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断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

タグ:ワルシャワ ( 12 ) タグの人気記事

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(7/30追記)
「Chwat」号の製作をぼちぼち進めていきます。この車両についてはこのブログでもたびたび取り上げてきましたが、ここで簡単におさらいしておきます。

1944年8月1日。敗走するドイツ軍に対して、ポーランドのレジスタンス(AK:国内軍)が蜂起を起こす。
8月2日。ワルシャワの中心部、ナポレオン広場にて蜂起部隊がドイツ軍の新型駆逐戦車、ヘッツァーを火炎瓶攻撃にて鹵獲。しかし車内の焼損がひどく、車両はそのまま街路を塞ぐバリケードとして利用される。8月5日にバリケードから回収されて中央郵便局の蜂起部隊拠点に運ばれて修理。
可動状態まで復旧した車両は鹵獲した小隊の名前をとって「Chwat」(ポーランド語読みでフファット)と命名、車両の両サイドと前面にマーキングが施される。
8月14日、戦闘に参加するために移動させようとしたものの、いくつかのバリケードを通過させるために壊すことが許可されなかったため、車両は中央郵便局に留め置かれる。9月4日のドイツ軍の爆撃にて建物が崩壊した瓦礫の下敷きになり、蜂起部隊の降伏後もそのままに。
戦後に掘り出されて修復、ポーランド陸軍博物館に展示される。1950年頃に当局の指示により車両は廃棄処分。「Chwat」のものとされる転輪のみ現存。

とまあ、要約するとこんな感じ。TANK ENCYCROPEDIA にも「Chwat」の項があるので、それを見るのがわかりやすい。

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この鹵獲されたヘッツァー第743戦車猟兵大隊に配備されていた車両で。チェコのBMM工場で1944年5月〜7月に生産された初期型の特徴が確認できる。車両の生産番号もNr.321078と判明しているようです。番号から推測すると6月生産車。

1/35のキットでヘッツァー初期型を探すと、ドラゴン(no.6030)とアカデミー(no.13278)からリリースされていて、どちらも「Chwat」号のマーキングがデカールで用意されている。
しかしドラゴンのキットは2002年頃のものであり、ディテールの再現度は現在の目からすると少々難あり。アカデミーのものは車体の長さが違ってたり転輪の立体感がいまひとつだったりと、後発のキットであるにも関わらずアドバンテージに乏しい。近年、ドラゴンからリリースされたヘッツァー車台の自走砲で足回りのパーツがリニューアルされていて、なかなか雰囲気はよいのでそれを利用するという手もあったが、もうちょっと手軽に作れるキットをと思い、今回はタミヤのヘッツァー(no.35285)を調達。

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タミヤのヘッツァーは1944年8〜9月頃の中期型の仕様のため、初期型を再現しようとなると防盾や砲身を交換する必要があり、DEFモデルのアフターパーツを利用するのが近道。
と、ここまでが前の記事で予告した製作のポイント。

しかし、調べてみると5~7月生産車にはこの他にも違いがあることに気がつく。軽い気持ちで初めて深みにはまるいつものパターンですが、要改造ポイントを書き留めておくと。
・初期型の防盾と先端にねじ切りのある段つきの砲身:DEFモデルのパーツを流用
・初期型のボルト耳付きマントレット:タミヤのパーツを切削改造
・車体天板にピルツがない:タミヤのパーツを修正
・車長ハッチに小ハッチがない:タミヤのパーツを修正
・車体上面後部に冷却水用ハッチがない:タミヤのパーツを修正
・同上部分に予備履帯:タミヤのパーツを利用追加
・排気管マフラーに防熱のパンチングガードがある:MSmodelsのエッチングパーツを利用
・車体後面誘導輪基部の履帯テンション調整具の形状が違う:38t戦車のジャンクパーツ流用
・リーフスプリングの基部のディテールが違う:タミヤのパーツを修正
・上部転輪の基部に5つボルトとリブ:あまり見えないからスルー?

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先ずはサスペンションのリーフスプリング基部の修正。初期型は板バネを束ねる部分がフラットで軸受け部分に軽め穴があいている。修正はプラ板で段を埋めて、ドリルで開口して穴の形を拡張整形。写真は途中段階で穴がヨレヨレしてますが、この後もう少しきれいに整えましたよ。

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といってもこの程度。穴の形になんとなくバラツキが出てしまっているのは手仕事の限界。
転輪をつければ隙間からちらりと見えるか見えないかなので、これで良しとして作業を「前進」。

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初期型のサスペンションは実車でも確認できます。この写真は戦後の修復時のものですが、ちょうど
第二転輪が外れていて基部の軽め穴があるのが見えてます。

ヘッツァーの生産が本格化した時期(1944年5月〜)とワルシャワで鹵獲された時期(1944年8月)から考えれば自明なことではあるのだけど、Chwat号は鹵獲修理時に撮影された写真や鮮明な動画フィルムがそれなりに残っていることもあり、実車でも詳しく確認できるのはありがたい。

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タミヤのキットは中期型の仕様であるため、履帯のテンション調整金具の形が初期型のものとは違う。
初期は38t戦車由来のパーツを利用していて固定ボルトが2穴であったが、中期型以降の金具では車体側板の角度にあわせてリファイン、ボルト穴が一つに減っている。

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初期型の金具はドラゴンの38t戦車系自走砲を作った時のジャンクパーツから流用。こういう時に役に立つから不要パーツはなかなか捨てられない。。

