断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

重力と線

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象を飲み込んだウワバミのなかみを書いてみました。正確に言えば、サン=テグジュペリの「星の王子様」の挿絵を真似て書いてみたところ。新しいシャーペンを買ったので、試し書きがてら久しぶりにシャーペンで絵を描いてみた。

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シャーペンを使う機会はめっきり減ったけど、模型制作で正確な線を引くにはやっぱりちゃんとしたシャーペンが欲しい。リベットを打つ位置やカットする寸法を定規から正確に転記するには、できるだけ芯が細いことが理想だけど、強度のこともあって芯の太さは0.3mmが限界なのかと思っていたら、0.2mm芯のシャーペンがありました。その名は「orenznero」(オレンズネロ)。Pentelから2017年2月に発売。(コンセプトドローイングはメーカーサイトより引用)

d0360340_18372300.jpgメーカーサイトによれば、芯の減り具合にあわせてシャフトのパイプがスライドすることで極細芯で書くことが可能になったのだとか、また自動芯送り機構を搭載して芯の出しすぎで折れるのを防止する、とのこと。

ちょっと興味を惹かれたので買ってみました。新機軸の技術云々以上にドローイングの製作図面のようなロゴがツボだったので、ほとんどジャケ買い。
届いたパッケージは黒地にシャーペンの図面のグラフィックがクールでよい感じ。

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早速、箱を開けて常用のシャーペンと比較してみます。上が新しく買った「ORENZNERO」0.2mm。下が常用のシャーペン。同じくPentelの「GraphGear」0.3mm。芯を保護するパイプの太さをデジタルノギスで測ってみると。「ORENZNERO」が0.5mm、「GraphGear」が0.8mm。

ちなみに「ORENZNERO」のネーミングは左側から読んでも右から読んでもオレンズネロ。自動芯送り機構でずっと描き続けられることを表現しているのだとか。

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ガチンコ対決。0.2mmと0.3mmの芯で買いた線と文字。芯の硬さにも影響されて、ぱっと見でそんなに変わらなく見えたりして正確な比較にはならいのですが、0.2mmのほうが線は軽い感じですね。折れずに描けます。ただ、オレンズネロの場合、シャフトからほとんど芯が出ないで書けるようになっている反面、たとえば定規で精密な線を引くとか、定規の目盛りにあわせて寸法をプロットする、というような使い方をする場合は、シャフトの「厚み」が少し邪魔になるかも。芯を余分に出して、折れやすくはなるけど芯の細さを生かして使うのがベターかな。

d0360340_19112868.jpg使い終わった後は、ノックボタンを押しながら芯を紙に押し付けてやると、芯送りのシャフトパイプがペン本体に収納される仕組み。

鞘に収まるというか亀みたいというか、精密なシャフトが本体の中に隠れることで、うっかり床に落として先端を曲げてしまう事故を防げるのは嬉しい配慮。

今まで落としてオシャカになったシャーペンの多いこと。紙の上に文字を書くだけならそうでもないけど、模型のパーツを手に持って、寸法を移したりしている時に、ついうっかり手から滑り落ちること、ありますよね。



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「本当の定規」も買いました。コクヨから発売の15cmの定規。30cmnのバージョンも発売されてるみたいですね。gizmologの記事で知って購入。AMAZONなどでは売ってなくメーカーの通販サイトから。

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この定規の画期的なところは、何よりも「厚みのない線」を実現したこと。通常の定規のように目盛りを印刷(or刻み)の線で表現する限りは線自体の太さからは逃れられなくて、線の太さが0.2mmなら1cmといっても厳密には9.9mmから10.1mmまでのブレが生じてしまう。線の中心で目盛りを読むのか、端のどちらかで読むのか決めておかないと、誤差は結構大きい。たかが0.2mmといっても、シャーペンの芯の太さほどある訳だから。
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「本当の定規」では目盛りは線ではなく面のエッジで表現されている。物質世界で線を表現しようとする限りは、その線を実現する物質の「太さ」から逃れることはできなくて純粋な一次元の線というのは概念の中にしか存在しない。しかしこの「本当の定規」では、面という2次元の終わることにON/OFFの切り替わる「線」が現れる、ともいうような目からウロコの表示の仕方。

この定規の「正しい目盛り」を頼りにオレンズネロで引いた0.2mmの線が太く見えますね。こうなるとシャーペンももっと細い芯の製品が出ないかしらと思ってしまうけど、芯という太さが必要なものを使う以上は限界がありそう。やはりカッターで面を切り裂くことでしか物質的厚みを持たない線は引けないのだろうか。



しかし面が終わるところに厚みを持たない1本の線が現れるという思考にはワクワクしますね。物質から解放された無重力の線、ともいうような。

その昔、地球が丸くなかった頃、この世の果てには海が滝のように奈落へと流れ落ちる場所があって世界はそこで終わる、という風景が想像されてたようですが、この「正しい定規」を見てるとそんな世界の終わり方も素敵だなと思ったりします。

まだ訪れたことのない遥か遠く南の海と島々が突然に厚みを失った映像のように流れおちて世界が終わる場所。

その風景を想像してPhotoshopで作ってみたよ。
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世界の終わるところの想像図:※イメージなので実際とは異なる場合があります。



# by hn-nh3 | 2018-05-11 20:24 | 資料 | Comments(0)

KVポケット (KV-1 vol.4)

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どれだけ写真を撮ったところで物の内側が映ることはない。空港の手荷物件でX線に通さない限りはスーツケースの中身も見えないのと同じで、人の内面だって何もわからない。だのにその人の顔の表情はいつも何かを映しているようで見る人の気持ちを惑わせる。

製作中のKV-1戦車はちょっとそんな迷宮に足を踏み入れてしまったようです。

d0360340_17585750.jpg右の写真の車両は強化型鋳造砲塔に42年型車体でエンジンアクセスハッチはフラットなタイプ。フェンダーには増設燃料タンクの固定金具がついてるのが確認できます。1941~42年型車体で見かけるエンジンデッキの点検ハッチをフラットなタイプに改造してみたのは前回までの話。 ...しかしこのフラットハッチ。生産簡易型というものではなく、通常のV-2Kディーゼルエンジンの供給不足を補うためにM-17Tガソリンエンジンを搭載した車両を特徴づけるハッチではないか、そんな解釈が近年の有力な説であることをセータ☆さんから教えてもらった。


d0360340_17512778.gif考えてみると、標準ハッチのドーム型の膨らみにはアフィルターが収まっていて、フラットハッチを使うためにはエアフィルターが他所に移動する必要がある訳です。しかし42年型車体のすべてがフラットハッチでもなく後継のKV-1Sではドーム型のハッチに戻っていることを考えれば、フラットハッチはエアフィルターの位置が違うエンジンが一時的に採用されたことによる限定仕様、と考えるのが自然かもしれない。40~41年の一時期、M-17Tガソリンエンジンを搭載した車両が生産されたという記録もこのフラットハッチの登場する時期とかぶってくる...


