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断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

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ウェザエリングについてのメモ。
話をする前に... アイドラーホイールの位置を直しました。ロレーヌシュレッパーの履帯テンションはアイドラーホイールのクランクした軸を回転させて調整する仕組み。SUMICONの締め切りでバタバタと写真を撮った時は、軸の回転角度が低い位置になっていました。間違いではないけど記録写真で見かけるベストポジションではなかったので、今回再撮影するにあたり位置も修正。

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これが前の状態。ウェザリングもこれから少し修正しました。泥はねはウェザリングペーストを筆にまぶして爪楊枝で弾いて飛ばしたのですが、車輪のゴム周りなど泥の飛沫がただ飛び散っただけなのが少し不自然だったので、回転して少し擦れた感じに修正したつもり(あんまり変わってないけど..)。車体上部も跳ねすぎた泥を拭ったりして少し落ち着かせました(上の写真)

車体上部が迷彩塗装されてからあまり時間が経ってない状態を表現するために、フェーディングなど退色表現は行わず、砂埃が雨で流れたり泥が跳ねたりの「短期汚れ」だけのウェザリングとしました。
まず、車体上部にバフを軽く吹きかけて、溶剤で拭って雨で流れ落ちたような感じに。ウェザリングペーストは「マッドホワイト」と「マットブラウン」の混合。前日の雨でぬかるんだ道を走って、まだ泥が完全に乾ききってない状態のイメージ。
、記録写真でも見られるように、転輪のハブキャップ周りはグリースが滲んだ感じに。これはAKインタラクティブの「エンジンオイル」と油絵の具で表現。

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泥の色はノルマンディ地方の写真を見て... と言いたいところですが、その時は締め切り間際のバタバタでそれどころではなかったので、改めて観察。この車両が所属する第21戦車師団が展開していたカーン南郊をGoogleのストリートビューで走ってみました。ノルマンディの6月はこの写真のような景色。麦はまだ青いですね。これが8月にもなると麦は色づいて収穫の時期。

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8月のファーレーズ付近。この車両が包囲された時も風景はこんな色だったのか。いずれもストリートビューの画面キャプチャ。GoogleMapをあちこち走って見てみると、ノルマンディの土の色はロシアの土のような灰色ではなく、少し赤みがあるようです。

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運転席周り。ハッチ裏側はダークイエローにスプレー迷彩として外側のハードエッジの迷彩との違いを表現。内側なのでレインマークは控えて、迷彩のグリーンが引っ搔き傷で部分的に剥がれた程度に。ハッチの車内側には消火器がついていて、これが何色かという問題があるのですが、鹵獲改修車両であることから、改修の時にダークイエローで塗られてハッチと一緒に迷彩がかけられた表現としました。消火器がホルダーの金具から少しずれて、迷彩の下地のダークイエローがホルダー周りに見えてるのがわかるでしょうか。といってもマスキングが微妙にずれて幅が同じにならなかったのが...

トランスミッションは、フランス車両によく見られるグリーンではなく車内色の白で塗りつぶし。これも改修時に白一色で塗りつぶされた、という解釈です。アフリカ戦で英軍に捕獲された車両がそうなってました。
模型制作の都合で塗り分けがめんどくさかったからではないよ、という証拠として、部分的に白が剥げてオリジナルのグリーンがところどころに露出しているように見せてます。

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戦闘室内は、塗装されてから少し時間が経ってるダークイエローの質感を表現。AKインタラクティグのアースエフェクトを塗って拭き取ってます。バフ色の泥みたいな感じで、雨汚れにも退色表現にも使えるので便利です。
戦闘室の床は、昨日の雨がまだ乾ききってないような感じで部分的に濡れ色にしたのですが.. 写真に写ってないですね。(^^;)

墨入れは控えめに、チッピング、錆は最小限にして、この車両の「性格」を表現してます。軽装甲の戦闘未経験の車両ですから、百戦錬磨のマッチョなウェザリングは似合わないですし。

無線機は筐体をライトグレー。配線のコードやコネクターはセミグロスブラックで塗装。操作パネルのグレーはもう少し明るくしたほうがメリハリついたかも。

照準補正用の数値の書いてある「射標」の設置場所ははっきりしてません。ノルマンディで捕獲された車両の俯瞰写真では照準器の前方に設置してあるように見えるのでそれに倣ってますが、この車両に関しては(Panzerwrecks 8に掲載されている写真では)砲身上部のシールド内側についていた可能性もあり。

次はいよいよ完成報告。(って、とっくに完成してますが)

by hn-nh3 | 2018-12-16 19:31 | ロレーヌシュレッパー系 | Comments(2)
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SUMICONでは一足先に完成画像を公開したロレーヌシュレッパー自走砲。少し時間を戻して、この車両のユニークな迷彩についての考察、パターンの復元作業などのメモを残しておきます。

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ノルマンディに展開した第21戦車師団、第155砲兵中隊に配備されたロレーヌシュレッパー自走砲にはちょっと変わった迷彩パターンの車両。写真右のジグザクのパターンの車両は割と有名らしく、迷彩を再現したカラーイラストや、模型での再現もちらほらと見かけます。写真左のハードエッジだけどうねった曲線の迷彩の車両が今回の模型で再現したパターン。モノクロ写真ですが、コントラストから想像すると、車体下部はダークイエロー、上部はグリーンとブラウンの雲形をダークイエローが縁取っているものと思われます。

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幸いなことに、左右側面、後面の一部のパターンが記録写真に残されています。PANZERWRECKS 8 にクリアな写真が掲載されていて、そこから車両の過半の迷彩パターンが復元可能。

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こんな感じでイラストレーターで迷彩パターンを復元してみました。黒いドットを重ねた部分は写真で見切れている部分、車体の損傷や汚れなどで判然としない部分で想像で補った部分です。戸惑ったのは車体の左右でパターンの図柄でかなり違いがあって、車体左面上部の損傷を受けている部分が実際にどんなパターンだったのかは正直よくわからず、完全に想像の領域です。

それにしてもどこか、ドイツ戦車というよりフランス戦車の迷彩パターンに似ている、ような気がする。

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この時期のノルマンディのドイツ軍車両に多いパターンはもやもやっとした細い吹き付毛ラインの三色迷彩ですが、第21戦車師団、とりわけA.ベッカー率いる部隊の仏軍中古車両を改造したものには変な迷彩パターンの車両をよく見かけます。何でしょうね。この感じ。

