秋葉原YSのパーツバラ売りコーナーでTAKOMのパンターがランナーバラ売りしているのを見つけて、転輪パーツだけすかさず買ってしまいました。このランナー、ずっと欲しかったんです。

なぜかというと、通常の千鳥配列の転輪パーツの他にパンターの予備転輪が入ってるんですね。ハブキャップが取り外されてボルト穴がモールドされた予備転輪の部品が2枚1組のランナーに各2個、合計4個も用意されています。

パンター戦車はⅣ号戦車などのように予備転輪が標準装備になっていないこともあり、多くのキットにはパンターの予備転輪が入ってることはなく、不要部品が山盛りのドラゴンのキットにも転輪に余りはなく、予備転輪が欲しかったら通常の転輪を型取りして改造するかサードパーティのレジンキットを探すかという選択肢しかなかったので、これは嬉しい収穫。

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美しいですね。最新の金型技術が惜しみなく注ぎ込まれたモールド。実物の雰囲気を捉えたリムの部分のディテール、ゴムタイヤのメーカー刻印は「CONTINENTAU」ではなくちゃんと「CONTINENTAL」になってます。予備転輪なので中央部のハブキャップはなく周囲の8個のボルトもボルト穴として表現されてます。さすがに穴は貫通してなかったので0.4mmのドリルで穴を開けてみました。裏面にも繊細なモールド。戦車本体を持ってなくても、これだけでもきっちり塗装して完成させたくなるクオリティです。
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で、転輪だけ買ってどうするの?となる訳ですが、まあ察しはついてると思います。
このパンターの予備転輪を使ってT-34の転輪を作ろうという話。以前に書いた記事:T-34 & PANTHER の続編です。

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これだけ引っ張って、ようやくイントロ。なんだか最近のテレビドラマみたいです...
見てますよ、ブラックペアン。

時は1945年5月9日。ドイツ降伏後のチェコに進駐する第一ウクライナ方面軍第三親衛軍所属のT-34戦車。5月5日に首都プラハで起こった市民の蜂起。抵抗する残存ドイツ兵、寝返って蜂起部隊を支援するROA(自由ロシア軍)。5月8日、ドイツ降伏。9日に赤軍はプラハを占領。一部のドイツ軍部隊の抵抗は11日まで続く。ROA部隊は赤軍の報復を恐れて南進、米軍側に投降...

ベルリンから転戦してきたT-34戦車の砲塔にはベルリン戦で描いた識別用の白帯が確認できます。もっとも、この写真の面白いところはそこではなくて、この戦車の転輪。第2、第4転輪にパンターの転輪を使っていることです。同時に撮影されたSU-85でもパンターのホイールを装着しているのが確認されてます。

(5/2 訂正:※写真のT-34は-85ではなく六角砲塔の-76であるとセータ☆さんより指摘があったので訂正しました。
 その他、車体はSTZ製であったり面白い仕様の車両のようです。詳しくはコメント欄参照)
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前回のあらすじというか、図版の再掲を含めたダイジェストになりますが、このパンターホイールを装着したT-34は撃破したパンターから転輪を引っこ抜いてT-34のサスペンションアームに差し込んでみた即興的なものではなく、おそらくは占領した地区の工場か何かで大量に入手したパンターの予備パーツの利用方法として考案され、走行試験もした「代用転輪」だということです。写真から類推するに、車軸に差し込む転輪のハブはT-34のもの。2枚のディッシュ型転輪をボルトで固定する皿状の部品にパンターのホイールを加工して取り付けたものだと推測しています。

試しにT-34とパンターの転輪の図面のスケールをあわせて重ねてみたら、取り付けボルトの構成などがほぼ一致して簡単な加工で取り付けられるように見えます。写真を観察するとパンターのホイールは8ボルト、T-34のホイールは6ボルトで穴の数は一致せず、そのままでは固定不可能なため穴を開け直しているのが確認できます。
パンター用のホイールの塗装色はドイツ軍から鹵獲したままのダークイエロー。ハブキャップとボルトは当然のことながら4BO:ロシアングリーンだと思われます。