結局のところ、フラットハッチの内側がガソリンエンジンかディーゼルエンジンかは模型的にはどっちでもいいのです。中は空っぽ、プラスチックのハリボテですから。モーターライズでもないし。


ポケットの中にはエンジンがひとつ。ポンとたたけばエンジンは二つ。

しかし、見えることのないエンジンの問題から避けて通れない理由がひとつあって、それはフェンダー上の装備品の話。

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従来はフェンダーに筒型増設燃料タンクを搭載している車両がM-17ガソリンエンジン車とされていたようですが、近年はエンジンの種別に関わらずチェリャビンスク・キーロフ工場製車両に見られる装備、という説が濃厚。これもセータ☆さん情報。

確かに後継のKV-1Sで筒型燃料タンクが標準的な装備であることを考えれば、ガソリンエンジン車に限った装備ではないと考えるのが自然。もちろんガソリンエンジン車の場合、航続距離や補給の問題で増設燃料タンクがマストアイテムであった可能性はあるけど。

d0360340_18140426.jpg模型製作上の問題は、エンジンのハッチがフラットな車両にする場合、M-17Tガソリンエンジン車の可能性も考えて、増設燃料タンクを積んだ仕様を再現するのが妥当ではあるけど、右の写真の車両のようにタンクを積んだ形跡が見られない車両もあることをどう考えるのか ..未装備の訳は何か? あるいは取れてしまった理由は?..とか、悩みはつきない。

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試しにタンクを乗せてみました。キットには入ってない増設燃料タンクはドラゴンのT-34から流用が出来そう。ただしフェンダーへの取付ディテールを調べる必要あり。


d0360340_18380383.jpg増設タンク付き車両では工具箱は40年型から使われている大型のタイプを装備しているパターンが殆どで、これはKV-2のキットから流用できるものの、トラペのKV初期型のキットはフェンダー幅が間違っているらしく工具箱のパーツも奥行きが長くなってしまっているので、流用するには奥行きを切り詰める必要がある…. さてどうしよう。


フェンダー上の装備の問題は、最終的な塗装やマーキングをどうするかという話とも関わってくるので、問題先送りで未完成とならないようにするためには、どこかで腹を括って決める必要がありそう。

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とりあえず、エンジンデッキのメッシュを追加工作。キットにはエッチングパーツはなく、プラスチックの部品のみ。メッシュグリルのパーツは両サイドがかまぼこ型になったタイプと砲塔に近い側がフラットになったものの2パターンが選択可能。41年型車体では後者の片面フラットのパターンであることはボービントンやアバディーンの現存車両や事例写真で確認できます。

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Voyager Modelからエッチングのメッシュパーツが出てるので試しに使ってみます。メッシュは繊細で透過率も高くていい感じ。実車の写真を見ると、メッシュグリルの中間部にはリブがあってロッドで補強されている様子。リブも実際はもう少し複雑な形状と思われますが、メッシュ越しに見えるだけなのでプラ板で簡略的に再現。真鍮のパーツの枠内にプラ板で補強しながら組んでみました。

と、ここまではよかったのですが、車体に載せてみたら…..なんと両側のリベットの間隔より幅広で嵌らない…どゆこと?
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折り曲げたときの真鍮板の厚みが計算に入っていないのか、0.5~1mmほど幅が広すぎる。真鍮パーツなので削るのも簡単ではないから、本体のほうのリベットを移植して取り付けスペースを広げる? とも思ったけど、ミスのフォローでミスを重ねて取り返しのつかないことになりそうで思いとどまりました。

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はい、作り直します。実車の写真もガイドにしながら、メッシュグリルのリブのパーツ図面を修正して、プラ板で最初から作り直し。当然のことながらメッシュのパーツも幅広で使えないので、汎用品のメッシュから形を起こす必要あり。全て自作になるなら、アフターパーツなんかに頼らないで最初からスクラッチすればよかった。半月型のリブは多めに切り出して、精度がよくできたものを選んで使用。グリルの枠は0.5mmと0.3mmプラ板の細切りの積層。
JAPANミリテールでhiranumaさんが連載中のケッテンクラート超絶工作に比べたら、このくらいで悲鳴をあげてはいけないのだと思う。

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エンジングリルはとりあえずここまでリカバリー完了。後はメッシュを貼ってフレームを作らないと...

目の細かいメッシュは細い銅線を編み込んで.. なんてことはもちろんやりません。


※5/11誤記訂正:M-17ガソリンエンジンのM-17がF-17となっていたので訂正しました。


# by hn-nh3 | 2018-05-09 19:08 | KV-1戦車 | Comments(16)

築地市場もろもろ

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連休前の築地市場はちょっと人少なめでした。海外からの観光客は桜の花を見に東北地方にでもいっているのかしら。
先週の土曜日。例によって場内散歩と夕食材料の物色。

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この前の散歩の時に見つけた丸型ヘッドライトのターレ(モートラ)は同じ場所にいました。朝の7時前後は買荷保管所のこのあたりが定位置なのか。

場内には市場特有の「車両」がいろいろといますね。冒頭の写真に写っている「ネコ車」もそのひとつ。木製の荷台に車輪は腐食に強い鋳鉄製。場内のあちこちで見かけます。このネコ車はハンドルがついて人力で引っ張るタイプ。
模型としても1/32スケールでキット化されていて、アオシマのターレーのキットに付属で入ってます。

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市場清掃用の雑用車両。と言ってもリヤカーのフレームにベニヤで囲った荷台を載せただけのものです。転輪がちょっと面白いでね。普通のリヤカーでは細いスポークの車輪だったりしますが、これはプレスしたディスク型ホイール。補強用のリブがついてるなどディテールも気になります。何の車輪を転用したのだろう?

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コレクション的に何の価値もない車両だけどプロポーション的には好み。

真鍮線をパンダ付してフレーム作ってホイールはプラ板をヒートプレス、サークルカッターで切り抜いて…と模型化を妄想しながらざっくり実測してきましたよ。ちゃんと裏側だって写真撮ってます。市場で何やってんだか…

築地市場が移転する前に図面くらいは作ってみたい。まあ、作ってどうなるものではないと思うけど。それこそプラモメーカーからキット化されるなんて夢のまた夢。

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ごみ収集ビークルにもバリエーションがある様子。この車両の足回りは鋳鉄製スポーク転輪。「ネコ車」の車輪を転用したのか。シャーシも強化してありそう。

前掲のスポーク転輪タイプとは牽引フレームの形も少し違って直線的。オプションのカゴも実用的でいいアクセント。

専門に作ってるメーカーがあるとは思えないし、築地市場の場内にはターレの修理工場もあるから、そこで作ってるのかも。

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運搬用ビークルは他にもいろいろ面白いのあります。それはまた別な機会にでも。

後は場内市場で買った魚をいくつか。

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イサキ。丸っとした形の近海魚。夏の産卵期に脂がのってくるのでこれからが旬の季節。梅雨イサキなんて言ったりします。その頃の白子は絶品。

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場内の仲卸の店では値札は一匹単位ではなくキロ当たりの単価表示。そうすることでキロ単価が品質の指標になるので、分かってくると分かりやすい。ちなみにこの活締めのイサキはキロ2600円。魚体は0.65キロなのでお代は1690円+消費税。やまふ水産にて購入。二枚におろして半身を皮目をバーナーで炙って焼き霜造りの刺身に。残りは塩焼き。

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ついで買いのマグロの柵。場内は本来はプロ向けの卸なのでマグロはブロックが基本。上物は店頭に並ぶことなく寿司屋に直行。最近は一般向けに柵で小売するところも多くなりました。