対戦車部隊はソフトエッジ、砲兵部隊の車両はハードエッジの迷彩をよく見かけるという傾向もありますが、迷彩パターンには多分にフランス車両の迷彩方法が反映されているような気がします。A.ベッカーの車両改造工場もパリのオチキスの工場を利用したものだと言うし、やはりフランス人のスタッフがいたんじゃないかなと想像してます。このあたりはもう少し調べてみたいところ。

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ノルマンディのロレーヌシュレッパー自走砲の「塗装遍歴」についての考察。
再現車両は、おそらく1942年7-8月頃の生産車。左上のパリで撮影された車両軍のように当時はパンツァーグレーでロールアウトしたと想像します。この写真の中の一台かもしれません。

1943年2月のダークイエローへの車体の制式色変更にともない、フランス国内に配備されていたこの車両もいずれかの時期にダークイエローにオーバーペイントされたと考えられます。写真右上のダークイエローに塗られた車両は、ダークイエローの上にもやっとした迷彩がかけられたのか、あるいはグレー色を塗り残した2色迷彩なのかははっきりしませんが、予備転輪のゴム部分にダークイエローがはみ出して吹かれていることから、ダークイエローを現場でぶわっと吹き重ねたものであることは想像できます。
写真下段の類似車両のようにイエロー単色だったりグレーにイエロー重ね吹きだった可能性もあります。

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このダークイエローの重ね吹きの状態をまず再現してみました。足回りと搭載砲を最初グレーで吹いて、AKインタラクティブのチッピング液を吹いて乾かした上に水性アクリル系のダークイエローを吹きました。生乾きぐらいの状態で水をつけた筆で擦って塗装を剥がして、実車のオーバーペイントの弱い塗膜が劣化した様子を表現してみました。

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砲の部分も同様の表現。車体は例のグリーン迷彩を施すのでこの作業は省略。車内も本当はグレー地にダークイエローをオーバーペイントしたほうがいいのでしょうが、時間がなかったので、ここも省略。グレーで一度暗くするとイエローを吹いて明るくするになんども重ね吹きしないといけないので...

剥がし部分はもう一度軽くダークイエローを吹いてさらに剥がしたりしてトーンに変化をつけてます。使用した塗料はMMPのダークイエロー(RAL7028相当色)をビン生で吹いてます。重ね吹きの時に少し明度を上げたダークイエローを薄くかけてニュアンスを調整しました。

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( YouTube:Rommel Reviews the 21st Panzer Division )

1944年5月のロンメルの前線視察の時の動画があります。ロレーヌシュレッパー自走砲もちらっと写ってますが、ダークイエローの地色が多く残された迷彩。登場する対戦車自走砲などはダークイエロー単色の車両もまだ多い印象。グリーン面積が増えた迷彩が施されたのは、この後6月までの間の時期ではないかと思われます。

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復元した迷彩パターン図を元に車体上部に三色迷彩を施しました。塗り分けはパンツァーパテを使ったものの、細いダークイエローの帯を塗り残すのが難しく何度か修正している間に少しぎこちなくなってしまって、結局筆塗りで修正... まだまだ使いこなせてない感じの仕上がり。
迷彩塗装とウェザリングは写真のような簡易なドックに固定して作業を進めてます。

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後面のパターン。実車と比較してダークイエローの帯のニュアンスが違うのは...  
例のジグザグ迷彩の車両の後面と前面を写した写真がPANZERWRECKS8に掲載されていて、車体後部左側と車体前面左側上部に砲兵兵科マークが描いてあるのをこの車両にもデカールで再現してみました。しかし、このマーク。実車の写真(右)では識別できないと思ってたら、黒いマークがうっすらと存在するのを発見。でもデカール貼ってしまった後だったので、そのままに...

写真は何度も見たのに、白いマークがあると思って見ていたから黒いマークが写っていることに気がつきませんでした。思い込みって怖い。

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オープントップの自走砲の場合、内側の塗装がどうなっているかというのが、いつも課題。オチキス改造自走砲では内部はグレー塗装のまま残されている車両があったりしますが、ロレーヌシュレッパー自走砲では内部はほぼダークイエローでオーバーペイントされていることが事例から確認できます。しかも内側も迷彩塗装がかけられている事例もいくつか。

榴弾砲搭載型の車両は射角の関係で上部が大きく開放された形状になっていて、また砲撃で展開するのも開けた地形が適してたりするから、対空偽装は必須だったのかもしれません。写真右の車両は外側の迷彩がハードエッジなのに内側はスプレー迷彩。
このパターンを応用して、内側はエッジのぼやけたスプレー迷彩にしてみました。

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内側と外側で迷彩パターンが違うのは迷彩した時期にずれがあると想像します。同様に車体前部の操縦手ハッチの内側もソフトエッジの迷彩にしてみました。そう思ってみると、この車両の実車写真のハッチ裏側もそんな感じに見えなくもない。

ウェザリングや内側の塗装についてはまた改めてやります。履帯の張り方もアイドラーホイールの位置が下がりすぎなので、調整して写真撮り直す予定。

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by hn-nh3 | 2018-12-06 20:29 | ロレーヌシュレッパー系 | Comments(4)

フリウルを黒染めした日

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製作中のロレーヌシュレッパー15cm自走砲の履帯にフリウルのホワイトメタル製連結履帯。
履帯のガイドホーンの間隔と上部転輪の幅がぴったりすぎてなかなか通らなくて試し履きをするにも一苦労。結局、上部転輪の裏側をヤスリで削ったりして... 苦労して嵌めたところで力尽きて、撮影した写真を後から見たら転輪が一つ外れてしまってました。やれやれ。

連結式のメタル履帯は強度もあるし、垂れ下がり方も自然でいいのですが、塗装はネックですよね。
可動部の塗装が難しかったり塗っても剥がれやすかったりと、やっぱり金属自体を発色させる黒染めが仕上がり的にはリアル。今回は、AKの黒染め液(メタルバーニッシュフィールド)を使ってフリウル履帯の黒染めで仕上げてみます。

実は私、初めてなんです… 黒染め。
したことないからなんとなく気後れして数年前に買った黒染め液を今日の今日まで後生大事に保管してましたよ。

でも.. 今日は覚悟を決めて、ついに黒染め初体験!