しかし38t戦車の部品がそのまま流用できる訳ではなく、ヘッツァーで斜めに角度のついた車体側板の角度にあわせて履帯テンション調整金具の取り付けプレートの上部が台形にテーパーカットされている。その様子を現存する初期型車両のディテール写真を見ながら修正。

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「Chwat」号の修理時の記録フィルムでも後部のディテールを確認。テーパーカットされた2つ穴の履帯テンション調整金具。排気管マフラーにはパンチングメタルの防熱ガード。後部上面のラジエーター冷却水補充用の小ハッチはまだなく、その部分に予備履帯を搭載。後部向かって右下の冷却水加熱口の蓋に増設される足掛けステップは、この頃はまだ未装備。なので、キットの足掛けステップのモールドは切除。

写真をよく見ると、エンジン始動クランクのキャップが脱落していたり、ワイヤーロープや予備履帯をつけたまま迷彩塗装をかけた痕跡など、「Chwat」号に固有の特徴も確認できるのですが、それを再現するのはもう少し先の作業になるかな? 

先ずは初期型の標準仕様へのキットの改修を進めます。(次回は車体上部)


by hn-nh3 | 2019-07-28 09:48 | HETZER | Comments(8)

タルチンスキ本

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先月ポーランドの本屋さんから購入した”Pojazdy Powstancow Warszawskich-1944”
ワルシャワ蜂起の研究家:ヤン・タルチンスキさんの著書「ワルシャワ武装勢力の車両1944」2009年刊

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17×24cm 厚みは1.7cm 168ページ ハードカバー。A4より一回り小さなサイズとはいえ、ずっしりとした本で測ったら540g。これで送料含めて2,800円ならお買い得か。

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しかし、テキストは完全にポーランド語。全く読めません。。その意味では「可食部」は写真に限られるので、コストパフォーマンスはぼちぼち。せめて写真のキャプションに英語併記してほしかったよー。

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目次。2ページに分かれていて、写真はその前半部分。1944年のワルシャワ蜂起でポーランド国内軍が鹵獲使用した車両が、車両ごとに解説されてます。記述は詳細なのでポーランド語が読めるとこの本の価値がわかるのでしょうが。。

ちなみに、著書のヤン・タルチンスキさんは1994年に”Pojazdy Armii Krajowej W Powstaniu Warszawskim” という本を出してます。その本は未見ですが、ネットで部分を確認する限りは構成は同じ。
今回購入の2009年版の本は、1994年版の増補改訂版になるものと思われ、どうやら新編集の本ではなさそう。

それはともかく、蜂起軍が使用した車両が1冊にまとめられていることは重要。写真の大半は現在ではネット上でも収集できるものですが、情報としてまとまっているという価値は本ならではのもの。

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鹵獲パンター。2両をドイツ軍から鹵獲して使用したようですが、テキストがポーランド語なのが歯痒いところ。写真は半光沢のアート紙の印刷なので再現度は悪くないです。

もっとも最近の出版物で見るような「オリジナルネガからの新規スキャン」「デジタルエンハンスをかけてディテールを強調」というのと見比べると、ちょっと物足りなさを感じる写真も。
出版が2009年ですから、この10年の隔たりはそんなところに。

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鹵獲されてバリケードに組み込まれたヘッツァー駆逐戦車「Chwat(フファット)号」のページ。
国内軍兵士に火炎瓶攻撃を受けて内部で誘爆が起きたのか、側面装甲にはヒビが入って、天板はボルトが飛んでめくれ上がってしまったのがこの写真でも確認できます(黄色い矢印)

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後で回収されて修理された時の写真。装甲板のヒビは溶接して補修してあるように見えます。上面装甲板はめくれあがったままですね。

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トラック(シボレー157 or155)のシャーシに自作の装甲ボディを乗せた国内軍オリジナル装甲車「Kubuś(クブシュ)」
ドイツ軍が拠点としていたワルシャワ大学に攻撃を仕掛ける、という華々しい「戦果」もあってか、ミラージュホビーからキットもでている有名な車両ですが、退却時にバリケードを通過できなくて放棄されてしまったのが残念。

ヘッツァーChwat号も回収修理して自走できるようになったものの、結局は拠点のバリケードから外に出られなくて戦果もなく役目は終わってたりと、なんだかあまり有効に使われなかったみたいですね。

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シボレー157に装甲板を張った簡易装甲車。アンバランスなデザイン。”AK”の派手なロゴもあって模型映えしそうなアイテム。ミラージュホビーで是非ともキット化してほしいところですが、たぶん買わないだろうなー(笑)

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DKW F5? のバンタイプの車両に派手はロゴ。救急車として使用されていたらしく後ろ姿の写真には赤十字マークの旗とキューピットのハートマークが描いてあるのが確認できて、これも模型で再現したら楽しそう。
というか、この類の非正規車両の面白さは、結局はマーキング次第なんですよね。それがなければただの普通の車両。

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トラックの類もあれやこれや。ちょっと前に vol de nuit さんのところの記事(Archive: Vehicles in Warsaw, 1944)かば◎さんらとわいわいと車両特定をやったので、だいぶ詳しくなりました。上の写真のトラックはタトラT27。下のトラックはボルグヴァルトL1400。