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購入したのはミナミマグロ。通称インドまぐろ。本マグロ(クロマグロ)と違って南半球が生息域。本マグロの味の落ちる夏にかけての時期はこっちの方がコスパ高し。
それにしてもマグロの柵はブログ的には絵になりにくいアイテム。肌理からマグロを語るほどの眼は無いし… この柵はちょっとシミがあるけど値段には全て理由があるのが場内。宇田喜にて購入。

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少し前の買い物。スミイカ。種名でいうとコウイカ。房総半島以南に生息。ずんぐりとした身を捌くと中からサーフボードの形をした甲羅が出てきます。寿司ネタ、天ぷらで使うイカですが、もちろん刺身でもいけます。買ったのはキロ1300円で400グラム。520円+消費税。丸利にて購入。

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スミイカは春に産卵して寿命を終えて、夏には子供が新イカとして季節物の寿司ネタに並んでこれまた旨い。
街の魚屋で扱うネタではないけど、逗子の駅前の魚屋、魚佐冶では地元の港で上がるのかスミイカもよく売ってて仕事であの辺りに行った時、帰りに買ってましたね。

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スミイカの胴体からでてきた甲羅

そういえば去年のこの季節、小坪砲台のリサーチ後に逗子海岸に降りたら、浜辺にスミイカの甲羅がいっぱい打ち上げられてましたね。春先に浜辺に打ち上げられるアメフラシとともに好きな風景。
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(春先のアメフラシ 2016年3月 逗子海岸にて)

# by hn-nh3 | 2018-05-05 20:14 | 魚類 | Comments(4)

T34 & PANTHER : Season 2

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このブログを始めて1年。とりあえず続いてますが、世はSNSに移りブログはもはや過去のメディアかもしれません。いつも書きすぎてしまいますが、文章はできる限り短く、スティーブ・ジョブズのメールの返事のような完結さが理想です。

そもそも模型が語るに足るジャンルなのかは問わないにしても、たまにはティーガーとかパンターの記事も書いたほうがいいのかしら、人気ブログを目指すなら......
いちおうコレクションには、ティーガー1の中期型(DRAGON 6700)とヤークトパンターG2(DRAGON 6609)も持ってたりします。仮組みの後、まだ時期じゃないと箱に戻しましたが。

ということで今回はゴールデンウィーク特別企画。
買ってしまいましたよ!TAKOMのパンター戦車。ただし転輪のランナーだけ.....

d0360340_13454495.jpg秋葉原YSのパーツバラ売りコーナーでTAKOMのパンターがランナーバラ売りしているのを見つけて、転輪パーツだけすかさず買ってしまいました。このランナー、ずっと欲しかったんです。

なぜかというと、通常の千鳥配列の転輪パーツの他にパンターの予備転輪が入ってるんですね。ハブキャップが取り外されてボルト穴がモールドされた予備転輪の部品が2枚1組のランナーに各2個、合計4個も用意されています。

パンター戦車はⅣ号戦車などのように予備転輪が標準装備になっていないこともあり、多くのキットにはパンターの予備転輪が入ってることはなく、不要部品が山盛りのドラゴンのキットにも転輪に余りはなく、予備転輪が欲しかったら通常の転輪を型取りして改造するかサードパーティのレジンキットを探すかという選択肢しかなかったので、これは嬉しい収穫。

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美しいですね。最新の金型技術が惜しみなく注ぎ込まれたモールド。実物の雰囲気を捉えたリムの部分のディテール、ゴムタイヤのメーカー刻印は「CONTINENTAU」ではなくちゃんと「CONTINENTAL」になってます。予備転輪なので中央部のハブキャップはなく周囲の8個のボルトもボルト穴として表現されてます。さすがに穴は貫通してなかったので0.4mmのドリルで穴を開けてみました。裏面にも繊細なモールド。戦車本体を持ってなくても、これだけでもきっちり塗装して完成させたくなるクオリティです。
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で、転輪だけ買ってどうするの?となる訳ですが、まあ察しはついてると思います。
このパンターの予備転輪を使ってT-34の転輪を作ろうという話。以前に書いた記事:T-34 & PANTHER の続編です。

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これだけ引っ張って、ようやくイントロ。なんだか最近のテレビドラマみたいです...
見てますよ、ブラックペアン。

時は1945年5月9日。ドイツ降伏後のチェコに進駐する第一ウクライナ方面軍第三親衛軍所属のT-34戦車。5月5日に首都プラハで起こった市民の蜂起。抵抗する残存ドイツ兵、寝返って蜂起部隊を支援するROA(自由ロシア軍)。5月8日、ドイツ降伏。9日に赤軍はプラハを占領。一部のドイツ軍部隊の抵抗は11日まで続く。ROA部隊は赤軍の報復を恐れて南進、米軍側に投降...

ベルリンから転戦してきたT-34戦車の砲塔にはベルリン戦で描いた識別用の白帯が確認できます。もっとも、この写真の面白いところはそこではなくて、この戦車の転輪。第2、第4転輪にパンターの転輪を使っていることです。同時に撮影されたSU-85でもパンターのホイールを装着しているのが確認されてます。

(5/2 訂正:※写真のT-34は-85ではなく六角砲塔の-76であるとセータ☆さんより指摘があったので訂正しました。
 その他、車体はSTZ製であったり面白い仕様の車両のようです。詳しくはコメント欄参照)
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前回のあらすじというか、図版の再掲を含めたダイジェストになりますが、このパンターホイールを装着したT-34は撃破したパンターから転輪を引っこ抜いてT-34のサスペンションアームに差し込んでみた即興的なものではなく、おそらくは占領した地区の工場か何かで大量に入手したパンターの予備パーツの利用方法として考案され、走行試験もした「代用転輪」だということです。写真から類推するに、車軸に差し込む転輪のハブはT-34のもの。2枚のディッシュ型転輪をボルトで固定する皿状の部品にパンターのホイールを加工して取り付けたものだと推測しています。

試しにT-34とパンターの転輪の図面のスケールをあわせて重ねてみたら、取り付けボルトの構成などがほぼ一致して簡単な加工で取り付けられるように見えます。写真を観察するとパンターのホイールは8ボルト、T-34のホイールは6ボルトで穴の数は一致せず、そのままでは固定不可能なため穴を開け直しているのが確認できます。
パンター用のホイールの塗装色はドイツ軍から鹵獲したままのダークイエロー。ハブキャップとボルトは当然のことながら4BO:ロシアングリーンだと思われます。

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TAKOMのキットの予備転輪の部品をT-34の転輪ハブに取り付けられるように加工してみます。6穴ボルトの位置を作図してパーツに転記、ボルト穴を0.4mmのドリルで開けてみました。T-34の転輪ハブは、ホイールと別体で部品化されてるキットはないのでプラの汎用材から自作しました。

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といってもプラ棒とプラ板の簡単な細工。WAVEのグレーの5.5mmパイプを3mmの長さに切断。0.5mmのプラ板からサークルカッターで直径9mmのフランジを切り出して穴あけ加工。

d0360340_15421196.jpgプラパイプのカットはテキトーです。同じサイズの部品を切り出すときは、本当はジグとか用意してレザーソーとアルミの切断ガイドなんか使って正確に切り出すのが定石ですが、カッターで見当つけて切っただけです。

便利な道具は、一度プラモ作りから離れた時に全部捨ててしまったんです。レザーソーもアルミの切断ガイドも半田ごても。戦車マガジンの戦場写真集シリーズもモーターブーフの資料本も、タミヤの8輪装甲車もイタレリのオペルマウルティアも。フィールドキッチンも絶版になった時に3セットぐらい買ってストックしてあったけど全て捨ててしまったな。もう一度始めるとはその時思わなかったし。