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先ずは染色液に漬け込む前の下処理。
繋いだ履帯のクリーニングには酢に台所用洗剤を少し混ぜた溶液を使用。電動歯ブラシでホワイトメタル表面の離型剤などを落としていきます。そして一晩漬け込んでメタル表面の酸化皮膜を溶かします。これが残っていると染まりが悪いようです。洗剤は数滴でよい、とのこと

酢は使い捨てになるので安価なものを、とスーパーに行ってみたけど…難しいですね。イージーなお酢は成分を見ると出汁とか果汁とか添加物がいろいろ。フリウルに昆布出汁がどう影響するかは未知数です。結局家にあった純米酢を使いましたよ。
洗浄作業は酢酸液に洗剤の爽やかな香りも混じってフリウルでピクルスでも作ってる気分。

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漬け込んで一晩たったら、酢酸と洗剤の混合液から引き上げ、水洗いして乾燥。履帯のホワイトメタルは艶が消えて鈍い灰色に。光沢が残っているところは離型剤や接着剤で表面が覆われている可能性があるので、そこは染まらないからもう一度酢酸液でよく洗浄。この時の色ムラが黒染めにもそのまま影響するから要チェック。

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さて、いよいよ黒染め。100円ショップで買った底の浅いポリプロピレン容器に黒染め液を履帯がヒタヒタになるくらいの深さに注ぎます。綺麗な青。成分はなんだろう。瓶には書いてないからよくわからないけど硫酸銅かしら?

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黒染め開始。電動ハブラシで隅々まで溶液が行き渡るように磨きながら様子をみます。みるみると黒くなっていきます。ものの1分くらいで黒くなります。思ったよりも短時間。頃合いを見計らって引き上げ、水洗いして乾燥。あっという間に作業は終わりました。

酢酸液での下処理が悪いと表面の不純物が析出して白い斑点が出来ることもあるようですが、今回は特にそれもなくラッキー。

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染めむらが出たら引き上げて、クリーニングしてからもう一度漬け込み。その意味でも最初の漬け込みは少し色浅めぐらいで引き上げて様子を見て進めるのがコツかも。

染め時間が長くなると黒錆色より赤錆色が強くなる様子。漬ける時間が長くなると反応が進み過ぎて表面が荒れてくるとのこと。黒染め液から引き上げて水洗いする前に放置しておくと赤錆に。車輌の表現に合わせて、この辺りのさじ加減は...何事も経験ですね。

黒染め液の温度で反応時間も違うようです。冷えてると反応が遅いとか。この時は室温20度くらい。

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水洗いの後、乾燥させるとこんな感じ。今回作っているのは歴戦の車両ではないので、もう少し黒の段階で止めてもよかったかな。ピンの頭を固定した瞬間接着剤のはみ出しで黒く染まってない部分ができてしまいましたが、このくらいは油絵の具でレタッチします

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あっという間に終わりました。まだもう一回ぐらいできるかしら。
綺麗な色のグラデーションを描く使用後の黒染め液をとりあえず元の容器に戻します。
廃液は有害なので下水には流せないらしく、処分するなら新聞紙に吸わせてゴミの日に。

でも燃やしたら、成分が大気中に放出されそうだし... なにがいいのかはわかりません。

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作業は全て使い捨ての手袋つけて行います。履帯自体が鉛を含んでいるし、黒染め液も有毒成分があるので手につかないように作業を進めます。終わった後、手袋を裏返してゴミも一緒にくるんで捨ててしまうと後始末が楽です。

黒く染めは結構あっという間で設営から掃除まで合わせて30分もかからないくらい。
酢酸液での洗浄が必要無かったらもっと簡単なのに…

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と、思って比較実験してみました。
連結済みのピースは酢酸液で洗浄、下処理してから染めたもの。バラのピースは下処理なしで黒染め液につけたもの。何もしてないと染まり方は悪いです。時間をかければできないことはなさそうですが、やっぱり下処理してからの方が綺麗に染まります。手抜きはできない、ということかしら。


余談。
ここまで読んで気づいている人も多いと思いますが、黒染めの方法は四谷仙波堂のホームページにあったAK黒染液の解説記事に多くを依っています。 しかし、四谷仙波堂は惜しくもこの9月で閉店。
ホームページも閉じてしまったので、ノウハウはどこかに書き留めておく必要あると思って記事にしておきます。

思えば、店主の製品紹介記事の批評的な視点は、たかが模型(商品)と、されど模型(再現)の間の溝に橋をかけるようなところがあって、初めてそのサイトを見たときは衝撃を覚えましたね。ネットの向こう側にいるモデラーに個人で模型を売っていくスタイルを見て、いい時代になったとその時は思ったものです。

インターネットは個人を拾い上げるツールとしてはとても優れているけど、個人的にビジネスをするには、実は向かないような気もします。ロングテールを狙った商品構成なのにWEB上では在庫確認ができないなどページ作りの欠陥もあったにせよ、話題の新商品に切り込んでいく言説のスタイルが、逆説的なパラドックスを抱えてしまっていたような。

実際問題、たとえば5000円の商品を一日何個売らないといけないのか、家賃経費と仕入代金を払っていくら残るのか、とか。想像するだけで本当に大変

どの分野でも個人でビジネスを続けるのが難しい時代になってきているような気がします。ここ最近。

by hn-nh3 | 2018-11-17 18:53 | 資料 | Comments(2)
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前回の記事で制作した無線機のラックを設置する。テキトー考証で既につけてしまっている無線機ラックを解体。
カッターの刃を慎重に差し込み少しひねってやると瞬間接着材で接合した部分がパリっと剥がれる。
既に配線をしてある無線機は、本当は配線を一度外して作業したほうが設置作業は楽になるという気がしたものの、せっかくつけた配線もバラすのは少し忍びなかったので、配線をつけたまま宙に浮かしてラックの取り替え作業。ずいぶんとアクロバティックな作業になってしまったもののなんとか完了。

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ついでにアンテナベースがつく雨避けの板も少し改修。実物は端部が補強をかねて折り返してあるようなので、プラ板の細切りを貼り足して整形。

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アンテナからの入力ケーブルのコネクターはアンテナ基部下、無線機横にレイアウト(たぶん)る
無線機の雨避け板の上にはヘッドホンの収容箱が置かれるのが標準レイアウトのようだけど、ノルマンディ戦での捕獲車両の写真では見当たらないので、それに倣って設置してません。
車内通話用のコネクターが設置されているかどうかは、参考にした記録写真では判然としないものの、運転手がヘッドホンをつけていると思われる写真もあるので、運転手席への通話用配線があったと想像できます。となると車内通話用のコネクターも設置されていた可能性が大。模型ではスピーカーの後ろにチラリと見えるのがそれ。

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無線機ラック改修完了。これで当たらずとも遠からず。資料写真と比較してみます。

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この記録写真の高解像度の写真があれば、各部のディテールが判明するものも多そうですが、現時点での考証はこのくらいが限界。

