断片的思考のメモ


by hn-nh ( or hn )

模型的日乗 4月

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野に山に花咲く季節。ニッパーを捨てて街に出よう。下北沢や秋葉原など散歩して見つけた今年の春のお買い物。

d0360340_11573682.gifSTAR DECALS:1968年、プラハの春と言われるチェコの民主化運動に軍事介入したソ連・ワルシャワ条約機構軍のT-55/54戦車ナンバーのデカールセット。5種類の車体が再現可能。

今年、2018年は「ダニューブ作戦50周年」なんだそうな。
当時、ワルシャワ条約機構の同盟国の一員であったチェコスロバキアに介入して民主化の芽をあっさり摘み取ったこの作戦。1968年8月20日の深夜、ソ連・ワルシャワ条約機構軍がチェコ国境を突破して首都プラハに侵攻。「同盟国」のチェコも同じT-55戦車を装備していたので、敵味方の識別用の白い十字のマーキングを施した戦車の群が、朝になったらプラハ市内の街路や広場を占拠していたという出来事。

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(photo : Josef Koudelka / Invasion 68: Prague)

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突然にこんな風景ですよ。びっくりなんてもんじゃないですね。改革を主導したチェコ共産党第一書記のドプチェクは拘束されてモスクワに連行。

軍事介入に抗議するプラハ市民の様子を写真に撮って西側世界にフィルムを託した写真家、ジョセフ・クーデルカの話は前に書いた記事:8月のプラハ(1968)を参照。

「ダニューブ作戦」に投入された白い十字をまとったT-55/54戦車。
自由を求める市民の敵と見るのか... 行き過ぎた政治から解放する十字軍と捉えるのか... どっちの側から見るかで変わってくる話でもあるし、その答えは歴史に委ねるとしても模型的には少し気になるアイテム。

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(photo : Josef Koudelka / Invasion 68: Prague)

d0360340_17522832.jpgバリケードを作って抵抗する市民とT-55の上で銃を構えるソ連戦車兵。ペンキ缶を投げつけれらたこの車両はデカールの[A]のセットで再現できます。

ロシアのガレージキットメーカー:TANK(タンキ)から、上の写真の兵士たちがフィギュア化されるニュースもありましたね。

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(photo : Josef Koudelka / Invasion 68: Prague)

おっちゃんに石を投げられてるこの戦車はT-55か。現用戦車には疎いのでプラハに侵攻したT-54AもT-55もみんな一緒に見えてしまうのですが、ここ数日調べて、なんとなくわかった識別ポイント。

T-54A:
・砲塔上部にお椀を伏せたようなベンチレーターカバーがついている
・砲塔右側の装填手用ハッチ基部が左側の車長用キューポラ同様に盛り上がっている
・この型より車体後部の燃料ドラムタンクが標準装備。
上のカラー写真に登場する027号車はT-54A。デカール[E]のセットで再現可能。

T-55:
・砲塔上部のベンチレーターカバーがなくなりフラットになる
・砲塔左側の車長用キューポラのボルトジョイントが露出
・砲塔右側の装填手用ハッチがフラットになる

T-55A:
・砲塔左側の車長用キューポラの周りに放射線防護カバーがつく

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白の識別帯は砲塔頂部で十字にクロスしているパターンと横帯が砲塔ハッチで途切れている2つパターンがあるようです。これの法則性は要リサーチ。

広場で市民に取り囲まれる戦車群は砲塔のベンチレーターカバー無し、フラットな装填主ハッチ。車長キューポラ周りのボルトなどの特徴からしてT-55戦車。
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(photo ; Franz Goess / 1968.8.21)

1968年の話なので、カラー写真も結構残ってます。この車両はT-62でしょうか。

d0360340_18161782.jpgちょうどこの年の8月にリリースされたビートルズの「ヘイ・ジュード」を歌い自由を求めたプラハ市民。そんなことを想像しながら戦車にデカールを貼るのは、なんだかアンビバレンツな作業になりそうです。...そうか50年前の曲になるのか... 既に歴史の1ページになってしまうのかと思ったら、自分の生まれた年だったりして...

現用戦車というとずいぶん大きな車体をイメージしますが、T-54/55はとてもコンパクトな車体で「大戦期のKV戦車より車体長、幅ともに小さい」ということを知って少しびっくり。

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もう一つの買い物。KV-1 鋳造砲塔1941年型。再販なったトランペッターのキット。

d0360340_13551462.jpgキット名は「KV-1重戦車 1942年型 鋳造砲塔」。車体後部装甲が丸い形状の前期型車体。砲塔の後部機関銃座の周りの補強リブなしの初期型鋳造砲塔。
タミヤで「KV-1C」という名前でキット化されているのと同じタイプですね。

どうせ買うなら車体後部装甲が斜めの直線になった1942年型か、タミヤでキット化されてない溶接砲塔とかにすればいいのに、とも思いましたが、このタイプの形が好きなんですね、やっぱり。
模型映えするなら、ボルトオン増加装甲(エクラナミ)など、前なら迷わず買ってたと思うけど、なんとなくあっさりしたのが好きですね、最近は。 歳とったかな.... カツカレーよりも煮魚。寿司屋でつまむのも中トロより干瓢巻き。 

キットの値段も2000円そこそこと発売当時と値段が変わらないのも嬉しいところです。しかしなぜ今、KV戦車なのかというと。私、1995年頃から2010年まで模型づくりから離れてたんですね。だからトランペッターからKVシリーズが相次いでリリースされた時とか緑箱の名作を発表していたドラゴンの黄金期は全く知らないんですよ。

2011年に模型づくりに復帰したものの、空白の時期にリリースされたキット群は既に市場になく、いつか再販された時には...なんて思って、本体も持ってないのに魔が差してMasterClubのメタル履帯を先に買ってしまったりしたので、今回の再販は嬉しい出来事。

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MasterClubの履帯は、KV用スプリットタイプ。2分割でセンターガイドのないピースとセンターガイドのあるノーマルなピースを交互に繋いだ1942年型でよく見かけるパターン。いつ頃からこのタイプが採用されたのかよく知らないのですが、1941年型前期車体/鋳造砲塔の車両でもこのスプリットタイプの履帯を履いている写真も残っているので、このキットの組み合わせはエラーではなさそう。

トランペッターのKV-1戦車。箱を開けて部品の少なさにびっくり。その気になれば1日で組めてしまいそうですが、第一上部転輪の位置が違うとか、いくつかのトラップがある様子。作る前に少し調べてみないと思わぬ罠にかかりそう。
ん? もう組んでるじゃないかって... いやパーツの勘合とか調整箇所を確認するための仮組です。カ..リ..グ..ミ。


by hn-nh3 | 2018-04-11 18:11 | 日々 | Comments(4)