というわけで、出戻り後の制作環境は以外とローテク。
唯一、引き出しに残ってたのはオリンポスのハンドピースぐらい。高校生の頃、彼女に買ってもらった..とかではないけど大枚はたいて買って大事にしてたものだから感傷があったのでしょうね。まだありますよ、サフとか吹くのに使ってます。
迷彩塗装など繊細さが必要なのものに使ってるのは出戻り後に買ったアネスト岩田の0.2mm(HP-BP)。

話を戻します。ラフに切り出したプラパイプは両面テープで固定してペーパースティックで高さを揃えました。穴の大きさはパイプの穴そのまま。ドラゴンとミニアートのキットではサスペンションアームの車軸の径が違うので使用するキットが決まったときに調整するつもり。

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ボルトを植えてみました。MasterClubのレジンボルト、サイズは0.9mm。ボルトヘッドだけではなく差し込み用の裏足がついているのが便利ですね。下穴をあけて差し込むことで取り付け精度が確保できます。ボルト差込み用の穴は0.6mmに拡張、裏から瞬間接着剤で固定してます。

ハブのフランジを挟んで抱かせる裏側のパンターホイールは、スペアホイールを使うのはもったいないので、通常のホイールの軸を取り、穴をリーマーで拡張して使用。さすがにこちらはボルト穴の加工は省略

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ハブキャップはMiniArtの転輪セットから流用。手持ちのT34/76の転輪混ぜ履き用にと以前に買っておいた「T-34 WHEELS SET 1942-43series」(no.35239)。側面に放熱穴あり、接地面の溝なしタイプです。軸穴はMiniArtのもののほうが正確なのか、太めのドラゴンのキットに使うには穴を拡張するなど一手間かかるのが惜しいですね。早くT-34も出してよ MiniArt。

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パンターホイールと混ぜ履きにするなら、本当はT-34/85でよく使われている側面の穴と接地面の溝のないタイプ、MiniArtの「T-34 WHEELS SET 1943-44series」(no.35239)と併用するのが正解なのでしょうが、今回はハブキャップだけなので購入は見送り。そもそもT-34/85のキット持ってないし。

T-34/85はトップヘビーなシルエットがあまり好みではないということもあったし、MIniArtからリリースされた時にでも買おうと思ってたけど、いっこうに発表されないですね。そうこうするうちにズベズダから新金型で発売されるみたいですが、出来はどうなのかしらね。

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T34 & パンターホイール完成です。TAKOMのキットには4個分のスペアホイールが入っているから、通常のホイールを改造したものと組み合わせれば、4個の転輪が作れる計算。塗装の際にはホイール部分をダークイエロー、ハブキャップは4BOグリーンで塗り分けてみたいですね。

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T-34の純正転輪と組み合わせて並べてみるとこんな感じ。第2、第4転輪がパンターホイール改造転輪。比較用にパンターのノーマルの転輪も上に並べてみました。さっそくT-34/85に装着!と、行きたいところだけど..わが戦線に戦車本体は未受領。

# by hn-nh3 | 2018-05-01 19:00 | 資料 | Comments(3)

1941~1942 (KV-1 vol.3)

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KV-1戦車の鋳造砲塔タイプ。1941年型と1942年型の識別ポイントは大きくは3箇所。車体後部のオーバーハング部分の装甲板形状が丸いかフラットか。砲塔リング部分の幅が車体幅に納まっているかはみ出すか。砲塔後部の機銃マウント周りに補強リングの有無。
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この分類はざっくりとしたもので、実際には1941年型の車体に機銃マウント周りにリングのある装甲強化砲塔を搭載した車両や、その逆の組み合わせの車両もあったりと、なかなか悩ましい。考証の楽しいところではあるけど。
製作中のキットは車体後部が丸くて、砲塔後部の機銃周りのリングがない仕様で、1941年型と言われるタイプ。
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キットの砲塔はタンコグラッド本の図面を参照しているのか寸法的には図面と一致。しかしCADで設計したものにありがちな幾何学的で抑揚に欠ける印象。曲線部分と直線部分もぱっきりと分かれていて、鋳造というより圧延鋼板を組み合わせて作ったようにも見えてしまうので、そのあたりを調整すると雰囲気はよくなる。

まずはエポキシパテを盛ってバッスル下部の鋳造湯口を強調。1942年型の装甲強化タイプでは切断面がフラットで湯口の盛り上がりがはっきりと外観にも現れていますが、1941年型の初期標準型では湯口が砲塔の形にあわせて面取りするように2段の切断面になっていることが多くシルエット的には控えめ。

鋳造湯口はとりあえずパテ盛りした段階で、生産時期による湯口の溶断跡の違いの再現はこの後に行う予定。鋳造のパーティングラインもエポキシパテで再現。型ずれなど溶接跡とは違う表現をなるべく意識。
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キットのバッスル下面の砲塔リングに接する部分の形状が鋭角的でここも鋳造の雰囲気に欠けるところ。入隅の部分にエポキシパテを詰めてラインの切り替わりがゆったりするように成形。

砲塔前面と側面につながる部分のラインも修正。キットでは側面上部の角が面取りされた形状になっていて、これはボービントンの車両でも見られる納まりで正解でもあるのだけど、記録写真でよく見かけるのは全体に面がとれたバージョン。鋳造の木型が複数あったのか、装甲強化型への移行の過程で木型に変更が加えられたものなのかは、もう少し調べてみたいところ。

その他の修正点としては、主観的なものになってくるのだけど全体にパテを薄く盛って側面の曲線と直線部分のつながりをゆったりとした感じに調整。ほんの僅か、厚いところで0.5mmも盛ってはいないのですが、鋳造特有の柔らかいフォルムを表現すべく、直線の部分も定規で引いたような線ではなくフリーハンドで引いたような「ゆるやかな直線」になるように修正しました。砲塔天板の圧延鋼板となる部分はサンドペーパーで面出しするなど対比的な処理をしてます。

鋳造肌の表現はラッカーパテではなく、瞬間接着剤を楊枝でぐりぐりと塗り伸ばして肌荒れを表現。シアノンにベビーパウダーを混ぜてペースト状にしたものと原液に近いもの、粘度の違う瞬間接着剤のペーストを塗り重ねて鋳造肌の粒子感を調整。ニュアンスの調整がしやすいので最近はいつもこの方法。
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砲塔の車長ペリスコープに従来タイプの筒型ではなく、角形のタイプをつけてる車両も見かけます。レンドリースで送られたバレンタイン戦車のMk.4型ペリスコープをコピーしたもので、写真の車両は砲塔機銃周りに補強リングのある装甲強化型(別アングルの写真で確認)。1941年型の標準型の鋳造砲塔で搭載例があるのかは要確認。

(5/2訂正:※角形のペリスコープはMk.4のコピーではなく別種の間接視認装置とのこと。STZ製T-34にも同様の搭載例あり)

Mk.4型ペリスコープを搭載した車両の写真自体は見つかるのですが、1941年型に多い標準型の鋳造砲塔なのか、1942年型で見られる装甲強化型砲塔なのかを識別するのが以外と難しい。識別ポイントとなるのは砲塔リング周りの広がりや機銃マウント周りの補強リングですが、確認できるアングルではなかったり、砲塔後部が見えても機銃周りの補強リングがあるにはあってもはっきりとしない浅い感じのものもあったりして、なんとなく標準型から強化型への移行過程の中間型もあるような気もしないでもない。