射表といわれる射撃補正用の数値が書いてある黒板は、アフリカ仕様では無線機横の戦闘室内部側面に設置されてましたが、この写真を見る限りはノルマンディ仕様の車両ではそこになく、どうやら前面装甲板左側についていると思われます。装甲板上端がうっすらと線がダブルになっていて、内側に薄い鉄板が貼ってあるように見えるのが、射表ではないかと推測。

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ちょっと気になること。米軍の調査報告書からの抜粋ですが、砲座の部分の車体には欠き込みがあるような図。そして補強用の三角のプレートの有無について。

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BrachModelのキットではこの切り欠きは表現されてません。その横の補強用の三角のプレートがキットでは用意されているのですが、どうもこれは記録写真の読み取り間違いと思われます。

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締め切りもあるので、もうそのままにして先に進めようと思ったけど、やっぱり気になる。サフェーサーを吹いた後で例の三角の補強板をレザーソーで切断撤去。砲架下にハの字型にシャーシ下部まで伸びるアングル材を写真の画角で錯覚して三角プレートと判断したのでしょうが、これは間違い。
プラストラクトの1.2mmアングル材を貼り付けてそれらしく再現。砲座の欠込みは最大仰角時の揺架の干渉を避けるための措置だと思われます。これを再現するには模型の構造に影響するので今回は見送り。(まあ次回はないと思うけど)

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最後の悪あがき。戦闘室外側左後部の足掛けステップは実物でも薄いプレートでできていて曲がってることが多いので、ピンセットで掴んで少しひねって、体重で少し変形したように。

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これで工作は終了。時間もないから塗装を始めます。サフェーサープライマーを全体に吹いて、2400番のペーパーで粒子の荒れたところを均して下地調整。工作のキズや接着跡などスケール感を損なうものがないかの最終チェック。

by hn-nh3 | 2018-11-11 18:28 | ロレーヌシュレッパー系 | Comments(2)
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ロレーヌシュレッパー 15cm自走砲 制作メモ、その4。
オープントップの戦闘室内に装備された無線機を再現したことは前に記事に書いたものの、無線機ラックが考証的な正確さを欠くまま工作を進めたことが気になってました。

EduardからRPMのロレーヌシュレッパー用のエッチングパーツが出ているのですが、上の写真はそのパーツ図で、見ると黄色の丸で囲んだところが無線機ラックのパーツ。

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ラックは上部に屋根板がついて側板は4本のツノが下がるような独特の形状。しかし無線機のショックアブソーバーとフレームの関係が少し変だったり、車体への取り付け方が曖昧だったりして、これがオリジナルな装備を正確に再現したものかどうかがわかりませんでした。

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ノルマンディで鹵獲された車両を上から撮影した写真の無線機の部分。この写真から屋根板があることはわかっていたものの、これがEduardのパーツのように屋根と側板が一体化した形状のものなのかは、この写真だけでは判断しにくいところ。
仮にこの写真がEduardの考証のソースだとすると、側面についているアンテナ線のコネクターや車体についているアングル材のフレーム状の構造体もあってしかるべきだが、それは再現されてないので、Eduardがいったい何を参照してパーツ化しているのかが気になります。

d0360340_19043209.jpg思い浮かぶのはアバディーンで展示されていた現存車両。写真はWikimedia Commonsより。

アフリカ線で鹵獲されたもので保存状態も良好。しかし残念なことにオープントップであるはずの戦闘室上面が保存用に鉄板で塞がれてしまっていて、内部を見ることができない。だからこの車両の戦闘室内の写真資料を検索しても全然でてこないのです。

この車両は近年、別な場所に移されてレストア、屋内展示されていることもあり、ひょっとするとEduardはキット化するときにそこから何らかの資料を得て再現したのかとも想像してます。


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レストア後のこの車両の内部写真を探しても、なかなか見つからなかったのですが、ひょんなことからこのサイトにたどり着きました。

そこに内部写真がありました。ついに見つけました。写真の端に件の無線機ラックが写ってます。

その写真から無線機ラック部分を抽出してみると、確かにEduardのパーツに似た形状のものがそこにあります。屋根と一体化した側板のツノの先端にボルト。無線機のショックアブソーバーがそこに留められていたようにも思えます。配線も残っているので復元したものではなさそうです。

写真で見切れてしまって車体への取り付け部の詳細は不明であるものの、車体側に設置されたアングル材のフレームに固定されていると想像できます。このアングル材はノルマンディのロレーヌでも確認できるので、アフリカ、ノルマンディ戦で共通する仕様と考えてよさそう。配線が側板の向こうに回っているのはそこにアンテナコネクターがあると思われます。これもノルマンディのロレーヌの写真と符号します。

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イラクのロレーヌの写真。この車両は2005年、アメリカがイラクに侵攻したときにバスラ北部で発見されたもの。
そんなところにさまよっていた経緯も興味を惹かれますが、今回は無線機に注力。
後部からの写真に無線機ラックと思われるシルエットが確認できますが、よく見ると四角い箱ではなく、側板下部がツノのようになったもののようにも見えます。

Marder ll やMarder lll などドイツ軍自走砲車両に一般的な車体取付用ラックとは異なる独特の形状ですが、これがロレーヌ系改造車両の無線機ラックと考えてよいのかもしれません。

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決め手はこの写真。ノルマンディで鹵獲されたロレーヌシュレッパー改造砲兵観測車の内部写真からのピックアップですが、ラックの部分を注意してみると、例のツノ型に似た形状のアーム。中央部が欠込まれている形状は無線機フレームのY型の固定金具に干渉しないようにしたためか。

無線機のショックアブソーバーを固定する位置が少し違ったり、(内部であるので)天板はなく側板だけの構造だったりしますが、かなり共通点のある仕様。15cm自走砲と同じA.ベッカーの工場で生産された車両なので、同じ部材を使った可能性もありそう。

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よせばいいのに、試しに作ってみました。プラストラクトのアングル材で車体固定用ラック。0.3ミリプラ板でつの型の無線機ラックを作成。

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ツノの先端にショックアブソーバー固定用のボルト。これはドラゴンの何かのキットからボルトを流用。
プラ板細工は楽しいですね。ずっとレジンと瞬間接着剤と格闘していただけに、プラ材で流し込み接着剤でできる作業のなんと快適なことか。調子にのって作ってしまいました。

