断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

タグ:スプートニク ( 3 ) タグの人気記事

月にiPhone

d0360340_07335894.jpg
昨日の皆既月蝕。何でも「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」という特別な月だったらしい。空にiPhone向けて撮ってみたら、ただの小さな赤い点。ちょっと物足りなかったから月の軌道を加筆してみたよ。

iPhoneでの写真撮影。日頃は不自由を感じることもなく便利でこのブログの写真も半分くらいはiPhoneで撮った写真を使っているけど、こういう時は光学望遠レンズを積んでない弱みを感じますね。月にiPhone... 完璧無比なものはないことの喩えか。

せっかくの月だし、とズームレンズ付きコンデジを空に向けるも暗い夜空にセンサーが惑わされてシャッターが切れなかったり、カメラのプログラムが余計な気を回してISO感度をあげるもんだから画質は荒れるわでさっぱり使い物にならず。マニュアル設定で調整しながら撮ればいいのだろうけど..... それに比べて空に向けるだけで大きさ以外は普通に月蝕が撮れてしまうiPhoneの優秀さとは一体何だろう。ブツ撮りの時に樽型収差とかに悩まされることもないし。

愛用のiPhone6S。最近やっぱりのキルスイッチが入ってしまったらしく、どうもカメラの反応が鈍い。GoogleMapも途中でよく落ちるし。潮時なのだろうけど、この時期に買い換えるのはちょっと迷う。まだまだ発展途上のⅩにするのか外見的には変化のない8にするのか...

d0360340_08341106.jpg
皆既月蝕記念にRed Iron Modelsのレジンキット、スプートニク1号を組み立ててみました。パーツ構成など以前の記事:Спутник-1を参照。

組み立てはいたって簡単。半球状に2分割された本体を貼り合わせて、4本のアンテナ基部をはめ込みます。ガイドの穴がちゃんと穿たれて位置も違わずセットできるのは嬉しい配慮。アンテナのロッドは0.5 mmのピアノ線に置き換えました。キットにはアンテナ用に丸めた銅線が同梱されてましたが、それではヨレヨレになってしまうでしょう。
アンテナの取り付け部にドリルで穴を開けないと弱いかなと追加工作が億劫になってたのですが、見れば何と、ちゃんと差込み用の穴がレジンパーツに空いてるじゃないですか。そんなこんなで組み立ては15分ほど、月蝕の間に完了。

スプートニク1号。アルミニウムの球体に4本のアンテナがついてますが、実寸で2.4mのアンテナが2本、2.9mが2本という構造。電波の送信用と受信用なのかなと思って調べてみたら、どちらも送信用。20メガヘルツと40メガヘルツの2つの無線送信機を積んで地球に向けて電波を発信、世界各地で観測されたそうです。

地球からの応援の声も聞こえず、暗い宇宙の中で僕はここにいるよと電波を発し続けていたのね.. 宇宙を初めて飛んだ人工衛星の孤独を知って、ちょっとしんみりとした月蝕の夜でした。


by hn-nh3 | 2018-02-01 18:24 | 模型 | Comments(0)

SATELLITES

d0360340_05571586.jpg
1961年4月、ユーリィ・ガガーリンは、ボストーク1号に乗って地球の周りを一周、1時間48分の人類初の有人宇宙飛行のミッションに成功。
写真は地球に帰還した再突入カプセル。大気圏突入時の焼け焦げがリアル。
ソ連の宇宙船が戻ってくる時に、アメリカのアポロ計画のように海に着水するのではなく、ソ連南部(現カザフスタン)の草原砂漠に落ちるというのを知ったのはずっと後になってからだが、この写真を見てると別の惑星に着陸したSF風景のようでもあり、最新技術を駆使した宇宙船といえど物体を空にを打ち上げてそれが再び地上に落ちてくるだけというような妙な物質的生々しさを感じる。
旧ソ連のSF映画、例えば「惑星ソラリス」とか「不思議惑星キンザザ」に感じるざらっとした非日常感はそんなところから来てたのかもしれない。

d0360340_06193935.jpg
Satellites -Photographs from Fringes of the former Soviet Union:Jonas Bendiksen 2006

草原に舞う白い蝶と宇宙船の残骸。まるでSF世界のような不思議な写真に惹かれてこの本を買ったのはずいぶん前のことだった。落下してくる衛星の残骸と、そんな宇宙からゴミが降ってくる日常があるソ連の辺境地帯(衛星都市、衛星国家)、社会主義というイデオロギーで諸民族をまとめた実験国家の残骸。Satellitesという本のタイトルに何か響くものがあった。

d0360340_06434564.jpg
”Satellites -Photographs from Fringes of the former Soviet Union”

写真家 Jonas Bendiksen が世界の果てのようなソ連の周辺地帯の日常風景を撮り歩いた写真集。版形18.3×23.7cm 152P 出版 2006年

当時、5000円くらいで買ったような記憶がありますが、なんだかいつの間にかプレミアついてしまってますね。でも今は本を買わなくとも彼のサイトで掲載写真を閲覧することができるようになってます。
>Jonas Bendiksen Satellites

ロケットの打ち上げは赤道に近い方が有利なのだそうです。ロケットの加速に地球の遠心力を利用することで燃料を節約できて打ち上げの費用を抑えることが可能。だから大抵はその国の南側、例えばアメリカはフロリダのヒューストン、日本は種子島のJAXA宇宙センターなど、周囲に人家の少ない海の側にロケット基地を作っています。
ソ連は南側に海はなく、広大な草原や砂漠のある南部地域(現カザフスタン)にバイコヌール宇宙基地を作ってロケットの打ち上げと宇宙船の回収を行ってます。