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1941年型車体で気になる事例写真。出典はPeko本の「KV TANKS ON THE BATTLE FIELD」から。車体後部のハング部分が丸い1941年型の車体にスプリットタイプの履帯を装着。この車両、エンジンデッキのアクセスハッチが1941年型では一般的なドーム型の膨らみのあるタイプではなくフラットなタイプを使用しているようにも見えます。...誘爆でハッチが吹き飛んでしまっただけの可能性もありますが。

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同じくPeko本からの出典で、車体後部のハング部分が丸い車体で、エンジンアクセスハッチにフラットなタイプを使用しているのがよくわかる事例。ただしキャプションにはM17エンジンを搭載した車両からの改造車の可能性あり、との記述で事例としては少しややこしい。

d0360340_23161333.jpgこれもPeko本からの事例。1941年車体の車両でエンジンアクセスハッチはおそらくフラットなタイプ。

トランペッターのキットには1941年型、42年型ともにドーム型のハッチしか入ってないけど、1942年型への移行期の仕様として、このフラットなハッチは模型で再現してみたいポイント。

写真の車両、鋳造砲塔は初期の標準型で一般的な砲塔基部の膨らみがないタイプに見えるものの、機銃周りのリングの有無が確認できないので判断はつかず。

仮に砲塔も標準型から装甲強化型へ移行する中間型があるならそれも再現してみたいところで、生産時期によって変わってくる鋳造湯口の処理を保留にしている理由はそんなことだったりするのだけど、果たして中間型と言うようなタイプが実際にあったのかの確証はなし。

鋳造砲塔の初期の標準型と装甲強化型の違いは外観の印象以上に図面的な寸法の違いは大きく、冒頭のタンコグラ本の図面を信じるなら、装甲強化型では1/35換算で砲塔の幅が4ミリ、長さが3ミリ拡張されていることになる。室内側は寸法が変わると機器のレイアウトに影響がでるから単純に外側に増厚されたとするなら、側面で70ミリ、前後面でそれぞれ50ミリの増加と、にわかには信じがたい寸法。強化型では最大120ミリ厚の装甲になったとのことだが、鋳造砲塔の標準型の装甲厚がわかる資料がなく、砲塔サイズの変更部分が検証できていないものの、標準型と装甲強化型では基本設計自体も少し変わっているのだろうか。少なくとも機銃周りに補強リングを追加しました的な単純な変更ではないことは確か。

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d0360340_10212068.jpgエンジンのアクセスハッチをフラット型に改造してみます。ドーム型のハッチの中央部分を切り飛ばして0.5ミリのプラ板で置き換え。リングガードは積層したプラ板。リングガードの上面に見えるバーナーで鉄の厚板を溶断した切断痕はカッターで入れた筋目に接着剤を塗って溶かして表現。パネルへの溶接の再現は接着剤で溶かした伸ばしランナー。

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d0360340_10314439.jpgエンジンデッキ後部の丸型の点検ハッチは、1941年型では周囲とフラットに納まるタイプ。キットは42年型とパーツを共通にしたのか、一段盛り上がってハッチの縁が面取りされた形状なので要修正。キットの車体側のハッチの穴をリーマーで拡張してプラ板で裏打ちの後、ハッチを落とし込み。ハッチの縁には瞬着パテ(シアノン+ベビーパウダー)を盛って削って成形。地味に手間がかかる割には結果として見栄えのしない改造。

タミヤのキットだったらちゃんと再現されてる部分でそんなことする必要もないのに…と模型の神様が言うのが聞こえてきます。なんだろうこの報われない充実感。

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こんな写真もあるよと、追い討ちをかけるように神様が言います。鋳造砲塔で車体後部のハング部分が丸い1941年型の車両と思われますが、例の丸型ハッチが一段盛り上がっているようにも見えます。1942年型のハッチが既に使われ始めている事例なのかしら? ハッチをわざわざ修正する必要はなかったのか....(汗)

しかし、この丸型ハッチの変更は車体後部の形状変更によるエンジンデッキのパネル寸法の変更とセットな気もします。ひょっするとこの車両は1941年型以前のタイプで、皿形ハッチを装備した車両からの改造車という可能性も。たとえば、フェンダー上の予備燃料タンクの存在からの推理でM17エンジン搭載車とか。上掲のPeko本のエンジンデッキのフラットハッチがわかる写真の車両もキャプションでM17エンジン搭載車とする根拠はフェンダーに残る筒型燃料タンク取り付け基部が存在することとなっています。

予備タンクの有無とM17エンジン搭載の因果関係を示すソースが何にあるかを知る必要はありますが、1941〜42年型車体で筒型燃料タンクを積んだ車両はチラホラ見かけるので気になるところ。

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車体前面の増加装甲。車体への溶接痕を伸ばしランナーで追加。位置を修正したライトコードのスリットに配線用チューブの部品を取り付け。キットの部品を利用して、写真ではわからないけど端部に配線用の銅線を差し込める穴を開けてあります。

上方に延長された増加装甲の切り欠き部分からのぞくペリスコープカバーは先端が装甲板より少し前に飛び出ているように見えるので、一度接着してあったパーツをエナメルシンナーで剥がして位置を修正。このカバーの位置は車両によってばらつきがあるようなのでキットの位置そのままでも間違いではなさそう。

ボービントンやアバディーンに残る実車でも確認できる上方に延長された車体前面の増加装甲。これは第200工場で作られた車両に見られる特徴で、上部に伸びてないタイプはウラル戦車工場(UZTM)製の車両だとか。Peko本や複数の文献でその記述があります。

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チェリャビンスク・キーロフ工場(ChKZ)で撮影された写真に写っているのは車体後部のオーバーハング部分がフラットになった1942年型車体で車体前面の増加装甲は上部に延長されたタイプ。砲塔は鋳造砲塔(強化型?)と溶接砲塔の2タイプ。鋳造砲塔は上面装甲板が組み継ぎになっていることが確認できます。

エンジンアクセスハッチは、従来からのドーム型のふくらみのあるタイプを使っていたりして、これまた悩ましい。細部の仕様のバリエーションが生産時期によるものなのか組み立て工場の違いによるものなのか、もう少し整理する必要があるのかも...

(5/2追記:※フラットタイプのハッチはM-17T ガソリンエンジン搭載車用とするのが近年の有力な説のようです)


かば◎さんのブログでトランペッターの1942年型鋳造砲塔型の連載?が始まったので、KVに関する様々な謎が解き明かされることを期待。そちらも参照のこと


5/2 追記訂正:角形ペリスコープとフラットタイプのエンジンアクセスハッチについて、かば◎さんとセータ☆さんより情報をいただいたので記述を修正しました。

# by hn-nh3 | 2018-04-28 11:54 | KV-1戦車 | Comments(9)
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なんとなく作り始めてしまったKV−1。2、3日で形になってしまうのかと思いきや、調べ始めるとそれなりに手をいれる必要ありそうなところも見えてきて、気になることころをチマチマと工作中。
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KV-1 1941年型の76.2mm砲身はZIS-5。キットの砲身もスライド金型つかって砲口が開口されているのですが、今回はアフターパーツの金属砲身に交換。

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というのも、キットの砲身の穴は偏心していてなんとなく気持ち悪い。幸いRB-Modelから安価なアルミ削り出し砲身がリリースされているので、迷わず購入しました。ライフリングも切ってあったりして、キットの砲身を修正する手間暇考えたら、こっちのほうが断然お得。

ただちょっと困ったことに、このアルミ砲身。タミヤ用につくられたのか、パーツの基部の形がトラペのキットにはちょっと合わない。キットにあわせてパーツの基部を細く削りこむ必要あり。

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d0360340_19115168.jpg履帯はMasterClubの連結式メタル連結式。スプリットタイプと言われる、2分割のピースとノーマルなピースを交互につないでいくタイプで、1942年型でよく見られる履帯ですが、1941年型でも使用例を確認できます。

履帯幅は700mmで1/35だと2cm。高精度な造形で右のキットの履帯と比べると、段違いにリアル。トランペッターのキットのものも悪くはないのですが、こうやって比べてしまうと...