配線コネクターはK59のレジンパーツを利用。これは瞬間接着剤で固定。そして銅線で配線を再現して、一度は作ったラックをもうこの新しいラックに取り替える気まんまん。

...時間がないんだから、よせばいいのに。(つづく)

by hn-nh3 | 2018-11-04 21:50 | ロレーヌシュレッパー系 | Comments(2)
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11月。SUMICON参加作品、レーヌシュレッパー 15cm自走砲の制作も佳境。
締め切りまで残り1月を切って、工作もなんとか.. 完了、か。

操縦席周りのパーツなど、塗装してからでないと接着できないパーツを残してほぼパーツも揃って、ここ数日は細部の瑣末なディテールの追加作業。

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ヘッドライトはフランス式。キットに付属のエッチングでライトの基部を組み立てる。ついでに銅線でライトのコードを追加。真横から見ない限りは殆ど見えないので模型的にはあってもなくても大して変わらないのだけど、やっぱりこういうところはなんとなく大事な気がする。
当然のことながらホーンにも配線があるはずだけど、配線をどこで車体に引き込んでいるのかわからなかったこともあって、ここはとりあえず省略。

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車体側面のハッチ。ここの取手はロッドの根元の部分を潰して本体にリベット止めとなっているのを再現。0.3mmの真鍮線をペンチで潰してヤスリで整形、リベットを植えた。小さいのを選んだつもりだったけど、こうやって拡大してみるとちょっと大きすぎたか...

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車体後部の手すりは車体装甲板に溶接留め。真鍮線で作った手すりの根元にエポキシパテを練りつけて溶接の肉盛りを表現。真鍮線を植えただけのほうが模型的にはシャープに見えるけど、装甲板の溶接痕などとトーンをそろえて質感がチグハグにならないように。

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乗降用のタラップは付属のエッチングを利用。車体には突きつけ接着するだけで強度的に不安だったので、接着部をカッターでけがいて溝を掘って僅かではあるけど埋め込みにして固定。
実際は根元を補強するディテールがあるんじゃないかと当時の写真を観察するも、どうも実車も突きつけで溶接しただけの納まり。だから簡単に破損してしまうのか、鹵獲された車両ではタラップが取れてしまっているケースが多い。

テールランプはドイツ式のものがついている。ディテールがしっかりしているタスカのアクセサリーパーツを利用。ちょっと変化をつけて、4穴の車間確認灯ではなくフラップをあげて下部のブレーキランプが見えるようにしてみた。

ソミュールに残るMarder l ではテールランプが上下逆さま。ブレーキランプが上側にくるようについていて、これがロレーヌシュレッパー系の設置方法なのかどうなのか。でも記録写真で同じMarder lでもブレーキランプが下側にくる標準的なパターンは確認できるので、とりあえず標準的な仕様にしています。

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テールランプの取り付け基部がドラゴンのキットの不要パーツから流用。前照灯と同じく、テールランプにも配線を再現してみました。やっぱりランプを灯すには電源が必要だしね。模型が電気仕掛けでピカーっと光る訳ではないけど。

by hn-nh3 | 2018-11-01 20:43 | ロレーヌシュレッパー系 | Comments(4)
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ロレーヌシュレッパー 15cm自走砲 制作メモ、その2
プラストラクトのプラ棒(0.3mm×0.8mm)を使って小さなラックを作ってみた。この手の細工は真鍮など金属板を使うのが定番ですが、金属板を曲げてエッジを出すのは以外と難しいところもあるので、プラ板の積層で表現。微細工作の達人hiranumaさんに影響されたというのもあるかな。

曲げた部分プラの弾力で開いてしまうので、この後に瞬間接着剤を塗って開かないように固めました。で、何を作っているのかというと、この写真。

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ノルマンディ戦で鹵獲された車両(右2段)を見ると、戦闘室装甲板の右側面に何かのラックらしきもの。これは何かしらと考えていて思い当たったのが、左の写真。ロレーヌシュレッパ車台の対戦車自走砲Marder l の戦闘室内部にMP40をかけるためのラックがついてます。MG34をかけるためのものの可能性もありますが、自衛用武器をかけるための着脱式のラックと思われます。ラックは2段式のようにも見えますが、この写真だけでは詳細は不明。

ヴェスペやグリレなどの自走砲には戦闘室内にMP40用のL型ラックが標準装備になっていることもあり、このロレーヌシュレッパーにも何らかの小火器用ラックが装備されていたのでは?と考えられますが、それがコレ、なのかも。

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接着してみました。こんな感じかなという当たらずともとも遠からずのディテールです。MP40であればマガジンポーチ、MG34/42であればドラム弾倉のラックを車内のどこかに装備しているはずですが、資料がないので保留。

次は車体側面に点々とついている小さなフックを自作します。

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キットにはレジンで小さなフックが用意されています。なかなか繊細な出来ですが、それでも太さはオーバースケール。
Dragonのキットなどではエッチングパーツでこのフックが用意されてたりもしますが、エッチングの厚みのなさはそれはそれで悩ましく、今回は0.18ミリの銅線で自作してみました。1時間で20個。所要時間は1個あたり3分。

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制作過程。極小のパーツを効率よく量産できるように加工のジグを用意しました。カッターの替え刃を両面テープでプラ板に固定してスリットをつくり、そこに銅線を定規で押し込んでフック型にプレスするという仕組み。

前に自作したときは、真鍮板を加工して簡易ジグを作って0.2mmの真鍮線をプレスしたのですが、同じ素材だとダメですね。使っている間にジグの真鍮材が鈍ってきてしまってすぐにエッジがでなくなって結局はプレス後にピンセットで修正するというめんどくさいことになったので、今回はその反省を踏まえた材料の選択。プレス型は硬いカッターの刃、曲げるのは柔らかい銅線の組み合わせ。もうちょっと写真映えするかっこいいジグにしたかったんですけどね..