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バイクの類も。兵士が乗っているのはVictoria V98か。
個人的には横に写ってるケーブルドラムがとても気になります。前にChwat号のバリケードに使われているケーブルドラムのメーカーロゴを特定した記事も書きましたが、これはロゴの入ってないタイプでなんだか新鮮。

本のレビューは結局、この本の本当の価値であるテキストではなく掲載写真の話になってしまいました。
言葉が解るか解らないかといったら、出来たほうが100倍楽しいと思うけど、この歳になってポーランド語の勉強をしようという気にはやっぱりならないし。

記事の写真は全て”Pojazdy Powstancow Warszawskich-1944”から。
高い本ではないので興味がある人は是非、買いましょう。積んでおくだけのプラモよりは役に立ちます。

03/24追記;
セータ☆さんに携帯のGoogle翻訳にカメラ撮影>OCR読み取り>翻訳の機能があるよと教えてもらって、早速、読んでみました。鹵獲使用した車両の運用履歴など詳細に語られてます。その情報の多くはネットでも拾えたりしますが、というかこのタルチンスキ本が、そうしたネット情報のソースになってたのだと再認識。

by hn-nh3 | 2019-03-23 18:44 | 資料 | Comments(11)
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ようやく届きました。2月6日にオーダー、2月25日に受け取り。結局20日ぐらいかかりました。

ワルシャワの国際交換局から送り出されてから待てど暮らせど国内到達の情報がなく、行方不明になったのかと思いましたが、遅れに遅れて届きました。何はともあれ届いてよかった。ワルシャワからどこを旅して東京までやってきたのかしら。

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日本郵便の荷物追跡での表示。ポーランド郵便の名誉のために言えば、ポーランド出国まではあっという間でしたね。そこから日本まで到達する航空便が時間がかかってます。飛行機の荷物の隙間に便乗させるSAL便かしら?

日本側の国際交換局(税関)に運び込まれた時間が15:49分となってますが、この時刻。前にロシアで買い物した時の到着時間と同じです。下の画像が前の買い物の時の追跡記録。

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川崎東郵便局の門の前でストップウォッチで計った記録がたまたま一緒だったということではなくて、おそらくはシステム上の処理時刻なんでしょう。郵便局から出た時間も午前3時で、これも一緒。

まだかなまだかなーかと待ってたら、夜中に最寄りの郵便局に届いていることが分かったので、待ちきれなくて取りに行っちゃいました。身分証明書とハンコを持参して荷物番号を伝えると、配達前でも荷物を渡してくれます。

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待ってましたよ、タルチンスキ本。”Pojazdy Powstańców Warszawskich 1944”
ポーランドのここ (poczytal.pl)で買いました。
なかなか届かなくてはらはらしたけど、ブログネタにもできたし、なんだかんだ楽しい買い物でしたね。
レビューはまた改めて。

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海外のネットショップで買い物をしてみようかと思ってる人のためにメモを作っておきます。

基本、ショップは荷物を海外に送るだけなので、どんなサイトでも果敢にチャレンジすれば送ってもらえると思いますが、VATなど相手国での税金、入国通関時の関税、国内の消費税についての対応の仕方がよくわかってないと何かと面倒なので、ショッピングカートがしっかりしたサイトを選んでの買い物がやっぱり楽です。

海外発送に対応してるかどうか、サイトの配送ページを見てもわからなければ、試しに商品を買い物かごに入れてオーダーページに進んでみます。発送先の指定に海外(日本)を選べるようになっているかが確認できます。航空便の料金など海外発送に対応した表示があれば「買ってよし」

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注文で記入する配送先住所は、日本とは逆に書くと覚えておけば大丈夫。
順番は、アパートなど建物名・部屋番号、番地、丁・町村、郡市、都道府県、郵便番号、国。
たとえば、〒422-8610 静岡市駿河区恩田原3-7を英語表記にすると、3-7,Ondabara,Suruga-ku,Shizuoka,422-8610,Japan
電話番号は +81をつけて市街局外の0を抜いて記入。たとえば、054-283-0003 なら、+81 54 283 0003

大抵のサイトは入力欄にしたがって住所を入力していくだけなので悩むことは少ないです。
と言って手紙を書くわけではないので、このルールを間違えても大丈夫。そもそも国内で配達するのは日本郵便なので、国内住所の必要情報が書いてあれば十分。JAPANと間違えずに書ければ、日本に向けて発送されます。

支払いはクレジットカードかPaypal。不用意にクレジットカード番号を晒すリスクがないように、Paypalには登録しておくと便利。

EUのネットショップでは、通常はVAT(付加価値税)を含んだ金額で価格が表示されてます。
日本でいう消費税に相当するもので、税率は国によって変わりますが、書籍なら5~10%程度。
このVATはEU以外の国に住む人が買う場合には免税となるので、ネットショップでVAT抜きのショッピングができるようなシステムになっているかをチェック。

海外発送対応のサイトだと配送先を「JAPAN」にするだけでVAT抜きの金額に自動的に切り替わったりします。「EU以外の国」の値段を最初に選択するサイトもありました。よくわからずVATを支払って割高な買い物にならないように注意。

「海外購入」に掛かる関税の支払いですが、通関時に輸入関税や国内消費税が課せられるのは、購入額で1万6666円(課税対象額1万=購入金額*0.6)以上の場合。それ以下は免税取引となり関税、国内消費税はかかりません。書籍の場合、関税率は無税。