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d0360340_19325868.jpg2分割のピースにはセンターガイドがないので、ガイドが1つおきに見えてくるのが、スプリットタイプの識別ポイント。交互ではなく10個おきぐらいでつないでいる事例も見かけます。ピッチはトランペッターのキットと同じで、キットの駆動輪に問題なく嵌ります。

MasterClubのメタル履帯はあらかじめピン穴があいていて、レジンボルトを差し込んで連結していく形式。フリウルなどの針金でつないでいく方法に比べてリアルな仕上がりですが、組み立てには手間がかかりますね。フリウルの履帯はテレビ見ながらでも組み立てられるけど、MasterClubはヘッドルーペ無しではまず不可能。

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d0360340_19445497.jpg転輪は全鋼製タイプ。緩衝ゴムも省略されたタイプで乗りごごちはどうだったんでしょうね。
キットのもの(左)は厚ぼったくで実感を損ねているので、外周と三角のリブのエッジを削り込んで薄く見えるように修正(右)

拡大してみると、厚みが均一でないとかアラは見えますが、この程度であれば塗装してウェザリングしてしまえばまあ気にならないと思います。外周のリムは内側から削り込んだほうが本当はいいのだけど面倒なので外側を削ったので直径が0.5mmくらい小さくなったかも。

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車内の増加装甲。操縦手前面の装甲板は事例を見ると、砲塔リングの保護のためなのか天板より上に伸びているタイプが多いので、プラ板を貼り足して再現。と、作ってみたところで、ライトコードのスリットの位置が実際と異なることに気がつきました。おそらくはキットは1940年型とパーツを共用していて、1ライトコードの位置が1940年型のままになっているのか.... 開けたコード用のスリットを埋めて作り直し。

事例写真をキットの寸法にあわせてPhotoshopで遠近補正。修正用の型紙を作成。

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型紙と合わせながら、配線用スリットの位置決め。増加装甲の機銃マウント周囲の丸い切り欠きが少し小さかったのでカッターでカリカリと穴を拡張。増加装甲を本体に貼ってしまった後の修正作業だったので、意外と手間がかかった...




# by hn-nh3 | 2018-04-24 20:24 | KV-1戦車 | Comments(2)
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土曜日の築地市場。移転まで半年を切ってはいるものの風景はいつもと変わらず。魚河岸横丁(飲食店エリア)の人気店に観光客が長い行列をつくる横を抜けて売り場に向かう途中でふと横を見ると...
いるじゃないですか!モートラ。丸型ヘッドライトの「モートラック」を発見。

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場所は茶屋(買荷保管所)付近。いつもこの時間にここに止まっているのだろうか。だいたいそれぞれのターレーは持ち場が決まっていて、走っているエリア、止めてある場所が決まってるので、あの車両はこのあたり、というのがあるのだけど。これは気がついてなかった。あるいは最近どこからか来たのかしら。

d0360340_06080691.jpgターレーと言われる構内運搬車にはいくつかのメーカーがあって、築地市場では朝霞制作所の「ターレットトラック」、ニチユの「エレトラック」、関東機械センターの「マイテーカー」などが主流。

富士重工製「モートラック」については以前にも記事(ケイゾク:Turret-truck vol.3 )で書いたことがありますが、かつては場内の風景というと黄色いボディに丸いライトの通称:モートラが占めていた時代も。築地市場に最初に導入されたのはモートラだったとか。
しかしガソリン車から電動車への切り替えやリース会社との関係なのか、ここ10年ですっかり姿を消して、自分の写真の中でも2015年の1台が最後で、築地市場では「絶滅」したのかと思ってました。

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いやはや、うれしい発見。丸型ライトのガソリンエンジン車です。とはいえ、あの往年の黄色いボディではないので、後発のモデルでどこかの市場で使われていたものが移動してきたのだろうか。

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築地市場場内ではこんなターレーも。ガソリンエンジンの旧型のマイテーカーですが、ボディに「横須賀魚市場」と書いてあります。元は横須賀で使われていた車両なのでしょうか。セコハンのターレーをやりとりする中古車市場でもあるのかしら。この横須賀ターレーは3〜4台くらい、水産棟と青果棟の間の旧時計台あたりでいつも見かけます。

d0360340_06383549.jpg現在主流のエレトラック。バッテリーモーターの電動車。バックガードの低いショートボディの積載1t仕様です。仲卸の売り場の辺りに多いのは小回りのきくこのタイプ。
バックガードにラップを巻きつけてあるのは市場内でよく見かけるカスタマイズ。発泡スチロールのトロ箱の蓋を挟んで背中のクッション代わりにして、ペンや帳簿を差し込んで走ってたりします。

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築地市場場内 旧時計台 2018年4月 




# by hn-nh3 | 2018-04-22 07:23 | ターレットトラック | Comments(2)

はじめてのKV-1

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KV-1 1942 (写真出典:Bundesarchive/wikimedia commons)

先日チラ見せしたトランペッターのKV−1。仮組みで箱に戻すつもりが、ちょっぴりやる気モードにシフト。キットの検証やらディテールの考証など、あれこれ調べているうちに気がついたら、いつのまにか接着剤とか使って組み立て始めている始末。

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KV-1戦車のキットといえばタミヤの往年の名作キットやトランペッターから各種バリエーションがリリースされてますが、自分で作るのは実は初めて。出戻り後もそれ以前の出奔前もなんとなく縁がなくて、今回再販されたトランペッターの「mod.1942 Heavy Cast Turret」が自分にとってはKV-1入門キット。

キットのタイトルは少し変ですね。車体後部のオーバーハング部分が丸型のタイプに、装甲強化前の標準型鋳造砲塔を組み合わせた1941年型と言われるタイプ。現存車両としては、アメリカのアバディーン、イギリスのボービントンに残っているのがこのタイプですね。砲塔後部機銃マウント周りに補強リブがなく、砲塔基部下端が側面の増加装甲外面の内側に納まっているのが初期の標準型鋳造砲塔の識別ポイント。

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タミヤのキット「KV-1 C型」もこのバージョン。これらの車両を取材したと思われます。エンジンのアクセスハッチはドーム状のふくらみのあるタイプ。

現存車両 Walkaround:

d0360340_09013096.jpgこれに対して装甲強化型砲塔 1942年型といわれるのはフィンランドのパロラに残るこの車両のバージョン。
砲塔機銃座の周りの補強リブ。鋳造の湯口の切断痕は大きめ。車体後部装甲板はフラット。エンジンのアクセスハッチはフラットで砲塔リングの保護ガードが溶接されてるタイプ。
(現存車両写真出典:wikimedia commons)

これらのバージョンを含めた各年式の違いをビジュアルでざっくりと紹介しているページはココ。

日本語のサイトでは伝説的なサイト:T-34 maniacs の姉妹板で KV maniacs というのがあったのだが、サーバーの関係で既に閲覧できなくなっているのが残念。
そんなことになる前にちゃんと勉強しておけばよかった。少年老い易く学成り難し..