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フックの数はアフリカ戦の車両では戦闘室車体上部:前部左右に各2、側面に各3、後面3。ノルマンディ戦になると写真右の車両のように側面のフックが5個の車両が多くなりますが、左の車両など3個のままの車両も確認できます。左の車両はPanzerwrecks8 Normandy-2に掲載の別アングルからの写真で側面のフックが3個であることがわかります。有名なジグザグ迷彩の車両も側面フックが3個ですね。これらの車体上面のフックは大戦後半の車両によくみられる偽装ネット装着用というより戦闘室上面に防雨シートをかけるためにつけられたもの。アフリカでは気にならなかったけど、ノルマンディ地方だと、側面フックが3個だとシートに溜まった雨が車内に入ってしまったりしてフックを追加したのかしら。

ノルマンディの車両では戦闘室前面の予備転輪ラックの下に偽装ネット用と思われるフックが追加されているのが確認できます。いずれにせよ、残っている事例写真が少ないので標準仕様かどうかは不明。その他細部の仕様も、生産途中に改良されたものなのか現地で追加されたものなのか、車両ごとに微差があったりします。

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だいぶ形になってました。ブロック毎にある程度工作は進めてあったとはいえ、レジンキットだと組み立ては大変。パーツの成形精度は素晴らしいですが、勘合がゼロタッチで逃げがなったりするので組み立てには難儀しました。
細部の調整など組み立て完了まであと一息。いやー大変、もう不眠不休ですね...(嘘)

締め切りがせまってお尻に火がついてからでないと本気だせないのは、小学生の頃からの変わらない習慣。夏休みの絵日記に記録する毎日の天気を「復元」するのは大変でしたね。当時はインターネットなんてなかったから、古新聞を引っ張り出して天気欄を集めたり、思い出せる出来事の記憶を時系列にたどって天気を推測したり。。「考証好き」はその頃に身についたものかも。

by hn-nh3 | 2018-10-28 09:38 | ロレーヌシュレッパー系 | Comments(8)

7年目(Semovente da47/32)


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何を隠そう、デモデリ1号:Semovente da47/32。2011.12-
ずっと離れていた模型趣味が復活するきっかけとなったイタリアの小型自走砲。AMAZONでたまたま見つけて、とっくに模型作りをやめていたのにどうにも抑えきれなくなって買ってしまったのが7年前。

カッターだけは他にも使うことあったから残してあったけど、ニッパーも接着剤も塗料も資料も全て処分。模型を作る環境がきれいになくなっていたから、届いてしまったAMAZONの箱の中のキットを前に呆然としましたね。100円ショップでニッパー買って、パテ替わりにする瞬間接着剤をコンビニで買って、ヨドバシカメラでリモネンセメントという「身体にいい」接着剤買って、これを作ったら.. ふたたびこの気持ちに蓋をしようと思いつつ。

d0360340_13024370.jpgキットはイタレリ。 イタリア軍の軽戦車L6をベースに47mm対戦車砲を搭載したオープントップの車両。300台が作られて、チュニジア、シチリア、そしてイタリア降伏後のドイツ軍でも使用。
 
小型車両が好きで自走砲好み、イタリア車両が好きだったので、これ見たら、やっぱり作るしかないという気持ちになってしまいました。2011年の暮れの頃。

しかし、制作は大変でしたね。長いブランクあったし、モールドは繊細でも嵌合はいまひとつで歪みがでないように隙間を埋めたりしながらの作業。おまけにリモネンセメントが初期強度が低いなんて知らなかったから、パーツがくっつくまで手で押さて息を止めて、履帯なんか1コマ1コマ接着しながら組み立てましたよ。

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塗料は水性アクリル系のライフカラーを四谷仙波堂で購入。内部の塗装、タイヤのゴム、履帯や車載工具など鉄部を塗り分けて、さて.. マーキングとウェザリングはどうしよう? と手が止まったところで長考に入ってそのまま現在に至る。

とりあえずの基本塗装が終わった段階です。これをブログに載せるかどうかはちょっと迷ってましたね。組み立て途中だったらどう見ても未完成の姿で「経過報告」というスタイルをとることもできるけど、基本塗装完了という状態は一番始末が悪い。作品としての完成には程遠いけどプラモ的には完成ということもできる訳で..
だけど、恥を忍んで見せてしまいましょう。箱の奥にしまい込んでいても仕方がないし。Let It Be.. ありのままに、なすがままに。

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イタリア戦車の後ろ姿、いいですね。CV33 ..L6/40軽戦車系、..M13/40中戦車系..と基本的なパターンは不変。

戦闘室内にコードを加したり、車体後部のワイヤーを電線ほぐした銅線を捻って自作、ワイヤーを引っ掛けるフックをエッチングパーツの余りの真鍮板で自作したぐらいで後はほぼ素組み。また時期を見てウェザリングとか手を入れてみたいですね。

これ完成させたらもう一度やめようと思ってたけど、まだ未完成。結局7年もまたこの趣味続けてます。


追伸)
Let It Be.. 何気なく文中でこの言葉を使って、久しく聞いてないことを思い出した。
あらためて聞いてみるとやっぱりいいね。泣けてきた。
The Beatles:Let It Be (album ver.)



by hn-nh3 | 2018-06-06 14:09 | Semovente | Comments(8)
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オチキス改造自走砲、Panzerjager 39(H)7.5cm続編。 
自走砲って好きです。オープントップの車両は、戦車だと分厚い装甲板に隠されてしまう内部の複雑な機構が全部見えたりして、模型としての見せ場が多いところでしょうか。作るのに手間がかかるから完成までたどりつかなかったりするのですけど。

思えば、デモドリ1号はセモベンテL40 da47/32(イタレリ)、2号は Sdkfz.138/1 15cm自走重歩兵砲 グリレH型-極初期型(ドラゴン白箱)、そして3号がこのオチキス改造自走対戦車砲(ブロンコ)。

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d0360340_07201052.jpg戦闘室内部の造作はBLAST Modelのレジンキットを利用。当時の写真で内部がわかる写真も少ないのでよくリサーチされたこういうアフターパーツがあると助かります。

対戦車砲型では現存車両はないものの、10.5cm榴弾砲搭載型はソミュールに現存。それも内部工作の参考になります。ただし戦闘室デッキ後部の床板が失われているなど不完全な状態なので、車両の正確な再現とはいかず、その他断片的な資料とあわせての推測になる部分も。

戦闘室後部、エンジンデッキの脇にセットバックしたニッチ状の窪みは何のスペースなのか。ここは資料のない部分ですが、海外のモデラーが即応弾ラックの場所と推測していたのに倣って、想像で作ってみました。ロレーヌシュレッパー車台の対戦車自走砲:Marder1にも即応弾ラックはあるので、その可能性はありそう。

外から見える部分の戦闘室内の塗装は、車体色のパンツァーグレー。砲架下から運転席への隠れる部分は室内色の白で塗ってあります。この塗り分けはハーフトラック(Sdkfz251)やグリレH型の当時の写真で確認できるパターンを踏襲してます。エンジンのミッションやキャブレターは、オチキス戦車の内部塗装色を調べて、ライトグリーンとブルーで塗装。実際には改装時に車体色と同じグレーで塗りつぶしてしまっているような気もしますが、そこは模型的なアクセントとしての判断。

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1944年のノルマンディ戦で使われたのに...何故イエローベースの3色迷彩ではなく、グレーで塗っているのかということに対する答えはコレ。