送料は航空便利用で10から20ユーロ。航空便には、EMS(国際スピード郵便)、通常の航空便、お安いSAL便(飛行機の空きスペースに入れ込むため、混雑状況で後回しになり時間が掛かる)など選べる場合も。
お急ぎ便のEMSは別として、通常の航空便なのか時間のかかるSAL便なのかは明示されてない場合が多いですね。船便は時間が掛かるので爆買いしない限りはその選択肢は無し。

支払いをすませると注文伝票が表示されるので、注文番号を控えておきます。トラブルがあった時に必要。今回、ポーランドの書店で購入した時に出荷の荷物追跡番号が送られてこなくて、確認するにはサイトで注文番号を入力して調べる、という手続きが必要でした。

ショップから出荷されると、多くのサイトの場合は荷物追跡番号を書いたメールが届きます。その時、メッセージに「 …has shipped! Thank you」なんて書いてあって、ん?オレ間違って船便を選んじゃった??と焦りますが、shipは出荷という意味で航空便でも使われる言葉。

荷物が着くのはだいたい1週間から10日程度。発送から1〜2日で相手国の国際交換局。そこで通関に1〜2日かかって国外発送。ここで土日をまたぐと日数が余分にかかります。飛行機は直行便で10~15時間ですが、東回りの場合には地球の自転が掛かるので、日本時間で所要2日。国内の国際交換国での通関手続き(東京エリアだと通常の航空便は川崎東郵便局内の横浜税関支署)で2日程度。川崎東郵便局自体は休日も24時間動いていますが、税関は土曜日は午前中のみ、日曜日はお休みなので、国内到着が金曜日になると日数がかかります。そこを通過すればあとは通常の郵便配達に要する時間。

輸送行程は、購入サイトから通知される荷物番号で検索できます。日本郵便の追跡ページでも検索できますが、まだ海外に荷物があるときは表示されるまでに少し時間がかかります。表示される地名や施設名をGoogle Map で確認しながら荷物が到着するのを待ちます。

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海外サイトでの買い物は最初は心理的なハードルが高いですが、要領がわかってくるとamazonで買うのとそれほど違いはなくポチれるようになります。

もっとも、最初はamazon.com などamazon.jpじゃない海外アマゾンのサイトで買うのが楽チン。amazon.com用のアカウントを作れば商品を選んだだけで、自動的に日本への配送対応商品化かどうか、送料の他、関税など課税対象であれば、その費用含みの金額表示と支払代行をしてくれるのでストレスフリー。Amazon恐るべし、です。

東欧や北欧、ロシアなど非-英語ドイツ語フランス語圏のものとなるとやはりAmazonでは取り扱いがない場合が多く、現地のネットショップにアクセスすることになりますが、言葉の壁などあって楽ではない代わりに「買い付け」のスリルが味わえるので、クセになるとamazonで買うのがなんだか物足りなくなってきます(笑)

by hn-nh3 | 2019-02-27 20:32 | 日々 | Comments(6)

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本が届かない。

ポーランドの書店でネットショッピングしたのは2月6日。翌日には発送されたみたいだけど、それから10日以上過ぎても国内には到達していない模様。

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買ったのはコレ。”Pojazdy Powstancow Warszawskich-1944”(ワルシャワ武装勢力の車両 1944)Jan Tarczynski著 2009

ポーランドのネット書店で注文。代金内訳は38.47PNL(1112円)海外送料が50,30PNL(1454円)合計88,77PNL(2566円)

ディスカウントになってたとはいえ、本の値段より送料が高くなってしまうのは少し腑に落ちない気もしたけど。
海外発送に対応してくれて、この値段なら、と心を決めて注文。

Webブラウザ(Google Chrome )が自動翻訳してくれるとはいえ、ポーランド語はよくわからないから何となく不安で、最初はAmazon.jpで2833円で出品されてたのを見つけてポチ。
しかし品切れ入荷見込未定という表示のものに購入ボタンを押してみたのだからいつ届くか(届かないのか)というリスクを含みで。。

案の定、出荷見込みが立ったらまた連絡します、という自動送信メールが2度ほど来て、これは待ってても無理かなと判断。

過去に海外の写真家の写真集をAmazon.jpで購入ボタンを押したものの、品切入荷見込み立たずでもう3年になるものもあるしで、今回はアマゾンルートでの購入はキャンセル。

それでポーランドの書店で海外発送に対応してるネット書店:Poczytal.pl を選んで購入してみた次第。

決済が終わってブラウザに伝票番号が表示された後、メールで出荷案内と荷物追跡番号が来るのを待ってけど、連絡ないから、上記書店の問い合わせページに伝票番号を入力する欄を見つけて確認したら、荷物番号と出荷された旨の表示。

その番号でポーランド郵便の荷物追跡をしたのが冒頭の記録。日本郵便の追跡でも同様の表示。
出荷後、土日は荷物が動かないのは前にロシアのネットショップで買い物したときに経験したから、そのタイムラグがあるのは想定の範囲内。
しかし、週明けの2月11日に荷物がワルシャワの国際交換局を出てから、すでに一週間が過ぎ。。
普通に航空便なら時差を考慮しても2〜3日、積み替えなど考慮しても4〜5日もあれば日本の交換局(川崎)に到達すると思ってたけど。。。送料から考えても、まさか船便ってことはなさそうだし。

とりあえずポーランド郵便と日本郵便にそれぞれ照会のメールは出してみたけど、さてどうしたものか。
遠いポーランド。

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by hn-nh3 | 2019-02-19 20:05 | 日々 | Comments(6)