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手持ちの資料としては、Tankograd のKV−1(LateVariants)/Soviet Special No.2003 が良本。1/35スケールの3面図。記録写真、博物館車両のwalkaroundなどなどコンパクトによくまとまってます。

d0360340_09581937.jpgその他には、Peko本の KV TANKS ON HTE BATTLEFIELD。グランドパワー2017.8月号別冊ソ連軍KV重戦車、などが手元に。
まあ、あまり大きな声ではいえないけど、Wydawnictwo MILITARIA のKV(KW)シリーズ:no.163、168、320 なんかはロシア語サイト経由で.....

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トラペのKVシリーズにはトラップがいくつかあるらしい。その1。第一上部転輪が後ろすぎる。3mmほど前に移動させる必要あり。写真は取付用の穴を開け直した修正後。6つ穴があるうちの2つしか使わないので、修正も2箇所だけ。露出する不要な穴は伸ばしランナー充填で塞ぎ。

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その2。駆動輪の歯の取り付けボルトの位置関係がずれているという罠。スプロケットの歯とボルトが一対一対応するのが正解。
キットのリベットを削ぎとって、下穴あけてMasterClubのレジンボルト(1mm)を植え直し。とりあえず1個のみ試作。
実車の写真を見ると、スプロケットの歯のリングとボルト部分のリングの段差がキットは少しオーバースケール。スプロケットの厚みを削って段差を低くするのがイメージ的にはよさそうだが履帯との嵌合を検証する必要があるので、ひとまず保留。

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その他、気になるところとしては、キットの全鋼製転輪(写真下)のリムが厚ぼったい。鋼製上部転輪も同様。誘導輪(写真上)はちゃんと薄いところは薄く表現されているので、プラスチックの成形厚などの技術的な問題ではなさそう。

車両によって違いがある部分としては、車体前面の操縦手バイザー周りの増加装甲板は、上端が車体天板よりも突き出した納まりが鋳造砲塔バージョンでは一般的か。タミヤのキットが参照したと思われるボービントンの車両は増加装甲上部の角が面取りされているちょっと珍しい仕様。

ちょっと悩ましい問題。エンジンデッキにある2つの丸型ハッチは年式によるバリエーションの変遷がある部分ですが、このキット(1941年モデル)では別キットの1942年モデルとパーツランナーを兼用したのか、エンジンデッキの丸型ハッチはデッキより1段盛り上がってハッチの縁にテーパーがついたタイプが入っています。1941年型車体ではエンジンデッキと同一面で納まり、縁にテーパーのないハッチが一般的と思われます。テーパー付きハッチの使用例があるのかは未確認。
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エンジンのアクセスハッチはドーム型のふくらみのあるタイプが入っています。これは上記の博物館車両でも確認できる仕様で正解なのだけど、時期によっては(1942年型車体で一般的な)フラットなタイプを1941年型車体でも使っている事例が確認できます。MilitariaのNo.320 KVシリーズ vol.3 P62 の記述によると、1941年8月よりフラットなタイプが使われたとあるので、生産途中で変更があったのか。確かにフラットタイプを装備した車両をPeko本でも確認できます。ただ1942年車体の溶接砲塔のバージョンでドーム型のふくらみのあるハッチを装備している事例も見たことがあるので、新部品の普及状況がどのようになっていたのかはもう少し事例を集める必要がありそう。

そもそもこのタイプのKVを作る理由になっている購入済みのMasterClubのKV用700mmスプリットタイプの履帯を使おうとすると、1941年車体のエンジンデッキのハッチはフラットなタイプにする必要があるかもしれない。

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キットに入っている鋳造砲塔は初期の標準型。後期の装甲強化型に比べて砲塔基部の膨らみがなく、バッスル下面の鋳造湯口は控えめ。ただキットのものは湯口が表現されてはいるものの控えめすぎるので、エポキシパテなどで少し強調したほうがいいかも。
砲塔の天板は装甲強化型の砲塔では組み継ぎになっているタイプと従来の付き合わせの2パターン。初期の標準型でも事例をあれこれ砲塔側面天端のラインを見てると組み継ぎタイプも存在してそうな予感。ただし写真の限られたアングルでは装甲強化型との識別が難しいこともあり、このあたりはもう少し検証が必要。

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ん? この写真の砲塔は天板が組み継ぎになっているタイプかな? 一見して標準砲塔にも見えたものの、砲塔下面のラインと側面の増加装甲との関係を見ると装甲強化型のようにも思える。砲塔側面の勾配が変わる部分が(マーキングで)わかりにくいので標準型なのか装甲強化型なのかは判別しにくい。砲塔の原型が複数あるのかディテールが少し異なるようにも見える。あるいは標準型/装甲強化型という分類以外にも細かなバリエーションが存在しているのか..

フェンダーステイの基部は、キットではあらかじめ車体にモールドされたボルトジョイント用のフランジを削り落として溶接接合のディテールにするように指示。1941〜42年型ではこの仕様が一般的かとも思うが、左の写真の事例のようにボルト止めのタイプもあった様子。ただしこの車両。操縦手ハッチが以前の皿形のタイプなので中古の車体と新型砲塔を2個イチにした車両かもしれない... フェンダーステイの基部の話。ミシリンのキットレビューでもフランジの有無の話があったように記憶 ...ということでモールドの削り落としはもう少し考えてから。

とりあえずここまでが製作前の予習の成果。

# by hn-nh3 | 2018-04-19 20:01 | KV-1戦車 | Comments(2)
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T-60軽戦車 第264工場製(全鋼製転輪・丸型ハッチ仕様)完結編。
SUMICONでは先に公開したジオラマですが、再録にあたり備忘録がてら、これまでの製作記のインデックスとマテリアルリストを文末に追記。
写真は全てクリックで拡大(1600px)

ROSTOV 1942.8

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1. 19427月25日。ロシア南部の要衝、ロストフ陥落。

  スターリングラードへと退却していく赤軍の戦車部隊。


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2. エンジントラブルで道路脇の麦畑で停止中のT-60軽戦車。

  原因はラジエーターの水漏れによるオーバーヒートか。


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3. 僚車の救援を待つ間、束の間の休憩をとる乗員2人。

  配属されて数ヶ月。幸いにして大きな戦闘には未遭遇。


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4. 地平線の彼方まで続く8月のライ麦畑。

  後にしてきた街を思い出す。


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5. 8月23日。ドイツ軍はスターリングラードに総攻撃を開始。`

  彼らの乗る5号車についての記録は残っていない。



記事INDEX

[T-60製作]