残っている数少ない記録写真で確認できる内部塗装色はダークイエローよりも暗い色。左下の写真でよくわかります。PAK40の砲尾は明るいダークイエロー。防盾内側はそれよりはるかに暗い色。装甲板の角度で暗く見えているということを考慮しても、ダークイエローではないことは確か。BLAST Model の組立て説明書にも内部色はグリーンかグレーかもね、との言及あり。

右下の破壊された車両の矢印部分。側面装甲板が吹き飛んで、インナーシールドに色ムラはが見えます。外部がダークイエローでオーバーペイントされたとき、側面装甲板が邪魔になって塗料が届かなかった部分にロールアウト時のグレーが残っているのだと想像します。戦闘室内も暗色に見えますが、これは装甲板の角度で暗く見えてたり、火災でススがついた可能性もあるので、内部がグレーで塗り残されていたのか外部同様にダークイエローでオーバーペイントされていたのかは判断がつかず。

右上の内部写真は左上の後ろ姿の車両と同一車両のものと思われますが、影になって色調の判別は難しいところですが、機銃架や無線機ラックはダークイエローか。戦闘室の後ろ扉は内側にもダークイエロー、3色迷彩が施されているのがわかります。これは戦車のハッチの内側を車内色でなく車体外部色に塗って、解放時にも目立たないようにしていたのと同じ塗り方。

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正面、側面の写真。周囲の建物から判断して、上図左上の後ろ姿の写真と同一車両と思われます。いろいろな角度から撮ってあってグッドジョブ。この写真の原版までたどり着ければ他の部分も写したカットなどまだまだ発見がありそうだけど、いずれも原典不明。

d0360340_09514518.jpgこれは10.5cm砲タイプですが、戦闘室内部のディテールがわかる貴重な写真。
原典はWaffen-Revue70か。

この写真を見ると、戦闘室内部は外側のダークイエローとは全く違う暗色で塗られていることがわかります。
外防楯と砲身はダークイエロー。内部は製造時に塗られていたと思われるフランス車両系のグリーンか、1943年までの独軍制式色のパンツァーグレー。

ルノーR35を改造した4.7cm対戦車自走砲の塗装色はグレー、ロレーヌシュレッパー自走砲で同じくグレー塗装のカラー写真があることから判断すると、製造が1942年のこの車両もロールアウト時には内外ともにパンツァーグレーで塗られていたのでしょう。
そしてこの車両に限らず、その後の制式色の変更にあわせて車体をダークイエローに塗り替えが行われ、必要に応じて迷彩も施されたと想像します。

オープントップの戦闘室内側の塗り替えをどうしたのかは、車両ごとケースバイケースだったと判断しています。たとえば、ロレーヌシュレッパー15cm自走砲の戦闘室内側にも迷彩(イエロー+グリーン)が施されている車両などの写真も残ってます。後記のPANZERWRECKS15に掲載されたパリのバリケードに使われたオチキス車台対戦車自走砲の戦闘室内側はダークイエローに塗られていたことが写真で確認できます。

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というわけで、製作中のキットはとりあえずロールアウト時の塗装色の状態。ラッカー系の錆止色サフに水性アクリル系のライフカラーで塗装。カッターを引っ掻いて塗装剥がれを表現してみたけどまだるっこしかったのでアルコールで拭いてみたらごっそり塗膜が剥がれました。加減が難しい。

この後、ダークイエローでオーバーペイントして三色迷彩にする予定でしたが、内部までダークイエローを吹くのか迷彩はどんなパターンにするのか思案しつつ、そして5年の月日が流れすぎ...
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車体底面。ここはイエローでオーバースプレーはされない場所になるので、グレーのまま使い続けられた設定。ピグメントで汚してみました。底面の丸い脱出ハッチは、プラ板で追加工作、サスペンションの取り付け基部のプレートもキットでは省略されていたので、実車の写真を見ながらそれらしく追加。

戦車の裏面がわかる写真は博物館車両でもなかなかなくて、ましてや記録写真となると...
リサーチしていたとき、ノルマンディ戦で使われていたフランス系車両の写真を追跡しているおもしろい記事があったので、参考までにリンク貼っておきます。

道端でひっくり返っているルノーR35やオチキスH39。1944年でも結構使われてるんですね。

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その他、このオチキス車台の7.5cm対戦車自走砲を詳しく分析しているペーパーを見つけたので、レファランスとして載せておきます。
これは本来は参照元にリンクを貼るか、引用元を明記すべきものなのですが、見つけたときから時間が立ってしまい、元ページにたどり着けず、検索してもわからなくなってしまっていることもあるので、モデリングの参考までに、ひとまず別サーバーにアップしたものにリンク貼っておきます:Marder l : A quick guide 1-3

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必要な資料は後になって発見される、というのもよくあること。

キットのフォルムがなんか変だと気になってリサーチして海外のモデラーも同じこと気にしてた記事も見つけたりして、それらを参考にキットの戦闘室の装甲板の角度を改修。BLAST Modelsのパッケージ写真でもわかるように、キットのフォルムからはずいぶんと正確になったと満足していたのですが、その後発売されたPANZERWRECKS15(p8-9)を見て真っ青。
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防楯が失われて戦闘室装甲板の前部形状がはっきりとわかるその写真は、前面装甲板が車体と接続する箇所ががフェンダーと車体の接する部分ではなく、だいぶ内側に入り込んだところにラインがあるのを確認できます。

確かに、そこに切り替わりのラインがあると、キットでは防楯の装甲板の角度と戦闘室装甲板の角度が大きくずれているのが、より自然な関係になるので合点のいく話。
これは気がつかなかったなー。ついついドイルさんの元図面に引きずられて、切り替わりのポイントは現存する10.5cm砲搭載型と同じフェンダーと車体の接する部分だと思い込んでた....