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TAKOMのキットの予備転輪の部品をT-34の転輪ハブに取り付けられるように加工してみます。6穴ボルトの位置を作図してパーツに転記、ボルト穴を0.4mmのドリルで開けてみました。T-34の転輪ハブは、ホイールと別体で部品化されてるキットはないのでプラの汎用材から自作しました。

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といってもプラ棒とプラ板の簡単な細工。WAVEのグレーの5.5mmパイプを3mmの長さに切断。0.5mmのプラ板からサークルカッターで直径9mmのフランジを切り出して穴あけ加工。

d0360340_15421196.jpgプラパイプのカットはテキトーです。同じサイズの部品を切り出すときは、本当はジグとか用意してレザーソーとアルミの切断ガイドなんか使って正確に切り出すのが定石ですが、カッターで見当つけて切っただけです。

便利な道具は、一度プラモ作りから離れた時に全部捨ててしまったんです。レザーソーもアルミの切断ガイドも半田ごても。戦車マガジンの戦場写真集シリーズもモーターブーフの資料本も、タミヤの8輪装甲車もイタレリのオペルマウルティアも。フィールドキッチンも絶版になった時に3セットぐらい買ってストックしてあったけど全て捨ててしまったな。もう一度始めるとはその時思わなかったし。

というわけで、出戻り後の制作環境は以外とローテク。
唯一、引き出しに残ってたのはオリンポスのハンドピースぐらい。高校生の頃、彼女に買ってもらった..とかではないけど大枚はたいて買って大事にしてたものだから感傷があったのでしょうね。まだありますよ、サフとか吹くのに使ってます。
迷彩塗装など繊細さが必要なのものに使ってるのは出戻り後に買ったアネスト岩田の0.2mm(HP-BP)。

話を戻します。ラフに切り出したプラパイプは両面テープで固定してペーパースティックで高さを揃えました。穴の大きさはパイプの穴そのまま。ドラゴンとミニアートのキットではサスペンションアームの車軸の径が違うので使用するキットが決まったときに調整するつもり。

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ボルトを植えてみました。MasterClubのレジンボルト、サイズは0.9mm。ボルトヘッドだけではなく差し込み用の裏足がついているのが便利ですね。下穴をあけて差し込むことで取り付け精度が確保できます。ボルト差込み用の穴は0.6mmに拡張、裏から瞬間接着剤で固定してます。

ハブのフランジを挟んで抱かせる裏側のパンターホイールは、スペアホイールを使うのはもったいないので、通常のホイールの軸を取り、穴をリーマーで拡張して使用。さすがにこちらはボルト穴の加工は省略

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ハブキャップはMiniArtの転輪セットから流用。手持ちのT34/76の転輪混ぜ履き用にと以前に買っておいた「T-34 WHEELS SET 1942-43series」(no.35239)。側面に放熱穴あり、接地面の溝なしタイプです。軸穴はMiniArtのもののほうが正確なのか、太めのドラゴンのキットに使うには穴を拡張するなど一手間かかるのが惜しいですね。早くT-34も出してよ MiniArt。

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パンターホイールと混ぜ履きにするなら、本当はT-34/85でよく使われている側面の穴と接地面の溝のないタイプ、MiniArtの「T-34 WHEELS SET 1943-44series」(no.35239)と併用するのが正解なのでしょうが、今回はハブキャップだけなので購入は見送り。そもそもT-34/85のキット持ってないし。

T-34/85はトップヘビーなシルエットがあまり好みではないということもあったし、MIniArtからリリースされた時にでも買おうと思ってたけど、いっこうに発表されないですね。そうこうするうちにズベズダから新金型で発売されるみたいですが、出来はどうなのかしらね。

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T34 & パンターホイール完成です。TAKOMのキットには4個分のスペアホイールが入っているから、通常のホイールを改造したものと組み合わせれば、4個の転輪が作れる計算。塗装の際にはホイール部分をダークイエロー、ハブキャップは4BOグリーンで塗り分けてみたいですね。

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T-34の純正転輪と組み合わせて並べてみるとこんな感じ。第2、第4転輪がパンターホイール改造転輪。比較用にパンターのノーマルの転輪も上に並べてみました。さっそくT-34/85に装着!と、行きたいところだけど..わが戦線に戦車本体は未受領。

by hn-nh3 | 2018-05-01 19:00 | 資料 | Comments(3)