T-60 (Plant no.264) vol.1

264沼(前編):T-60 (Plant no.264) vol.2

264沼(後編):T-60 (Plant no.264) vol.3

重箱の隅:T-60 (Plant no.264) vol.4

内部塗装:T-60 (Plant no.264) vol.5

264+264T-60 (Plant no.264) vol.6

諸々:T-60 (Plant no.264) vol.7

ひとまず工作完了:T-60 (Plant no.264) vol.8

4BO+5T-60 (Plant no.264) vol.9

増加装甲を作る:T-60 (Plant no.264) vol.10

フェーディング1回目(油彩):T-60 (Plant no.264) vol.11

フェーディング2回目(油彩):T-60 (Plant no.264) vol.12

泥とか埃とか:T-60 (Plant no.264) vol.13


[ジオラマベース]

[フィギュア]

[その他考察]

4BO


[DATA + MEMO] ※more.. クリックで追記が開きます。



More
# by hn-nh3 | 2018-04-18 06:25 | T-60軽戦車 | Comments(2)

模型的日乗 4月

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野に山に花咲く季節。ニッパーを捨てて街に出よう。下北沢や秋葉原など散歩して見つけた今年の春のお買い物。

d0360340_11573682.gifSTAR DECALS:1968年、プラハの春と言われるチェコの民主化運動に軍事介入したソ連・ワルシャワ条約機構軍のT-55/54戦車ナンバーのデカールセット。5種類の車体が再現可能。

今年、2018年は「ダニューブ作戦50周年」なんだそうな。
当時、ワルシャワ条約機構の同盟国の一員であったチェコスロバキアに介入して民主化の芽をあっさり摘み取ったこの作戦。1968年8月20日の深夜、ソ連・ワルシャワ条約機構軍がチェコ国境を突破して首都プラハに侵攻。「同盟国」のチェコも同じT-55戦車を装備していたので、敵味方の識別用の白い十字のマーキングを施した戦車の群が、朝になったらプラハ市内の街路や広場を占拠していたという出来事。

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(photo : Josef Koudelka / Invasion 68: Prague)

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突然にこんな風景ですよ。びっくりなんてもんじゃないですね。改革を主導したチェコ共産党第一書記のドプチェクは拘束されてモスクワに連行。

軍事介入に抗議するプラハ市民の様子を写真に撮って西側世界にフィルムを託した写真家、ジョセフ・クーデルカの話は前に書いた記事:8月のプラハ(1968)を参照。

「ダニューブ作戦」に投入された白い十字をまとったT-55/54戦車。
自由を求める市民の敵と見るのか... 行き過ぎた政治から解放する十字軍と捉えるのか... どっちの側から見るかで変わってくる話でもあるし、その答えは歴史に委ねるとしても模型的には少し気になるアイテム。

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(photo : Josef Koudelka / Invasion 68: Prague)

d0360340_17522832.jpgバリケードを作って抵抗する市民とT-55の上で銃を構えるソ連戦車兵。ペンキ缶を投げつけれらたこの車両はデカールの[A]のセットで再現できます。

ロシアのガレージキットメーカー:TANK(タンキ)から、上の写真の兵士たちがフィギュア化されるニュースもありましたね。

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(photo : Josef Koudelka / Invasion 68: Prague)

おっちゃんに石を投げられてるこの戦車はT-55か。現用戦車には疎いのでプラハに侵攻したT-54AもT-55もみんな一緒に見えてしまうのですが、ここ数日調べて、なんとなくわかった識別ポイント。

T-54A:
・砲塔上部にお椀を伏せたようなベンチレーターカバーがついている
・砲塔右側の装填手用ハッチ基部が左側の車長用キューポラ同様に盛り上がっている
・この型より車体後部の燃料ドラムタンクが標準装備。
上のカラー写真に登場する027号車はT-54A。デカール[E]のセットで再現可能。

T-55:
・砲塔上部のベンチレーターカバーがなくなりフラットになる
・砲塔左側の車長用キューポラのボルトジョイントが露出
・砲塔右側の装填手用ハッチがフラットになる

T-55A:
・砲塔左側の車長用キューポラの周りに放射線防護カバーがつく

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白の識別帯は砲塔頂部で十字にクロスしているパターンと横帯が砲塔ハッチで途切れている2つパターンがあるようです。これの法則性は要リサーチ。

広場で市民に取り囲まれる戦車群は砲塔のベンチレーターカバー無し、フラットな装填主ハッチ。車長キューポラ周りのボルトなどの特徴からしてT-55戦車。
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(photo ; Franz Goess / 1968.8.21)

1968年の話なので、カラー写真も結構残ってます。この車両はT-62でしょうか。

d0360340_18161782.jpgちょうどこの年の8月にリリースされたビートルズの「ヘイ・ジュード」を歌い自由を求めたプラハ市民。そんなことを想像しながら戦車にデカールを貼るのは、なんだかアンビバレンツな作業になりそうです。...そうか50年前の曲になるのか... 既に歴史の1ページになってしまうのかと思ったら、自分の生まれた年だったりして...

現用戦車というとずいぶん大きな車体をイメージしますが、T-54/55はとてもコンパクトな車体で「大戦期のKV戦車より車体長、幅ともに小さい」ということを知って少しびっくり。

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もう一つの買い物。KV-1 鋳造砲塔1941年型。再販なったトランペッターのキット。

d0360340_13551462.jpgキット名は「KV-1重戦車 1942年型 鋳造砲塔」。車体後部装甲が丸い形状の前期型車体。砲塔の後部機関銃座の周りの補強リブなしの初期型鋳造砲塔。
タミヤで「KV-1C」という名前でキット化されているのと同じタイプですね。

どうせ買うなら車体後部装甲が斜めの直線になった1942年型か、タミヤでキット化されてない溶接砲塔とかにすればいいのに、とも思いましたが、このタイプの形が好きなんですね、やっぱり。
模型映えするなら、ボルトオン増加装甲(エクラナミ)など、前なら迷わず買ってたと思うけど、なんとなくあっさりしたのが好きですね、最近は。 歳とったかな.... カツカレーよりも煮魚。寿司屋でつまむのも中トロより干瓢巻き。 

キットの値段も2000円そこそこと発売当時と値段が変わらないのも嬉しいところです。しかしなぜ今、KV戦車なのかというと。私、1995年頃から2010年まで模型づくりから離れてたんですね。だからトランペッターからKVシリーズが相次いでリリースされた時とか緑箱の名作を発表していたドラゴンの黄金期は全く知らないんですよ。

2011年に模型づくりに復帰したものの、空白の時期にリリースされたキット群は既に市場になく、いつか再販された時には...なんて思って、本体も持ってないのに魔が差してMasterClubのメタル履帯を先に買ってしまったりしたので、今回の再販は嬉しい出来事。

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MasterClubの履帯は、KV用スプリットタイプ。2分割でセンターガイドのないピースとセンターガイドのあるノーマルなピースを交互に繋いだ1942年型でよく見かけるパターン。いつ頃からこのタイプが採用されたのかよく知らないのですが、1941年型前期車体/鋳造砲塔の車両でもこのスプリットタイプの履帯を履いている写真も残っているので、このキットの組み合わせはエラーではなさそう。

トランペッターのKV-1戦車。箱を開けて部品の少なさにびっくり。その気になれば1日で組めてしまいそうですが、第一上部転輪の位置が違うとか、いくつかのトラップがある様子。作る前に少し調べてみないと思わぬ罠にかかりそう。
ん? もう組んでるじゃないかって... いやパーツの勘合とか調整箇所を確認するための仮組です。カ..リ..グ..ミ。


# by hn-nh3 | 2018-04-11 18:11 | 日々 | Comments(4)