日常とバリケード

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ゼンゼンゼン回の記事に取り上げた映画"Miasto44""のメイキング映像を見つけた。バリケードのシーンなどは実際の街の中でオープンセットを組んで撮影していたようだ。ポーランド西部、ブラツワフ ブロツワフ( Wrocław)という街のこの辺り


バリケードって何だかワクワクします。瓦礫やらガラクタで道が封鎖されると風景は一変。見慣れた「街」が見知らぬ「都市」に変貌する、というような。
もっとも、ヨーロッパみたいな街区型の街じゃないとそれは無理なんでしょうけど。


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映画でのワルシャワ蜂起の再現度合いは凄まじいものですが、兵器や装備の類も綿密な考証を元に再現されているようです。
↓こんなサイト。映画に登場する銃器をリスト化しています。





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このところ、vol de nuitさんのサイトでワルシャワ蜂起で国内軍(AK)が使用した車両を追跡した記事 ”Archive: Vehicles in Warsaw, 1944” やそれに関連してかば◎さん関連記事をアップするなど、なにやらワルシャワ方面が気になる状況。

voi de nuit さんの車両追跡で、Opel Kapitänの写真がなかなか見つからないのですが、こんな映像を発見。
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シトロエンtype23の後ろにいるセダンはオペル・カピテーンですね。
と、言ってもこれは当時の記録写真ではなく、上記の映画"Miasto44''の1シーン。

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https://www.imcdb.org/movie.php?id=3765326

IMCDBは映画やテレビ番組など映像に登場する車両のデータベースとしてソフトスキン類の写真を探すときに便利なサイトですが、"Miasto44”もカテゴリーページが作られてました。ページはまだまだ整備途上というところですが、しかし、この映画。登場する戦車や装甲車ならともかく、チラっとしか映らないこんな乗用車でも当時実際に使われていた車種にもこだわるなど、つくづくマニアックな映画だったと、あらためて感心。

by hn-nh3 | 2019-02-09 14:12 | 資料 | Comments(9)

Miasto 1944

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Courier crossing (1944.8) 撮影:Jerzy tomaszewski

ケーブルドラムから話は転がってワルシャワ。これまでに記事に書いたのものを並べると
などなど。

よくもここまで引っ張ったと我ながら思わないでもないけど、まだ続きます...

映画:Warsaw 44(原題 Miasto 44)のシーン。貼り付けた動画は映画の一部ですが、原題の Miasto 44 で検索すると全編もYouTube でみることできます。

1944年8月のワルシャワ蜂起をポーランド側から描いた映画で2014年の作品。こんなのあったの知りませんでした。日本では劇場公開はされなかったようで、DVDが発売されてます。邦題は「リベリオン ワルシャワ大攻防戦」......と、なんともB級タイトルがついてます。戦争映画にありがち。

YouTubeの日本語字幕のないものをざっと眺めた限りは、あちこちで感想が書かれているように、映画としての出来はちょっと微妙。
と言っても、ストーリー展開がB級という訳ではなく、絶望的な状況に追い込まれていくハードな映像の中に唐突にスローモーションで挿入されるラブシーンといったよくわからない演出があったり、ここまで描かなくてもいいのにという展開についていくのがちょっとしんどかったりで、ポーランド人でない限りは正直なところ全編を観るのはおすすめしません。YouTubeのリンクを貼った短いシーンで雰囲気だけつかむ程度で十分かと。

ワルシャワ蜂起を扱った映画では過去にアンジェイ・ワイダが「地下水道(原題:Kanal)」なんて傑作を残してたりするから、それ以上の作品を作ろうと力が入ってしまったのは、作り手視点からすればわからないでもないけど。

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それはそれとして、映画のワルシャワの市街戦の考証は極めて緻密。前にも紹介した当時の記録写真を再現したと思われるシーンが随所にあったり、登場する車両や武器は本物?もしくはかなりの精度で再現したレプリカ。写真はそんな1シーンですが、市民を盾に鬼畜な攻撃を仕掛けるドイツ軍のパンター戦車。別なシーンで確認すると足回りはどうもT-55を流用してるものの、車体はかなりの再現度。OVMがちゃんと装備されてたり、キューポラに対空機銃架がついてたりと、ミリオタの厳しい視線に十分耐えられる仕上がり。よく見ると、パンターの後ろにヘッツァーもいますね。

その他にも、2cm対空機関砲FLAK38が、プライベートライアンの時と同じく対地攻撃で絶大な威力を発揮したり、ゴリアテ無線操縦爆薬運搬車との対決など戦争映画史ではお約束なシーンも。有人操縦の爆薬運搬車ボルグヴァルト B Ⅳも登場して、市民に鹵獲された車両が爆発してしまうといった悲惨な事故も史実どおりに再現されていたり。。
AK(ポーランド国内軍)の兵装も自国制作の映画ならではの再現度。MP40など鹵獲したドイツ軍の銃器に加えて、英軍から届けられていたステンガンやPIAT、ステンガンとMP40を参考にして地下生産されたブリスカヴィカなどなど。

バリケードでは、これはポーランド人の間ではお約束なんでしょうか。ケーブルドラムがあちこちで使われてます。
当時のバリケードの写真では、そこまでは登場頻度は高くないものの、やっぱりChwat号の有名なバリケード写真の印象が強いのか、映画ではこれでもかとケーブルドラムが街のあちこちに転がってますね。