しかしそうと知ったら、他の写真もなんとなくそんな感じで見えてくるから人間の目というのは信用ならない。

by hn-nh3 | 2018-05-20 11:58 | Hotchkiss系列 | Comments(4)
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7.5cm PaK40 (Sf) auf Geschutzwagen 39H (f)

急ぎの仕事で立て込んでいるのと、メッシュパーツの調達待ちでKV-1戦車の制作は停滞。今週はブログ記事落とすと思いきや、ありますよ.溜め込んでいるネタいろいろ。そういう時のために作りかけの模型が山のように。

旧作紹介。デモドリ3号のPanzerjager 39(H)7.5cm。2012年5月〜

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下地塗装まで進んだところで中断していたキット。1940年のフランス戦で大量に鹵獲したオチキス戦車の車体上部を取り払って、7.5cm対戦車砲搭載の自走砲に改造したこの車両。1942年に24両が作られて、44年6月のノルマンディ戦に投入されたと言われています。このオチキス車台の自走砲は、Marder1でひとくくりにされたり、7.5cm PaK40 (Sf) auf Geschutzwagen 39H (f)という表記だったり、簡単で的確な呼び名がないのが残念。

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この対戦車自走砲を作ったのは、魔改造先生こと、アルフレート・ベッカー少佐のBaukommando Becker。
この話はどこかでやりたいと思ってました。ロレーヌシュレッパー車台に対戦車砲を乗せたMarder Iとか、ソミュアMGCハーフトラックにロケットランチャー積んだり、みんなこの人の仕業。
(写真出典:wikipedia commons)

中古のフランス製車両にドイツ製戦闘用品を積んだ強引なシルエットとか、即興仕事のようで無線機は抜け目なく積んでたり、こういうハイブリッドな感じは好みです。

38(t)戦車車台をベースにしたHETZERを好きなのも同じ構図だから。あれはドイツ戦車じゃなくてチェコ製戦車ですね。搭載砲だけドイツ製。
自走砲で最強のナースホルンとか最強駆逐戦車のヤークトパンターなどは美しいシルエットですが、純正品のソツのなさというか、イマイチ面白みに欠けるというか。

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オチキス車台の自走砲には対戦車砲型と榴弾砲搭載型の2タイプあって、10.5cm砲を搭載したものは、その昔、グンゼのハイテクキットでリリースされたことがありました。お値段もハイテクで当時高校生だった自分には手の届かないものでしたが。

時代が変わり、10.5cm砲搭載型も7.5cm対戦車砲型もインジェクションキットとしてリリースされるなんて、そんな未来がくるなんて信じられなかったですね。タイムマシンと、どこでもドアは未だに実現してませんが.. あの頃は、AMAZONという名の有料4次元ポケットも想像の外側。

この自走砲はBroncoとTranpeterの2社からリリースされていて、データー盗用があったとかないとか言われてますが、こんなの競い合って出してどうしたんだという気もしますが。
私はBronco版で制作しました。メーカー初期の製品だったりして、ディテールとかパーツ勘合とかイマイ微妙。もっとも制作当時は出戻ったばかりでドラゴンのスマートキットなど21世紀水準のキットに疎かっちゃのでそんなに苦にはならなかったです。


しかし。それ以上に問題だったのは、「実車に全然似ていない」という話。
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(YouTube:Rommel Reviews the 21st Panzer Division/0:10)

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ロンメル将軍の謁見を受ける第21戦車師団の動画、 冒頭10秒ぐらいにちらりと映るこの車両のシルエットと、この側面図(トランペッターのキットのインストにあったものの左右反転)が全く違う。トラペのキットもブロンコのキットのどちらも図面のようなシルエット。前面装甲板の角度がまったく違う。

なんでこんなこと起きたかということには理由があります。両社のキットの設計の元になっているのがドイル先生の作った図面で、この側面図もそれを下敷きにしたものです。しかし、このシルエットは7.5cm対戦車砲型のものではなく、10.5cm榴弾砲搭載型。おそらくはソミュールに現存する10.5cm榴弾砲搭載型を測って起こした図面を元に、搭載砲と正面シールドだけ7.5cm対戦車砲に置き換えたからです。
対戦車砲と榴弾砲では砲架の大きさが違って、榴弾砲型では前面装甲板の角度が垂直に近い形状になっているのをそのまま対戦車砲型に当てはめてしまったからだと思われます。

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動画からキャチャした画像に加筆して正しいシルエットを探ります。これを元にキットの戦闘室装甲板を切断、前面装甲板の角度を修正しました。
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製作中に撮った写真をどこかになくしてしまったので、どこまでがキットの部材でどこがプラ板細工なのかが見せられないのは残念ですが、とにかく修正後はこんな感じ。錆止め塗料のレッドサイドカラーのサフェーサー吹いて、パンツアーグレーを吹いてアルコールで塗料を少し落としてみた段階。
ノルマンディ戦の頃はダークイエローにグリーンとブラウンの三色迷彩を施されてますが、工場からのロールアウトは1942年なのでおそらくは最初はこの色だったと想定。この後にダークイエロー単色迷彩の状態でロンメルの謁見を受けて、連合軍の上陸の前に三色迷彩を施されたと思われる、その過程を塗料のハゲなどで再現してみようと考えてました。そこで現在に至る...という状態。
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オープントップの車両の魅力は戦闘室内の工作。戦闘室前面の2重装甲はプラ板で制作。7.5cmPAK40 対戦車砲はタミヤのMarderⅢから流用。砲架のまわりの半円紡錘状のインナーシールドはプラ板を湯呑みに巻きつけてお湯を張った鍋でことこと煮て整形。無線機、MGドラム弾倉ラック、砲弾ラックはBrast Modelのレジンパーツを利用。無線機にはエナメル線で配線追加。MG架はキットのエッチングパーツをベースにディテールアップ。
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足まわりはキットのものを使ってますが、かなりファジーでしたね。鋼製転輪はリムが厚ぼったかったので、手持ちドリルレースで内側から薄く切削。誘導輪は実車はプレス部品なのかエッジ部分に返しがある形状になっているのがキットでは再現できていなかったので、精密マイナスドライバーを当てて削り込み。ホイールキャップ周りのリベットも追加したかな?
昔のことで記憶が曖昧。フェンダーは薄々加工。車体前面の鋳造スポンソンの形状も修正したように思います。写真に撮っておくかメモ残しておかないと忘れてしまいますね。あちこち埃にまみれてるのはご愛嬌。ウェザリングではありません。
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後ろ姿。見よこのブサカワぶり。よわよわナースホルンという雰囲気がなんとも。
リメイクという訳ではないけど、ぼちぼち制作再開して時間を経て3色迷彩になった塗装の質感を再現したいと思ってます。ぼちぼち。

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そう、SUMICONで来月くらいから制作開始する、同じくBaukommando Becker製のロレーヌシュレッパー15cm自走砲。そのちょっと個性的な迷彩塗装の習作のつもりで、この機会に積年の未完成キットを完成させてみようという魂胆、なのです。
そんな訳で唐突に伏線回収。

デモドリ3号、不定期連載(の予定)




by hn-nh3 | 2018-05-16 21:45 | Hotchkiss系列 | Comments(6)