スペースシャトルが退役して以降、ISSなど宇宙施設への往復は専らロシアのソユーズロケットが使われるようになって、帰りの宇宙船がカザフスタンの草原に着陸(落下)する風景はテレビでも目にするようになりましたが、打ち上げの際のブースターロケットなどの「宇宙ゴミ」も草原地帯に降ってくるということはあまり知られてない事実です。

d0360340_08004406.jpg
写真出展:Satellites -Photographs from Fringes of the former Soviet Union:Jonas Bendiksen 2006

この本では「宇宙ゴミ」の降る日常が写ってます。まだ燃料が残って炎をあげたまま落下するブースターロケット。残骸を金属屑として回収するブローカー。上の写真はどことなくファンタジックな風景にも見えるけど、またそれが日々の糧になっている現実。発がん性物質を含む有害なロケット燃料による環境汚染といった問題も。

d0360340_08040458.jpg
落下したロケットや人工衛星の写真集かと思って買うとある意味がっかりするのですが、この本の主題はそこではなく、旧ソ連の辺境のエリアだった場所で暮らす人たちの風景にあります。

辺境、周縁などという言葉を使うと、それは中央からの視点になってしまいますが、モスクワからは遠く離れて目の届かないような場所、見捨てられた街、世界の果てのような遠い現実のような風景。そんな世界の片隅もそこは紛れもなく現実。
ソ連崩壊後の民族運動と内戦、宗教的な迫害、国境地帯の麻薬の密輸。ロケットの落下する日常も。

バイコヌール宇宙基地は、初の人工衛星スプートニクやガガーリンの宇宙初飛行など旧ソ連の宇宙開発の輝かしい歴史を担った場所です。ソ連崩壊後、その地はカザフスタン共和国になったため、ロシアは年間1億6500万ドルを払って租借しているそうです。落下事故や環境汚染といった問題も抱えつつもカザフスタン国家にとってはいい家賃収入になっているのかも知れません。

ちょうど朝のテレビのニュースで日本人宇宙飛行士がソユーズで宇宙に飛び立ったことを伝えていますが、TVの向こう側の村ではまたいつもの天気予報のようにロケットが降っているのでしょうか。


by hn-nh3 | 2017-12-20 08:28 | 写真 | Comments(0)

Спутник-1

d0360340_05073226.jpg
Спутник-1 買ってしまった.. スプートニク1号。RED IRON MODELSからリリースの1/35のレジンキット。

d0360340_05104355.jpg
この手の買い物はGMUKAミニチュアから。宅急便の箱にはお約束の猫スタンプが押してあります。
このところ本業が多忙を極めて、ニッパーを握る時間もろくろく確保できない状態が続いてます。すると高まるのは買い物衝動。購入ボタンを押すのに躊躇がなくなって、ついつい余計なものにまで手を出してしまいます。

d0360340_05252621.jpg
スプートニク1号。旧ソ連が1957年10月に打ち上げた世界初の人工衛星。地球の周りを96.2分で周りながら発信する電波は世界中で観測されたそうです。直径58cmのアルミニウムの球体に2.4mのアンテナが4本。"Спутник"というのはロシア語で衛星を意味するのだとか。「衛星1号」..なんだか夢のないネーミング。共産主義国家らしいといえばそうですが。
ちなみに犬を乗せて宇宙を飛んで星になったのはスプートニク2号。打ち上げは1ヶ月後の1957年11月。ユーリイ・ガガーリンが宇宙から初めて地球を見たのは1961年4月に打ち上げたボストーク1号。「東方1号」という意味らしいです。

d0360340_05401146.jpg
スプートニクが60年前、実際に宇宙空間を飛んでる写真を探したのですが見つからなかったので、キットのパッケージの写真。
小さな可愛いサイズの箱のスケール感が伝わるように比較でチョコエッグのおまけを横に置いてみたら、ますますよくわからん絵姿に..

中に入ってたのは簡単な組み立て説明図とレジンのパーツと銅線2種類。衛星本体は2分割されたパーツを合わせるだけで完成。それにアンテナ基部のパーツを4つ取り付けて銅線でアンテナつければ出来上がりの至ってシンプルなキット。SFチックな展示台もレジンで同梱。

しかしアンテナはピアノ線など腰の強い針金に替えてやらないと、ヨレヨレのアンテナではなんだかイメージと違うものになってしまいそう。

d0360340_05532528.jpg
その気になれば1時間で組み立ては終わるはず。問題は塗装か...アルミニウムでピカピカした光沢感を塗装で表現するのに塗料は何を塗ったらいいのかしら。日頃、AFVモデルばっかり作ってるとメタリック塗装のノウハウが身につきません。

d0360340_05570918.jpg通販の送料がもったいなかったので、ついつい、ついで買い。
「マンホールの蓋 1922年製」1/35 同じくRED IRON MODELSのジオラマアクセサリー。旧ソ連の戦前のマンホールの蓋を再現したものが5種類。東部戦線の市街戦の情景に最適とのことだけど、ジオラマに使ったところで、こんなの誰に気がついてもらえるのかしら。

パターンがそれぞれ違うけど、どの蓋がどういう類の蓋でどのエリアでよく使われたのかとかの情報がないので、考証にこだわると途方もない世界をさまようことになりそう。

..1942年5月のハリコフ周辺の下水道整備状況とか、スターリングラード市街における1922年型マンホール普及率とか、そんなのどこでどう調べたらいいものやら。

by hn-nh3 | 2017-12-16 06:20 | 模型 | Comments(4)