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ほらほら。こんな感じでMiniArtのキットの正しい使い方みたいに登場します。
注目すべきは、ケーブルドラムにステンシル文字で描かれているロゴ。文字は「KABELWERK OZAROW」!
ワルシャワ南郊のオジャルフにあった電気ケーブル製造会社の名前です。Chwat号バリケード写真に写ってるドラムにも同じ文字がペイントされてます。この映画知ってたら、苦労して解読する手間はなかったですよ。

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記録写真のロゴと映画で再現されたものは微妙に書体が違ったり、文字下に白帯がペイントされてたりしますが。こういうタイプが当時もあったのかソースを知りたいところ。(誰も気にしてない?)
実は、Chwat号バリケード写真のケーブルドラムの横に転がってるゴミバケツがどんなものなのか追跡してたら、この映画に行き合ったった、というのが今回の記事の事の次第。映画にもゴミバケツがでてきますね。ブリキ製で一般的なものだったりしたのかしら。

MiniArtから1/35 ゴミバケツ(ポーランド型)なんてキットがでないかしらと、密かに待ち望んではいるのですが。





by hn-nh3 | 2019-01-26 09:43 | 資料 | Comments(10)

ドライデカール制作

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デカール到着。
実験をかねて、ケーブルドラムのデカールを自作してみた。1944年8月のワルシャワ蜂起の際にAK(ポーランド国内軍)が築いたバリケードで使用されたケーブルドラムのロゴを再現。

記録写真を見ながら、イラストレーターで文字を作成、アウトライン化したデーターをドライデカール(インレタ)の制作サービスしてるところで作ってもらった。
データーを送ると、中1日で制作、納品してくれる、というサービス。料金表も載ってるので、70×110のサイズなら送料合わせて3000円くらいで出来るなら、と頼んでみたら、出力用の版(ネガフィルム)が必要とのこと。料金表にも載ってるのを見落としてました。それが1900円。。
結局、送料と代引手数料、フィルム代を含めて、合計税込5400円。

うう。もちろん、払えない金額ではないけど、戦車のプラモが買えてしまうよ。。
ケーブルドラムのロゴごときに、なんたる放蕩。

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入稿した版下と出来上がったドライデカールの比較。デカールのフィルムに光が反射して写真では色が薄くなって見えますが、実際は黒一色。デカールの下に保護台紙があるので、その黄色が写ってますが、デカールを配置したフィルムは透明。

どのくらいの解像度で再現できるのか知りたくて、ケーブルドラムのロゴの余白に、製作中のコードロン シムーンの機体マーキングのデーターを配置してみました。「F-A」「NRY」「No7042」「SIMOUN」「C.630」「Avions Caudron」という文字などなど。小さな文字が潰れずに再現できるか、文字のエッジが印刷で太ったりしてニュアンスが変わったりしないか、そのあたりを確かめるために今回テスト。

きれいに抜けてますね。文字も太ったりしてなくて、版下の印象そのままに出来上がってます。
再現度は申し分ないです。あとは値段か。もうちょっと安いと、気軽にオリジナルデカールも作れるのですが、フィルム代が結構ネック。同じものを再制作するなら、フィルム持ち込みでいけるのでその分のコストを抑えられるのでお得になりますが、ケーブルドラムのロゴなんてそうそう必要になるものではないし。。。。(^^:)

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デカールのディテール。文字高さ1mmくらいの小さな文字もきれいに再現できてますね。テストのため、ちょっとづつ大きさを変えてデーターを作ってます。一番右が目標サイズ、中央がその110%、左は120%サイズ。
これがきれいに貼れるかの検証も必要ですね。ドライデカールは水転写デカールと違って、文字など図版の裏の糊だけで張り付くので、水転写デカールのような余白ができないのは魅力だけど、転写後の強度がどこまで確保できるかが課題。

ちなみに上の写真で使ってる定規は前にこのブログ記事でも紹介した「本当の定規」。

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制作したデカールを貼る準備もしないとね、と。ケーブルドラムの塗装も開始。とりあえず、ベース色まで塗ってみた段階。
木製ドラムをどんな色調で仕上げるか、ちょっと思案中。新品のドラムなら白木の色だし、使い古したものなら雨ざらしの灰色になった木の色になるし。とりあえずどちらにも転べるようなアースカラーで地色で塗装。

さて、どうしようというところで、資料を引っ張り出す。右が今回制作するドラムの参照画像。ワルシャワ蜂起のバリケードで使われているドラム。右側2つは昨年に南ドイツで筆者が撮影したドラムの写真。実際のドラム使用の程度で色調にもかなり幅があります。新品のドラムにするのか使い古されたドラムにするのか、そのミックスなのか。さて、どうする?

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by hn-nh3 | 2019-01-20 05:03 | 資料 | Comments(8)

ケーブルドラム改造

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突然にケーブルドラム続編。
1944年8月のワルシャワ蜂起の時、Chwat号(ポーランド国内軍鹵獲Hertzer)のバリケードに使われたケーブルドラムのロゴを再現した記事(KABELWERK OZAROW:8月のワルシャワ 続編)の続編。

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バリケードに使われてるケーブルドラムは3個。MIniArtの「木製ケーブルドラムセット」に入ってるうち大きいタイプが使えます。しかもちょうど3個。写真の左側の1つはMIniArtのキットと同様の中心穴が角座金で補強してあるタイプだけど、右側の2つは丸いディスクタイプ。プラ板をサークルカッターで切り出して中央に2mmの穴あけ、ディスクのエッジは少し丸みをつけてます。記録写真をあれこれみると、角座金のよりも厚みがある様子。キットの角座金についてたボルトを移植して、2つのドラムは丸いディスクタイプの座金に置き換え。

どうして今こんなことを始めたかというと、製作中のコードロン シムーンのマーキングを自作デカールで再現しようと、ひそかに企てているのですが、その実験として、まずは文字としては簡単な「KABELWERK OZAROW」のステンシル文字のデカールを作ってみようという次第。それでデカール貼るなら、ケーブルドラムは塗装しておかないと.... おっと、その前に座金を取り替えておかないと....とあわてて作業。

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デカールのデーターはこんな感じ。ドラム3個分のロゴと予備を1つ。ドラム外周の「KABELWERK OZAROW」の文字の他に「1208」の数字。これは座金の縁についているものを再現。バリケードの一番右のドラムについてた数字を読み取りました。何の数字かの意味がわからないので、全部のドラムが同じナンバーなのか、本当は一つ一つ違う数字なのかが判断できない。

作ろうと思ってるのいわゆる水張りデカールではなく、文字を転写するドライデカール。昔、アルファベットを転写してレタリングするのによく使ってた「インレタ」というタイプです。最近では、データーを送れば作ってくれるサービスがあって、小さいサイズなら2000~3000円程度で作れそうなのことがわかったので、実験してみようと。


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少し予告。コードロン シムーンのサンテグジュペリ搭乗機のマーキングを復元中。イラストレーターで似たようなフォントの文字を改造してそれっぽく。イラストレーターの文字はデーター的にはどんなサイズでもできるのだけど、問題はその小さな文字がドライデカールできれいに再現できるか、ということ。

果たしてどのサイズの文字まで再現できるのか、ちょっと実験が必要かと思うので、ケーブルドラムのデカールデーターの余白にちょっと小さな文字を配置してテストしてみようと思う。

by hn-nh3 | 2019-01-12 15:04 | 構造物 | Comments(4)
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このところ模型作る暇なし。製作中のもろもろも絶賛放置中。
だから新しいプラモの購入も控えてたのですが、こいつだけは買ってしまいましたよ。最近発売のMiniartのケーブルドラムセット(no.35583)。
自分では勝手に難民セットと呼んでるMiniartのラゲージセット(no.35582)も一緒に買ったのですが、これはまた改めて紹介するつもり。



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今回はケーブルドラムの話。こんなキット、誰が買うんだろうと思わないでもないですが、買いましたよ、買ってしまいましたよ私。前に記事でネタにした手前、多分に責任払いで買った感は否めないのですが.....
で中身はこんな感じ。組み立て説明書とデカール。そして大小のケーブルドラムのパーツ半分が収められた小さなランナーが6枚だけ。とてもシンプルな構成で、これだけかよーというくらいの潔さ。
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ランナーはこんな感じ。裏と表のディテール。ケーブルドラムは左右対象だから2枚一組で形が出来上がります。大きなドラムが3つ、小さなドラムが3つ。木目も表現も雰囲気は悪くないです。
構成はシンプル。左右のディスクと中央のドラム部分。ドラムは4つのパーツをあわせて樽型をつくるのですが、小口のところに有るか無きかのごとく小さなポッチがあって、これが左右のディスクと合わせる時の組み立てのガイドになる仕組み。しかし整形時にできたバリと間違えて思わず削り取ってしまいそうな小ささなので要注意。はい、私も一つ削ったところで気がつきました。

ディスクの部分をちょっと注意してみてください。ディスクの裏と表(写真のランナーの上と下)は板の方向が90度ずれてるんですね。ディスクの裏と表で木目方向が90度回転しています。これはMiniArtが金型の制作を間違えた、ではなく、裏と表で方向を変えた板を貼り合わせて一枚のディスクを作った構造を再現しているようです。合板などで繊維方向を90度違えた薄板を貼り合わせて強度を出しているように、ケーブルドラムのディスクも板を貼り合わせて作っているようです。

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ディスクの小口にはラインが走って、板の貼り合わせでできていることがわかります。こういうのは作ってみて初めて気がつくことですね。貼り合わせ部分のモールドですが、さすがにこんなものにスライド金型を使う訳にもいかなかったのか、裏と表でサイズを微妙に変えて段差で表現しています。パーティングラインだと思って削り取ってしまわないように注意するところ。
小口にはちょこっとだけ筋彫りして板の合わせ目を追加工作。加工が雑なのは息抜きモデリングなので勘弁してください。30分で作りました。

そして完成。ごろんとしたこの物体。いいですねー。なんとも言えない抽象感漂ってます。以外と好きかも。ティーガーよりもこういうのに血が騒いでしまうのは何故でしょうか。

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大きさを比べるために作りかけのHetzerと並べてみました。はい、これを見て意味がわかったらポーランド人から握手を求められます。たぶん。

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このシーンの再現です。1944年のワルシャワ蜂起の時にポーランド国内軍が鹵獲したHetzer、 Chwat号とケーブルドラムでできたバリケード。前に記事:8月のワルシャワ8月のワルシャワ(vol.2)でも書いているので、そちらも参照。

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Hetzerのキットはプラハ蜂起軍用に作っていたものに、今回急遽出演してもらいました。だから砲身もついていなくてとりあえずのサイズ比較用。履帯がない分だけ若干高さが低めになってしまっていますが、ドラムとの高さはだいたい同じで、このシーンを再現しようと思えば、このケーブルドラムのキットは流用できそう。小型のケーブルドラムはこのシーンには登場しないのですが、今回はキットレビューでもあるので友情出演。

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ディテールの検証。左右のディスクは6本のボルトが中央のディスクをはさみ込む構造となっています。バリケードでつかわれているもの(図の左の写真)は、、MIniArtのキットのもの(図の右)のボルト位置よりも円の中心に近い。ドラムの内側にボルトが配置されるので、ドラムの構造と関係があるのであれば位置の違いがドラムの直径の違い、というようにも読み取れるのだが、ドラム径の違いがあるのかは他のアングルの写真でも確認はできず。

このケーブルドラムにプリントされている文字が「KABELWERK OZAROW」というワルシャワ南郊の街にあるケーブル工場であることは前回の記事で判明。そして今回は文字の再現。
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KABELWERK OZAROW.pdf (クリックでダウンロードできます)

Miniartのキットのデカールには「KABELWERK 」はあったのですが、せっかくならやってみよう、ということで「KABELWERK OZAROW」という文字をイラストレーターで1/35サイズで制作。


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似たようなフォントをパスにそって配置するだけで簡単に作れるような気がして作業を始めたものの、Oの文字が円に近かったり、EやWなど癖のある形をしていて類似フォントが見つからず、結局、EはCを加工。AはUを逆さにして、WはUを並べて制作。AやWなどはもう少し微妙な曲線でできているような気もするのですが、それを始めるとエンドレスになるので、とりあえずは当たらずとも遠からず程度で妥協。

ステンシルの繋ぎの脚も写真を見ながらなんとなくの再現。型板が浮かないようにするためか、よくあるステンシル文字よりも脚が多めですね。上の図面はPDFの1/35スケール原寸ファイルでDropBoxよりダウンロードできるようにしておくので、興味のある人はエッチングで型板つくるなりしてみてください(笑)

ちなみにバリケードで使われている3つのケーブルドラムですが、左側のものはMiniartのキットと同じディスク中央部の座金が角形タイプ。しかし、右の二つは丸い座金。このシーンを本気で再現するときは忘れてはいけない大事な改造ポイント。

by hn-nh3 | 2018-08-11 17:18 | 構造物 | Comments(10)

3年後

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1944年8月のワルシャワ蜂起の話の3回目。ひとまず今回でいったん区切ります。
前回、前々回とポーランド側からの視点で書いたこともあり、以前に書いたプラハ蜂起関連の記事など話題の傾向が、なんだか反乱軍モデラーの様相を呈してきたので、ちょっとバランスをとってドイツ側から撮った写真も載せておきます。

(写真はBundesarchiv、Wikimedia commonsより)
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蜂起部隊を攻撃するのはパンターのような対戦車攻撃能力の高い戦車ではなく、ブルムベアや60cmカール自走臼砲などの重砲兵器、28/32cmロケット弾、ゴリアテやボルグバルトⅣといった遠隔操縦の爆薬搭載車.. なにか圧倒的に非対称な戦争。
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そして、三年後。1947年8月のワルシャワ。徹底的に破壊された傷跡が戦後2年経ってもそのまま残る風景が痛々しい。
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カラー写真を撮影したのは、アメリカ人のHenry N. Cobb。ニューヨークの建築家。
戦後の復興の研究でイングランド、チェコスロバキア、ポーランドを回った時の写真のようです。

蜂起軍部隊の自作装甲車クブシュの塗装色の手がかりはないかと、終戦前後のワルシャワのカラー写真はないかと探してそのサイトにたどり着きました。探し物は見つからなかったけど、廃墟と生い茂る雑草の鮮やかなコントラストが目に焼きつきます。

(カラー写真はいずれも Henry N. Cobb 撮影)

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とはいえ、気になるのはやっぱりこういう物たち。タイヤのついた荷車。

この時代、馬が曳くカートは木製のスポークが主流ですが、戦後の物資欠乏の時期にしては不釣り合いなほど立派なゴムタイヤを装着しています。戦時中は戦略物資として貴重だったゴムタイヤをこんなに荷車に供給していたはずはなくて、そう、これは放棄された軍用車両から収穫したものと考えて間違いはないと思います。戦車などでも放置されたものは車輪からなくなったと聞きます。
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(写真はクリックで拡大)

いったい何の車輪だったのかしらと、ちょっと観察してみました。
1枚目の写真の荷車の後輪は、どうやらSdkfz.250系の車輪。このタイヤは火砲牽引用のハンガーでもよく使われていたので、簡単に手に入ったと想像します。前輪はSdkfz.251系のものに見えます。ハブの周りのボルトなど特徴が一致します。

2枚目の写真の荷車の車輪はどうかというと、写真が小さくて判然とはしないのですが、5穴ホイールはフォードもしくはGAZ系のホイールと推定。前輪は何だろう... 後輪よりは小径で円錐状のホイール。軽車両用のトレーラーのものとも違うし、小型乗用車のホイールでも、ちょっと思い当たるものがない。独軍車両でなければ、ポルスキフィアット辺り..と思ったけどそれでもなさそう。

もっとも、これが判明したところで、何かの成果になるものでもないけれど。  

by hn-nh3 | 2018-07-19 21:00 | 写真 | Comments(0)